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こちらには『あのこが巨大化するシナリオ』
のネタバレがあります。

本編見る!
KP
店の見た目は民家を改築したアンティークショップのようで、窓には分厚いカーテンがかかっている。
扉をノックすると、応えはないが鍵は開いているようだった。
佐倉 光
店なんだしきっと入っても問題ないだろう。
扉を開けて中に入る。
KP
薄暗い店内に足を踏み入れると、まず目に入ったのは、一面にずらりと並ぶ様々な色の宝石だった。

美しくカットされた表面が光に照らされてきらめいているが、台座の類はなく、白いケースに収められた裸石であるようだった。

その奥には鉱石の棚がある。
巨大な結晶から小さな粒まで、実に様々な色合い、模様、形をしてひしめいている。
KP
その傍らに、艶やかな木製のカウンターがあった。
古風な呼び出しベルがひとつ置かれている。
KP
〈地質学〉または【アイデア】で判定。
佐倉 光
こっそり魔法石が混ざっていそうな店だな。
とにかくもカウンターへゆく。
1d100 75 【アイデア】 Sasa 1d100→ 27→成功
KP
宝石の棚にはルビー、エメラルドなどの見慣れた石や、名前は聞いたことのあるような石が並んでいるが、鉱石棚の方には見知ったものはひとつもない。
結晶が絡まって無数の触手に見えるものや、苦悶する人間の顔に見える石など、奇異なものばかりだ。
カウンターには誰の姿もないが、奥には人の気配がある。
佐倉 光
おっ。割と期待持てそう。こういう怪しげなやつの専門家かもな。
ベルを押してみる。
KP
ベルを鳴らすと、奥からのそりと店主らしい人物が出てきた。

「いらっしゃいませ。どちらにご興味をお持ちでしょうか」

深く被ったフードの影で顔は見えず、発された声も体格も、男とも女ともつかないものだ。
カウンターに置かれた指先は硬質な金色をしていた。
佐倉 光
「鑑定を……お願いしたいのですが。
それと、これと巨人についての関連を……ご存知だったら教えていただきたいんです」
鑑定料を払う意思はあると伝え、ポケットからあの変な鉱石を出し、破壊しても元に戻ることなど知る限りのことを伝える。
佐倉 光
ラグの同類ってとこか?
まっとうなヤツじゃなさそうだ。ただの勘だけど。
KP
「お借り致します」
店主は注意を払って石を受け取ると、カウンターから店内へ出てくる。
店の隅に設置された作業台に歩み寄り、椅子に腰をかけて、もう一つの空いている椅子をあなたに勧める。

店主は鑑定用のルーペを覗き込みながら、あなたに話しかけた。

「お客様、随分と体調がお悪いようですね」
佐倉 光
「ああ、すみません。風邪かと思いますが……緊急事態でして」
店主から距離を取っているが、待っている間外にいた方がいいだろうか。
KP
「いえ、構いません。そちらへどうぞ」
店主は気にする風もなく、あなたに椅子を勧める。
佐倉 光
勧められた、と認識するや椅子に座り込む。
KP
「そのご様子では、随分とお辛いことでしょう……。貴方は今、とても危険な状態にあります」
佐倉 光
「何かご存知なんですか……」
彼は色々と説明してくれたが、わけが分からなかった。
分かったのは、佐倉が病に冒されておりこのままでは死よりも辛い苦しみに閉じ込められるであろう事、病状が牧志のサイズに反影されているということ。
そしてその治療法。
青く光る石を採取して牧志に食べさせなければならないらしい。
KP
私は貴方に恩があります。
私は貴方を助けたい。ですが、ここでは私は十分に動けません。

体調のお悪い所を申し訳ないのですが、ここからは貴方に動いて頂く必要があります」
佐倉 光
言っていることが良く分からない。
佐倉 光
「恩? 僕は初対面だと思うのですが……」
〈心理学〉振ろうかな。
KP
では、こちらで振ります。>〈心理学〉 57ですね。 Sasa 🎲 Secret Dice 🎲
KP
フードの影に隠されて、店主の表情は見えない。
本当に……、恩など感じているのだろうか?
いや、『それ』は、果たして恩など感じる存在なのだろうか?

あなたは『それ』に、途方もなく遠い異質の気配を感じ取った。
佐倉 光
やっぱり悪魔の類いか。
まあ、そうだろうな。
あとはこいつの言葉を信じるだけだ。
どうやら、信じられるだけの材料はある……
佐倉 光
とりあえず、体調が悪かろうと何だろうと自分で動かなければならないらしいことは分かった。
ああ、いつものことだ。
いつもなら……牧志が支えてくれたりするけど、前は一人でやっていたじゃないか。
佐倉 光
「はい、必要ならもちろん。何をすれば?」
KP
「『病原菌の状態を反映したもの』とは、貴方が原因を知りたがっていた、貴方のご友人の巨大化そのものです。
ご友人の姿を取った理由は、私にも分からないのですが……。なぜでしょうね?」
KP
「貴方が重症になればなるほど、ご友人は巨大化していきます。
ご友人のもとに石を届け、摂取たべさせれば、ご友人もあなたも助かることでしょう。

これから、私は貴方を採掘場所へと送ります。
場所は、小学校の横の公園の下。その遥か地下に洞窟があります。

貴方の体調は現実とリンクしています。貴方には時間がありません。
ですが、私は貴方が助かる事を祈っています」
KP
『それ』はどこか、無機質で金属的な声でそう言った。
佐倉 光
「わかりました。お願いします」
佐倉 光
それにしても、牧志の体長が俺の病状だって? なんだそりゃあ。どうしてそんなことになってるんだ。
KP
「そうだ。大したものではありませんが、何かの時にでもお使い下さい」
店主は見たことのない機械をあなたに渡す。
KP
店主曰く『大したものではない』それは、どんな電子機器にでも接続でき、あらゆる電気通信の伝送路を乗っ取ることのできる機械だそうだ。

……大したものではない?
佐倉 光
「うわヤバなんだこれ。ありがとうございます」
ブラックボックスが過ぎる。
KP
「では、転送します。どうか、ご無事で」
店主の言葉を最後、あなたが瞬きをした瞬間── 
目の前に、薄暗い洞窟が大口を開けていた。
人が立ち入った形跡はないのに、入り口は何故か足場が整形されている。
佐倉 光
「……ツイてねぇなぁ……」
なんか俺、具合悪いときに体使わなきゃならないこと多くない?

とりあえず、さっき見せて貰った青い石を探さないといけないわけだ。
で、見つけてどうやって掘るんだ?
佐倉 光
ま、探そう。見つけよう。話はそれからだ。
そうしないと俺はだいぶ嬉しくない状態になるみたいだし、牧志は渋谷を踏み潰すことになるらしい。
佐倉 光
進むしかないな。重い体を引きずって進む。

KP
あなたは米袋のように重い身体を引きずり、一歩一歩歩く。
歩を進める毎に出る汗は生温く、粘ついて不快だ。

額から汗が落ちる。とうとう熱が出始めたのか。
いや、違う、この洞窟が酷く湿っぽいのだ。
奥から生暖かい風が吹きつけ、湿り気のある空気をあなたの体表に貼りつけていく。

まるで生き物の体内にでもいるようで、気分が悪い。足取りが自然と重くなる。

SANチェック》。
佐倉 光
1d100 45 Sasa 1d100→ 5→決定的成功クリティカル)!
佐倉 光
まーた無駄クリだよ。
KP
この状況への佐倉さんの怒りか決意か。
佐倉 光
ここはただの地下じゃないのか? そういえば俺、体調悪くなってからこういう所によくいる気がするな……
くそっ。くそっ。宇宙のウイルスだか何だか知らないが、俺を支配するなんてことさせるかよ。
怒りを燃やし足を運ぶ。
KP
ふっと呼吸が楽になる。
開けた空間に出たらしい。

足下に、ふわりとした柔らかい感触が触れる。
見れば毛の長い高級絨毯のような、きらきらと煌めく地面が広がっていた。
それはうっすらと青く光り、明かりが無くとも危なげなく進むことができる。

あなたが毛足を踏むと、粒子のようなものが飛び散って空中に消える。幻想的な風景だ。
KP
【アイデア】で判定。
佐倉 光
ここは、本当に地底なのか? 生き物の上のような……
1d100 75 【アイデア】減少 Sasa 1d100→ 50→成功
KP
そういえばこの絨毯、あの石に似ている気がする……。

美しい空間の中央に、青白い光がある。
その光は、半透明の鉱石塊の奥から、湧き出るように溢れ出ていた。
よく見れば、鉱石塊は奇妙な三角形と六角形の結晶体が密集してできているようだ。

先ほどから吹きつける生暖かい風は、この鉱石を中心に発生している。

その光景は、先程店主に見せられた写真そっくりだった。この鉱石が、目的の品らしい。
KP
自力でそれを採取する場合は、【DEX】×3または〈採掘に使えそうな技能〉で3回判定。

また、あなたは悪魔を喚んで採取してもらうこともできるだろう。
その場合、〈製作:コンピュータウィルス(悪魔)〉を上記の判定に使用できる。
佐倉 光
なんだ? この鉱石も悪魔の類いだろうか?
これを牧志に食わせるって?

悪魔喚ぼう。ラミアの方が向いていそうだ。……いや、旭橋(ムキムキ弱気牧志)って手もあるな?
折角だから旭橋喚ぶか。
もし不都合ならラミアにします。
KP
おっ。大丈夫です。
彼を呼ぶこと自体は確定でできるが、彼がうまく採取できるかどうかを上記判定で解決するものとします。
KP
いつものように召喚プロセスを走らせると、目の前の空間にマグネタイトが凝固し、そこに牧志が── いや、タンクトップ姿の“旭橋”が現われた。
随分久しぶりに見るような気もする、いつもの大きさの牧志だ。筋肉のサイズは随分違うが。
壺川
「佐倉さん? えっ、うわ……、どうしたんだ。顔色が紙みたいだ。それに、ここ……」

旭橋は不安そうに辺りを見回す。
佐倉 光
「ごめん、色々あって俺も牧志もピンチなんだ。
説明する暇がなくて申し訳ないけど、その鉱石を採取できるかな。
ただ、まともな見ての通りまともな物じゃないから、気をつけて」
1d100 45 頑張れ旭橋 Sasa 1d100→ 53→失敗
1d100 45 頑張れ旭橋 Sasa 1d100→ 60→失敗
1d100 45 頑張れ旭橋 Sasa 1d100→ 9→成功
佐倉 光
旭橋がんばった。
壺川
あなたの紙のような顔色と声に、否応なしに緊急性を思い知ったのだろう。彼は躊躇うことなく鉱石の塊に手を伸ばす。

鉱石が強い光を放った。
焼け落ちる前の紙のように、彼の指を黒く焼け焦げた染みが覆っていく。
壺川
「あ、ぐっ……!」
彼が咄嗟に指を引っ込める。辺りになまなましい臭いが漂った。一瞬後、皮膚を骨を焼かれる激痛があなたの肉体にもフィードバックされる。

痛い。
一瞬視界に星が散る。内側から骨を焼かれるような痛みが迸る。
KP
本当に、こんなものを牧志に飲ませるというのか?
佐倉 光
「ぐあっ!」
痛みがはしり、少し怯む。
やはり、この鉱石は採取されることに抵抗している。
壺川
それでも彼はあなたの言葉を信じ、再び鉱石へと手を伸ばす。
KP
追加で同じ判定を3回行うこと。
佐倉 光
「ごめん、頼む」
1d100 45 頑張れ旭橋 Sasa 1d100→ 99→致命的失敗ファンブル
1d100 45 頑張れ旭橋 Sasa 1d100→ 93→失敗
1d100 45 頑張れ旭橋 Sasa 1d100→ 22→成功
佐倉 光
なにこれ
KP
oh。成長チェックして構いません。
佐倉 光
あ。そういえばこの判定も-10かな。
大丈夫だった。
KP
あ、そういえば。
-10しても成功している値なので大丈夫です。
KP
Sasa 🎲 Secret Dice 🎲
KP
鉱石の塊が根元から折れた直後、鉱石がひときわ強い光を放った。
光が空間を埋め尽くす。旭橋の全身を焼く。あなたの全身を焼き尽くす。
壺川
「ぐぅうう……!」
食いしばった歯の奥から漏れる悲鳴が、白く染まる視界の中に、溶ける。
KP
……瞬きをすれば視界は元に戻る。
鉱石はもはや光を放たず、焼け焦げたはずが何の傷も残っていない旭橋の手の中に、ただの石のように存在していた。

あなたの身体にも傷はない。しかし、どうしてか感覚が曖昧だ。あまり、痛みを感じない。
KP
SANチェック》。
あ、寝て起きた直後(正気度45)で不定リセットしてください。
佐倉 光
「あぁぁぁぁ!」
吐き気を齎すほどの苦痛に焼かれた。確かにそんな感覚があったように思うのに、それはあっという間に消え去って行く。

感覚を……冒される。そう言っていたな、さっきのヤツは。
いや、これはただの夢か幻覚なのか……?
1d100 45
Sasa 1d100→ 59→失敗→3
SAN値45 → 42
佐倉 光
「無事か?」
なんとか声を絞り出す。
壺川
「う、うん、無事……。さっきのは、何だったんだろう」
佐倉 光
「良かった。ありがとう」
鉱石を受け取る。
KP
旭橋があなたに鉱石を渡す。
恐れるように口にしたそのとき、洞窟が大きく揺れた。
KP
『まずい。地上に転送します』
先程の店主の声。
転送の衝撃か、旭橋の召喚が強制解除されるのを感じた。

瞬きをした、直後。
あなたの髪を強い風が煽った。
佐倉 光
やっぱりあれは、生き物、なのか?
くそ、何が何だか分からないのが気に入らないな。

また空が近いのだろうか。

KP
あなたはひとり、地上に立っていた。
強い風の理由を、感覚が追いついた直後に耳に届く轟音で知るだろう。

空に無数のヘリが飛んでいた。
報道ヘリではない。映画で目にするような、陸上自衛隊の戦闘機だ。

さらに遠くの方から、鋭いフォルムの戦闘用航空機が数機、雲を突っ切り飛んでくる。
KP
まるで、まるで、怪獣映画のような光景。
それらが向かう先に、牧志が、いた。

別れる前よりも何倍も大きな身体を丸めて、苦しそうに叫んでいた。
牧志 浩太
「痛っ、痛、痛い、」

急激な成長に、身体が追いついていないのだろう。
意図せずよろめいては、辺りの建物を破壊している。

あまりの大きさに、この世界に、この星に。もう。
彼の手を取れるものは、ただのひとりもいなかった。

きっとあの高みには、誰の声も届かない。
それは、どうしようもなく孤独な姿だった。
佐倉 光
くそ、やっぱりこうなってしまった……!
牧志が更に巨大化する。
そうしたら被害が出る。
人間社会はああしたイレギュラーを許せるものではない。
当然のように排除する。

しかしああした巨大な生き物を殺せばその後が大変だ。
となれば、石ならぬ武器もて追われるのだ。
おそらく海かどこかに。
佐倉 光
「くそっ!」
佐倉 光
つーか、あの距離にどうやってこれを食わせるんだよ!?
佐倉 光
「牧志!」
声を限りに叫んでみる。
佐倉 光
だいたい! 俺があの変な鉱石に触ったのはあいつがでかくなった後だったじゃないか!
KP
激しい轟音があなたの声を掻き消す。
ひとりの人間の腹の底から迸らせた声は、遥か遠い空の上に、届くことはなかった。

「こちら中継ポイントです。ごらんください! 巨人です! これはフィクションではありません。21 世紀の日本に突如巨人が出現しました。巨人は現在も成長を続けており、極めて……」
ビルの壁面で、街頭ビジョンがわめきたてる。
佐倉 光
くそ、知ってた! どうしよう、あんな所まで行ける悪魔は契約してねぇ!
それは自分の病状の重さだと聞いていた。
しかし今はゆらゆらとバランスを崩しては町を破壊し、同時に自分の心も傷つけているに違いない牧志の方が気になった。
どうしたら……!
KP
そのとき、ずっと役立たずだったあなたのスマートフォンが、一瞬光を放った。着信だ。
佐倉 光
誰だ? 着信相手の名前を見る。
波照間 紅
それは波照間の名だった。
佐倉 光
「波照間さんっ!」
電話に出る。
波照間 紅
「すまない、遅くなった。事情は断片的に聞いた! 
空を飛べる悪魔を借りてきた、なるべく高い建物の上まで来られるか!?」
佐倉 光
「さすが波照間さんっ!」
このさい近くにあればヒカリエのぼるかな!
なければ普通に高層ビル。
KP
最初にあなたと彼が出会ったあの事件。
全ての始まりの時にも登ったあの建物を目指して、あなたは重い身体を引きずり、ひた走る!

KP
ここから、便宜的に戦闘ラウンド処理によるミニゲームで解決します。
(1ラウンドの時間は本来の1戦闘ラウンドよりも長いものとする)
ここからミニゲーム。
牧志は攻撃を受け続ける。同時に体が膨らみ続けるためHPは回復するが、攻撃よりは回復値は少ない。
牧志のHPが尽きる前に彼の口までたどり着き、治癒しなければならないのだ!
佐倉 光
高いところ、高いところ、高いところ……
必死で周囲を見渡す。
ただ高い建物じゃだめだ、上りやすくて簡単に屋上に入れる……

ある!
ヒカリエだ。
佐倉 光
「ヒカリエに向かう!」
スマホに叫んで、車が放置され、人が逃げ惑う道路を流れに逆らってヒカリエに向かって進む。
波照間 紅
「分かった、僕も向かう!」
波照間が返答した直後、通話が切れた。



1ラウンド目


佐倉 光
1d100 45 Sasa 1d100→ 90→失敗
佐倉 光
逃げる人々を回避しながら体を引きずるようにする歩みは遅々として進まなかった。
しかしなにかと因縁のあるヒカリエなら構造を知っている。屋上に向かうエレベーターが有料だがあるのも知っている!
着きさえすれば、屋上まではすぐだ!

進むにつれ、ふと、嫌な予感がした。
看板や街頭ビジョンが点灯していない。音楽や広告が聞こえてこない。
KP
逃げる人々の流れに逆らいながら、あなたは走る、走る、走る!
空気が重たいスライムのように全身に纏わりつく。邪魔な空気のスライムがあなたを引きずる。
KP
遥か頭上をヘリの轟音が満たしている。影があなたの上で目まぐるしくちらつく。

頭上で光と煙が尾を引く。
牧志の悲しそうな悲鳴が地を揺るがした。
▽1ラウンド目 ダメージ処理→合計15
回復→3
牧志 浩太
HP 100 → 87
牧志 浩太
激しい苦悶の悲鳴。
建物の崩落する音。誰かの怒りの叫び。

ここからでも分かる、血の臭いがあなたの鼻を突く。
牧志の片眼から、どうどうと血が流れていた。
佐倉 光
なんだよ、くそ、頭悪いな!
巨大だって人間だぞ。攻撃するより話した方が効率がいいに決まっているだろうが!

牧志の悲鳴を聞くごとに、無能な攻撃者への怒りが募った。

そこで攻撃して血を流して、場合によっては殺した後のリスクを考えろよ!
湾岸へ移動させた方がまだしもマシだろうが!
言葉が通じるってわかんねぇのか!?



▽2ラウンド目


KP
特徴的な建物が近づいてくるごとに、辺りは不気味な静けさに覆われていく。

嫌な予感があなたの背を撫でる。
渋谷を渋谷として印象付ける、あの街頭ビジョンが真っ暗になっていた。
猥雑で軽やかな音楽が、聞こえてこない。

あらゆる気配を失った無言の森は、恐ろしい程に静かだった。
見慣れないダンジョンのようですらあった。
▽2ラウンド目 ダメージ処理→合計11
回復→5
牧志 浩太
HP 87 → 81

痛みに叫ぶ牧志の身体が、地を引きずりながら、ずず、ずず、と少しずつ大きくなっていく。
彼の意に添わず、街が彼の下に沈んでいく。
佐倉 光
巨大化の速度に怖じ気立つ。

追い払う間にも巨大化するなら、ここで殺して止めた方がまし、ってことかよ。
もういい、その辺のもの蹴散らして構わずに海でも山でも走ればいい。攻撃されているんだ、遠慮する必要はない!
そうしたら攻撃はやむだろう。ひとまずは。
分かっていてそうしないのは。そうしないのは、あいつが牧志浩太っていう底抜け野郎だからだよ、くそ!
佐倉 光
痛みを感じにくいのはむしろ幸いだ。
考えるのをやめて走る。
KP
あなたはとうとうヒカリエの足下まで辿り着く。
巨大な塔はぽっかりと門を開けたまま、その内側に闇を湛えていた。
KP
1ラウンド目開始時の【アイデア】、振り忘れてるのでここでどうぞ。
佐倉 光
1d100 75 弱体【アイデア】 Sasa 1d100→ 55→成功
KP
あのままでは、まずい。
あんな小さな敵など捻り潰せるほどの生き物なのに、彼はそうしようとしていなかった。
地を揺るがす悲鳴の響きが、少しずつか細くなっていく。

これでは。
あなたが牧志のもとに辿り着く前に、彼が。
KP
そのとき、あの店主に貰った機械の存在を思い出した。

あらゆる通信の伝送路を乗っ取れる機械。

これで、まだ光が落ちていない街頭ビジョンを乗っ取って呼びかけ、射撃をやめさせるように訴えられるのではないか。

これで、頭上を飛び交う戦闘機の管制を攪乱し、彼らの射撃を止められるのではないか。

あるいは、スピーカーで牧志に呼びかけ、そんな奴ら蹴散らしてしまえと言うこともできるだろう。

あるいは、何か他の手段も。

これは、あなたに最も似合う武器だ。

KP
▽あなたはラウンド消費なし・任意のタイミングで〈店主に貰った機械〉を使用できる。

使い方は自由。(上に一例を示す)
使い方によって処理が異なる。
佐倉 光
そうだ、あの胡散臭い機械に本当に言っていたとおりの力があるのなら。

射撃をやめろと訴える? 駄目だ、話が通じたところで時間がかかりすぎる。
牧志に蹴散らせと伝える? 五分ってところだな。大体、それでやるようならとっくに行動しているだろう。
それなら根本から攻撃を止めるしかない。

管制を混乱させる。
KP
機械がその全体から光を放った。
直後。
飛び交う無数の電波があなたの意識下に、見えた。

誰かの声。怒り。怖れ。冷静。叫び。保身。叫び。叫び。叫び。機械どうしが交わす無機質の声。
蜘蛛の巣に似た無数の網目が何をやりとりしているのか、己がものとして感じ取れた。

この世界はあなたのものだ。

あなたは走らねばならない。
ずっとその世界を覗いていたくとも、覗いていることはできない。
しかし、それに指示することはできる。

『敵』はそこにいないと。
※発動に判定は不要。
次のラウンド、射撃ダメージが大幅に弱体化。
その後のラウンド、射撃ダメージが弱体化する。
佐倉 光
蜘蛛の巣に毒を流す。真実に混ぜてほんの少しの毒を。
佐倉 光
攻撃してはならない。
敵はそこにいない。
攻撃をはずし、万一避難がすんでいない罪もない住民の住む住宅街にでも突っ込んだらどうする?  責任問題だ。
そんな可能性をはらむことを即決できるような豪胆なものがこの国の要に存在するのか?
佐倉 光
指先を繰るまでもなく、想うだけでネットワークが壊れる。ネジ曲がる。
どうつつけば何が起きるかなんて知っている。手をひとふりするだけで黒が白になる。

ずいぶん愉快な光景だ。普段なら入り込むことも困難なネットワークを覗き込んで意のままに操る。

イージーで興味深いがスリルはない。研究の価値はあるが、安っぽい万能感を満たす程度のものだ。
だが今、この上なく役に立つ。

混乱を確認したらヒカリエに飛び込む。
KP
その毒は無数の声として網の一つ一つに染み通る。
みるみるうちに論争が生じ、争いになり、言い合いになり、統率の取れていた通信が混乱に落ち始める。

一度混乱に陥れば、あとは速かった。
混乱が輻輳し、輻輳が輻輳を呼ぶ。
KP
頭上を飛び交う弾丸の数が明らかに減ったのを尻目に、あなたは闇の内側へ飛び込む。



▽3ラウンド目


KP
時はもう夜になろうとしていた。
エスカレーターからもエレベーターからも光が落ちて、何もかもが室内に影だけを落としていた。

ガラス張りの大窓から射し込むサーチライトの光だけが、時折室内を照らす。
室内は停電し、エレベーターもエスカレーターも停止している。
避難のためか、非常階段の鍵は外されているようだ。

駆け上がるほかない。
【CON】×5で判定。
マカミに引っ張ってもらう、ラミアに抱えてもらう、旭橋に手を引いてもらうなど、悪魔に手伝ってもらうなら+25%してよい。
佐倉 光
マカミを召喚する。もうこんな状況で悪魔を見て驚く人間もいないだろう。
佐倉 光
「マカミ、手伝ってくれ」
マカミ
「……さっきといい、俺はロープじゃあねぇんだぞ、ヘッポコサマナー。
たまに喚ばれたと思えばこれだ。もっと敬え」
佐倉 光
「非常事態なんだ、大口真神。後で酒でも肉でも捧げるから」
マカミ
「尻尾掴んだら祟る」
佐倉 光
1d100 50 弱体【CON】 Sasa 1d100→ 83→失敗

佐倉 光
さっきの謎マシンはまた使えますか?
KP
使えます。
佐倉 光
では何フロアか上がるごとに使用って事で毎ターン使うことも……できる?
KP
OK。
あ、但し、何度か撹乱に使っても射撃ダメージは弱体化までです。再度大幅に弱体化することはない。

最初だけ大幅に弱体化するのは、最初の撹乱が特に効果が高いからですね。撹乱があることが分かってしまうとそんなに効果が上がらない。

別の使い方をするならまた別の処理になります。
佐倉 光
なるほど、じゃあ失敗がかさんだら別の方法も検討しよう。
佐倉 光
1d100 50 弱体【CON】 Sasa 1d100→ 55→失敗
1d100 50 弱体【CON】 Sasa 1d100→ 40→成功

佐倉 光
やっと三分の一ほど登った。汗だくでふらふらだ。
元気なときでも登るのは辛い高さ、マカミの胴体を掴んでなんとかバランスを保っている。
(ここまでで3T経過)
毎ターン撹乱を行っている。
KP
実に地上三十四階。その高さを階段で登るのは至難を極める。
体力に自信のある人間が走ってもひと競技になる所、決して走るのが得意ではないあなたが、しかも歩くだけでしんどいようなこの体調で、走らねばならない。

こちらは具合が悪いというのに!
▽ダメージ処理→合計1
回復→2
牧志 浩太
HP 81
▽ダメージ処理→合計3
回復→6
▽ダメージ処理→合計11
回復→10
牧志 浩太
HP 81 → 80
佐倉 光
攻撃がいい感じにヘタレてる!
牧志 浩太
牧志の身体が窓の向こうで絶え間なく膨張していく。彼の足下で街並みが音を立てて飲み込まれていく。
彼が街を追いやっているのに、彼が追いやられていく。対話のかなわぬ場所へ。

混乱する弾丸は、さらに大きさを増していく彼の身体に、殆ど傷をつけることはない。
必死に体勢を立て直そうとしている声が、電波の向こうから聞こえるばかりだ。
もう登り切っただろう、あと一階登れば、この階段を踏み越えれば……
顔を上げたとき、[12] の階数表示が目に入った。

まだ、三分の一。
もう、三分の一。
やっと、三分の一。



▽登り始めてから4ラウンド目


佐倉 光
撹乱、まだいけるか? もう少しの間混乱していてくれるだろうか。
棒のような足を持ち上げて進む。
1d100 50 弱体【CON】 Sasa 1d100→ 2→決定的成功クリティカル)!
KP
おおっ!
次ラウンドの判定に+20%してよい。
佐倉 光
1d100 70 弱体【CON】 Sasa 1d100→ 30→成功
佐倉 光
がんばった。
KP
頑張った!
佐倉 光
足の感覚がない。しかし一心に足を動かし続ける。
もうマカミの体に引きずられるようにしてやっと進んでいる。
もう何のために進んでいるのかも良く分からなくなった。
KP
耳がつうんと痛む。頭をがんがんと痛みが叩く。息は切れ、意識はぼうっとする。
あなたの全身が立ち止まらねばならないと訴えている。

しかしあなたは、進む。
KP
▽ダメージ処理
ダメージ→合計10
回復→1
牧志 浩太
HP 80 → 71
KP
▽ダメージ処理
ダメージ→合計7
回復→9
牧志 浩太
HP 71
KP
あなたが最上階へと飛び出して外の空気を吸った時、辺りは赤く、赤く染まっていた。

それは空の果てに沈む夕陽の最後の紅であり、
世界に敵に回られて泣き叫ぶいきものが流す、夥しい血の紅だった。
波照間 紅
「乗ってくれ!」
世界を染める紅を背景に、翼を生やした巨大な馬に乗った青年が、あなたに手を伸ばした。
佐倉 光
マカミの胴体を纏わせ手を伸ばす。
あの赤を止めなければならない。
牧志は悪魔じゃない。赤く溶けたりしない。ただの人間だ。
昇って、昇って、奪い取ってきたものを摂取させる。
それでどうなるかは……
あの胡散臭い金の男を信じるより他にはない。

波照間の手を取る。
波照間 紅
伸ばした手を、波照間が掴んだ。
温かい手が、あなたの身体を馬体の上へと引っ張り上げる。

ようやくあなたの身体が重力から解放され、このまま瞼を閉じたいと訴えてくる。
しかし、まだ、目を閉じるわけにはいかない。
波照間 紅
「行こう」
赤く輝く空に無数の弾丸が舞っていた。
波照間は馬の首をそちらへ向ける。
波照間 紅
「すまない、ガイドを頼む。
僕はこいつに言うことを聞いてもらうので手一杯だ」
佐倉 光
やっと休める? 勘違いするな。
マカミに体を固定して貰って馬から落ちるのを防ぐ。
少しだけでいい、体力を戻して、どんな状況にも対応できるように備える。
それにしても見事な悪魔だ。波照間さんも随分と無理しているな。
佐倉 光
波照間さんに今までの経緯を説明している暇はないな。
佐倉 光
「牧志の口に石を放り込まなきゃならないんだ。
上手く行けばそれで終わる」
とだけ説明する。
波照間 紅
波照間は頷く。
なぜ、と問う事もない。
見慣れた色の眼はあなたを信じていた。

あなたを乗せた悪魔が、翼を閃かせて飛んでゆく。
KP
〈目星〉で判定。
牧志のもとへ到達するまで、成功で1ラウンド、失敗で2ラウンドかかる。
佐倉 光
霞む目、重くなる瞼を何とか開けて波照間さんをアシストする。
1d100 88 弱体〈目星〉 Sasa 1d100→ 63→成功
KP
ヘリの風があなたの髪を、服を巻き上げる。
風をかき分け、炎をかき分け、あなたは牧志へと近づいてゆく。
牧志 浩太
『佐倉さん』
巨大な唇がゆっくりと動いて、あなたの名を、呼ぶ。
あなたの邪魔をせぬよう、声に出すことなく。
その眼からとうとうと赤い涙が溢れだし、滝となって地面を穿っていた。
KP
▽ダメージ処理
ダメージ→合計12
回復→5
牧志 浩太
HP71 → 64
KP
牧志の首を弾丸が抉った。
血が噴き出し、あなたの身体に降りかかる。

牧志の顔色が、少し白くなり始めているように見えた。
KP
▽戦闘ラウンド進行終了。
あなたは牧志のもとに辿り着いた。

佐倉 光
鉄の香りがする液体を浴び、奥歯を噛みしめる。
ここまで来たのだ、邪魔をされてたまるか。

あの謎装置を使って、届く限りの通信設備に情報を叩きつける。
佐倉 光
「今から巨人を抑える、邪魔をするな」と。
少しでも気を取られてくれれば、牧志自身から目が逸れるだろう。
そのすきに牧志の口の近くに空飛ぶ馬を寄せて貰い、牧志の口の前に出る。
喉の奥まで投げ込むのは無理そうだ。
口の中に入り込んで、舌の奥に乗せればいけるか?
KP
戦闘機がミサイルを放とうとするが、間一髪、あなたの通信が間に合う。
牧志 浩太
牧志はあなたを視界の中心にとらえて── 微笑んだ。寂しそうに、嬉しそうに。

風に煽られながら、あなたは牧志と真っ直ぐに向き合っていた。
誰の声も聞こえない。鳥の声もしない。何の生き物の姿もない。
エンジンの轟音に包まれながら、そこはどうしようもなく、静かだった。
KP
馬が空を駆ける。一声高くいなないて、ぐんぐんと近づいてゆく。
牧志の眼が視界から消えた。巨大な唇の皺が、あなたの目の前に迫る。
佐倉 光
確証もなく、俺は得体の知れないヤツの言葉を信じて、牧志に危険な物を食わせようとしている。
イメージだの夢だのあいつは言っていたな。
もしかしたらこれは、死にかけた俺の、悪夢なのかもしれないな。
佐倉 光
力を振り絞って、口を開けろと叫ぶ。
右手にあの得体の知れない石を握りこみ、緩みそうな指をもう片方の手で抑え。
牧志 浩太
石が青白い光を漏らし、あなたの手を焼く。
風に煽られ揺れながら馬が少しずつ、牧志の唇へと近づいていく。
牧志 浩太
目前で、合わさった唇がゆっくりと開かれた。

分厚く硬い歯の向こう、薄暗く湿ったうろの中から、生暖かい風が吹いてくる。
山なりにカーブした硬口蓋と、その下で波のようにうねる舌。
絶えず揺らめく生物の内側が、あなたのすぐ目の前に広がる。
佐倉 光
「マカミ、支えてくれ。
波照間さん、合図したら逃げるんだ」
佐倉 光
大丈夫。大したことない。うまくいく。
呟きながら身を乗り出して、狙いを定め、3カウント。
舌の奥、喉の中へと光る石を滑り込ませる。
KP
そのとき、背後から強い風が吹いた。
波照間 紅
「うわっ!?」
KP
あなたは波照間と、体勢を崩した馬ともろとも、暗いうろの中へと飛び込んでしまう。
馬が必死にもがくが、粘ついた液体に翼を取られ、柔らかく沈む地面を蹄が踏み、なかなか這い上がれない。

次の瞬間、辺り一帯を包む肉の壁が震え、足元の地面が奥へ向けて跳ね上がった。

あなた達はあえなく、転がり落ちていく。
奥へ、奥へ奥へ……。
佐倉 光
飲まれた!
このままでもし、牧志が元のサイズに戻ったら……俺達は、牧志は、どうなるんだっ!?
考えたくもない可能性を頭の中巡らせながら、必死であの石を胸の所に抱え込もうとした。
KP
あなたの手の中で、あの石が眩く輝いて砕け散った。
そして、あなたは。

KP
はっと目を覚ました。

KP
あなたは、朝の光が射し込む部屋の中で目を覚ました。自室だ。
頭上に青空は広がっておらず、きちんと見慣れた天井がはまっている。

息を吐けば、熱かった。息苦しい。頭はぼーっとするし、体は熱っぽく汗でべたついている。
しかしあの時のような異様な体の重さはなく、風邪の治りかけを思わせる体調だ。

あの時焼け焦げ血にまみれたはずの手は、綺麗なものだった。
手の中に握っていたはずの石も、機械も、どこにもなかった。
佐倉 光
どこだ、ここは。俺の部屋……?
腕を上げて額に乗せ、熱を測る。高い。
だが、いつもよく体調を崩すときの感覚だ。
起き上がろうとすると頭がぐらぐらしたが、異様な吐き気などはない。
枕元を探って水を探す。
KP
枕元を探すと、500mlのペットボトルが何本か。スポーツドリンクと水だ。
それから、あなたが頼んだゼリー飲料もある。

水を手に取ろうとすると、スマートフォンの画面が目に入る。
時計の示す日付は、昨日と同じ日の朝だった。

佐倉 光
つまり、一日寝て過ごして、翌日牧志が巨大化していたのかと思いきや、
一日寝て過ごしていなかった、ということだろうか?
KP
目を覚ましたら牧志が巨大化していた、あの日と同じ日がもう一度来たように思える。
0日目(風邪を引いて寝た)→1日目朝(目覚めたら牧志が巨大化していた)→1日目夜(牧志に飲み込まれて気を失った)→2日目朝…… と思いきや、また1日目だった、という感じですね。

佐倉 光
夢、だったのか?
風邪を引いて、悪夢にうなされていただけ、なのか?

水を飲んでゆっくり起き上がり、カーテンを開けて外を見てみる。
KP
外には爽やかな青空が広がっていた。
あの時真っ赤に染まったはずの街は、いつも通りに穏やかだった。

あなたが外を見ていると、背後で扉の開く音がする。
牧志 浩太
「起きたんだな。おはよう」

そこに立っていたのは、牧志だった。
いつも通りの、いつもの大きさの、いつものようにあなたと声を交わせる、牧志だった。
佐倉 光
「おはよう……」
佐倉 光
「体、大丈夫か?」
思わずまじまじと見つめて問いかけてしまった。
牧志 浩太
「ああ、大丈夫。伝染ったりしてないよ。
佐倉さんも、昨日よりちょっと顔色よくなってるな。よかった」

あの時間近にあった唇が、鼻が、眼が、あなたの視界に入っている。
あなたと牧志の間に、遥か眼下の街並みはない。
安心したように微笑む牧志は、もう赤い涙を流してはいなかった。
佐倉 光
「そうか、あれは夢だったんだな」
佐倉 光
「ほんと、ひでー夢見てたよ。変に筋が通っててさ。お前がどんどん巨大化してくんだ。
それも、牧志が自分を実は悪魔だからだって言い出したと思ったら、俺の病気のせいでさ」
喋るとどんどん笑えてくる。
俺は一体何を考えていたのやら。
牧志 浩太
「あれ、奇遇」
牧志 浩太
「俺も巨大化する夢見てたよ。
でっかくなっちゃって淋しいって泣いてたら、佐倉さんがカレー作ってくれるんだ。

でもそれを食べたら、もっと大きくなっちゃってさ。
高い所に行きすぎて誰の声も聞こえないし、どんどん大きくなって街を潰しちゃうし、痛くて淋しくて泣いたら、涙で街が沈むんだ。

そうしたら佐倉さんが飛んできてくれて、でも勢い余って佐倉さんまで飲み込んじゃって……。そんな夢」
佐倉 光
「……学校塗ってカレー食ったろ」
牧志 浩太
「ああそうそう、給食のカレー……、」
佐倉 光
「また夢を共有したのかなぁ、俺達」
そんなこと二回も三回もやったからクセになったのかもしれない。
牧志 浩太
「……なのかなぁ。熱出た時の夢に入るとは思わなかった。
なんだか共有が癖になっちゃってるな、俺達」

牧志はそう言って、やさしく苦笑する。
いつも通りの大きさの、いつも通りの朝だった。
佐倉 光
「夢で良かったよ」
佐倉 光
「巨大化してた原因が俺の病気のせいだとか、ずいぶんとぶっとんだ夢だ。
俺も永遠に生きながら苦痛しかないとかいうふざけた状態になりかけていたらしいしさ」
佐倉 光
「人が巨大化したからってすぐ攻撃するとか、あるわけねーよな。
それに、どんな通信網も乗っ取れるスーパーハッカーマシーンなんてのも出てくるんだぜ」
あのマシーンがあって良かったと心底思う。
佐倉 光
「こうやって話していると馬鹿みたいだけどさ、あまりにもリアルな夢だったんだ。
正直思い出すとまだ少し怖いんだ」
牧志 浩太
「ああ。俺も……、本当は、ちょっと怖い。
まだ、覚えてるんだ。
あの高い所がどれだけ静かだったかを。
俺の血で、街が真っ赤に染まるのを」

牧志はあなたの手に、恐れるようにそっと手を伸ばす。
握りつぶしてしまうのではないかと、こわがるような手つきだった。
佐倉 光
「ただの夢だよ」
言って安心させるように手に触れ、軽く背を叩く。
佐倉 光
「大丈夫だ」
牧志 浩太
「そうだな。大丈夫……、大丈夫」
牧志はあなたの手を強く握りしめ、笑う。
牧志 浩太
「大丈夫だ」
佐倉 光
「今日は旭橋の日だったかな。シロー起こして朝飯にするか」
そうしていつものようにコーヒーメーカーのスイッチを入れた。
KP
コーヒーのいい香りが漂った。
視界の端にふと、金色の蜘蛛がよぎって去っていった気がしたが、それも気のせいかもしれなかった。


『あのこが巨大化するシナリオ』
END.1にて、おしまい。


佐倉 光
ありがとうございました!
KP
ありがとうございました~~~!
佐倉 光
思わぬ方向に転がっていってびっくりしたなぁ。
KP
ハイライトはやっぱり牧志巨大化なんですが、原因が意外なんですよね。
佐倉 光
牧志がでっかくなって、原因突き止めてなおる、程度のヤツかと思ったら大スペクタクルになってた
ふたりとも真相わかんないまま終わった臭いな!
KP
YES!  PC視点で真相が完全にわからないはなし!
佐倉 光
いや教えてくれはしたけど訳わかんないまま終わった。
KP
シナリオトレーラーでもKPCの手に戦闘機が群がっているので、最後の大スペクタクルがハイライトですね、やっぱり。デッッッカい!
でも巨大化した牧志との日常も楽しい。
佐倉 光
割と洒落にならん事態が起きていたようですね?
KP
あ、では早速報酬と真相を。
報酬・成長と真相。
病に打ち勝った報酬で、なんと佐倉のCONがアップ!
佐倉 光
本来KPCの姿をしているけど関係はない のかな?
KP
本来はそうなのです。>関係ない
現実のKPCは何が起こったかも、夢の事も全く知らない。

ただ、今回は都合により牧志と夢を共有したことにしました。
佐倉 光
なるほどー。
夢の中で結構大事な話したし、「これ夢落ちだったらなかったことになっちゃうなぁ」と思っていたのでナイス改変です。
自分が観音様かと思ったらカンダタだったらしい。
KP
そうそう。大事な話もしたし、単純にこんな面白い思い出牧志の方に残らないのもったいない のが一つ。

で、それより大きな都合が、前回との変な整合性の「食べちゃったから大きくなったと思い込む」をやりたかったからです。

佐倉さんは牧志のその狂気を知らないはずなので。
佐倉 光
そうそう。知るきっかけなかったですからね。
冒頭の夢と巨大化と鉱石になにも繋がりが見つからなくて、どういう話なんだこれ?? と思いながらやってました。
蜘蛛がリーギークスの住人で、冒頭で助けてたってことなんですかねー
助けてくれた人の正体が語られる。
どうやら小さな存在だった彼を佐倉はそれと知らず助けたことがあったらしい。
佐倉 光
それは多分なんとなく見えたから避けたってだけだろうな。
動いているものわざわざ踏み散らしはしないよ。
踏んだからって何とも思わないけどさ。
「蜘蛛を踏んで平気なの!?」って追求されたら、「運が悪かったんじゃないの?」って返す程度。
KP
なんとなく見えたから避けただけかもしれないし、踏みそうになった瞬間に牧志に声かけられて振り向いただけかもしれない。
そのなんとなくが今回は佐倉さんの命を救ったわけですね。
細菌は当然のように人から人へ感染するので、こうなっていなかったら牧志も、シローも感染していたことでしょう。
佐倉 光
また地球が大ピンチになってる!?
KP
なのです。実は。
さりげなーくまた大ピンチになってる。
佐倉 光
寝込む前にあの奇妙な石を拾っていたことがあるって事なんですかね。
KP
これ、ヴィブールが小学校の裏山の下の洞窟に眠っていた、とシナリオにはあるんですが、じゃあどうするのそれ??? って方向に話がそれてしまいそうだったので、そこは不明とさせていただきました。

>ちなみにシナリオ内でのヴィブールの撃退は想定されていない。心配な場合はヴィブールが自分で別の場所へ移動したので脅威が去った、またはリーギクスの住人がなんかうまいことして撃退してくれた……ことにしていい。

だそうです。
佐倉 光
今回解決しても、普通に近辺の小学生とか感染しそうですしね。
KP
そうなんですよ。あれマレモンP143見ると相当やばい代物なので、そうホイホイいたら困る。
佐倉 光
ただ細菌が強力すぎて、広げる前に宿主殺しちゃって結局広まりきらないままゲームオーバー(Prague Inc感)になりそうだけど。
KP
あれ、宿主の意識を脈動する痛みの中に閉じ込めたまま、肉体をヴィブールの手駒として1d6か月そのまま動かされるんですよ。
つまりその間に感染広がりそう、っていう。
佐倉 光
あー、ゾンビ化みたいなかんじになるのか。それはやばいな。
どれくらい知性的な行動できるかによるけど。
KP
まさに「ゾンビ」とマレモンにも書かれています。飲食はそのままするそうだけど、どれくらい知性的な行動をするかはちょっと不明。
そんなになりすますような感じというよりは、まさにゾンビなんじゃないかなと思ってます。

知識を持っていて対処法を知っている人間が居れば焼き尽くすなりして何とかできるけど、神話生物、その「知識を持つ」のがそもそも難題っていう。
あ、あと眼窩が溶け落ちて腐った液体になるらしいので、区別は簡単につきますね。
佐倉 光
ああ、それで牧志の目から血が
KP
あっそこは考えてなかった なるほど(単純に一撃で大ダメージ出たのでその演出だった)
佐倉 光
そうだったのか!
撃たれるにしても随分ピンポイントだな意味あるのかなと思っていた。
KP
あと単純に牧志が眼をやられるのは印象的だからですね。
あのサイズ差にあれだけのダメージ出すの、やっぱり眼に当たったのかなって思ってああなっただけでした。
佐倉 光
「チェレンコフ光?」って半ばブラックジョークで言ってたのになんとなく合ってた!?
KP
実はそうだったんですよ。
今回は夢の中なのでSAFEですが、現実で出会ってしまった場合、細菌で死ぬか放射線で死ぬかみたいなエグい選択要求されるという。
ので「青白い鉱石ダイレクトアクセスしたらどっちにせよ死ぬよなー」ってなって、こんな回りくどい手段で治療する羽目になったと。
佐倉 光
ありがとううさんくさいきんいろのひと。
あの青いのネズミのフンだったんかーい!
KP
だったんですよ実は。
佐倉 光
ひどいはなしだ。
KP
ひどいはなしである。
あ、夢を共有したのは牧志だけなので、シロー・波照間・旭橋・マカミは夢のことは知りません。
佐倉 光
こんなことがさーって旭橋に言ってきょとんとされる。
マカミはその話を聞いて「覚えてるから酒を寄越せ」って言う。
KP
「?」って不思議そうにされるでしょうね。
マカミ、それは覚えてるのか酒をせびってるだけなのかどっちなんだ。
佐倉 光
もちろんお酒が欲しいだけですが何か。
KP
楽しい。
佐倉 光
波照間さんにもペガサスの話振ってきょとんとされるのか。
ペガサス? 神話生物? わからないけど。
KP
そうそう。「? 何の話だ?」ってされる。
あれは佐倉さんの夢の中の存在なので謎です。
あ、ちなみに鉱石の光で佐倉さんが焼き尽くされたのは、2d6+技能失敗回数分のダメージを受ける所、2d6で11が出ちゃったせいです。
佐倉 光
夢の中で死んでた!
KP
あそこで実は死んでた。

●END分岐
ラストで牧志の耐久力がなくなる前に牧志の所へ着けるか、牧志の耐久力がなくなってしまうか。
KP
とはいえ展開にはほぼ差がなく、「牧志が倒れ、倒れて横たわる牧志が最後の力で開いた口の中に入って石を飲ませる」シーンが発生するだけです。
ショッキングだけど現実の牧志は無事。
佐倉 光
そうか、現実の牧志とは元々何も関係がないわけですからね。
KP
そうそう。
>KPC の耐久力が無くなってもクリアはできるが、PL には黙っておく。

だそうです。
佐倉 光
病気のことが分かっていてもKPCの方が心配になるんだよ!!!
KP
ありがとう佐倉さん!!
孤独が苦手な牧志にこの仕打ちは地味に弱点攻撃。
佐倉 光
世界の全てが敵になるからなー。
KP
世界の全てが敵になるし、大きさが違い過ぎると誰の声も聞こえず、誰の顔も見えませんからね。
佐倉 光
佐倉が牧志に「もういい、攻撃して町を踏んでもいいから逃げろ」と伝えていたら牧志はどうしていただろう。
KP
牧志は動かなかったでしょうね……。
佐倉さんを生かすためなら世界を敵に回せるけど、自分自身のためだけにはまだできなさそう。

それに、成長し続ける自分が意図せず街を呑み込み続けることも分かってしまっていたので。

「嫌、嫌だ、踏みたくない。殺したくない。
それに、行く所なんて、もうない」
って叫んでいた気がします。
佐倉 光
じっさい怪獣の後始末じゃないけど、馬鹿でかい生き物が市街地で死んだ場合の後処理を考えたら殺すほどの攻撃しないだろうと普通に安心していた佐倉。
それにゴヂラじゃないけど、日本政府は民間人に被害出すこと考えたらそんなに簡単に火器使うわけがないと思っていたから、本当にびっくりしたのだった。
KP
シナリオ的にはそこはわりとスペクタクルシーン優先のフィクションですが、「牧志の成長速度が何もかもを上回っていた」に終始すると思います。

止めないと1ラウンドに1d10HPの速度で街を埋め尽くしていくんだもん。
佐倉 光
えらいことになってましたねー
KP
あの大きさで100HPから更に1d10HPずつ増えていく。
佐倉 光
海に逃げたら逃げたで津波の元になりそう。
KP
海に飛び込んだら巨大な津波が発生して、までは想像してました。
佐倉 光
あともっとギャグ系だったら、牧志の子供の頃から今までのイメージ動画をネットワークに流して「こんなヤツが悪事を働けるわけがないだろう!? 攻撃をやめるんだ!」って訴える方向も考えたかも知れない。
今回は「うん無理」ってなったけど。
KP
イメージ動画www世界が和む。
ちいさい牧志、好奇心が強すぎてお家脱走系の悪事は悪気なくやってそう。
佐倉 光
考えてみれば幼少期牧志の動画は佐倉持ってない。
じゃあネコモドキになりかけた動画でも……
KP
かわいいけども。
一応、元シナリオからラストシーンがああいう感じになるのはそうです。
元シナリオだと、最初は「第四次性徴期かなあ」なんて暢気にしてるんですが、大きくなるに従って不安げになり、ラストシーンでは「痛い、痛い」「一人にしないで」っていう感じになります。
佐倉 光
第四次。
それはウイルスの意思なのか、夢の中のKPCなのか。
KP
どちらの意思なんでしょうね。
佐倉 光
ウイルスじゃないや細菌だ。
細菌だったら巨大化を喜びそうだし、KPCの意思なのかなー
こうなったときにKPCはこう言うに違いない っていうPCの思い込みかも知れないけど。
KP
それもあるかも。
佐倉 光
でも今回は本人がリンクしてがっつりハマったなぁ。
予想もしていなかった方に飛んでいって本当にびっくりした。ありがとうございました。
KP
いえいえ、こちらもがっつりハマって楽しかった。何もかもがいちいちデカァイ描写も楽しい。
佐倉 光
最初に町の物踏んだあたりで「夢落ちだから好きなだけドタバタしてね」って感じのシナリオっぽいなーと思っていたけど、大分重い話だった。
いやドタバタはするんだけど。
KP
夢落ちだしドタバタはするけど結構重かった。
改変要素
KP
▽改変ポイント
今回の改変ポイントですが、大きく分けて以下のものがあります。
・牧志&佐倉さんチームへの雰囲気合わせ
・判定難易度調整
・導線追加/展開調整/理屈付け
・元から自由イベント枠
・やりたい会話/シーンの追加

まず、序盤のKPCの雰囲気を変更しています。

序盤のKPCは呑気で、でっかくなった理由を聞いたら「第四次性徴期かなあ」だったりするんですが、
ここに変な整合性(食べちゃったからでっかくなった)を入れた結果、KPCの雰囲気が変わりました。

食べちゃったからでっかくなったんだ…… ってスンスンする牧志をやりたかった。

これを入れた都合で「牧志と夢を共有している」が追加され、牧志が夢を共有した理由(佐倉さん助けたくてうっかりお邪魔した)が追加されました。
佐倉 光
牧志に第四次成長期とか言われたら「アタマ大丈夫?」って訊いちゃう。
シナリオの方はただの夢だから、kpcの言動変でも問題ないんだな。なるほどー。
スンスン牧志かわいそたのしい。
KP
ですね。それも面白かったかもしれないけど、今回は変な整合性したかった。>元はただの夢
佐倉 光
ああー、ソウルハッカーズにヴィーヴルって名前で出てきたなぁ!  確か龍王女子で。
あーでもこれ名前がにてるだけで関係なさそうだ。同じ伝承がもとネタなのかと思ったけど。

(毒の尾はあるけど毒メインじゃなさげ。そしてフランス出身。語源はラテン語の毒蛇ヴィペラであるらしい。

ヴィブールはスマトラの大鼠。ラテン語を語源に持つとは考えづらい……かな?)
KP
おおっと。
佐倉 光
なるほどなぁー、このシナリオ面白い解決方法だよなぁ本当に。
KP
「突然デッカくなってスペクタクルシーンして夢オチ」に対する解決方法がほんとに面白いなと思います。

ちなみにシナリオのハイライトは
・巨大化
・看病
・風邪の時に見る夢
・恩返し
・星を飲む(※だしそびれた)
・丸のみ
・体調悪いのに真面目に走らされる探索者

だそうです。
佐倉 光
看病は冒頭佐倉が「寝るからほっといて」って言ったからだいぶあっさりだったな。
星を飲むとは一体。
KP
ラストの光る石を飲むところで「星を飲むってこんな感じなのかな」って台詞があるんですね。
これは出しそびれちゃった。
佐倉 光
そんな余裕なかったね!
KP
yes!
佐倉 光
それは、鼠の糞だよ……
めっちゃくちゃシュールだ。
PCたちはほぼ真実知らないけど、PLにとってはシュールギャグと言ってもいい。
病気を治すためとはいえ、放射線バリバリだしまくっている鼠の糞を相棒に食べさせなければならないってだいぶひどい。
KP
ひどいはなしである。
しかも佐倉さん一度死んでるし。夢でよかたね。
二人が真実を知らなくてよかったのかもしれない。
しかも佐倉さんが持ってた鉱石は鼠の毛皮だし。

KP
小学校のでかいカレーの所、あれは元からメニュー自由です。
シナリオではおにぎりが例示されていますが、カレーにしたことで工程増えて面白かった。
佐倉 光
正直砂粒みたいなご飯でおにぎり作っても美味しくならなさそうだなぁと思いまして。
餅の方が良かったけど作るのもの凄く大変だな!
佐倉 光
真面目に考えると巨大な人が美味しく食べられるご飯を小さな人が用意するのは本当に大変だなぁ、と、カレー選ぶ前に色々考えていて思いました。
KP
ですねぇ。カレーの方が面白かったし牧志もおいしく食べられたと思う。
考えてくれてありがとうございます。
餅だったら佐倉さん埋もれてたかもしれない。出られない! 大変!

KP
あと、流れを諸々変更しています。

・風邪引いた佐倉さん置いて裏山に迷い込む理由が不明なので、牧志が裏山に迷い込んだのも夢の中ってことにした
・ラストシーン直前、本来は体調崩した佐倉さんを牧志が自宅に戻し、自宅でチラシゲットなんですが、牧志が動きたがらないので変更
・鉱石専門店への導線がチラシだけなので、チラシの怪しさをアップ
・牧志が移動しないため、洞窟の帰りも転送に変更(裏山のままだと出口を牧志がふさいじゃうので)

元シナリオだと街を壊しつつ割とKPCがホイホイ移動するので、移動しないことにより色々変わってます。

・「牧志の耳の穴の中で佐倉さんが寝る」は追加です。単純にやりたかった。何もかもがいちいちデカいの面白い。
佐倉 光
ああー。なるほど牧志が動かないように変更されてた。
ちゃんと中身が牧志ならそれは本当に納得がいく。
気がついたら持っているチラシは、これが悪夢じゃないのかと思い始めている佐倉にとっては確実に【ヒントだ】と思えるから従いやすくて有り難かったです。
今までの経験のせいで、夢だからどうでもいいやとはならないですしね。
KP
そうそう。中身がちゃんと牧志なので、牧志ならこうしそう……で結構変更がかかっています。
佐倉 光
気付いたら耳の穴にいるの面白かった。潰さないで入れるの大変だっただろうな。
KP
大変だったでしょうねぇ。気が気じゃなかった。ちょっと高いところから落としただけで全身骨折だし、ちょっと力がかかっただけで潰れちゃうし。ちょっと頭を傾けたら落ちるし。
でも佐倉さんと話がしたかった牧志です。

KP
あとラストシーンの変更。

本来は「高い建物に登って最上階から牧志の所へ」なんですが、体調悪い・体力無い佐倉さんにスカイツリーフルダッシュは無茶が過ぎるということで&波照間が来て「乗れ!」するシーンをやりたかったので、残り300メートルを悪魔に埋めてもらいました。

ハッカー装置の用途も、本来は街頭ビジョン乗っ取って……しか明示されていないんですが、せっかく面白い物あるから自由度上げたかった&ハッカーの佐倉さんに活用してもらいたかったので、用途自由にしました。
佐倉 光
「乗れ!」は最高にカッコよかったし更にスペクタクルで楽しかったです! 口の中にも入りやすかったし。

街頭ビジョン乗っ取ったところで、弱体口車しかない佐倉に何ができるっていうんだ! 深山じゃあるまいし!
戦闘機の管制まで乗っ取れるデタラメっぷりが楽しかったです。
KP
やったー! >更にスペクタクルで
あれはやりたかった。
深山にあの装置を渡したら世界を乗っ取れそう。
佐倉 光
深山にあんな物渡してはいけないな。
深山……佐倉と同じ顔をしているが、有無を言わせぬ人間の域を超えたカリスマを持つ者。
彼なら「お願い」だけで世界を書き換えられるだろう。
KP
あとは【DEX】【CON】判定が多いので、ちょくちょく悪魔の力を借りられるようにしたり等、判定に調整を入れてますね。
ナイス提案で旭橋出せたの楽しかった。マカミとの言い合いよかった。

【CON】×5(25%)じゃいつまでたっても成功、しない!
佐倉 光
【CON】成功3回出せは絶望しかないんだよ!
KP
そう、それは、無理!
あとは【アイデア】振り忘れのラウンド分射撃ダメージを多めに減らしたり、乗り物酔いロール足したりの小変更くらいですね。

裏山裏山……って東京の地図見てあまりの山の無さにおののいた地方民。
築山くらいならあるから「裏山」って言ってもよかったかもですが。
佐倉 光
ああー、それで初回ターン1d10だったんだ。
KP
なのです。【アイデア】振るタイミング遅かったのでしれっと調整した。
佐倉 光
直前なのにハッキング装置のこともスカッと忘れちゃうのは置き卓ならではですね。
KP
あそこ一気にだらっと流しましたからね。一気に流すとやっぱり読み飛ばしが発生する。
文章だけ裏に書いておいて出すのは小出しにした方がいいかも。
佐倉 光
折角賢いキャラだから賢い振る舞いさせてあげたい。
置き卓はその辺調べ物しながらやったり熟考もできるんだけど、
中の人のうっかりはどうしようもないんだよなー。
佐倉の場合はSAN値減少やら狂気やらで「あなたつかれてるのよ」で誤魔化しやすいけどね!
KP
ほかの卓でも中の人の【INT】【アイデア】が足りない!! をやりがちなPLです。
佐倉さん、今回は今回でめちゃくちゃ体調悪いのに走らされてたし、これは仕方ない。
身体使うシーンが多すぎる今回。
KP
というわけで、改変ポイントについては以上です。

佐倉 光
ありがとうございました!
楽しかった!
KP
よかった!
こちらも楽しかった。ありがとうございました!
佐倉 光
次どうしましょうねー
生ハム?
それともこちらがKPでなにかやる?
例のキャンペーンが五日後なんですよね。
あと天使作るのもあったなー
KP
監禁シナリオか生ハムしちゃいますか?
監禁、どっちがKPが面白いかなぁ。
あと子供佐倉さんチームでやったら面白そうなの見つけて、そっちも気になってます。(やりたいシナリオチャンネル参照)
そっちは比較的ボリュームあるっぽい。
KP
生ハムは一日一回イベントがあって数日間、って感じのシナリオなので、自由探索がないぶん短めですね。
佐倉 光
順番的にこちらが監禁しときます?
KP
おっ、じゃあ差し支えなければそれで。
やってみて逆も面白そう! ってなったら二周目するのもありですしね。
佐倉 光
ぶっちゃけどちらでもしっくり来そうに見えるし。
KP
ですねー。どっちでもしっくりきそう。
佐倉 光
こちらFF14リアル卓のラスボス戦が終わるまでは動けないのですぐとはいかないんですけど、それじゃ読んでおきますね~
KP
はーい!
ありがとうございます

コメント By.KP
そして彼は独りになった。

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「アァァァァァァァァァァァ!」
「うわっ!? ちょ、佐倉さん!?」

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「……どう、なってんだ? 牧志?」
「俺のこと、分かってくれるんだな」

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「またミョーなもん持ってきたね。どしたのこれ」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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どうして、また、佐倉さんを、これだけ多くの人達を。
巻き込んじゃったんだ、俺は、あいつは!

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何だかちょっと、死を受け入れるまでの古い儀式のようにも思えた。

マーダーミステリー リプレイ『狂気山脈 星ふる天辺』1

「みんな「あいつ死ぬよな」って思いながら見てたの?」
「なんじゃろこの既視感」
「「オイオイアイツ死ぬぞ」って思いながら見てたんですねぇ」