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KP
さて、佐倉さん。
味わって消化して立ち上がろうとすると、ぐらりと視界が揺らいだ。
味わって消化して立ち上がろうとすると、ぐらりと視界が揺らいだ。
佐倉 光
「……
おっと」
おっと」
牧志 浩太
「佐倉さん!?」
KP
慣れたはずの金属の腕が重い。視界がぐらぐらと回る。
慌てて牧志があなたの腕を掴んだ。
あなたはこの異変を知っていた。
眠気だ。
いわゆる電池が切れかけという状態だ。子供の肉体は急に眠くなる。
慌てて牧志があなたの腕を掴んだ。
あなたはこの異変を知っていた。
眠気だ。
いわゆる電池が切れかけという状態だ。子供の肉体は急に眠くなる。
佐倉 光
「ごめん、体が、重くて……
目眩が、するんだ……」
目眩が、するんだ……」
牧志 浩太
「あっ、ああー、もしかして眠いのか、随分動いたもんな、今日」
佐倉 光
「うん……ねむい」
その場に座り込む。
その場に座り込む。
佐倉 光
「ごめん、少し……寝かせて」
牧志 浩太
「あ、ああ。とりあえずどこか……」
牧志があなたの身体を抱き上げ、入り込めそうな場所を探す。
牧志があなたの身体を抱き上げ、入り込めそうな場所を探す。
牧志 浩太
「失礼します」
窓の破れた空き家を見つけ、あなたを抱きかかえて窓をくぐる。
窓の破れた空き家を見つけ、あなたを抱きかかえて窓をくぐる。
KP
それを見た辺りで意識が落ちた。 すとん。
佐倉 光
スヤァ
KP
……ふと、あなたは目を覚ました。
目を開いても視界は暗い。よく眠ったらしく、頭も体もすっきりとしている。
大きく温かい背に抱きすくめられている。聞き慣れた寝息と心音が、すぐ傍に聞こえる。
目を開いても視界は暗い。よく眠ったらしく、頭も体もすっきりとしている。
大きく温かい背に抱きすくめられている。聞き慣れた寝息と心音が、すぐ傍に聞こえる。
佐倉 光
寝ちまったのか。
牧志は無事みたいだ。
どっかに忍び込んで寝たのかな。
ここは……なんだ?
牧志は無事みたいだ。
どっかに忍び込んで寝たのかな。
ここは……なんだ?
牧志 浩太
どうやら牧志は無事らしい。微かに漏れる青い光も金属の片腕も健在だ。
佐倉 光
抱かれていると落ち着く。
これは、子供に戻ってからより強く感じるようになった気がする……
これは、子供に戻ってからより強く感じるようになった気がする……
牧志 浩太
長い腕と大きな背が、あなたを守ろうとするように包み込んでいた。
KP
甘い、煙くさいような匂いがどこかから漂ってくる。
あまり嗅いだことのない、独特な匂いだ。
あまり嗅いだことのない、独特な匂いだ。
佐倉 光
においの正体を考えてみる。
KP
少しけだるいような甘い匂いは、何の匂いとも形容しがたい。
匂いは外から流れてくる。何人かの人間のものらしい、潜めたような楽しげで陰鬱な声。
匂いは外から流れてくる。何人かの人間のものらしい、潜めたような楽しげで陰鬱な声。
佐倉 光
いわゆるクスリってやつかな……
そっと牧志の腕から抜け出して窓からそっと外を見る。
そっと牧志の腕から抜け出して窓からそっと外を見る。
牧志 浩太
「ん……、」
KP
そちらを見ると、傷ついた窓ガラスの割れた所から、車座になって座る何人かの男女のものらしい脚が見えた。
めいめいに何かを燃やして吸っているようで、あなたの想像通りのものなのだろう。
どうやらあなた達が寝ている間に、窓の外に溜まられてしまったようだ。
めいめいに何かを燃やして吸っているようで、あなたの想像通りのものなのだろう。
どうやらあなた達が寝ている間に、窓の外に溜まられてしまったようだ。
佐倉 光
「あーあ。面倒なことに……」
裏口とかないかなぁ。
裏口とかないかなぁ。
KP
ひょこり。
窓の割れたところから、あなたより少し大きいくらいの子供の顔が覗いた。
少し彫の深い顔立ちの、くりくりした大きな眼の少年だ。
窓の割れたところから、あなたより少し大きいくらいの子供の顔が覗いた。
少し彫の深い顔立ちの、くりくりした大きな眼の少年だ。
佐倉 光
「おっ」
KP
「なー、誰かいる」引きずったような、響きのあまい言葉。
大きな眼はとろんと夢見るような視線であなたを見る。
周囲の大人たちは彼の声に気づいていない。
大きな眼はとろんと夢見るような視線であなたを見る。
周囲の大人たちは彼の声に気づいていない。
KP
「なー、お前だれ? これ一緒に食べる?」
少年はあなたに、小さな布切れのようなものを差し出す。
布切れのような、というか布切れだ。何か判じがたい語句が書かれた、荒い織りの布をちぎったものだ。
少年はあなたに、小さな布切れのようなものを差し出す。
布切れのような、というか布切れだ。何か判じがたい語句が書かれた、荒い織りの布をちぎったものだ。
佐倉 光
「なんだよこれ?」
多分碌なものじゃないんだろうなと思いつつ見つめる。
多分碌なものじゃないんだろうなと思いつつ見つめる。
KP
布からは微かに甘い匂いがする。先程から漂っているのと同じ匂いだ。
「焼いて食べるの。効くよ。お腹いっぱいになる」
「焼いて食べるの。効くよ。お腹いっぱいになる」
佐倉 光
「へー。それお前のだろ?」
KP
「うん。でも、ちょっとなら分けてもいいって。一緒にものを食べると仲良くなれるんだって。
なー、一緒に食べよう」
少年の眼はひたむきにこちらを見ていた。泥のような淀んだ眼だった。
なー、一緒に食べよう」
少年の眼はひたむきにこちらを見ていた。泥のような淀んだ眼だった。
佐倉 光
もらって食べる振りしてせしめて、雑貨屋に売り払うのもアリかと思うけど。
佐倉 光
「……それ食うのはやめた方がいいと思うよ。バカになるぜ?」
KP
「ばか?
ママが言われてるやつだ」
ママが言われてるやつだ」
佐倉 光
「そっか。バカってのはさ、大人にいいようにされるヤツの事だよ」
佐倉 光
「ここだとバカは……長生きできなさそうだ」
KP
少年は不思議そうにあなたを見ていた。いいように、長生き、彼の中にはない語彙らしく、意味が掴めないらしい。
「ママ、これが大好きなんだ。そっか、だからママはばかなの?
じゃあおれ、もっとばかになる」
「ママ、これが大好きなんだ。そっか、だからママはばかなの?
じゃあおれ、もっとばかになる」
佐倉 光
「……そうか」
KP
「うん、ママといっしょ」
佐倉 光
「俺はね、そういうのはやらないんだ。
俺は俺のままで考えたいからさ」
それ以上彼に何か言うのはやめようと思った。
世界が違う、ってやつだ。
俺は俺のままで考えたいからさ」
それ以上彼に何か言うのはやめようと思った。
世界が違う、ってやつだ。
佐倉 光
所詮俺は外の人間、ここの事なんか何も知らないんだから。
KP
断られたということは十分に分かったのだろう。
つまらなそうに鼻を鳴らして、少年は窓の向こうに引っ込んだ。
同時に、車座になっていた大人達が気だるげに立ち上がり、どこかへ去っていく。
辺りに漂うのが残り香だけになったあたりで、牧志が薄らと目を開いた。
つまらなそうに鼻を鳴らして、少年は窓の向こうに引っ込んだ。
同時に、車座になっていた大人達が気だるげに立ち上がり、どこかへ去っていく。
辺りに漂うのが残り香だけになったあたりで、牧志が薄らと目を開いた。
佐倉 光
「あ、おはよう」
牧志 浩太
「……おはよう、佐倉さん」
その表情は優れない。きっと少し前に目を覚まし、あなたと少年の会話を聞いていたのだろう。
その表情は優れない。きっと少し前に目を覚まし、あなたと少年の会話を聞いていたのだろう。
牧志 浩太
「何だか……、やりきれないな」
佐倉 光
「まあな」
佐倉 光
「でもここじゃ外の常識なんてクソみたいなもんだろ。
異邦人はさっさと去る。その方が互いのためだ」
異邦人はさっさと去る。その方が互いのためだ」
牧志 浩太
「分かってるよ……。今の俺達には、自分を助ける余裕くらいしかないんだ。
色々想像はできるけど、あの子がどんな境遇なのかも、本当には分からない」
色々想像はできるけど、あの子がどんな境遇なのかも、本当には分からない」
牧志 浩太
「でも、思っちゃってさ。
そういえばここってどれくらい広いのか見てなかったな、なんて」
そういえばここってどれくらい広いのか見てなかったな、なんて」
佐倉 光
「広さ?」
牧志 浩太
「そう。壁があって出口があるってことは、範囲があるってことだろ」
佐倉 光
「高い壁があるとかなんとか言ってたな」
牧志 浩太
「そう。こうやって歩いてるとどこまでも続いてるように見えるけど、意外と狭かったりするのかな、なんて思ったんだ」
牧志 浩太
「それだけ」
牧志 浩太
砂を払って立ち上がる。
佐倉 光
「殺されない程度にそういうの調べてみるのもいいかもね」
牧志 浩太
「だな。出口の場所自体は普通に聞けたってことは、近寄りすぎなければ大丈夫なんだろ」
渡された地図を取り出す。
渡された地図を取り出す。
佐倉 光
「大人は好き好んでここにいるんだろうけど、ガキはほぼ100%その被害者だ。
出たがってるヤツもいるかもな?」
出たがってるヤツもいるかもな?」
牧志 浩太
「それはありそうだな。それこそ、協力関係でも結べたらいいかもしれない」
佐倉 光
地図の範囲ってどのくらいなんだろ。
KP
街全体を四角い範囲で描き、周辺の塀を描いた全体の地図だ。
大雑把に区画や目立つ施設しか書かれておらず、縮尺は謎。
大雑把に区画や目立つ施設しか書かれておらず、縮尺は謎。
佐倉 光
「日本のどこかにあるってんならそこまで広さはないだろうな。
絶対どっかから漏れるし」
そういえば空は見えるっけ?
絶対どっかから漏れるし」
そういえば空は見えるっけ?
KP
空は見える。朝の太陽が街に光を降り注がせている。
佐倉 光
「ぜってーGoogleマップに載るよなこんなの。聞いた事ねーけど」
牧志 浩太
「だよな。下手すると新型人工衛星から普通に映るんじゃないか」
牧志 浩太
「……」
牧志 浩太
無事に、二人で外に出る。
何となく、それ以上の事を望まぬように望まぬように己を制しようとしているような、そんな沈黙。
何となく、それ以上の事を望まぬように望まぬように己を制しようとしているような、そんな沈黙。
佐倉 光
この世界をぶち壊そうなんて望んでも仕方がない。
それでここの住人が救われるかどうかなんて分からないんだ。
それでここの住人が救われるかどうかなんて分からないんだ。
佐倉 光
「さ、本日の活動始めるか」
牧志 浩太
「そうだな。行こうか」
佐倉 光
「なんにしたって動かなきゃ始まらねぇよ」
牧志 浩太
「だな。ここで寝ててもまずい事しかやってきそうにない」
KP
さて、ここで〈目星〉または【アイデア】をどうぞ。
佐倉 光
CCB<=88〈目星〉1D100<=88) > 65 > 成功
牧志 浩太
CCB<=98〈目星〉1D100<=98) > 19 > スペシャル
佐倉 光
さっきの奴らが何か落としていったかなぁー
KP
では、どちらも気づく。
あなた達の胸から漏れる青い光が、ごく僅かに、少しだけ弱くなっているように見える。
あなた達の胸から漏れる青い光が、ごく僅かに、少しだけ弱くなっているように見える。
佐倉 光
お
牧志 浩太
「! ……佐倉さん」
佐倉 光
「ん?」
牧志 浩太
「胸の光、少し弱くなってないか」
佐倉さんの胸を指さす。
佐倉さんの胸を指さす。
佐倉 光
「ああ、そうみたいだ。
あまり悠長に稼いでもいられなさそうだ。
腕が動かなくなるのか、もっと悪い影響が出るのか……
あまりいい事にはならなさそうだしな」
あまり悠長に稼いでもいられなさそうだ。
腕が動かなくなるのか、もっと悪い影響が出るのか……
あまりいい事にはならなさそうだしな」
佐倉 光
「牧志のも弱くなってる。時間制限付き、と考えた方が良さそうだな」
牧志 浩太
「ゆっくり稼いでノーリスクで、って訳には行かなさそうだな」
佐倉 光
なるほどねー。解体で20万稼ぐルートは潰れたか。
KP
そういうことでございます。
佐倉 光
腕を動かしたり起動してみたりする。
まだ動くかな?
まだ動くかな?
KP
まだ問題なく動きそうだ。
起動すれば光が減る、というわけでもないらしい。
起動すれば光が減る、というわけでもないらしい。
佐倉 光
「単純に時間制限なのかもな……こいつが生きている内に何とかしないと」
牧志 浩太
「だな」
佐倉 光
では、再度劉んとこ行って紹介して貰おう。
KP
情報屋へ行くと、劉は今日も混沌とした事務所の中で甘い匂いの煙草をふかしていた。
紹介を頼めば、「マイドー、お得意サマ」と軽やかに言って、同じ仕事先を紹介してくれる。
紹介を頼めば、「マイドー、お得意サマ」と軽やかに言って、同じ仕事先を紹介してくれる。
佐倉 光
「いつでもあるんだなこの仕事」
佐倉 光
「たすかるー」(棒)
KP
「ントネー、今は運がイイヨ。丁度ストック出荷の時期ナノ」
佐倉 光
「ストック出荷?」
KP
「ウン。お客サンの需要がビッグネ。冷凍庫が空になるまでお仕事アルヨ」
牧志 浩太
「なんで需要があるんだろうな……?」
佐倉 光
「食べる奴がここに集まってる?」
KP
「ソウイウ時期ナンダッテー。それ以上はノー深入りネ」
佐倉 光
「分かったよ。俺達にはラッキーだな」
KP
「それじゃ、イッテラッシャーイ」
佐倉 光
さてさて本当にラッキーなのか。投げやりに手を振って現場へ。
牧志 浩太
「深く考えないでおくか……。警戒はした方がいいかもな」
佐倉 光
「ああ」
これからの仕事については深く考えない事に……していいのだろうか?
これからの仕事については深く考えない事に……していいのだろうか?
KP
薄暗くひやりとした冷気が、いやな気配で身を包む。
外から切り離されたように暗く清潔なその場所は、昨日と変わらぬ様子であなた達を迎えた。
「やあ、また来てくれたね! 嬉しいな、仕事が気に入ってくれたのかい?」
白い作業服を着た男は、昨日よりも嬉しそうにあなた達を出迎える。
外から切り離されたように暗く清潔なその場所は、昨日と変わらぬ様子であなた達を迎えた。
「やあ、また来てくれたね! 嬉しいな、仕事が気に入ってくれたのかい?」
白い作業服を着た男は、昨日よりも嬉しそうにあなた達を出迎える。
牧志 浩太
「別に、金になるからってだけです……」
佐倉 光
無言で頷く。
さっさと始めてさっさと終わろう。
さっさと始めてさっさと終わろう。
KP
「そうか~、それでも嬉しいよ。じゃあ今日はちょっと難しいのやってもらおうかな。君達なら任せられそうだし」
佐倉 光
「難しいの?」
KP
「そうそう。なかなか任せられるバイトがいなくてね、残っちゃってたんだ。
あっ、大丈夫だよ、腐ってはないから! ウチの冷凍庫しっかりしてるからね!」
あっ、大丈夫だよ、腐ってはないから! ウチの冷凍庫しっかりしてるからね!」
佐倉 光
「なんなんです?」
さすがにアレなかんじの描写になるので閉じます。
解体シーン伏せ
KP
昨日と同じように消毒を済ませたあなた達を、彼は奥へと招く。
冷凍庫の奥に吊り下がっていたのは、
冷凍庫の奥に吊り下がっていたのは、
KP
ここで1d3をどうぞ。それによって内容が決まります。
佐倉 光
1d3 (1D3) > 2
KP
がりがりに痩せ、ほぼ骨と皮だけになったひとりの女だった。
色艶を失って久しい髪はばっさりと切り取られており、裸の手首には無数の引っ掻き傷がある。
色艶を失って久しい髪はばっさりと切り取られており、裸の手首には無数の引っ掻き傷がある。
佐倉 光
えー。どうしたらいいんだこんなの。
KP
「ほとんど取る所がないんだけど、珍味らしくてね」
佐倉 光
「そーなんだー」
もう勝手にしろ、という投げやりな気持ちだ。
もう勝手にしろ、という投げやりな気持ちだ。
今回の解体ルールについて。上手くやればボーナスが出るぞ!
KP
「まあ、気楽にやってよ。最初からダメ元だし、あんまり置いとくわけにもいかないからね」
佐倉 光
「はーい」
折角だから挑戦するか……
人体のパーツにこぶりのナイフを手に挑む。
折角だから挑戦するか……
人体のパーツにこぶりのナイフを手に挑む。
佐倉 光
そんなに人間食うのが好きならじぶんでしゃぶれよな……
そういうもんだろ。骨付き肉ってさぁー
そういうもんだろ。骨付き肉ってさぁー
牧志 浩太
その傍らで牧志が、細く薄そうなその浮き出した背骨を断ち割るための鋸や、皮を剥ぐための道具を用意する。
解体処理判定
二人とも2度失敗。
[ 佐倉 光 ]SAN: 68 → 66
[ 牧志 浩太 ]SAN: 53 → 52
[ 佐倉 光 ]SAN: 68 → 66
[ 牧志 浩太 ]SAN: 53 → 52
佐倉 光
「くそ、なかなか難しいな……」
牧志 浩太
「ああ……。ほとんど張りついてる」
佐倉 光
「ちょっとトイレ」
軽く嘔吐いた。
生理的反応、というやつだ。
軽く嘔吐いた。
生理的反応、というやつだ。
KP
やはりなかなかの難物だ。骨に張りついた皮を剥がすのも難しければ、僅かな僅かな脂身を損なわぬようにやるのはもっと難しい。
牧志 浩太
目を何度も瞬き、ちらつく幻を追いやる。
浅く何度も息を吸う音が聞こえた。
浅く何度も息を吸う音が聞こえた。
解体処理
佐倉は失敗。牧志は100ファンしてしまう。
KP
牧志は力加減をあやまり、女の腹に大きくナイフを突き込んでしまった。
腸を破らぬように慎重に手を抜こうと思えば、女のつめたい内臓が彼の手を包み込む。
腸を破らぬように慎重に手を抜こうと思えば、女のつめたい内臓が彼の手を包み込む。
牧志 浩太
「う……、うう……、」
腕を動かす度に小さな呻きを漏らし、冷たい肉の内側から少しずつ、少しずつ手を抜こうとする。
腕を動かす度に小さな呻きを漏らし、冷たい肉の内側から少しずつ、少しずつ手を抜こうとする。
牧志 浩太
ようやくその空間から逃れた時には、びっしりとこめかみに汗が浮いていた。
佐倉 光
「向こうでちょっと休んだらどうだ?」
牧志 浩太
「そうする、駄目みたいだ……」
ナイフを置き、よろよろと外へと逃れていく。
ナイフを置き、よろよろと外へと逃れていく。
牧志 浩太
うう、ああ、と背を丸めて呻く。冷たい肉の感触を金属の手首から追い出そうと、何度も無機質な手首をさすった。
佐倉さんのように吐き出そうにも、喉と胃が不規則に震えて、うまく胃液が上がってこない。
佐倉さんのように吐き出そうにも、喉と胃が不規則に震えて、うまく胃液が上がってこない。
佐倉 光
続けて作業を進める。
牧志 浩太
牧志が戻ってくるまでには、少し時間がかかった。
解体処理
牧志が一度目で、佐倉が二度目で成功する。
牧志 浩太
一度休んだのが功を奏したのか、牧志はどうにかその難物から薄い薄い肉と萎びた内臓を切り分け終える。
KP
あなたも、骨にこびりついた僅かな僅かな脂身と肉を、うまく形を残して切り取ることに成功した。
ひと難事終え切った達成感を味わうならば、あなた達はSANを1d2回復してもよい。
なお、しなくてもよい。
ひと難事終え切った達成感を味わうならば、あなた達はSANを1d2回復してもよい。
なお、しなくてもよい。
佐倉 光
いいや。疲れた……疲労感だけもらっとこ。
牧志 浩太
こちらもそんな気分じゃない。とにかく忘れたい……。
佐倉 光
「あばらなんてもう見たくない」
牧志 浩太
「俺もだよ……。内臓の隙間ももう見たくない」
佐倉 光
「報酬貰って行こうぜ」
今回はちゃんと金を靴の中に入れよう。
今回はちゃんと金を靴の中に入れよう。
佐倉 光
まあ丸ごと攫われたらどーにもならないけどね。
KP
「すごいすごい! これなら十分売れるよ! ねえ、このままウチでやっていく気ない? 君達なら十分いけるよ」
男は喜んであなた達に報酬を払ってくれる。佐倉さんが25000円、牧志が20000円だ。
男は喜んであなた達に報酬を払ってくれる。佐倉さんが25000円、牧志が20000円だ。
牧志 浩太
「いや……。遠慮しときます、無理」
佐倉 光
「どーもー」
KP
「残念、またお金に困ったらぜひ来てね!」
佐倉 光
「あったらねー」
牧志 浩太
「もう嫌だ……」
牧志の重たい呟きが落ちた。
牧志の重たい呟きが落ちた。
KP
あなた達は熱烈なラブコールを背に、そこを後にするだろう。
system
[ 佐倉 光 ] 円 : 1300 → 26300
[ 牧志 浩太 ] en : 1300 → 21300
[ 牧志 浩太 ] en : 1300 → 21300
佐倉 光
「元気だそう。これで武器が買えるんだ」
牧志 浩太
「そうだな、さっさと行こう」
佐倉さんに倣って金を防弾チョッキの下に挟む。
佐倉さんに倣って金を防弾チョッキの下に挟む。
牧志 浩太
「風呂入りたい……。風呂……。まだ肉に包まれてる気がする……」
佐倉 光
「ここの奴ら風呂どうしてるんだろうな?」
佐倉 光
「風呂は出てからだな。ここで裸になるのは色々な意味で怖いし」
牧志 浩太
「ああ、だな。出たら銭湯行こう。絶対に。熱いのに頭まで浸かるんだ」
佐倉 光
「だな。髪の隙間まで全部洗うんだ」
牧志 浩太
「よし、やるぞ。何としてでも」
決意に強く拳を握る。
決意に強く拳を握る。
佐倉 光
一応終了後に体洗ってきてるよね?
牧志が求めるような風呂じゃないだろうけど。
牧志が求めるような風呂じゃないだろうけど。
KP
どこから水を引いているのか、消毒の後にちゃんとシャワーを浴びて体を洗うことができている。浴槽はなかった。
KP
雑貨屋に行く?
佐倉 光
雑貨屋にGo
KP
老女は相変わらず荷物の隙間に埋もれてうつらうつらと転寝をしていたが、あなた達が入るなり薄らと目を開いてこちらを向いた。
前回と品物は同一だ。在庫状態もそのまま。
前回と品物は同一だ。在庫状態もそのまま。
佐倉 光
手榴弾にはちょーっと足りないんだよね
牧志 浩太
拳銃は買うとして、そうすると手榴弾には微妙に足りないのか。
佐倉 光
そうなの
余った金でハイアンドローでもしてみるかねー
余った金でハイアンドローでもしてみるかねー
牧志 浩太
薬は前買ったっけ?
佐倉 光
買ってないよ。食べ物だけだ。
牧志 浩太
じゃあ応急手当キットの方買っておく?
1回だけ応急手当+20%は何かと頼りになりそうだし、値段もそんなにしない。
1回だけ応急手当+20%は何かと頼りになりそうだし、値段もそんなにしない。
佐倉 光
そっちは一個買っていいと思う。
牧志 浩太
じゃあとりあえず拳銃と応急手当キット一つかな。
佐倉 光
だね
佐倉 光
ひとり16000消費かな
牧志 浩太
32000円だから、ですな。
system
[ 佐倉 光 ] 円 : 26300 → 10300
[ 牧志 浩太 ] en : 21300 → 5300
[ 牧志 浩太 ] en : 21300 → 5300
KP
拳銃を要求すると、老女はすぐ傍の足下をごそごそと探り、知らない漢字の書かれたクッキーの缶を取り出してくる。
開けると中に、黒く光る鉄の塊と弾が八つ、紙くずに包まれて鎮座していた。
開けると中に、黒く光る鉄の塊と弾が八つ、紙くずに包まれて鎮座していた。
牧志 浩太
「何というか……。変な言い方だけど普通の拳銃で、覚悟要るな、これ持つの」
KP
クッキー缶は一緒に貰っても捨ててってもいい。
佐倉 光
「悪いけど、頼む」
カンいるかなぁー。
一応貰っとくか。鞄も何も無いわけだし。
カンいるかなぁー。
一応貰っとくか。鞄も何も無いわけだし。
KP
「吊りベルトいるかい? 1000円だよ」
不意に老女が口を開いた。
不意に老女が口を開いた。
佐倉 光
あー。要るかも。
あとこの残額なら薬2個買ってもいいね
あとこの残額なら薬2個買ってもいいね
牧志 浩太
「大丈夫。いつもの仕事みたいなものだと思えば」
そう言って吊りベルトに銃を収める。
そう言って吊りベルトに銃を収める。
system
[ 牧志 浩太 ] en : 5300 → 4300
佐倉 光
薬2個目買うよ。
KP
応急手当キットは2000円。
佐倉 光
買ったー
[ 佐倉 光 ] 円 : 10300 → 8300
で、互いに一個ずつ持っとこ。
[ 佐倉 光 ] 円 : 10300 → 8300
で、互いに一個ずつ持っとこ。
牧志 浩太
ですな。
銃の性能と持ち物について
佐倉 光
んで、残ったお金から10000円で一か八かギャンブルしてみようかと。
うまくいきゃ俺の武器も確保できる。
失敗したところでさほど痛くはない。
うまくいきゃ俺の武器も確保できる。
失敗したところでさほど痛くはない。
牧志 浩太
いいですな、賛成。
失敗しても食費くらいは残るし。
失敗しても食費くらいは残るし。
佐倉 光
プッシュ出たら笑って諦めよう。
KP
防弾チョッキに吊りベルトと銃。
なんだか物々しくなった牧志とあなたの様子は、仕事中の悪魔使いのようでもある。
そういえばあなたも、以前はショットガンを仕事の友としていた。
なんだか物々しくなった牧志とあなたの様子は、仕事中の悪魔使いのようでもある。
そういえばあなたも、以前はショットガンを仕事の友としていた。
佐倉 光
ま、あれはどーにも俺の手に馴染んでくれなかったけどね。
牧志 浩太
僕もとい先輩のホーリーショットガンに至っては、先に敵に使われてひどい目に遭ったが。
佐倉 光
隻眼の牧志が持ってた銃は、あれは想いの塊ってやつだったんだろうな。
KP
あの場所で銃を使うような何かが、あるようにも思えなかった。
あれは、彼らののこされた想いだったのだろう。
そんな回想をよそに、賭場は相変わらず薄暗い活気に満ちている。
あれは、彼らののこされた想いだったのだろう。
そんな回想をよそに、賭場は相変わらず薄暗い活気に満ちている。
佐倉 光
速ひくいもん俺ー。銃なんか撃てないよ。
牧志 浩太
波照間は速はあったけど、自分の弓と競合しちゃうせいであの体たらくッッ!
佐倉 光
なかなかうまくはいかないものだ。
KP
「おっ、お帰りー。ひと仕事終えた顔じゃない、やってく?」
昨日も見たディーラーが陽気に手を振り振りする。
昨日も見たディーラーが陽気に手を振り振りする。
KP
しまったお時間はみ出てる! では、賭場に行ったところで今日は以上とします。
佐倉 光
はーい
ありがとうございました!
ありがとうございました!
KP
ありがとうございました! 同年代の少年と交流してほしいなと思ってひどいNPC出してごめんな。
佐倉 光
交流なー。
KP
そしてまたログは折り畳み確実ですね……。
佐倉 光
ですねぇ。色々インモラルすぎるん。
KP
交流(触れ合う程度の)
よりによって100ファンしちゃったもんで牧志の手がすべってしまった。
よし、ではログを取ります! ありがとうございました
よりによって100ファンしちゃったもんで牧志の手がすべってしまった。
よし、ではログを取ります! ありがとうございました
コメント By.佐倉 光
ふたたび「稼げる」仕事に手を染める二人。安心で安全。これ以上の収入源はないだろう。
ちょっとばかり我慢すれば良いだけだ。
ふたたび「稼げる」仕事に手を染める二人。安心で安全。これ以上の収入源はないだろう。
ちょっとばかり我慢すれば良いだけだ。
TRPGリプレイ【置】CoC『ワンナイトショット』牧志&波照間&佐倉 3(終)
「あー……、もしかして佐倉さん、牧志のグラスに盛ったな?」
「盛ったなんて人聞きの悪い。入れ物変えてもらっただけですけど?」
【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
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