TRPGリプレイ【置】CoC『ワンナイト・ルバート』 佐倉&牧志(塔) 4

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こちらには『ワンナイト・ルバート』
のネタバレがあります。

本編見る!
佐倉 光
さて、軽く汗を流して食事をしたら出撃しようかな!

牧志の音を外に届ける装備は、前に結婚式に出ることはできないかと試行錯誤したときのものが使えるんじゃないだろうか。
あのときは流れに差があって全く使い物にならなかったが、今なら。
佐倉 光
「浩子さんって人間の形に化けられる?」
浩子
「大丈夫、って言いたい所だけど、久しぶりだし、ちゃんとした人間になってるか自信ないな。どう?」

最後の「どう?」の一言で、彼女の翼と尾が消えていた。
弾みで耳の穴から出てきたぬるぬるを耳に押し込むと、以前の彼女そのままの姿がそこにいる。
佐倉 光
「バッチリだ。それがキープできれば問題ないな」
親指を立てて見せる。
浩子
「よかった。一応、もし出ちゃっても分かりにくい衣装にするよ。
そういえば牧志はともかく、佐倉さんは何着る? 本番」
佐倉 光
「何も考えてなかったな。
楽器が楽器だし、牧志に合わせるか」
持ってきたがらくたのなかに服はあるかな?
折角だからファンタジーの吟遊詩人みたいな服着ていってやろう。
KP
衣服、何かを装う・擬えるということは呪術の基本だ。
探せば任意の衣装が出てきてよい。
浩子
「お、いいなそれ。
佐倉さんが吟遊詩人で、牧志は…… 魔法使い?
じゃあ俺どうしようかな。何かいい案ある?」
佐倉 光
「編成的には前衛が欲しいか?
尼さんってのも面白いけど」
佐倉 光
「……むしろ悪魔の『仮装』もアリなんじゃねーかって気がしてきたな。
割と『悪魔』っぽい格好だし。
一応俺が腕輪持っていくから、同業者と揉めたら俺の使い魔ってことにしてさ」
浩子
「いいな、それ。俺達メタルバンドじゃないけど、メロディックメタルとかなら悪魔の仮装ってのも珍しくないし。
うっかり見破られてどうこうってなりにくそうな分、むしろよさそうだ。

じゃあ、どうしようかな。『悪魔』っぽい格好にする?
それか、尼さんで悪魔の僧侶ってのも面白いかもな」
佐倉 光
冒涜的存在に冒涜で対抗!?
KP
なるほどな!?  いいと思います
佐倉 光
「いいな。尼さんぽい服もさっきあったぞ」
いいながら衣装箱をごそごそ。
どうして女物の服まであるんだろうな、ここは。
浩子
「ここ随分色々あるな。お、本当だ」
彼女は一度部屋に引っ込み、衣装に着替えて出てくる。
浩子
「うん、サイズも合いそうだ」
衣装に着替えた彼女は、くるりと一回転する。
聖職者の衣装から細い翼と尾がはみ出ている様子は、何というか……独特の雰囲気を醸し出している。
佐倉 光
「はは、似合う似合う!」
佐倉 光
この浮かれた格好、とても自分たちの運命を賭けたコンサートへ向けた準備とは思えないな。
まあ、俺達らしいか。

楽器と牧志のデバイスを持って、外へ出る。
牧志 浩太
「それじゃ、佐倉さん。
……向こうで会おう」
あなたを見送って、牧志は親指を立てた。
KP
牧志をこちらに映すための装置、鏡とプロジェクターと、『ちょっとしたあれこれ』を使った少々大掛かりな装置は、浩子が運んでくれる。

KP
外へ出れば時は夕方。件のバーからほど近い場所にあなた達は着地する。
佐倉 光
「よし、まずバーに設備置かせて貰えるように交渉しよう」
バーに向かうぞー
浩子
「だな」
あなたの横を、大きめのジャケットを着た浩子がゆったりと歩く。
浩子
「不思議な感じだ。こうやって普通に街を歩くの」
機材を担いで、彼女はぽつりと呟く。
佐倉 光
「随分向こうに馴染んじまったみたいだな」
それでも楽しくやれているなら、きっとそれでいいんだと思う。
浩子
「そりゃな。もう随分長いから。
話す相手もあっちの連中ばっかりだったわけだし。

こうやって歩いていても、どこか『来てる』って感じがするんだよ。帰ったじゃなくて、来てる感じ。
俺達はもうこっちに生きてないんだなって、そう思う」
夕暮れの街並みを、続く道を眺めて、彼女は息を吐く。
佐倉 光
「そうか」
彼女らは元来人間の心を持っているとは言え悪魔だ。
そういう意味では、収まるべき所に収まったのかも知れない。
佐倉 光
「また喚ぶよ、こっちが安定してたら。旅費Magは出すからさ。
このごたごた片付いた後で、またセッションしようぜ」
浩子
「ああ、いいな。
呼べそうならぜひ呼んでよ、いつでも行くから。
またセッションしよう。今度は、邪魔者抜きでさ」

夕暮れの街を背景に、彼女は微笑んだ。

KP
問題のバーは、ちょうどカフェ営業からバーへ切り替わる時期のようだった。
営業は止めずにそのまま切り替えるらしく、店内からは談笑する声がする。

店の前に置かれた黒板に、「本日18時より音楽祭開催! 飛び入り参加も可」と華やかに書かれている。
佐倉 光
「多分問題ないとは思うけど」
中に入る。
設置をお願いして、あとは時間まで待とう。
KP
店内に入ると、陽気な声のマスターがあなた達を受け付けてくれる。
自分達でセットアップするならという条件で、機材の設置も快諾してくれる。

おおよその演奏時間、音楽のジャンルなどを問い、最後にマスターは尋ねた。

「大事なことを聞き忘れてた!
あなた達のグループ名は?」
佐倉 光
「ああ、グループ名……『T.M.L.』で」
Tower of M’s library
M
牧志MakishiのMであり、
魔法使いMagicianのMであり、
神秘MysteryのMであり、
人類MankindのMでもあるのだ。
KP
「オーケイ! T.M.L.……と。
初出演だね。演奏、楽しみにしてるよ」

にっと笑うマスターの応援を受けて、あなた達はステージから一番遠いテーブル席へ案内される。
辺りは音楽祭の話題で盛り上がる客たちで一杯だ。その中にはさまざまな衣装を着た者もおり、どうやらあなた達と同じような、出番を待つ出演者も混じっているらしい。
牧志 浩太
「グループ名か、そういえば決めてなかったな。
ありがとう、佐倉さん。ちなみに由来何?」
イヤホンの向こうから牧志の声が聞こえてくる。
佐倉 光
「『Tower of M’s library』。まんまだよ」
佐倉 光
「俺こういうの苦手だからさ」
軽く笑う。
照れ隠しにタンバリンを叩きたくなるのは我慢した。
今叩き始めたらもう止まらなくなってしまいそうだ。
牧志 浩太
「よく言うよ。考えてくれたんだろ? あの一瞬に」
KP
そうやって話していると、聞くともなしに客たちの噂話が聞こえてくる。
「今年は誰が“魔女”のお眼鏡にかなうのかねえ」

詳しく聞くなら〈聞き耳〉で判定。
または、直接聞きにいってもいいだろう。
佐倉 光
おっ、大事な情報だ。それはさすがに何となくで済ますわけには行かないだろう。
直接聞きに行くぞ。

佐倉 光
「こんにちは、魔女って噂の? いい演奏したら願いを叶えてくれるっていうやつですか?
それって、前にも叶えて貰ったって人、いるんですか?」
KP
「おっ、その派手な格好、君も出演者だね?
ああ。いるいる。勿論さ。
去年はこの店のバイト君がやったジャズでね。
僕は音楽には素人だけど、確かにあれはよかったなあ」
佐倉 光
「名の知れた人が集まるような場所で優勝したのって凄いですね。
是非その人に話を聞いてみたいな。
どなたなんです?」
店の中を見回してみる。
KP
「そうそう、やっぱり門前の小僧ってのかな?
この店でバイトしてるわけだから、磨かれるのかね。センスとか。
あー今日は、あれ、来てないな」
「噂だけど、胃腸炎らしいぜ。ものがものだからしばらく出勤停止。
本人めちゃくちゃ残念がってたって話」
「あっちゃあ、それは不運な。よりによって今日にかぶるとはなあ」
佐倉 光
そうか、ライバルが減ったってことになるのか。
佐倉 光
「ちなみにその人は何を叶えて貰ったんでしょう?」
KP
「ああ、あいつ? なんだったっけ、確か」
「あの子に告白する勇気をくれって!」
「ああそうそう! で、どうなったんだっけ?」
「まあ、なんだ。言ってやるな」
「ありゃあ気の毒だったよなあ……。あいつ、いい奴なんだけどなあ」
佐倉 光
「『あの子の心を俺に向けてくれ』にはしなかったのかー」
世界一の腕の代償を、そんなささやかな勇気をもらうのに使ったのか。
KP
「そういう所がいい奴なんだよ。ま、背中を押してほしかったんだろ」
佐倉 光
「それって『魔女にお願いしたから大丈夫だ』って勇気が出ただけって可能性もありますよねー」
KP
「そういや、魔女って耳が聞こえないんだろ? 何が決め手なんだろうな? 顔?」
「いやぁ、それはないだろ」
佐倉 光
「耳が聞こえなくても音楽は楽しめるらしいですからね、振動とかで。
僕たちには分からない楽しみ方があるんじゃないかなぁ。
場合によっちゃ、ピアノソロよりバスがガンガン効いた曲の方が好きかもしれませんね」
KP
「うーん、確かに。そうかもしれないな。
かのベートーヴェンも、聴力を失ってからも曲を作り続けたというし」
佐倉 光
飲み物注文して浩子さんとこに戻ろう。
KP
それから作曲家の話を始めだした彼らを尻目に、あなたはテーブルに戻る。

飲み物はアルコール・ノンアルコール含め、バーにありそうな飲み物は大体ある。
ノンアルコールカクテルの類も豊富だ。

浩子
「お帰り。俺達の番はもう少し後だって」
戻ると、浩子が爽やかな色合いのドリンクを片手にあなたを待っていた。
佐倉 光
「ただいま」
酔っていたら指が上手く動かないかもしれないので、飲むのはノンアルコールだ。
佐倉 光
「一応、魔女が来て良い演奏に対しては報いを与えてくれる、ってイベントがあるのは確実なんだな」
牧志 浩太
「ああ。信憑性はともかく、それは確実らしいな」
牧志の声が応え、元の席で待っている浩子が頷く。
牧志 浩太
「まあ、『願いを叶えてくれる』なんて話、もっと信憑性が高かったら大騒ぎになってるはずだ。

毎年出る訳じゃないのか……、それか、魔女には願いの内容まで見えるのかもな。
心を見て、大それた願いを持つ奴は選ばないとか。
魔女の好きなように曲解して叶えるとか」
牧志 浩太
「それくらいできても驚かないよ、俺は」
牧志は重々しい声で呟いた。
佐倉 光
「不確かだけど、俺達にできる事はこれくらいだからね。
魔女が来る、願いを叶える、またはそれに類する事があるってことが分かっただけでも僥倖だな」

佐倉 光
神音さんに連絡いれよう。
今日は来られそうか、と。
いつもの夢に彼の姿はなかった。とうに手遅れという可能性もある……
KP
連絡を入れようとした、まさにそのとき。
カランカランと入店のベルが鳴る。

そこにいたのは、神音と彼のマネージャーだ。

神音は最後に見た時よりも明らかにやつれており、マネージャーの肩を借りて歩いている。
その⼿に紙とペンはないが、⼿は小刻みに震えており、今にも倒れてしまいそうだ。

「只野さん達が演奏すると聞いて、いてもたってもおられず……、来てしまいました。
牧志さんも、今日は来られたんですね」
彼はあなたと浩子を見て、弱々しく微笑む。
佐倉 光
彼が抗い続けてくれたからこそ今日がある。
佐倉 光
「ああ、無事そうで良かった。
彼女は双子の兄妹で、手伝いに来て貰ったんです」
浩子
「浩子です」
牧志 浩太
「佐倉さん、俺も」
あなたがタブレットを取り出すか、スピーカーに切り替えるなら、牧志も神音に挨拶する。
KP
「ああ、そうだったんですね。
こんな時にでも、素晴らしい音楽が聴けるであろうことに心が高鳴ってしまう。
僕は生粋の音楽家なのです」
KP
「皆さん、どうか今夜は自由に。
僕のために気負う必要はありません。
あなた達らしい音を聴かせてください」
佐倉 光
「大丈夫、うまくやりますから」
KP
神音は震える手を差し出し、あなた達に握⼿を求める。
応じる?
佐倉 光
応じる。
彼にも耐えて貰わなければならない。
望むと望まざると関係なく、運命共同体のようだから。
KP
彼の掌から、力強い闘志が伝わってくるようだった。
稀代の音楽家があなた達を鼓舞する。共にある。
彼の言葉に緊張が解けていく。少しだけ、気が楽になった気がした。
佐倉 光
ド素人の即興チームが、希代の音楽家の前で音楽で戦うのか。おかしな事になったものだ。
それでも大丈夫だという気がしている。
KP
神音はあなたたちに挨拶し終えると、別の席に着く。
店内は音楽祭で盛り上がっており、ほぼ満席だ。

カランカラン、と再びベルの音がする。
そちらを見ると、あの黒ずくめの女性が立っていた。

扉を開けた少年が彼女の⼿を引き、店内へ入る。
ウェイターが彼女らを案内した席は、神音との相席だった。
佐倉 光
後はできる限りの演奏をするだけ。
魔女と神音だけではない、このフロア全部に俺たちの音をぶちかましてやるのだ。
自分達の番を待とう。

KP
──そうして順番が来た。
ウェイターがあなた達に呼びかける。

舞台に上がり、セットアップを済ませた装置の電源を入れれば、あなたのすぐ横に牧志の姿が浮かび上がる。
鏡とプロジェクター、スクリーンが作り出す立体的な像は、まるで牧志があなたのすぐ横に本当にいるかのようだった。

舞台に立ち、楽器の準備をして軽く音を出す。
満員の客席に座る客たち、そして『魔女』と従者の少年、そして、神音が期待を込めてあなた達を見上げていた。
牧志 浩太
牧志が鎖を揺らして、あなたと顔を見合わせる。
浩子
あなた達の傍らに立つ浩子が、あなたに頷きを投げる。
KP
練習時間はほかのバンドよりも少ないだろう。
しかし、あなた達は今できることのすべてを行った。
例え望まず与えられた才能であろうとも、これからあなた達が奏でる音は、螺旋の底で確かに生きているあなた達の、命を燃やす音だ。

その音で、あなた達は戦う。抗う。
これは、音をもって女神の心を射止める戦いだ。
KP
「ファンタジック・メロディック・バンド、『T.M.L.』の皆さんの演奏です!」

司会の言葉を合図に、戦いの火蓋が切って落とされた。
佐倉 光
ステージに立ってしまったからには、恥だの不安だのは邪魔でしかない。
もう何十年も演奏してますよ、という顔で『T.M.L.』の大舞台を演じきるのだ。
俺は牧志の一部、どこにいてもここはあの果てなき螺旋の底なんだ。いつも通りにやればいい。
佐倉 光
開戦の合図を高らかに鳴らして、俺たちの命を紡ごう。

演奏します!
KP
真っ先に飛び出すのは、あなたの紡ぐリズムだ。
テンポを作り、ペースを生み出す。
あなたの生むリズムが足場となってはじめて、旋律は力強く駆け出せる。
あなたの生むリズムが場を支配してはじめて、観客は世界に引き込まれるのだ。
演奏パート
佐倉 光
いきなりクライマックスの勢いで叩き、振り、刻む。
名乗りをあげるようなドラミングで観客を螺旋に引きずり込む。
あとは音楽を楽しむ。この一点のみだ。
牧志と浩子にメインを譲る。
牧志 浩太
牧志と浩子の旋律が、絡み合いながら同時に飛び出した。
揺るぎないリズムの上を軽やかに滑り、二つで一つの美しい対称を描く。
悪魔と魔法使いが手を取り、言葉のない呪文を詠う。
演奏パート
佐倉 光
軽やかな旋律に合わせるように、こちらも軽く軽く華やかに演奏する。
牧志 浩太
旋律はリズムの大地を踏み、螺旋の果てへと舞い上がってゆく。
観客の視線はみなステージの上に吸い寄せられている。
彼らのざわめきもあなた達の耳には入らない。

ここは螺旋の果て。
あなた達の耳に聞こえるのは、互いの音だけ。
KP
互いの音しか、あなた達の耳には届かない。
一糸の乱れもなく、あなた達の身体は動く。

あなたの身体を通り抜けた音はステージを通して空間に解き放たれ、響き渡る。
この空間そのものが一つの大きな楽器となっていた。
その楽器をあなたは奏でていた。

指先が歓びにわなないた。
それは世界を操る歓びだ。
佐倉 光
これは完全な世界。
俺たちが作り上げる世界。
何もかもを巻き込む音。
佐倉 光
そこにちょっとした変化をもたらす。
安定した緩やかな世界に変化を、瞬きを。
ジングルを小刻みに叩いて個を主張する。
ここからはそれぞれのステージだ!
佐倉 光
このパートでファンブル出したら嫌すぎなんだが!?
KP
あっ、ソロパートはソロを張る人だけが判定します。
リズム担当以外の誰かとあるので、ここは牧志かな。

そしてソロパートの前に余計なイベントが入ります。
KP
あなた達は音に向けて尖っていく。
肉体の限界はあなたの足を引かない。腕は思った通りに動く。
今ならば見える。光が。

もっと、もっと。
もっと、先へ。
光の見える方へ。
心臓が歓びに高鳴る。心臓の中に楽器を押し込まれたように、胸が絶えずリズムを奏でている。

もっと、もっともっと音を。音楽を。
身体全てを楽器とし、奏でる。
何もかもを巻き込む。生み出す。創り上げる。
この空間を、この世界そのものを震わせて、奏でる。

その中心で眠る主のために──?

そうだっただろうか?
あなた達が音を捧げる相手は、それだっただろうか?
妨害判定
佐倉 光
この完璧なる音を、かのおおいなる存在に捧げよう。
KP
あなたは歓びを湛えて光に向かって駆けてゆく。
あの向こうに、永遠の音楽の楽園がある。
牧志 浩太
ふと、弦の音が止まった。笛が同時に唄うのをやめる。

観客からは、次に来るソロへの期待を盛り上げる、一瞬の無音に聞こえただろう。
しかし違う。もうすぐ光が見えたのに、彼は指を止めた。
牧志 浩太
「佐倉さん」
彼は一瞬のあいまにあなたの名を呼んだ。
KP
あなたは気づく。思い出す。
さっき自分は何を奏でようとしていた?

腕があなたを操ろうと小刻みに震えている。
脚があなたを操ろうと小刻みに跳ねている。
リズムを詰め込まれた心臓が、あなたの脳だけを置いてきぼりに、あなたを操ろうとしている。

焦燥感が胸を焼く。
それでもあなたは、抗わねばならない。

ここにいたいと望むのならば。
佐倉の回復処理
佐倉 光
その一瞬、脳と指先に電撃が走った。
外からはほんの一瞬の、長い長いブレイク。
佐倉 光
俺は誰かの楽器じゃない。

足を踏み鳴らして雑音をかき消すと同時、牧志を指して高らかにジングルを鳴らす。
演奏をする。俺自身の意思でだ。
牧志 浩太
一瞬、空気を揺らして頷きを返す。
牧志が高らかに前へと躍り出た。

いや、ジングルと同時に浩子が一歩退り、牧志が大きく腕を振り上げたことで、まるで飛び出したように見えた。

彼は詠う。魔法使いの孤独を。
終わりへの期待を抱かせる痛みを。
演奏パート
牧志 浩太
安定したリズムに支えられてただ独り、彼は揺るがなかった。
揺るがず、迷わず、次に来る救いへと、高く鋭く痛みを描き上げていく。
佐倉 光
微かなリズムが途切れ途切れにリュートの音色を支える。
歌われる痛みをそっと受け止めるように淡々と。
わずかずつ高みへと音を刻んでゆく。
浩子
低い伴奏がソロパートの終わりを告げた。
KP
互いの音を聴き、互いの手を取るようにして、クライマックスへ向けて調子を揃えていく。

一つになるのではなく、響き合うために。
合奏判定で佐倉がファンブル。
佐倉 光
アレェー
KP
アレエェ
ファンブル出たらって言ってたら本当に出ちゃった
佐倉 光
牧志、浩子さん、フォローよろしくっ!
今回の佐倉、引っ張られまくってるなぁ。
KP
引っ張られまくってますねぇ。危うい。
佐倉 光
つい聞き入って叩くのを忘れた!
KP
クライマックスに向けて最大の盛り上げを演じようとしたその時、うっかり聞き入ったあなたの耳めがけて何かが飛んできた!

虫だ! それもデカい!
両手の離せないあなたに危うく直撃する所を、浩子の翼が一瞬動いて叩き落とした。
耳元で鳴った大きな音にあなたは我に返る。
浩子
「(ごめん、バレたら後でどうにかしといて)」
浩子があなたに片目をつぶった。
佐倉 光
「あっ、ああ、サンキュ!」
慌てて叩く。
流石にトチったのはバレただろうなぁ、翼については演出ということでゴマかそう!
ミスの分を挽回すべくできる限りの技巧を凝らす。
リュートとリコーダーのメロディに沿わせるように、タンバリンでメロディを叩く。
牧志 浩太
リュートの胴を軽く叩いて音を揺らしながら、牧志がリズムに回る。
あなたと交互、代わる代わるリズムとメロディを入れ替えながら、一番の盛り上がりへと駆け走る。

長い長い孤独の終わり。
幸せなめでたしめでたし。
いつか見た夢に、向かって。
KP
最高の音をかき鳴らせ!
演奏判定
KP
あなたはもう見間違えることはない。
彼はもう見失うことはない。

あとは駆け抜けるだけだ。
音の歓びを、身体の内と外、全身で味わって!

フィナーレへと!
佐倉 光
笑いさざめくようなロールを鳴らし、大団円、めでたしめでたし!
希望を込めて螺旋の果てを抜け大空へ駆け抜ける!
牧志 浩太
手を取り笑いあう七人の姿が、軽やかに駆ける音色の中にいた。

彼が満面の笑みを浮かべていた。
まるであの日見た夢のように。
KP
そして、最後の一音と共に、ひとときの夢の幕は下りた。
判定結果
KP
あらゆる力を使い果たし、もう指先の一つすら動かない。
肩で息をしながら、あなたはその場にへたり込むだろう。

それは牧志も同じだった。
鎖の重さで膝をつきながら、全てを出しきった顔で、上を見上げて晴れやかに笑っていた。
佐倉 光
全てを出しきった。
完全な演奏とはいかなかったが、表現はできた。
震える指先はもうリズムを刻むほどの力を残していない。
座り込んだまま、牧志や浩子に見えるように親指を立てて見せた。
牧志 浩太
牧志が倒れ込んだまま、辛うじて親指を立てて応えたとき……、
KP
ステージを割れんばかりの拍手が包んだ。
賞賛の、感動の、喜びの歓声が、あなた達を包み込む。
魔女たちのいるテーブルで、神音が涙しながら少年の背中をさすっていた。
あの小憎たらしい従者の少年もまた、目に涙を浮かべていた。
佐倉 光
これトルなんとかさんのタゲが増えるだけでは。
佐倉 光
肝心の魔女には今の演奏は届いたのだろうか?
ついその顔を見てしまう。
KP
「お前達、座るといい。
良いものを見せてもらった礼に馳走しよう」

あなたが魔女の顔を見たとき、その場に低い女性の声が聞こえてきた。
その声の主は、今まで一度も言葉を発したことがなかった魔女のものだった。

彼女達のテーブルを見れば席が三つ空けられ、あなた達を待っている。
浩子
「少なくとも、不評を買ったわけではなさそうだ」
その様子を見て浩子が言う。
佐倉 光
よし、最大の関門を抜けた。
あとは魔女にどこまで望めるか、だ。
佐倉 光
「お招きに感謝します」
牧志の姿を映すデバイスを手に、席に向かおう。

KP
「ああ、只野さん、牧志さん!
とても素晴らしい演奏でしたよ!

ああ、やはり音楽はいい……。
こうも人の心を揺さぶるものは他にない」
神音は目に涙を溜め、あなた達に賞賛の視線を送る。

「ふん! まあ、悪くはなかったぞ」
すん、と鼻を鳴らしながら少年も頷く。
少年の手で、あなたと浩子に飲み物と軽食が差し出される。

「して、お前達は私に用があるのだろう」
再び、魔女の声が響く。
黒い衣装の向こうから、皺に覆われた細い手が覗いた。
佐倉 光
「はい。
私たちは、この世界で自分達の音楽を続けたいと思います。
もし叶うのであれば、
今行われている『選別』を止めさせることを望んでいます」
私たち、と言いながら神音を見る。
佐倉 光
「お力添えいただけますか」
あの音楽はこの望みに足る代償足りえたか。
そもそもこの魔女にそんなことが可能なのか?
KP
「我が主よ、この者らに慈悲をお与えください」
少年が頷いた。
彼はよく通る声で、宣言するように言う。
魔女はヴェールに覆われて表情の見えない顔で、緩やかに頷く。
KP
「我が主の慈悲に感謝するといい。
このようなことは滅多にないんだからな」

少年の声とともに、彼女は持っていた杖の先を床に軽く叩きつける。
とん、とん、と。一定のリズムを伴い、床に叩きつける音が響く。

気にしなければ聞き逃すほどの小さな音。
それを聴いているうちにあなた達の脳に、ガン! と大きな音が響く。

鼓膜が破れるかと思うような大きな音に、タブレットの映像にノイズが走った。
思わずあなたの頭がくらくらとする。牧志も耳を押さえて呻く。

あなた達があまりの音に目を回していると、目の前の女性はくつくつと笑っていた。

「今宵は良かった」

その言葉を最後に、あなた達の意識は遠のいていった。
KP
「我が主を疑うとか不遜が過ぎる。感動が台無しだ。七度殺すぞ……、と言いたい所だが、音楽祭に免じて許してやろう」
そんな少年の声が最後に聞こえた。
佐倉 光
あっ、疑ったのバレてた。
佐倉 光
立ち去ってゆくのであろう魔女に内心礼を……できただろうか?
ともあれ、騒音のない暗闇へ沈んでゆく。
KP
静かな静かな暗闇、何の雑音も音楽もない暗闇へと、あなたは沈んでゆく……。

KP
「只野さん、只野さん!」
あなたは神音の声で目を覚ます。

そこはまだ螺旋の底ではなく店内で、店内はまだ音楽祭の続きをしている。
意識を失ってから、それほど時間は経っていないようだ。

見れば魔女と少年の姿はなく、あなたの前に神音がいて、浩子の手があなたの背を支えている。
牧志の姿を映していたタブレットは、接続切断の素っ気ない画面に変わっていた。
佐倉 光
「神音さん……?
浩子さん、魔女は」
ぼんやりする頭を振ってはっきりさせようと試みる。
自分のなかにあの衝動は残っているだろうか?
KP
「聞いてください! あの不躾な方の声が聞こえなくなったのです!

ああ、ああ、こんなにも晴れやかな気分になれるとは……、あなた達のお陰です!」
感極まってあなたの手を握る神音の目はきらきらと輝いていた。
手の震えもなくなっている。

あなたもまた、あの狂おしいまでの音楽への衝動から、最初からそんなものなかったかのように、きれいさっぱり解放されていることに気づくだろう。
佐倉 光
「そうか、良かった。
いえ、僕たちが今日まで正気でいられたのは、あなたが抗ってくれたからですよ」
KP
「ああ、それはよかった。
頑張った甲斐があるというものです」
浩子
「彼女達なら店を出ていったよ。
何か聞こうかと思ったけど、やめといた」
浩子が額に汗を浮かべながら、満足感を帯びた声で言って微笑む。
佐倉 光
「ああ。なんとかなったみたいで、良かった。
結局誰だったんだろうなぁ。高位の女神って気はするけど」
牧志の無事も確かめたい。
タブレットの再接続は無理そうだろうか。
早く帰らなくては。
KP
タブレットはいつものように、接続出来ませんの無情なメッセージを表示するばかりだ。

螺旋の塔をその悍ましい手で掴んでいた神の執着は、去ったのだろう。
KP
「ああ、こんなに素晴らしいことはない!
一曲……と言いたいところですが、どうでしょう、今夜は皆さんの素晴らしい音楽に、感謝の美酒を振舞わせて頂きたいと思うのですが」
佐倉 光
「お気持ちはとても有り難いです。
けれど、そろそろ行かないと」
一時の騒がしい休暇と邂逅は終わり、流れは変わった。
少しでも早く、俺が在るべき場所に帰らなくてはならない。
KP
「そうでしたか、それはすみません。
また、ぜひ聴きにいらして下さい」
神音はあなたに改めて感謝の意を表し、あなたを見送るだろう。
佐倉 光
「はい、機会があれば是非」
短い間だったが、戦友だった男に手を振る。
一応音楽を聴くことはできるが、やはり目の前での演奏は大分特別なものだった。
浩子
「俺も、そろそろ行かなきゃいけないみたいだ」
浩子が言う。COMPのモニターが薄赤い光を放っていた。
今までずっと安定していた動作が、また不安定になりかけている。
佐倉 光
「ああ、そうか。
早くしないとスライム化しかねないな」
佐倉 光
「ありがとう、来てくれて本当に助かったし、何より楽しかったよ」
佐倉 光
「牧志には俺から伝えておく。
皆にもよろしくな」
浩子
「ああ、頼む。
ありがとう、俺も楽しかった。

二人とも元気だったって、皆に伝えとく。
ああ、戻ったら皆とバンドやろうかな?

また呼べそうだったら、ぜひ呼んでよ。俺もだし、俺以外も。
用事がなくてもいい。みんな喜ぶよ。

それじゃ、またな」
佐倉 光
名残惜しげに手を振る。
いつか。以前のように気軽に会える日が来るだろうか。
浩子
彼女はリコーダーを持ったままひらりと手を振り、店の外へと姿を消した。
COMPが微かに光って、彼女の姿を描いたカードを吐き出す。
佐倉 光
多分大丈夫かとは思うが、今までの反動がある可能性がある。急いで帰ろう。
佐倉 光
置いていかれたらかなわない。

KP
急いで店を後にすると、向こうからそっと片手が差し出された。
その手を掴んで戻れば、まるで何もかもが夢だったかのように、螺旋の底の金色の風景があなたの視界を満たした。
牧志 浩太
螺旋の底で、魔法使いが穏やかにリュートを爪弾いていた。
牧志 浩太
「お帰り」
顔を上げて、彼は微笑む。
佐倉 光
「ただいま、久しぶり?」
いつものように笑いかけて目を見る。
そうする必要はなさそうだと分かっていても、やはりこれは儀式のようなものだ。
牧志 浩太
「お帰り、先程ぶり」
牧志は目を見て笑い返した。
それは一度も欠かさない儀式だ。
佐倉 光
「神音さんは無事。浩子さんは帰ったよ。
上手く行ったみたいだな」
牧志 浩太
「そうか、よかった。
何とかなってよかったよ。
過ぎてみれば、面白い経験でもあったな」
佐倉 光
「ああ、音楽って楽しいんだな。
今まで縁がなかったから全然知らなかったよ」
佐倉 光
「結局何だったんだろうな?」
タンバリンを叩いてみる。技術はどうなっているんだろう?
牧志 浩太
「結局、変な奴に神音さんがうっかり目をつけられて、俺達はついでに巻き込まれただけ、ってことなんだろうな」
KP
牧志が爪弾くリュートの響きにあの鋭い技巧はなく、胴から響くのはまったく凡庸な音色だった。

まるで自らの身体の一部かのように感じられた皮の手触りも、すっかり曖昧になってしまっている。
ただ分かることがひとつある。

牧志は両手をそれなりに動かしてメロディを奏でているし、あなたはあの時駆使した技巧のやり方を、腕の動きは到底追いつかないながら、何となく覚えている。

どうやら、下駄をはかされて猛練習なんて奇妙な経験は、あなた達に何がしかを残してくれたようだ。
経験について
佐倉 光
「合間の趣味レベルなら楽しめそうだな。
一度はできたんだ、またできるようになるって。
多分大事なのは技巧じゃないだろうしな」
軽くリズムをとる。
牧志 浩太
「だな。
それに、今度は呑み込まれる心配なしに楽しめる訳だし?」
リズムに合わせて、軽く弦を爪弾く。
佐倉 光
「世界の中心で音楽、って、そういや俺ずーっと昔にそんなの読んだ覚えがあるんだよ。
覚えてるかな、お前の半身が虫に乗っ取られたときに、俺達そこへ向かっていた事があるんだ」
牧志 浩太
「ああ、覚えてる。
あいつは宇宙の果てへ向かおうとしていた……。
そうか、そうなのか。俺達が音楽を捧げようとしていたものが、あいつが求めていたものなのか?」
佐倉 光
「もしかしたらな。冗談じゃねぇよ、今更」
牧志 浩太
「全くだ。
でも、収穫はあった。
神に捕まっている時だけは、外と時間が一致してたんだ。
あれをうまく使うことができれば……、っと」
思考に入り込みかけた言葉を切り、牧志はリュートを構える。
佐倉 光
「俺達の音楽はデキがどうだろうと俺達のもんだよ」
指先で太鼓の部分を叩いて簡単な演奏をする。
牧志 浩太
「そうだな。
あの時練習した、あの時奏でた俺達の音楽は、ちゃんと俺達の所に残ったんだ」
佐倉 光
「一曲やるか」
牧志 浩太
「ああ、やろう」
頷いて、牧志は弦に手を伸ばした。
佐倉 光
音楽について知る事ができたのは結構大きな収穫だったかも知れない。
単純に、楽しみが一つ増えたのは何よりだ。
全てが終わったのだという開放感と喜びを音に乗せる。
それはここ数日のものに比べると随分拙くなってしまっていたが。
佐倉 光
「伸びしろだらけなんだよ!」
佐倉 光
指を縺れさせながら笑う。
牧志 浩太
「どうすればいいか分かってるんだ。
普通より速い、速い!」
弦を乱れさせ、捩ってしまいながら、笑う。
佐倉 光
つっかえて。ひっかかって、不協和音を鳴らして、テンポを不安定に揺らしながら。
それでも螺旋の中は音楽と笑い声に満たされるだろう。


ワンナイト・ルバート!
 END.A 「rubato」
おしまい


KP
ありがとうございました!
報酬
牧志 浩太
結構減ってしまったので戻りきらず。
佐倉 光
こちらも赤字だ。
KP
今回、特殊PCということで、ゾンビを見て1/1d8! みたいな《SANチェック》かなり軽減しています。
魔きし&佐倉さんがゾンビでうわぁああってなったら今更感強いですからね。

が、神格によるもの、及び自分自身が影響を受けさせられての《SANチェック》そのままにしています。

その結果じわじわと《SANチェック》多いので、結構正気度面がハードでしたね。
じわじわと少しずつ狂わされていくのはやっぱりダメージが大きい。
佐倉 光
とくに牧志はねー。
こっちの佐倉はむしろ本編佐倉より強靱とかいう訳分からん事になっていたけど。
完全に未来か、かなり近いルートの先って事が確定しちゃったなぁ。
KP
ですねぇ。この未来か、かなり近い世界の未来の先に魔きしと佐倉さんがいることが確定してしまった。
今回普通のシナリオだった&外と繋がっていたのもあって、魔きしがかなり「牧志」らしい姿を見せていましたしね。
佐倉 光
佐倉が一人で外に逃げ出せない事も確定しちゃいましたけど。
でも音楽技能貰えたのは良かったなぁ。
KP
確定しちゃいましたね。
なるほど佐倉さんは己の執着によって牧志に呑み込まれていたんだなぁ。
エンディング、最後の演奏の出目によって分岐がありまして、30%残せるのはこのエンドだけなんですよね。
そう、二人にとってこんなに夢中になれるものが残ったのはよかったなぁ。諦めない望み以外に、いま夢中になれる、この時を楽しくしてくれるもの。
佐倉 光
ああー、いい演奏できるほど練習積んだって判定になったのか。良かった良かった。
分岐について
KP
まず、END.Aで100%を超えた場合。
神の恩寵を受けすぎたため、ちょっとハードに引き剥がすことになり、100%未満になるまで《SANチェック成功時減少 1D3失敗時減少 1D6》(1回につき〈音楽系技能〉-5%)が繰り返し発生します。
佐倉 光
ヒィ
佐倉危なかったじゃないの
KP
そうなんですよ。佐倉さんはヒヤヒヤする値までいくし、牧志は上がり切らなくてラストの判定が危ういしでドキドキしていました。
佐倉 光
牧志君は本当に頑張った!
KP
おかげでハッピーエンドになったし二人に音楽を残せた!
佐倉 光
30%あれば結構良い感じに演奏できそう。
KP
そうそう、30%って結構ちゃんと演奏できそう。
趣味でやるなら十分では。
佐倉 光
本編の二人はトルなんとかやアなんとかさんとは遭遇していないか、していても記憶飛ばしている事になりますね。
ファンブルしたら神音さん連れて行かれちゃうのは確実だろうし、自分たちも危険なのかなー
KP
ということになりますね。
まあ、アなんとかさんはともかく、トルなんとかさんは結構レアだし。
他エンドについて。EXとは……
佐倉 光
www
大分難易度高いと思ったらw
逆奇跡だ!
KP
そう逆奇跡。実は100%オーバーでも代償ないのこのエンドだけという。
PCの音痴が神をも退けた!
ある意味伝説。
佐倉 光
でもそれはシロウト引き込んだトルなんとかさんの責任では!?
これはなかなか出ないだろうけど面白いな。
神音さんや魔女に幻滅されそう
KP
トルなんとかさん「ちゃんと才能は与えたから俺は悪くない」
そうそう出ないだろうけど面白いエンドだと思います。

魔女と少年はせやか……ってどこかいっちゃうし、神音はトルなんとかさんいなくなったので普通に上機嫌です。
>神音はその後のコンサートで大成功を収めた。
>なお、彼はのちにこう語る。
>音楽の神は、やはり音楽には厳しいものだったのではないかと。

こんなの入ります。
佐倉 光
ま、まあめでたし……
調査パートで神音さんと関わらないと、音楽祭前に連れて行かれてしまうなんてことあるかなぁと思いました。
KP
一応、関わらなくても神音は音楽祭まで耐えます。
実はこのシナリオの調査パート、背景情報が断片的に出てくるだけで、よくわからないままでも三日目夜になると魔女と遭遇して話が進みます。
佐倉 光
なるほどー。
大した情報出ないみたいだったからそういう可能性も結構あるなと思ってました。
KP
このシナリオ、もともと「PCは一般人である」という趣が強くて、神に引っ張られていても突然日常生活投げ出して探索専念しないんですね。
「いや、そんなこといっても学校とか仕事あるし」っていって学校や仕事しながら調査するので、一日の調査可能項目が少なめなんです。
なんとこのシナリオの舞台は平日だ! 休日が潰れないですむ!
ただし途中から練習専念する羽目になるからやっぱりなにかしら潰れる。
佐倉 光
なるほどー。
行動内容が少なかったので、佐倉は演奏に惹き込まれすぎてそれ以外の余裕があまりない、という感じにしました。
KP
そうそう。
演奏に引き込まれすぎて余裕のない状態を想定していたので、そういう風にして頂けて助かりました。
KP
今回の改変ポイントですが、特殊PCに合わせての調整と、誘導追加・流れ調整系の改変が多いです。

・特殊PC(魔きし&佐倉さん)に合わせて導入と随所を大調整
・夢の描写まわりを大盛り
・四日目だけ夢がないのが流れ的に不自然だったので夢を追加
・唐突な情報にクッション(その情報に目をつけた理由)を追加
・PCの行動まで描写に全部書いてあるシナリオなので、自由行動できるよう調整

あと大きめの所で、
・神音がつよつよ過ぎる(PCがいなくても一人でなんとかしそう)ので、PCの助けが必要そうな描写を追加

があります。
元シナリオだと大事な所でかっこよく啖呵切るのが神音で、それまでもずっと強い感じなんですね。
佐倉 光
四日目夢がなかったから判定とかなかったのか!
KP
実はそうなのです。せっかくだからひどいもの入れちゃった。
佐倉 光
ナイス夢。
佐倉 光
なるほどー、神音さん、程よく頼りになって程よく助けてあげたくなる、いい塩梅だったと思いますよ。
KP
わーい、ありがとうございます。
神音さんのマイペースキャラっぽさを減じちゃうかなぁ、と迷いはしたんですが、やっぱり「弱い一般人」であっても「お話の一番いいところ」を味わうのはPCであるべきだよなぁって。
佐倉 光
神音さんつよつよすぎたら、それこそ本当にただとばっちり受けた感強くなって、ヘイトが神音さんに向きかねないですしね。
今回の感じだと、巻き込まれてはいるんだけど、同じような立場にいる感があって「あいつも頑張って抵抗してるしこっちも頑張るかー」と思えて良かったです。
リアルでは余裕なさそうだけどその分夢で助けてくれているんだなと思えたし。
ナイス調整!
そしてやっぱPCのアクションと描写はこっちでやりたいです! ありがとう!
立場はバックミュージックかも知れないけど、お話の主役はこっちだからね!
KP
わーい。いい塩梅になってよかった! 世界の主人公ではなくてもお話の主役はPCですからね。
KP
ちなみに四日目の牧志の「寝てた夢」はアザトース視点の夢でした。音楽聴いて寝てる。
佐倉 光
なんかヤバいのとリンクしちゃってるー!
わざわざ「寝てた」って言うから意味があるんだろうなとは思ったけど!
KP
魔きしやっぱり向こうに近い所に行ってしまっているものなので、そういう夢があっても面白いかなって。

本編全然関係ないけど、悪魔として成った安里は常に空中を浮いて移動していそう。(触覚過敏はそのまま)
佐倉 光
悪魔化しちゃった面々のあれこれも楽しそうである。
ちょっとシナリオに関わらせるのは難しいカモだけど、今回みたいな感じならいけるかなー。
KP
能力も思考も人間ではなくなっているので、シナリオに関わるのは難しそうですが、今回みたいに判定無しのゲスト出演なら行けるかもですね。それか大したことが起こらないシナリオとか。

壺川は悪魔になったことで、逆に人を超える【INT】も含め「そういう悪魔」の範疇に落ち着いていたりして。
佐倉 光
逆に「普通」になっているかも知れませんね。
知恵の神と茶飲み友達になってたりして。
KP
知恵の神だっていますしね、悪魔。
知恵の神と茶飲み友達になっている壺川、ありそう。
「普通」になれたことで少し気弱さも和らいで、そのぶん発想はどんどん人間離れしてゆく。
古島は己を探求(物理)しすぎて大変なことになってる……。
佐倉 光
そういえば魔女さんって誰だったんでしょう?
KP
あ、そうそうシナリオ背景。

魔女はニャルラトホテプの従者、百万の恵まれたるものどもの力の強い一体、嘆きの聖母の長女、耳の聞こえないマーテル・ラクリマルム(マレウス・モンストロルム 195P参照)です。
【POW】対抗で人の聴覚を奪う力を持ちます。

某シナリオで佐倉さん達を大変な目に遭わせた三姉妹のひとりです。
佐倉 光
やっぱりそうかー。そのあたりな気がしたんだよな。
耳って事は牧志にイタズラしてたヤツか。
従者の少年は何か背景あるのかしら。
登場人物について1
佐倉 光
変に濃いwww
テレパシー会話するゾンビさんだったかぁー。
演奏に感動しつつも主疑った思考読んできっちり罵倒してきたの笑った。
ドン引きしたからって代わりを置かないのね。
KP
ドン引きしたからって代わりを置きはしないようです。
登場人物について2
佐倉 光
実はコメディだった!
KP
PC達に起こっていることはシリアスだけどNPC紹介はなかなかとばしてる。
佐倉 光
回りのやつが才能与えられてるのは意図的なものじゃなくて完全トバッチリじゃねぇかwww
たまに人物紹介と概要だけハジけてるシナリオありますよね。
シナリオ背景
佐倉 光
知っているというって確信なかったけどな!!!
牧志が大物だっていうからそうかな~って思っただけで!
KP
確信ないのに信じがたいような不確かな情報で動かなくてはならない、それもまたCoC。
一応「他パートもほしいし」というネンブラさんの意図ではあったようです。

ありますね人物紹介で弾けてるシナリオ。読んでて楽しい。
ほしいしってその辺にいた人に才能押しつけて楽団員にしちゃうあたり、まったくもう。
魔きしと佐倉さんだったらもうちょっとはっきり正体見抜けてしまうかなとも思ったんですが、やっぱりはっきりわからない方が異様感が増して《SANチェック》説得力が出るのと、〈神話〉知識99%あっても闇の深淵は見通せないというし ってこんな感じにしました。>確信度合いとか
佐倉 光
そもそもチェック失敗でしたしね。
KP
ですね。
佐倉 光
あの書庫にあるものは膨大ではあるけれど、真実のほんの一部でしかないんだ。
ひとの脳みそに収まるものなんて尚更卑小
KP
そうそう。
書庫も、虚実織り交ぜそれこそ大量に詰まっていて、その中から魔きしはずっと真実を濾して掌に受けようとしていくんでしょうしね。
なにやら楽器の山も詰まってたし。
佐倉 光
なんかコスプレ衣裳まで出てきたし。
KP
出てきたし。書庫の中案外カオス。
佐倉 光
聞き忘れてる事ないかなぁ
KP
あとはそうだなぁ、〈歴史〉成功してたら少年の服装が明治時代くらいの古めかしいものであると分かったことくらい?

途中の調査パートでは三日目になると情報が一新されたり、色々と少年や魔女、動く死体にかかわる背景情報が出たりしました。
佐倉 光
なるほどそれで歴史
KP
あっ、成長しないと。
1d100 70 〈歴史〉 Sasa 1d100→ 7→成功
成長せず。
佐倉 光
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 41→成功
成長なし。

コメント By.佐倉 光
ふたりは仲間の力を借りて全ての力を出し切って演奏する。
俺達の音楽は奪わせない。

TRPGリプレイ【置】CoC『おまえが猫耳メイドになるんかい』 牧志&佐倉(PC視点)

こんな状況だけど正気だ! 正気の佐倉さんが、いる!
助けを求め、巻き込まれた俺を助けようとしてくれている!
……大変だろうな正気でこの状況。後で憤死しないかな。

TRPGリプレイ CoC『ブルー・スターズ・セパレート』牧志&子供佐倉 3

泣いている時間はないんだ、まだ。

TRPGリプレイ CoC『静寂舞手』佐倉&牧志 7

チャンスは、一度きりだ。

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


TRPGリプレイ【置】CoC『識に響奏』 波照間&東雲 1

「そうですか、それはいい時に来られました。二人きり……」
「静かで……いいですね」

TRPGリプレイ CoC『対の棲みか』『第一話 霧謬の見』牧志&佐倉 1

『お前に電話して良かったよ』

TRPGリプレイ ゆうやけこやけ 第十五話『旅するゆうこや』海辺の町 1

「ボクも一緒に連れてってよ」