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こちらには『アレキの心音』
のネタバレがあります。

牧志 浩太

お人好しで温厚、だが意思は強い好青年だったが……。
とある事情で二年より前の記憶の大半を失い、代わりに悪魔使い波照間紅の記憶を持っている。
首から胸へと続く奇妙な【契約】の痣がある。たまに痛むという。
生贄体質らしく、事件に巻き込まれることが多い。

少し前に狂気に冒され、大きな存在の視線を感じている。

佐倉とは友人。


佐倉 光

サマナーで悪魔退治屋。ハッカーでもある。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年。とある事件より、体中の痛みに悩まされている。
基本悪魔を召喚して戦うが、悪魔との契約のカードを使ってその力を一時的に借りることもできる。

巻き込まれ体質らしい。

牧志とは友人。


とある事件以来、特殊な事情のため二人が面倒を見ることになった少年。
超美形で類い希な理解力と知性を有する。
年齢は7歳程度。生育環境が特殊だったため、一般的な教育を受けていないので、言語が年齢の割に幼い。最近になって急に一般的な生活を送り始めたので、外界への興味が強い。


少し前に現れた6人の異星人。佐倉と契約して彼の仲魔として存在している。
その正体は、何にでも変身して喰らい殖える不定形生物だったが、『人間』としての意識を持ち、この星での人間との共存を試みている。


前日譚

首筋に針を刺される。何かが入ってくる。
それが皮膚の下を這いずり回るような感触に、眩暈と吐き気が、意識を、視界を強く揺らした。

気持ちが悪い。
吐いてしまいたいのに、四肢の末端まで力が入らない。
身体を無理やり動かされる感覚がする。
抵抗は無意味だった。

意識が暗がりに落ちる直前、眩しいほどの白いライトの光を照り返す、メスの切っ先が見えた。
牧志 浩太
あーあー。また実験されちゃうのか。
不定どうなってる?
KP
ところでそろそろ二人の不定について治ってるかどうか決めた方がいいように思います。
牧志 浩太
あ、確かに。ですね。
そこそこ楽しんだしシナジーもあったし、治ってからの方が綺麗かな?
KP
牧志くんのは長かったよなたしか。
牧志 浩太
あー、そこそこあった気がします。何ヶ月だったかな。
KP
まあ休みなしで怪異塗れも可哀想ですしね、治しときますか。
牧志 浩太
それでお願いします。
ちょっと今確認する時間が無いので、卓の後にでも確認します。>何ヶ月
KP
はーい
牧志 浩太
六ヶ月ですね。長かった。>不定
KP
心臓じゃなくて心音だった>アレキ
牧志 浩太
おおっと 心音だった
先日までの不定内容とも重なりますな
KP
そういや不定なんですけど、牧志のはすこーし残ってる事にしよう。終わり際って感じで。
牧志 浩太
お、分かりました。
KP
で、不定治療分ダイス振ってもいいや。佐倉の不定はさすがに終わってるかな。
5ヶ月分どぞー
佐倉のチック症随分ながいな。いつから今の狂気になったんだったか。
牧志 浩太
眼窩のときだったような。
KP
こんなかんじでした。

『眼窩に祝福』
 【佐倉】心音フェチ3ヶ月
【牧志】「自身の眼に対する恐怖」3ヶ月

『せんたく』

『嗚呼、素晴らしき偶像!』
 【佐倉】『制御不能のチックが出るが、牧志の心音を聴いていると軽減する』 5ヶ月

『俺の恋人が庭からボコボコ生えてくるんだが!?』

『青に染色』
 【牧志】『自分の腕や脚が溶けて不定形の化け物になる幻覚』6ヶ月

『あのこが巨大化するシナリオ』

『禁獄ノ糸』
 【牧志】『○○に見られ続けている』5ヶ月

『ド~プ・アップ・チリ~』

『晴れのちラプンツェル』

牧志が見事にトレインしてる。
牧志 浩太
最大正気度がだいぶん下がっているのもあって、不定から抜けてはまた不定に入る。

不定治療
KP
不定治療分、5ヶ月。
病院に行った事にしてもいいし、家でゆっくり話した事にしてもいい。
牧志は回復ダイスを振る事。
牧志 浩太
適宜病院に行きつつ、ゆっくり家でも話していたかな。
たまに牧志sにも手伝ってもらっていたかもしれない。
1d100 回復判定 Sasa 1d100→37
1d3 回復 Sasa 1d3→3
1d100 判定 Sasa 1d100→17
1d3 回復 Sasa 1d3→2
1d100 判定 Sasa 1d100→97→致命的失敗ファンブル
oh。
1d6 ダメージ Sasa 1d6→6
oh。
KP
おいおい
帳消しレベルじゃん。
牧志 浩太
1d100 判定 Sasa 1d100→15
1d3 Sasa 1d3→3
1d100 回復 Sasa 1d100→51
1d3 Sasa 1d3→1
3+2-6+3+1=+5かな。正気度57で開始。
KP
佐倉も回復処理します。
1d100 Sasa 1d100→16
1d3 Sasa 1d3→3
1d100 Sasa 1d100→76
1d3 Sasa 1d3→2
1d100 Sasa 1d100→35
1d3 Sasa 1d3→1
1d100 Sasa 1d100→92
1d3 Sasa 1d3→2
8点。
と思ったけどほぼマックスだわ。1点だけ回復。
無駄振りしちゃった。

牧志は回復処理中にファンブルした上6ダメージを叩きだしてしまう。総合では+5の黒字だが……
牧志 浩太
SAN 57
ちょっと不定回復中の描写します。まず宣言のみ。
KP
これは多分随分前の事と思われますので、好きに描写して構いません。
牧志 浩太
はーい。

KP
あなたの心の痛みを、あなたの隙間に白く蠢くものを詰め込もうとする視線を、
あなたや周囲の人々はなんとか癒やそうと努力したに違いない。
牧志 浩太
髪をかけて走り回ったあの出来事からしばらくはまあ、平穏だった。

平穏になったらなったでまた溜まる補習だとか、やっつけることが山のように溜まっていて、その忙しさが心を逆に癒してくれた。

蟲の神がこちらを見ていようが、俺がまだ偽者なんじゃないかという違和感が訪れようが、明日は来る。そのおかげで前を見ていられた。
牧志 浩太
無理やり心を持ち上げられた時に打たれたのだろう薬が切れたらしい時は、反動で随分不安定になった。
身体が勝手に溶けたり跳ねたりしだしてまともに動けなくて、数日は家から出られなかった。
KP
なるほど無理矢理上げられたからだったか……
牧志 浩太
あれだけ一気に正気度上げるとなると切れた反動とかありそうだなって。
牧志 浩太
それから浮いたり沈んだり急いだり転んだりしながら、どうにか心の平穏を取り戻していった。

家に帰れば仕事に出かける佐倉さんとすれ違ったり、シローと三人で朝食や昼食をともにしたり、なんでもない話をして寝たり、一緒にパズルやったり図書館に行ったり……。

そんないつもの日々が、目を開ければ目を閉じる前と同じように、そこにある、というだけで涙が出るくらい嬉しかった。
牧志 浩太
そんな一日一日を繋ぎながら、今日も過ごしていた。
牧志 浩太
大病をしたのか、と聞かれる頻度が随分増えた気がする。
KP
最近ようやく『何も無いのが日常』になりつつあった。
『平和なのが日常』になりつつあった。
夜に佐倉が出かけたとしても、翌日眠そうな目をしてきちんと戻ってくるのが当たり前になっていた。
行方不明事件もなく、いきなり奇妙な空間に拉致されるような事もない。
それでも毎日飲まなければいけない薬と、あなたを見つめるしろきかみの目が、『忘れてはならない』と冷や水をかけてくる瞬間もあった。
それでも日常をゆったりと渡る日々が続いていた。
牧志 浩太
ようやく、ようやく、佐倉さんを見送ったあと、ちゃんと戻ってくると思えるようになったのだ。
いつも暗がりを気にして歩くのを、大学の中でくらいはやめられるようになった。

KP
そんなある日のこと。
佐倉 光
「明日からさー、ちょっと家あけるから」
KP
佐倉が仕事の準備をいつもより少し念入りにして、いつものエネルギーバーを多めに鞄に詰め込んでいた。
佐倉 光
「多分2~3日かかるんじゃねーかな。連絡、できたらするけど無理かも」
牧志 浩太
「えっ? 分かったけど……、連絡もできないって、結構大掛かりだな。
先輩も一緒?」

二三日連絡できない。そう聞いて、不意に不安がさした。
あの時は四日だった。あの時は……、あの時も、一年後だった。
牧志 浩太
そんなことを言っても仕方ない。すぐに不安を飲み込む。
立ち竦んで何もできなくなったら、あの繭の中と変わらない。
佐倉 光
「ああ、全員かり出されるんだよ。結構広くて厄介な異界が発生してるらしいんだ。
それなりに強いのもいるみたいだし、浩子さんたち出して行くわけには行かないから、悪いけど一人でやっててくれ」
KP
佐倉はショットガンの中を清掃している。
佐倉 光
「まあこれ掃除しても意味ねーと思うけどさー」
牧志 浩太
「分かった、それは大変だな。
ああ、頑張って。
あんまり長く戻らなかったら探すよ」

随分厄介な仕事らしい。どうやら不安に思っている場合じゃなさそうだ。
不安を横に投げて笑う。

どうやら先輩も一緒らしいから、二三日が過ぎて戻らなかったら、一度先輩に連絡してみよう。
佐倉 光
「ああ、異界からでも連絡してみるから。
大丈夫だって、二週間前の時だってなんともなかったろ?」
KP
佐倉は二週間前にやはり数日家を空けたときの事を引き合いに出した。
牧志 浩太
そうだったな、と頷く。
それでも毎回不安になってしまう癖は、やっぱり抜けないのだった。
佐倉 光
「けどもしなんかあったら、助けに来てくれよ。現場、港区らしいから割合近いぜ」
KP
彼は「あと頼んだ」と笑って、家を出たのだった。
牧志 浩太
一日目。
目を覚ますと佐倉さんがいなくて、メッセージを確認しようとして、ああ仕事だったっけと気づいた。
牧志 浩太
二日目。
目を覚ますと佐倉さんがいない。
慌てそうになって、スマホの通知の一番上にピンされた「佐倉さん仕事中」の表示に気づいた。
KP
だいじょうぶ今までに何度も長期の仕事はあったけど、ここ暫く全然平気だったから。
牧志 浩太
だからこそ頷いて送り出したのに、ここでなんかあっちゃうんだなぁ。
KP
そして、あれから三日目。
案の定、というかなんというか。
メールも電話も繋がらず、あなたは随分と不安にさせられた事だろう。

朝食時にシローがつけたテレビでこんなニュースがやっていたから尚更だ。
「次のニュースです。本日未明、東京都港区工事現場で男性の遺体が発見されました。
警察によりますと、遺体で見つかったのは東京都港区の会社員、XXXXさん(36)です。
同居している女性から「XXXXさんが数日家に帰って来ない」と昨日夜警察に通報があり、
捜索したところ、自宅から数十キロ離れた工事現場で倒れているXXXXさんの遺体が見つかりました」

「遺体は胸元が開かれており、心臓だけが失われた状態だったとのことです。
このような不可解な遺体が見つかるのは今月に入って4件目で──」
牧志 浩太
三日目──
普通に過ごしているつもりだったけど、落ち着けていないらしくて大学で友達に心配された。
普通に過ごせば過ごそうとするほど、意識の端で糸を張るように、あらゆる情報に目耳が敏感になっていく。
牧志 浩太
その耳にそんなニュースが飛び込んできてしまったものだから、落ち着いてはいられなかった。

佐倉さんは悪魔使いで集まって仕事に当たっているはずだ。先輩だって一緒にいる。それだけの人数がいる。
殺人犯だって何かだって、異界の中までは手を出せないに違いない。
仕事が終わって異界を出たら連絡をくれるはずだ。大丈夫。
牧志 浩太
そう思うのに、心臓が気持ち悪かった。
牧志 浩太
港区……。
学校が終わってまだ佐倉さんから連絡がなかったら、明るく人がいるうちに一度その方面に足を伸ばしてみようかと考える。

しまったな。仕事場、区のどのあたりなのか聞いてなかった。
KP
「さくら、今日帰ってくる?」
シローが少し心配そうに呟いた。
佐倉が長く帰ってこないときに不穏なニュースが流れるといつも心配する。
それが北海道だろうと沖縄だろうと。
牧志 浩太
「大丈夫。今日か明日か、ちゃんと帰ってくるよ」
シローを安心させようと、無理に笑みをかたちづくる。
KP
「うん」
シローはこくりと頷いた。そしてまたいま読んでいるあなたの蔵書の世界に戻っていった。
KP
異界は現実と時の流れが違う事もあるという。
それに相手は悪魔だ。予想が外れる事も多々ある。
そのため仕事の終了時間はあくまで予測でしかない。
予告より早く戻る事もあるし、予告より長くかかる事も珍しくない。
今回も……そうなのかもしれない。
牧志 浩太
そういうことは何度かあった。数日ずれたことも、ある。
その度に俺は不安になってしまって、でも毎回拍子抜けに終わった。
シローのためにも、そろそろ慣れるべきなのかもしれない。

でも、そう思う度に、ガラス張りの空間が頭の中をちらつく。
見逃してしまったら、見過ごしてしまったら二度はないんだと、頭の隅で俺が叫んでいる。
KP
もしかしたら今回も、「遅くなってごめん」と慌てたような嬉しそうな声で不意に着信が入るのかも知れなかった。

KP
今日は快晴だ。あなたは、どうする?
【アイデア】をどうぞ
牧志 浩太
1d100 90 【アイデア】
む、Sasaさんオフライン。
牧志 浩太 - 今日 8:53
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 51 > 成功
KP
ニュースにあった遺体の発見場所を探すなら、
ネットで検索してみれば、物好きが調べ上げていたりするかも知れない、と思いついた。
詳しい場所が特定できなくとも、工事現場なら目立つ。
ある程度場所を絞り込む事はできるのではないだろうか。
牧志 浩太
やっぱり無理だ。
不安を紛らわせようと、スマートフォンを手に取る。

何度不安に思っても俺が消耗するだけだけど、見過ごしてしまったら二度はないのだ、そう思ってしまうともう止められなかった。

思考が空く瞬間に耐えられなくて、何か動いていたいだけなのかもしれなかった。
牧志 浩太
遺体の発見場所を探してみよう。
KP
では、〈コンピューター〉または〈図書館〉でどうぞ。
その他、何か思いつくようならほかの技能でも良い。
牧志 浩太
牧志 浩太 - 今日 9:16
CCB<=85〈図書館〉1D100<=85) > 45 > 成功
牧志 浩太
Sasaさんオフライン状態が続いてるようなので、オンラインに戻るまでココフォリアです。
KP
はーい

KP
「死体見つかったとこ」
という言葉とともにSNSに投下された地図に返信がついている。
「絶対ここ。近所だけど警察来てた」
「マスコミいたみたい。心臓抜かれてたらしい」
「臓器ブローカーじゃね?」
そんな電脳野次馬のお陰で、現場はすぐに見つけられる。
牧志 浩太
助かるとともに、口さがない噂話のせいで心臓を抜かれた佐倉さんの姿や、何なら心臓以外を抜かれたあの姿がちらついた。

違う、もう手遅れだなんて、俺がのうのうと過ごしていた間に、何なら家から送り出した直後にだとか、そんなこと……。
牧志 浩太
考えてどうなる。
牧志 浩太
胸を拳で叩いて息を詰まらせ、余計な思考を黙らせる。

これから殺人犯か何かかがいるかもしれない場所へ行くんだぞ。
そうしないために行くんだ。
足を引っ張る不安はいらない。
牧志 浩太
まず、波照間先輩に佐倉さんが戻っていないことと、佐倉さんが一緒にいるかどうか聞くメッセージを送る。
牧志 浩太
返事がなければ、ニュースのことと佐倉さんが戻っていないこと、向かう場所を添え、佐倉さんと先輩に再度メッセージを送信。
持ち物を一通り持ち、明るいうちにその場所へ向かう。
KP
波照間からの返信は無い。
まだ異界を彷徨っているのかも知れなかった。
そうなれば佐倉も、という希望が湧くだろうか?
KP
現場にはもう人気はなかった。
興味本位の野次馬らしきものがちらほらと見えるだけだ。
その周囲にもとくに手がかりになるようなものは何もなかった。
KP
昼近くになるまで探そうとも、佐倉の痕跡は見つからなかった。

牧志 浩太
探し回っても探し回っても、そこは何の変哲もない工事現場に過ぎなかった。

関係がないのか。
まだ仕事に時間がかかっているだけなのか。
先輩からも返事がないということはそうかもしれない。
でも、例えば今まさに、佐倉さんの心臓が抉られているのだとしたら。
牧志 浩太
最悪と最善の想像が胸の中をぐるぐると渦巻いて嘔気を覚える。
そこに疲労と空腹がのしかかってきて、身体が重い。

疲れて座り込もうとした、その時、だっただろうか。
KP
あまりにも手がかりがなさ過ぎる探索にあなたが疲れ果ててしまった頃、
唐突にそれはあなたの視界をよぎっていった。

〈目星〉をどうぞ。
牧志 浩太
牧志 浩太 - 今日 12:43
CCB<=98〈目星〉1D100<=98) > 64 > 成功
KP
ふと路地裏に入っていく白っぽい服を着た佐倉の姿を見つけた。 その足取りはどこか覚束ない。
一瞬見えた横顔は真っ青だった。
あなたは波照間の記憶から、大変きな臭い噂がある廃病院で遭遇した、病衣のゾンビを思い出してしまう。
牧志 浩太
「……佐倉さん」
間違いない。いたんだ、生きてる!
そう思いかけて、喜びのままに駆け寄りそうになって、その様子の異常さに気づく。

それは、まるで。
まるで……、もう生きてない、ような。

思い出してしまう。
遺体は離れた工事現場で見つかった。
牧志 浩太
嫌な想像を打ち消す。
佐倉さんは普通の状態じゃない。それだけは確実だ。

周囲に気をつけながら、佐倉さんを追って路地裏へ向かう。
牧志 浩太
もし、もう死んでしまっていたとしても、いま追いかけるのは同じだ。
だから、そんな可能性はまだ考えなくていい。

KP
ビルとビルの隙間は影になっており、表の通りより少し薄暗い。
佐倉は白い病衣のようなものを着て、裸足で足を引きずりながらふらふらと歩いている。
それはまさに生ける死体を想像してしまうような状態だった。

〈目星〉をどうぞ
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 95→成功
牧志 浩太
あっっっぶねぇ
KP
佐倉の足元に微少な砂粒のような光る物が落ちている。
彼が落としているのだろうか。
牧志 浩太
あれは何だ。
佐倉さんが落としているのか。
とにかく、このまま行かせるわけにはいかない。
牧志 浩太
「佐倉さん!」
名を叫びながら、背後から佐倉さんに飛びかかって捕まえようとする。
牧志 浩太
まず呼び止めるんじゃなく、突然そんな手を取ってしまったのは、きっと少し抜けきっていなかった。

ゾンビなんじゃないか、という酷い想像が。
KP
あなたが佐倉に飛びかかると、彼はあなたの勢いのままに簡単に膝から崩れ落ちた。
同時にばらばらと音を立てて、佐倉の服の裾から、小さな深い青緑色の石が無数に零れ落ちていく。
足元で輝いていたのはこれだったのだ。
煌めく石の中に倒れ込む彼の顔色は、真っ青を通り越して真っ白だ。

だがあなたの最悪の想像は裏切られた。酷く浅いが、呼吸はしている。
真っ白な顔には冷や汗が滲み、その指先は痙攣を起こしたように震えている。

〈医学〉または【アイデア】。同一情報。
牧志 浩太
1d100 90 【アイデア】 Sasa 1d100→ 44→成功
牧志 浩太
「佐倉さん!」
生きている。いまにも死にそうだけど、生きている!
KP
口は開けたまま、非常に速く空気を吸い込んでいるように見える。
酸素を取り込むべく息を吸っているように見えるのに、正常に生命維持に足る呼吸ができていない状態。
あなたはこれが、死戦期呼吸に似ていると気付いてしまう。

一刻も早く「呼吸なし」とみなし、直ちに心肺蘇生を行わなければならない。
牧志 浩太
「!」
息を吸おうと水面でもがいているような、浅い呼吸。
気がつけば救急動画などを見ている日々、その異様さにすぐに気づいた。
牧志 浩太
「佐倉さん!」
叫んで周囲を見回す。人はいるか!?
片手でスマホを取り出しながら、佐倉さんの胸に触れる。
KP
あなたは違和感に気付く。
その胸からは鼓動が感じられなかった。
苦しげながら呼吸はしている。脈も微かにだがある。

それなのに、心臓が動いていないのだ。
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d2
本編見る!
牧志 浩太
1d100 57 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 41→成功
SAN 57 → 56
牧志 浩太
手首に脈を感じる……、のに、心臓が動いていない、だって?

脈が気のせいなのか。俺の脈が反射して感じられているだけか。
それとも、……それとも?

冷たい光の中に埋もれる最期の生命が、今にも消えそうで焦る。
佐倉さんの服をはだけ、胸を押し込みながら周囲を見回す。

散らばっている石、周囲、佐倉さんが向かおうとしていた方向!

まさか、まさか、あの時みたいに、ここにないのか!?
KP
胸を押してもそこが空洞であるという感じはしない。
かといって手応えもない。
そこに動きを止めた心臓はあるのだろうか。
KP
あなたが心肺蘇生を始めてすぐ、佐倉が僅かに目を開いた。
そうしてあなたを視界に捉えると、無理やり体を起こし、手を伸ばしてあなたの腕を強く掴む。
佐倉 光
「……ま……きし……」
佐倉 光
「……病院……は……だめ……」
KP
そこまで言って、ぐるりと白目を剥いた。
再び気絶してしまったようだ。
だが喋ってからだろうか、佐倉の呼吸がほんの僅かだが安定したように感じられる。
とはいえ、一刻も早くどこかで安静にする必要があるだろう。
KP
「あっ、ちょっとあなた大丈夫!? 救急車?」
通りの向こうから慌てたような女性の声が聞こえた。
牧志 浩太
「す、すみません、大丈夫息を吹き返したから!」

とても大丈夫とは言えない表情のまま、辺りにこぼれたものを服ですくって鞄に入れ、佐倉さんを抱きかかえてその場から逃走する。
牧志 浩太
佐倉さんの言葉。
きっと、また、そういうことなんだ。
病院の中にいても解決しない、それどころか手遅れにすらなりうる何か。
KP
ここまでは車で来てるかな?
牧志 浩太
場所的に&逃げ足確保の意味で車かな?

車で来ていたということにしてよければ、それでお願いします。
KP
あなたが佐倉を車まで連れ帰るまで、それなりに注目を浴びたかも知れない。
佐倉は完全に脱力しており、家に戻るまで目を覚まさなかった。
連れ歩く間、服の裾からは輝く破片がこぼれ落ちていた。

抱え上げたなら気付くだろう。
佐倉の腕には入院患者につけるような白いタグがつけられており、
只野タダノ人也ヒトナリ』と佐倉がよく使う偽名がマジックで書き込まれていた。
ほかにもバーコードなど情報は書かれているようではある。
牧志 浩太
「佐倉さん……」
普段とは違うルートで家へと戻る。
こぼれ落ちる破片をすべて回収する。

車を走らせている間、次に見たときには死んでしまっていたらどうしようと、気が気ではなかった。
KP
幸い、帰宅するまでに呼吸が乱れる事はなかった。

KP
「おかえり、まきし! さくら?」
迎えに出たシローが異常を察知し、扉を開けたりものを移動させたりを手伝う。
横たわった佐倉の呼吸は弱いながらも安定している。今は状態が落ち着いているようだ。
心なしか顔色にも血の気が戻っているような気がする。
牧志 浩太
ようやく家に戻ると、佐倉さんを寝かせ、改めて状態や腕のタグなどを確認する。

まず見るのは、また死に瀕してはいないか。
ひとまずの死が遠ざかったようであれば、佐倉さんの状態を確認しにかかる。
KP
佐倉の服は少し汚れている。移動中に転んだのだろうか。
COMPなどの持ち物は一切持っていない。お守りすらもなかった。
本当に病衣一枚のみで、入院していたのかといった風情だ。
牧志 浩太
散らばっていた石や破片を一カ所に集めて確認する。
KP
拾い集めた石は細かい深い青緑色の石の欠片のようだ。
角度や光の当たり方で色が緑がかった青から深緑、深紅、赤紫色や紫色へと変わるのが分かる。

〈地質学〉〈博物学〉いずれかで判定。
牧志 浩太
1d100 10〈博物学〉 Sasa 1d100→ 39→失敗
牧志 浩太
何か、石の欠片?
合わせると断面が合わさったりしないだろうか。
KP
美しい石だ。色が変わる宝石などもあるだろう。
だがあなたにはそれが何か分からない。
破片は粉々に砕けた砂粒のようで、とてもあわせられるようなものではない。
牧志 浩太
目覚めないようなら服をめくり、その下の胸部を確認する。
COMPは持っているだろうか。
服の中や手の中など、何か持っていないか。

何かされた痕跡がないか、肌や頭を確かめる。
KP
胸部をめくると、胸の中央にくっきりとした手術痕があった。
一度開胸し、閉じた跡だ。
頭を確かめようとしたとき、あなたは否応なく気付いてしまう。
わずかに赤くなっているだけなので見分けづらいが、首に注射痕がある。
牧志 浩太
「……!」
首の注射跡に気づいた瞬間、視界が真っ赤に染まった錯覚を覚えた。

あの繭の中が脳裏をちらついた。
胸の傷痕を開いて何をされたのか確認したい、そんな衝動を辛うじて堪える。
牧志 浩太
タグに病院の名前など、何か情報はないか。タグの裏側に何か書いてはいないか。
KP
タグをよく見るなら▼〈目星〉
牧志 浩太
深く息を吸い、怒りを込めてタグをよく見る。
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 59→成功
KP
つなぎ目の部分に小さく『マホロバPSI 研究所・ 七ヶ扇 支部 』 と印字されているのが分かる。
【知識】×5で判定。
牧志 浩太
1d100 75【知識】 Sasa 1d100→ 7→成功
KP
マホロバというと、日本を代表する大手電子機器メーカー、電機メーカーにマホロバ株式会社というものがある。
あなたの家にもいくつかはマホロバ製品があるだろう。
ただ、PSI研究所というのは聞いたことがない。
牧志 浩太
あーあ、本編でもとうとうマホロバ。
牧志 浩太
「マホロバ……、だって?」
電機メーカーじゃないか。
そこが、何だって、研究所?
よくある名前だから偶然かもしれない、でも、これでほぼ確定した。

前と……、同じだ。
佐倉さんは『研究所』とやらで、胸を開かれ、何かをされたんだ。
牧志 浩太
きっと、あの死んだ人も。
佐倉さんをそんなことに……、させて、たまるか。
牧志 浩太
くそ。
今は怒ってる場合じゃないというのに、かたかたと歯が震える音がうるさい。
何度。もう何度何度何度、開いて、暴いて、弄り回して、……!
牧志 浩太
くそ。
牧志 浩太
『七ヶ扇』というのは地名か何かだろうか?

佐倉さんに起きる様子がなければ、佐倉さんの様子を見ながら、その言葉について調べてみる。

後は念の為、『マホロバPSI研究所』についても。
KP
あなたがタグを確認して怒りに打ち震えていると、佐倉の瞼がぴくりと動いた。
小さく呻き声を漏らしながらゆっくりと瞼を持ち上げ、状況を確認するように目を動かした。
すぐにあなたに気付き、ここが自宅である事に安堵の息をついたようだ。
佐倉 光
「……約束通りだ。
頼りになるヤツだよ、本当に。……ありがとう」
牧志 浩太
「佐倉……、さん。
ごめんな、また後手後手で……」
佐倉さんの、タグのついた手を撫でる。
ゆっくりと、手を握る。

佐倉さんがちゃんと生きていたこと、漏れた声が何よりもちゃんと『佐倉さん』であったことに、安堵の息と一緒に涙声が漏れた。
牧志 浩太
「よかった、探しに行って……。
ずっと不安だったけど、我慢しなくて、よかった。
探しに行って、よかった」

声が、震えた。
あの時自分が判断を誤ったら。
大丈夫だと、シローのためにと、我慢しようとしていたら。

佐倉さんはもしかしたら、あのまま死体になっていたかもしれないのだ。
牧志 浩太
「何があったのか、聞かせてくれ。話せる範囲でいい。
佐倉さんは今、どうなってるんだ」
佐倉 光
「ああ、ちょっと……色々、あってな。どこから、話したらいいのか」
KP
ゆっくり起き上がろうとすると、同時にばらばらと音を立てて
床に小さな石がいくつも転がってゆく。
それらは角度や光の当たり方で緑がかった青から深緑、深紅、赤紫色や紫色へと変色していった。
牧志 浩太
「その石、さっきも落としてたな。それは?」
鞄に詰め込んだ破片を示す。
佐倉 光
「これな……俺の背中から生えてるみたいなんだ。
実際……どうなってる?」
KP
困ったような顔で服を脱ぐと、あなたに背を向けた。

背骨を挟んだ二か所に、それはあった。
それはまるで採掘したばかりの鉱物の原石のようだった。水晶の塊のようにも見える塊は、
何かで接着しているというよりも、生えているように見える。
牧志 浩太
「何だ……、これ。
佐倉さんの背中から生えてきてるっていうのか……」
まるで翼のような、身体を喰い破って生えてきているような、美しくも悍ましい光景だった。
牧志 浩太
「背骨を挟んで一か所ずつ、背中から鉱物みたいなものが生えてる。
……背中から湧き出てるように見えるんだ。
鉱物なのに、身体を喰い破って何かが生まれてきているような、そんな……」
牧志 浩太
「ごめん、変な言い方した」
佐倉 光
「ああ、やっぱそんな感じ、か」
KP
佐倉はあなたにいつもの服を持ってきてくれと頼む。
牧志 浩太
頷いて、佐倉さんの部屋から服を持ってくる。
目を離したくなくて、扉を開けたままずっと佐倉さんを見ていた。
牧志 浩太
「仕事の後、何があったんだ? いつからこうなった? 順に……、話してほしい」
佐倉 光
「今、いつだ? 俺がここ出てから何日経ってる?」
牧志 浩太
「三日目。二日目までは仕事が長引いてるんだろうと思って待ってた。
三日目に嫌なニュースを聞いて、不安になって探しに出たら、ふらふらと路地裏へ歩いていく佐倉さんを見かけたんだ」
佐倉 光
「そうか、そんなに経ってんだ」
KP
呟いて胸の傷を見、悔しげに顔を歪めた。
KP
自分の服を着て、ようやっと佐倉は落ち着いたように壁に背を預ける。
佐倉 光
「三日前。仕事に出た日だ。
たぶん結界の中で悪魔にやられたんじゃねぇかな、俺。
気がついたらこの格好で知らない真っ白な独房みたいな所にいたんだ」
佐倉 光
「何時間か経って、防護服みたいなの着た奴らが入ってきてさ。注射打たれた」
KP
自分のうなじに触れる。
佐倉 光
「それから何をされたかはわかんねぇけど、起きたらこうなってたんだ」
牧志 浩太
「くそ……、そんな時に、もうやられてたのか。
見つけられて……、本当によかった」
うなじに触れる姿を見て、悔しげに顔を歪める。
牧志 浩太
「COMPや持ち物はその時に取られた、んだろうな。
それから、どうしたんだ?
どうにかして逃げてきたのか? それとも、それも覚えてない?」
冷静に聞こうとする口調の端が、怒りで微かに震えていた。
佐倉 光
「そのへんがよく分かんねぇんだよ。
目が覚めたときに独房のドアが開いてたから逃げ出したんだ」
佐倉 光
「それから何がどうなって外に出られたのか、覚えてないんだ。
意識は飛びまくるし、時々死にかけるし……逃げる事しか考えられなくて、正直頭が回ってなかった。
ああ、潮の香りはしてたな。海の近くだったのかも知れない」
佐倉 光
「あの路地でお前にぶつかって、泣けるほど嬉しかった」
牧志 浩太
「そうだったのか……。
ああ、逃げられてよかった、逃げてきてくれてよかった」
牧志 浩太
「あの時、探しに行って、本当によかった……」
怒りに震えていた唇が緩んだ。
牧志 浩太
「見過ごさなくてよかった、我慢しなくてよかった、

佐倉さんが、ちゃんと佐倉さんで、よかった……!」

思わず、相手が瀕死だったことも忘れて佐倉さんの両腕にすがった。
怒りが恐怖に置き換わって、ぼろぼろと涙をこぼす。
牧志 浩太
「ごめん、わかったことはなさなきゃ、目、とまらなぃ、」
涙を止めようと鼻水を啜り上げるも、全然止まってくれない。
鼻をかめばいいと分かっているのに、両腕を握った手が離せなくて、そのうち涙で溺れそうになりだす。
牧志 浩太
「っぐぇ、げっ、げほ、」
佐倉 光
「お前が泣くなよ……」
KP
佐倉はティッシュ箱を取ってあなたに差し出した。
佐倉 光
「牧志が来てくれて良かったよ。
俺またいつ倒れるか、わかんねぇしな」
佐倉 光
「もう少し話したい事はあるけど、茶でも飲もうか。喉が渇いたよ」
牧志 浩太
「ごめん、っぶ、こっちが泣いてる場合じゃ、ないよな……、
わかった、飲みながら話そう……、佐倉さん、腹は減ってない?」

ティッシュ箱を空にしてようやく落ち着いた。
擦れて目元と鼻の下が真っ赤な顔でキッチンへ向かい、麦茶を大きめのマグに入れて持ってくる。
牧志 浩太
大変な時にぼろぼろ泣くのが牧志、涙だけは我慢するのが波照間という。
佐倉 光
「んー……」
KP
佐倉は微妙な顔をした。
佐倉 光
「すいているような気もする」
KP
あなたに礼を言い、マグを受け取る。
牧志 浩太
「そうか、じゃあこれでも」
レトルトのお粥を持ってきて、レンジで加熱する。
佐倉さんが物を飲み、食べようとする姿を見て、ようやく、ああ、戦い生きてくれた、生きてくれているのだという実感が湧いてくる。
牧志 浩太
「よし。
こっちもいくつか伝えたいことがあるけど、まずは佐倉さんの話したいことを聞きたい。
また佐倉さんが倒れちゃったら、聞きそびれるからな」

麦茶を一口飲み、よし、と気合を入れる。
怒ったり泣いたりするのはここまでだ。
佐倉 光
「……」
KP
佐倉は茶を口に含み、何か考え込むような顔をした。
それから粥を口に含んで難しい顔をする。
佐倉 光
「味しねぇ」
牧志 浩太
「味がしないか……。いい兆候じゃないな。
俺が見つけた時、佐倉さん、殆ど死にかけてるようだった。あれは確実に心臓が止まってた。

それから少し息を吹き返したけど、変な状態だったんだ。
手首に脈を感じるし、呼吸はしているのに、胸に心臓の鼓動を感じない」
牧志 浩太
裂かれた傷を残す胸に視線をやる。
空洞の感触はしなかったけど、あの中はいま、どうなっているんだろう。

もしかするとあの時と逆に心臓だけ取り出されて、いまもどこかで何かの好きにされているのかもしれない。

心臓を抉り出されて血の海に沈む姿が、眼の裏に瞬いた。
根拠のない想像で沸き上がりそうになった怒りを、麦茶と一緒に飲み下す。
佐倉 光
「心臓……?」
KP
佐倉は眉根を寄せて呟き、胸に手を当てた。
そして顔を下げ、「ふざけやがって」と呟く。
佐倉 光
1d100 62 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 78→失敗
1d2 Sasa 1d2→1
SAN 62 → 61
牧志 浩太
「今も、そうなんだな」
佐倉 光
「ああ、動いてない。何の冗談だ。脈はあるってのに。
この血液はどうやって動いてるっていうんだ」
佐倉 光
「病院はやめろって言ったの、聞こえたか?」
牧志 浩太
「ああ、聞こえたよ。
佐倉さんはいまにも死にかけてた。
あの言葉がなかったら、救急車を呼ぶところだったよ」
応えるように自分の胸に手を当て、頷く。
佐倉 光
「さっき、防護服の奴らが来た、って言っただろ?
その中に1人だけ白衣の男がいた。そいつに注射を打たれたんだけど。
そいつが名札みたいなのをつけてた。
ちゃんとは見えなかったんだけど、“なんとか病院”って書かれてんのだけ辛うじて見えたんだよ。
だからどこかの病院が関係してるんじゃないかと思った」
牧志 浩太
「そういうことか……。
研究所だけじゃないっていうんだな。
病院が絡んでるなんて、怖気がする」
佐倉 光
「医者がどいつもこいつも善人とは限らないさ。
だから助かる事も多いけど」
KP
言って、服を脱いで再度あなたに背を向ける。
先ほども見た鉱石が、服に引っかかったのか砕けて落ちてゆく。
佐倉 光
「よく見てくれ。少しずつ伸びてるだろ」
牧志 浩太
鉱石に目を近づけ、改めてよく見てみる。
KP
あなたが見つめる目の前で、ぱきぱきと微かな音を立てながら塊は成長を続けて長く伸びようとしている。
だが石自体が脆いのか、伸びた先から崩れていく。
それが割れ落ちて石となり、砕けて砂のようになって足元に落ちてゆくのだ。
佐倉 光
「逃げるときに転んで気付いた。
次々と割れていくけど、痛みはなくて、違和感だけがある。
こいつは一体俺の何が伸びているんだろうな?」
KP
どう考えても普通の生き物ではあり得ない。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
牧志 浩太
1d100 56 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 17→成功
牧志 浩太
「くそ……」
怒るのはここまでと決めたのに、つい悔しさが口をついてしまった。
牧志 浩太
「何もないのに伸び続けてるってことは、少なくとも佐倉さんの何かから伸びてるんだろうな。
分からないけど、あまり悠長にはしてられない、のかもしれない」
牧志 浩太
「佐倉さんの腕についてるタグに、研究所のものらしい名前が書いてあったんだ。
地名か名前か分からないけど、支部の名前も。

佐倉さん、その名前に見覚えはある?」
タグの継ぎ目を指す。
佐倉 光
「マホロバ……ESP? 関連会社か? いいや、知らないな」
佐倉 光
「調べて、何か出るといいんだが」
KP
佐倉は粥を喉に流し込むと、あなたの顔を見る。
佐倉 光
「悪いけど、調べるの手伝って貰えないか」
牧志 浩太
「勿論。このままにしておけないよ。
そんなものに佐倉さん食われて、弄られたままなんて、正直耐えられない」

決意を込めて頷く。
無意識に拳を強く握っていた。
KP
心臓とられるの二度目ってお前普通そんな何回も内臓なくならないんだよ。
そういえば牧志君もなくしてたことあったしねー
牧志 浩太
なんですよ。どっちも内臓なくしたりとられたりばらばらにされたりしすぎなのよ。
KP
このシナリオでは、PCが判定に失敗した場合に限りKPCも判定します。
能動的な調査がしんどいくらい体調が悪い、ということですね。
牧志 浩太
はーい
佐倉 光
「それじゃあ、思いつくだけ検索してみるか」
KP
先ほど、
『七ヶ扇』『マホロバPSI研究所』について調べると宣言がありましたので、まずはそこから。
KP
マホロバグループのサイトがすぐに引っかかる。
マホロバについて調べると、マホロバPSI研究所について、奇妙な資金の動きがある事に気付いた。
また、『七ヶ扇』で調べると、そういった名前の船と停泊港が見つかった。
牧志 浩太
「! そうか、船! 
船なら中に部屋を作れるし、捕まった人が逃げようとしても、外には海しかない。
しかも、足がついても移動し放題だ!」
牧志 浩太
船……、まさか、それは思い浮かばなかった。
もし、逃げようとして外に海しかなかったなら。
絶海の孤島よりもなお、強い絶望だろう。
牧志 浩太
「佐倉さんを見つけたの、港区の工事現場だったんだよ。
同じ場所で、心臓を抜かれた遺体が見つかってる」
牧志 浩太
船の規模と、見つかれば停泊スケジュールを調べる。
佐倉さんが逃げたのなら、停泊中だったはずだ。
船は、まだいるのか。
KP
5万トンレベルの船だ。一般的な客船の倍の規模だ。
スケジュール的にはまだ停泊しているだろう。
どこまでこの情報が正しいかは分からないが。
牧志 浩太
「すごい規模だ……。
これだけ大きければ、中に何でも作れるだろうな」
牧志 浩太
相手は船、逃したらお終いだ。
どうするかはともかく、ひとまずここの様子は見に行った方がよさそうか。
牧志 浩太
「……」
あの時、佐倉さんを追いかけてるような連中の姿はなかった、はずだ。

何かトラブルが起きてそれどころじゃなくなってるか……、もう目的が「佐倉さんそのもの」じゃ、なくなっているか。

単純に見失っただけ、人のいる時間帯を避けただけ、何かで追跡されてる、という可能性もある……。

コメント By.KP
突如行方不明になり、やっと発見された佐倉は瀕死状態だった。
心肺蘇生を行おうとした牧志は、そこに鼓動がない事に気付いてしまう……

とてもヒロイックで回しやすく、なかなか先が読めないがスピーディーで楽しいシナリオでした。巨大人外最高。

TRPGリプレイ【置】CoC『鬼面夜行』 牧志&佐倉 1

俺が佐倉さんをあんなに壊して、傷つけて、痛めつけたからだ。
殺されてもいい。殺されたくない。

TRPGリプレイ CoC『静寂舞手』佐倉&牧志 5

「単純に俺が嫌だからだ。お前のためじゃない」

TRPGリプレイ CoC『地獄はやさしい』 佐倉(再) 1

「あークソ、今日なんなんだよ。COMP持ってたらなー、って思ったの4度目くらいだぞ?」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


TRPGリプレイ【置】CoC『レミングス・ドリーム』牧志&波照間&佐倉 1

「オマエ、あのバカがどこにいるか知ってるか」

TRPGリプレイ マモノスクランブル『推し活★ビギニング』 1

「みんな~! 来てくれてありがと~!」