世界樹の迷宮を彷徨う者たち
これは、世界樹の迷宮の第六階層のネタバレ文章です。

072 逆鱗 1

階層全般及び、三属性の超越者攻略とそのレアドロップについてのネタバレあり。
システムの話にも言及するので、そういった楽屋落ち的な話が苦手な方は飛ばしてください。
逆鱗狩り。それは全てを極めんとする冒険者にとっての最大の難関である。
ルシオンらは既に三竜を撃破し、それぞれの体の一部から作ることができる最強の武器を手に入れている。だが、真の戦いはこれからなのだ。
ルビー
「なんだい、このナレーションは」
ルシオン
「気分が出るかと思いまして」
ゴート二世
「わかったわかった。とりあえず地下30階にたどり着いて、俺らも全員レベル70になったところで、いずれ埋めなきゃならない空欄を埋めようって話だな?」
ルシオン
「解説ありがとうございます」
バルロンド
「あの竜には逆鱗があるそうだな。三枚集めると……」
チェ=パウ
「願い事が叶うとか!」
ケイン
「違ぇ」
ルシオン
「最強の武器が作れるそうですよ」
ゴート二世
「で、作って何に使うんだ。こういう、隠しボスへち倒すと最強の何かがもらえるってのはよくあるが、大体使い道ねーよ」
ルシオン
「ですから、地下30階の探索はお預けということで。きたるべき戦いに備えて、装備品を強化しましょう」
ゴート二世
「げっ……また戻るのかよ」
ジンライ
「何の事はねェ、三十階のヤツを倒した瞬間に全てが終わるようにしたいだけだろ?」
ルシオン
「言ってしまうとそうなんですけどね」
ゴート二世
「お前さあ、何か目的があって最下層目指してたんじゃなかったっけ?」
ルシオン
「それはそれ、これはこれです」
ゴート二世
「……こいつに仕事を頼んだヤツがバカだったってことだな」
ルシオン
「その……これはあくまで番外編ですから」
ユディト
「本編とは何ら関係ありません、ということですわね」
ルシオン
「はい、そういうことでお願いします」
ゴート二世
「なあ、三十階のヤツ後回しって事は、これからしばらく逆鱗狩りだけじゃなくて色々残ってるのを埋めるわけだろ?」
キリク
「そうなるね。そういえばまだ依頼がいくつか残ってたし、マンティコアの非レアも取ってないね」
ゴート二世
「三十階にたどり着いたときの俺の武者震いはどうしてくれるんだ……」

ルシオン
「まずは割合簡単で近い雷竜から行きましょう。
メンバーは……私と、チェ=パウは確定として……雷竜の弱点って何でしたっけ? 
まあ、とりあえず汎用性の高いキリクとルビーで……
それから、医術防御10のケインに防衛を任せます」
ケイン
「お、久しぶりの出番だ」
キリク
「ボス特化になってから息切れ早くなっちゃったからね」
ルビー
「さて、雷竜の特徴って何だったかねぇ……」
チェ=パウ
「あまり苦労した記憶がないよねー」
ルシオン
「とにかく行ってみましょう。私はずっと盾をかざしていればいいというのは覚えています」
キリク
「うーん、スタンスマッシュとダブルアタック狙い、どっちが得なのかな」


キリク
「うおぉぉぉっ!(ヘルズクライ)」
ケイン
「医術防御いくぜ!」
チェ=パウ
「まずは安らぎの子守歌~♪」

竜は呪われし遠吠えを使った。全員の強化効果が消えた。
ルシオン
「あっ、そういえばこんな敵でしたっけ」
キリク
「じゃあ僕はひたすら殴っておこう」
ケイン
「医術防御いくぜ!」
チェ=パウ
「えーと、ガンガンいこうぜ~♪(猛き戦いの舞曲)」
ルビー
「氷結の術式いくよ!」

竜は呪われし遠吠えを使った。全員の強化効果が消えた。
ケイン
「ちょっと待て。こうガンガン打ち消されたんじゃ、あっという間に薬切れになっちゃうぜ」
ルシオン
「そうですね……考えてみればほぼブレスと遠吠えが交互に飛んできているだけで、あまり攻撃を受けることはないんですよね」
ケイン
「多分遠吠えって、補助が重なると飛んでくるんだろ? オレが医術防御するより、チェ=パウに歌ってもらった方が効率良いぜ」
ルシオン
「なるほど、確かに一理あります」
チェ=パウ
「あたしはいくら歌っても平気だよー。じゃあ、攻撃力上げるのとTP回復するのと交互に歌っておくね」

キリク
「でりゃー!(ひたすら攻撃)」
ルビー
「くらいな!(ひたすら氷結の術式)」
ルシオン
「……(ひたすらファイアガード)」
チェ=パウ
「いきのねをとめろ~♪ いけいけGoGo~眠れ眠れ母の胸に~」
ケイン
「…………ヒマだな」

ケイン
「……お、やっと終わった」
チェ=パウ
「らくしょ~だったね」
ルシオン
「ケイン、ルビー、お願いします。逆鱗を! 逆鱗を探してくださいね!」
ケイン
「そんなこと言われたってなー。オレたちはあくまで確率を上げるだけで、結局はランダム……ん?」
ルビー
「おや」
ケイン
「これだよな?」
ルビー
「だろうね。無傷だよ」
ルシオン
「見つけたんですね!」
チェ=パウ
「やったー! おめでとう!」
キリク
「いきなり一枚目か。幸先いいね!」
ルシオン
「凱旋ですね!」

ルシオン
「さあ、この勢いで二匹目に挑みましょう。次は赤竜ですよ」
ゴート二世
「あいつかー。ちょっと厄介だよな」
バルロンド
「なに、歌さえ途切れなければ事故でも起こらん限り何とかなる」
チェ=パウ
「まーかーせーてー♪」
ルシオン
「ではメンバーは私とチェ=パウとケインと、相手は火ですから氷雨丸持ちのジンライさんとルビーで」
ジンライ
「おっ、ボス戦でお呼びがかかるたァ珍しいな」
ルシオン
「ジンライさんはツバメ返しも持っていますし、補助無しで属性攻撃が出ますからね。
では皆さん、行きますよっ!」


ジンライ
「この野郎、相変わらずデケェな」
ルシオン
「背後から攻めます。ブレスターンはこの地図のラクガキをちゃんと見て、それぞれ適した行動をとってくださいね!」
チェ=パウ
「らくがきじゃないよぅ!」
ケイン
「コイツ対策なら何度も戦ったから覚えてるぜ。ブレスターンに医術防御とガードだよな!」
(超越者に挑む者たちを参照)

ルシオン
「最初は私も攻撃に加わります」
チェ=パウ
「ちゃ~ら~へっちゃら~♪(猛き戦いの舞曲)」

ケイン
「……基本的にヒマだなぁ、オレ。オレも殴りメディに転向した方がいいのかな……」
ルビー
「何も無理することはないさ。あんたも駄目元で殴ってみちゃどうだい?」
チェ=パウ
「次のブレスターンにっ、氷属性つけてあげるね~♪」

ケイン
「お? 属性付与ありゃ結構通るな」
ルビー
「くれぐれも回復と防御は忘れないでおくれよ」
ルシオン
「そろそろ私はガードに徹します。皆さん、任せましたよ!」
ジンライ
「ルビーにゃ負けるが、俺もまあ役に立つってとこだな」
ルビー
「何言ってンだい。あたしは薬が切れたら終わりだからね」
ルシオン
「主砲二人と副砲ケインがんばってくださいね!」
ケイン
「おっ、オレも結構いけんじゃん」

ルシオン
「やりましたね、皆さん!」
ジンライ
「いい運動になったぜ」
ケイン
「…………」
ルビー
「…………」
ケイン
「……あっ、この牙なら使えそう……」
ルシオン
「リセットで」
ルビー
「……そうかい」
ジンライ
「まァ、また倒せばいいンだろ」
ケイン
「何回倒しゃいいんだろうな?」

ジンライ
「前回は氷雨丸一本だったが、今回はツバメ返しでいってみようと思う。
時にな、ルシオン。俺は夜の方が実力が出せるんだが……」
ルシオン
「皆さん、そろそろ行きますよ~」
ジンライ
「まァ、いいけどよ」


ルシオン
「みんな、大丈夫ですか?」
ルビー
「何とかね……」
チェ=パウ
「うう~いったぁ~」
ジンライ
「あいつ、の口ン中で火が渦巻いてるぜ。次はブレスだな」
ケイン
「今オレは医術防御をしなきゃならない。けど、次のターンで先制シッポが来たら何人か倒れちまうな……」
ルシオン
「ケイン仕方ありません、ここは医術防御。あとは……祈りましょう」
ケイン
「神頼みってのは趣味じゃねーな」

ルビー
「うーん、また牙だねえ」
ケイン
「ま、そう簡単にいくなら『逆鱗狩り』なんて言葉自体できるワケねぇだろ」
ルシオン
「ジンライさん、ツバメ返しの方が圧倒的に強いんじゃないですか?」
ジンライ
「どうもそのようだなァ」
ルシオン
「……ということは、ラチェスタの方が効率が良いか……」
ジンライ
「そんな事だろうと思ったぜ。ま、また気が向いたら呼んでくれ」

ケイン
「しっかし、中盤ヤバかったな、」
ルシオン
「どうしてもタイミングによっては回復と防御の二択が発生しますね」
ケイン
「毎ターン回復なんかしてる余裕はないしな」
ルシオン
「……それなら、ラピスでどうでしょう」
ケイン
「ま、ラピスなら殴れるしTP高いから少し威力上がるんじゃねぇかな? 
医術防御は5ってのが気になるけど」
ルシオン
「ですから、ケインとラピス両方に参加してもらいます。これであなたは防御と回復に専念できますね? あとはたまにラピスに回復を手伝ってもらってください」
ルビー
「それじゃァあたしはお休みだね?」
ルシオン
「ええ。1200ものダメージが抜けるのは痛いですが、仕方ありません」
ラピス
「じゃあ私は前衛に立つわね。余裕があれば攻撃に回ろうかしら」
ルビー
「あんたも吹っ切れちゃったねぇ。立派な前衛になっちゃって……」
ラピス
「守るために戦うことも時には必要、ということね」
キリク
「場合によっては僕よりダメージ出たりするからなぁ……」
ゴート二世
「おっかねぇおっかねぇ」


ラピス
「ええ~いッ!(ヘヴィストライク)」
ケイン
「……なにあれ」
ルシオン
「900とか出ましたね」
チェ=パウ
「わぁぁ、強い~!」
ラチェスタ
「……頼りになるな」
ルシオン
「十分戦えるじゃないですか! よーし、行きますよ!」

ケイン
「チェ=パウ、補助くれー」
チェ=パウ
「はい。ねー、オイル買ってきた方がいいんじゃないの?」
ケイン
「ああ、そうだな。今度頼んでみるわ。……そういや、ラピスには補助しねぇのか?」
チェ=パウ
「うん、補助つきで普通に殴るより、ヘヴィストライクの方が強いんだって」
ケイン
「……どうしてメディックにそういう破壊技があるんだよ」
ラピス
「急所や関節みたいに、狙うと一気に生命を破壊できる所を知っているからよ」
ケイン
「……怖ッ」

ルシオン
「残念ながら逆鱗は見つかりませんでしたが、今回は収穫でしたね。前衛メディックの強さをこれでもかというほど見せつけられました」
ラピス
「私もまさかこんなに役に立てるなんて思ってもみなかったわ」
ケイン
「ほとんどのダメージはラチェスタだったけどな」
ラチェスタ
「ダブルショットよりはツバメ返しの方が通るようだがな……」
ルシオン
「思ったんですけど……安定して戦えるのなら、ラチェスタの代わりにルビーさんあたりに入ってもらえば博識持ちが三人になりますよね? 
次はそのセンでいってみましょうか」
ケイン
「……おい、まだやるのか?」
チェ=パウ
「だってこれ、題名が『逆鱗 1』だもん」

073 逆鱗 2

ケイン
「また牙だぜ。本当にあるのかよ、逆鱗なんて」
ルシオン
「あるらしいですよ」
ルビー
「この牙も最初に手に入れるときは苦労したモンだけど、今はゴミ扱いか」
ルシオン
「斧はキリクにしか使えませんからね。
やはり博識な方が三人いると違いますね。戦利品が山と出ます」
ラピス
「何も見逃さないわよ~」
ルシオン
「この勢いで次こそ逆鱗をお願いします。はい、リセット」
チェ=パウ
「うーん、がんばってるんだけどなぁ」

ルビー
「いい加減戦法が完全に固まったねえ」
チェ=パウ
「れんだでも勝てるよってやつだね」
ケイン
「結局オレは薬ぶち撒いてるだけだな。エリアキュア2も一応高級薬品なんだから、無駄遣いはしたくねぇな」
ルシオン
「やはり安全第一ですから」
チェ=パウ
「いい加減歌のネタが切れてきたなあ」
ルビー
「何も毎回違うのを歌わなくてもいいじゃないか」
ラピス
「でも、その方が楽しいわよ。ただでさえ退屈な戦いなんだもの」
ケイン
「メイスでバカデカい竜をがんがんぶん殴っといて退屈も何もねーよ」

ルシオン
「眠い……」
ラピス
「眠い……」
ケイン
「おいっ、戦いの最中に!」
ルビー
「そろそろ勝てそうだよ、あと少しがんばりな」
チェ=パウ
「えーと、次は、13で……」
ケイン
「……おっと、いっけね。ぼーっとしてたわ」
敵の攻撃!
ルビー
「ああッ!(戦闘不能)」
ラピス
「姉さん!」
チェ=パウ
「いいったぁ~!」
ルシオン
「どうしたんですか! どうしていきなりこんな打撃が!」
ケイン
「悪い、ぼっとしてて医術防御忘れてたぜ!」
チェ=パウ
「だいじょぶだいじょぶっ、あと少しで倒せるからっ!」
ルシオン
「ラピス、すぐにルビーの手当を……」
ラピス
「姉さんの仇っ! えぇ~いッ!(ヘヴィストライク)」
※ゴキッ※
チェ=パウ
「……あっ」
ケイン
「あ」
ルシオン
「勝っちゃいましたね」
ラピス
「……?」
ケイン
「どうかした?」
ラピス
「この鱗、そうよね?」
ケイン
「あ、それっぽい」
ルシオン
「見つけたんですねっ!」
ラピス
「って、そんな場合じゃないわ。姉さん! 姉さんしっかりしてー!」
ケイン
「……えーと……お疲れ」
ルシオン
「ええ、お互いに」
チェ=パウ
「なんか、ばんざーいっ! って感じじゃないね」
ケイン
「ラピス、オレも治療手伝う」

ルビー
「こういうのは気が抜けたときに見つかるモノなのかねえ」
ジンライ
「大丈夫か?」
ルビー
「いつもの事さ。そんな顔すんじゃないよ」
ゴート二世
「結局10回くらいのチャレンジだったか?」
ルシオン
「ええ、おそらく。早い方ではないでしょうか」
キリク
「博識三人が効いたのかな?」
ルシオン
「そうかもしれませんね。さあ、次行きますよ!」
キリク
「最後は青か……結構強かったような気がする」
ユディト
「その上、随分と奥地に生息していましたわよね」
ラチェスタ
「更にあそこは身を隠す場所がなく、奇襲はできん場所だ」
キリク
「そういえばいきなり凍らされた記憶が……」
ルシオン
「それだけ大変なんですから、駄目なら元々で行きましょう。間に依頼を挟んだりするのも良いと思います」
ゴート二世
「そーだな。焦ってもしょーがねーし」
ルシオン
「メンバーは……私とチェ=パウは確定、博識を考慮すると、ラピス、ケイン、バルロンドさんが適当かと思われます」


ケイン
「倒すには倒せたけどさあ、時間かかりすぎだぜ」
ラピス
「そうね、赤よりも硬いのかしら。あまり痛手になっていない気がするの」
ルシオン
「攻撃要員が二名は無理がありましたかね……」
チェ=パウ
「隙を見せると防御と回復されちゃうから、やっぱりあたしはほぼ歌いっぱなしってことになるよね」
ルシオン
「そうなると、単体火力を上げるべきですかね。バルロンドの代わりにラチェスタに入ってもらいましょう。
もしかするとラピスよりキリクを入れるべきでしょうか……」
ケイン
「博識でどれくらい補正が入るのかによるな。人数が増えると劇的に上がる気はする」
ラピス
「手分けして探せるからね」
ルシオン
「うーん。とにかく一度再編成して挑戦してみましょう」


敵の先制攻撃!
チェ=パウ
「アンラッキーだったねっ!」
ルシオン
「これは酷いと思うんですいつもいつ……」
チェ=パウ
「……」
ラピス
「……」
ケイン
「……」
ラチェスタ
「……」
ルシオン
「……」
GAME OVER


ケイン
「これから何度あそこに通わなきゃなんねぇんだろ」
チェ=パウ
「警戒歩行しても結構敵に会うよね。半日は歩くかなあ?」
ルシオン
「今日はこれで終わりますから、あと少し頑張ってくださいよ」
ケイン
「あれ、まだ三回目だろ? もうやめちゃうのかよ?」
ルシオン
「焦ったって仕方ないですから。これで失敗したら、第四層の魔獣退治にでも行きましょう」
ラピス
「ルシオンにしては珍しいじゃない?」
ルシオン
「やはり、終わりが近づくとなんだか淋しくなってしまって……」
チェ=パウ
「そうかぁ、全部終わったらまたどっかに行っちゃうの?」
ルシオン
「ええ、そうなると思います」
ケイン
「別に急ぐことはないだろ?」
ルシオン
「ハイ・ラガードは遠いですから。二月までにたどり着かないと、リーダー別の人に決まっちゃいますからね」
チェ=パウ
「なにそれ?」

チェ=パウ
「うわぁ、相変わらずラチェスタは強いねー!」
ルシオン
「やはりサジタリウスの矢は大きいですね! 
これからの主軸はこれで行きましょう」
ケイン
「いや……あのさ」
ラピス
「もう戦わなくても良くなったみたい」
ルシオン
「……えっ?」
ケイン
「ほら、逆鱗」
ルシオン
「……えっ?」
ケイン
「だから、逆鱗」
ルシオン
「…………」
ラピス
「ね?」
ルシオン
「いやですねぇ皆さん、まだ三回目ですよ。そんなにぱっと見つかるわけがないじゃないですか」
ケイン
「だってあるし」
ラチェスタ
「登録メッセージも出たぞ」
ラピス
「彷徨日和、二回で終わりそうね」
ルシオン
「……なんかこう、これからがんばろうっていう矢先に出てしまうと、素直に喜べないものですね」
チェ=パウ
「いや、喜ぼうよ」

ゴート二世
「ラッチの時といい、運が良いのか悪いのかわかんねーな」
キリク
「良かったじゃない、氷竜が一番大変なんだからさ」
ルシオン
「例によって、鱗売却で作れるようになった剣は、家買えそうなお金なんですが」
ジンライ
「まー、剣が目的ってワケじゃなかったんだし、気にする事じゃねェだろ? そのうちまた買えるようにならァ」
チェ=パウ
「見た? あの剣すごいよ。持つだけで強くなるんだよ」
ルシオン
「剣なら私……」
ゴート二世
「お前は大体防御しかしねーだろ? ここは俺がだな……」
キリク
「セカンドは鞭技しか持ってないじゃないか」
ジンライ
「お前もな」
キリク
「僕は欲しいなんて一言も……その、興味がないわけじゃないけど……」
ラチェスタ
「お前達の武器は十分強い。ここは無属性の武器に譲るべきだろう」
チェ=パウ
「でもさぁ、ラチェスタも弓がないと駄目なんだよね? 
ねーねー、あたしは?」
ケイン
「お前歌ってるだけじゃん」
ラピス
「ここは前衛メディックの私が……」
ケイン
「結局ヘヴィスト使えなくなるんじゃ意味ねぇんじゃ?」
ラピス
「……そうね」
バルロンド
「後衛の術式補強という考え方もある」
ルビー
「そうだけどね、あたしらは賢者の杖でいいんじゃないかって気はするねぇ」
ユディト
「わたくしは不要ですわ。テラー系の呪いは使いませんもの」
キリク
「ってことはさ、使い道ないんじゃないかな?」
一同
「…………」
ゴート二世
「最強の武器はリーダーが持つにふさわしいってこったな」
ルシオン
「……なんか嬉しくない……」