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こちらには『青に染色』および
『俺の恋人が庭からボコボコ生えてくるんだが!?』のネタバレがあります。

本編見る!
KP
佐倉。
あなたはうっすらと目を開く。白い天井が見えた。あなたは横たわっており、全身に圧を感じる。
はっきりとしない視界と思考、ぼやけて聞こえる音。
指先が冷たく、体はだるく、動くのも億劫だ。
そもそも体を動かそうにも、ミイラのように腕を交差した状態で固定されている。
ピッピッと規則正しく鳴る電子音は、忘却の彼方に追いやっていた記憶を否応なく引きずり出してくる。
視線を巡らせば、あなたの体から赤い液体を吸い上げている管が見える。

あなたは拘束衣と酸素マスクをつけられ、ゆっくりと血を抜かれ続けている。
指先から感覚が失せているのも、頭がぼんやりするのも、血が不足しているからだ。
佐倉 光
牧志はどこだ。
KP
姿が見えない。
あなたは霞む意識を何とか維持しながら相棒を探す。
すると人の気配が感じられた。
すたすたと歩いてくる。
だが首まで固定されているあなたには見えない。
ただ、足音は確実に相棒のものではなく、視界に無遠慮に割り込んできたのは、見知らぬ白衣の男だった。
KP
「おはよう、佐倉」
男はにこにこと上機嫌だ。
牧志 浩太
あーあー、苗床にされてる……
佐倉さんまたそういう目に遭ってる。
しかも名前割れてる。まぁ聞かれてたもんな確実に。
KP
「へぇ、心拍、血圧上昇、瞳孔の開き、声も出ないのかい?  随分と怖がっているね。パニック寸前だ。
何か嫌なことでも思い出したかな?
大丈夫だよ、その恐怖ももうすぐ消えてしまうからね」
KP
男は慰めるように続ける。
KP
「数値的には残り3割程度だからね、そう長くはかからないさ。
まぁ、7割人工生命体X-001ならX-001って呼んでもいい気がするけどね」
一方的に楽しげに降り注ぐ『おしゃべり』は、あなたの恐怖よりもわずか、怒りを強くかき立てた。
怒りはあなたを支える。
佐倉 光
「ここはどこだ」
KP
「ここは『第三微生物研究所』本館だよ。
人間を救う崇高な研究をしているところさ」
佐倉 光
「人間を、救う?」
KP
「そうだよ。人間を永遠に生きられるようにするのさ。
人間全てが君のようになることで、事故も、災厄も、災害も、恐れるものではなくなるんだよ。
君は全人類の一歩先にいるわけさ。死を恐れることも哀しむこともない、新たな世界の一人目ということさ。羨ましいな」
佐倉 光
「物体Xが何をするか知っているのか」
KP
「勿論。
いいなぁ。君はもう少しで完全な人工生命体X-001のマザー、母体、育成の苗床になれるんだよ! それってすごく名誉なことだよね!」
佐倉 光
「ふざけるな、今すぐに外せ」
KP
「えっ?」
男は本当に意外そうに首を傾げた。
KP
「でもきみはこれから、半永久的に生きられるようになるんだよ?」
KP
あなたは言葉が通じるのに話が通じない恐怖を味わう。
牧志 浩太
あーあー。ガチな人だ。
こういう所も大村の時に通ずる所がちょっとありますな。方向性違うけど。
KP
「君の血はねぇ、とても大事なんだ。
ちょっと採り過ぎちゃってるけど、すぐに回復するし大丈夫大丈夫。便利な体だろう?」
男はウキウキとあなたに話しかけてくる。
KP
「ちょっと実験していいかな? いいよね?」
佐倉 光
「いいわけあるか」
KP
あなたの抗議はさらりと聞き流された。
話しかけているだけで、話を聞く気など一切ありはしないのだ。

男は上気した顔であなたの拘束衣を一部外す。
「X-001、美味しいものをあげるから姿を見せてくれよ」
あなたの腕をだらんとベットの外に投げ出し、男は大切なものを扱うようにひと撫でする。
佐倉 光
怖気立つ。腕を引っ込めようとする。
KP
体に力が入らず、逃れることはできない。
男はあっさりとあなたの腕をそのまま固定し、水槽のようなものをあなたの手の下に設置した。中には生暖かく鉄臭い液体が満たされており、腕まで浸った。
「ここにあるのは何だと思う?
分かるかなぁ」
KP
とっておきの秘密を教えてやろう、というように男はあなたの耳元に囁く。
KP
「これはね、君から抜いた血液だよ。
たくさんもらっちゃったから、君は動けないかもしれないけど、大丈夫、支障はないからね」
KP
血液は大きな水槽のようなものになみなみと入っていた。
致死量、等という言葉が鼻で嗤えてしまうような量だ。
動けず、まともに思考できなくなっている、その理由がこの水槽に入っている。
SANチェック
佐倉 光
1d100 48 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 65→失敗
SAN 48 → 47
KP
「死にそうって心配してる?
大丈夫! 君の体は今7割が人工生命体X-001になってるからね。
彼らは全身すべての細胞が独立した組織なんだ。
君の体ももう半分以上がそれと同じ、自立した細胞に変化してる。
要するに、人間なら死ぬような実験をしても死なないってこと」
KP
「X-001は取り込んだ有機生命体の複製体を生み出すことができるんだ。
とはいえ色々事情があって実験は難航しててねー。もう失敗は許されないんだよね。
君は希少な成功個体に適合した存在だ。
万が一君が使い物にならなくなったときの予備がね、要るんだよ。わかるだろ?」
佐倉 光
分かるけど。
分かるけど分かりたくない。
牧志 浩太
抜いた血液自分で喰わされるの最高にやばいなぁあああ。
人間なら死ぬような実験をするって予告ゥ。
おっ? 偽佐倉さんが出てくる展開なのかな?
KP
「それでね、思ったんだ。この血液を使って、君自身を新たに生み出すことって可能なのかな? って。
完全にX-001と融合しちゃってからだと、こういった血液とか…純粋な人間としての細胞も採取できなくなっちゃうからさ。いやぁ! このタイミングで来てくれてよかったよー!
あのもう一人の子も生かしておいたお陰で、役に立ってくれて良かった!
殺さない方が役に立つんじゃないかなって、ぎりぎりで思いついて良かったなぁ!
危ないところだったよ」
KP
「だって君の体の中にいるX-001は、すでに7割、君の細胞、君の情報を捕食しているわけでしょ?
大元のデータはすでにX-001の内部にあるってことだ。
だとしたら、残り3割を補う細胞データと、体を構成するための材料を与えてやればいいってわけー」
男は顎を撫でながら口元を緩め呟く。
KP
「このバケツ一杯程度の血液で、どれだけ不足したデータと材料を補えるかという話ではあるけど……
ま! でもこの血液から“小さい君”程度でも作成できたらラッキーだよね~~!
……おおっ!? きたかな?」
男の目に喜びと興味が宿る。
KP
あなたの指先から電流が走るような強烈な衝撃と痛みがはしる。
あなたの腕がゲル状に変化した。
バシャリ! とゲルと血液が叩き合う水音が響く。
勝手に蠢くゲル状の腕をあなたは呆然と眺めるしかなかった。
しばらく蠢き、水槽の中の血液を取り込んだ腕は楽しむように、解析するように、ゲルの中で血液をまとめてこね回す。
すると、あの時の鼠のようにばちゃりと、もっと大きなサイズの液体が床に滴り落ちた。
それはしばらく床で蠢いた後、徐々に形をとっていく。
くびれる。膨らむ。突起が伸びる。ぷつりと穴が開き、おああ、とそこから音を上げる。
五つに割れた突起の先がぐねぐねと暴れていたが、ゆっくり形を思い出してゆくように小さな紅葉の形となる。
KP
「あははは、やったね、うまくいったよ!
すごい、こんなにうまくいくなんて!」
男はそれを抱き上げた。
ぬるぬるとした青い液体に塗れていたそれは、溶け行く蝋人形の映像を逆再生するように人間の形となってゆく。
佐倉 光
「お……おれ……?」
KP
男の腕の中には7歳程度の小さな子供が――
あなたの幼少期そっくりの子供が、あなたをじっと見つめていた。
牧志 浩太
あーあー幽閉されたまま偽佐倉さんに自分の立ち位置を奪われちゃう展開かしら つらいぞ……と思ったらまさかの子供佐倉さんだ!?
これは佐倉さんがこちらで面白かったかもしれない(牧志は自分と同じ顔に慣れきっている!)
KP
SANチェック
佐倉 光
1d100 47 Sasa 1d100→ 88→失敗
1d6 Sasa 1d6→5
SAN 47 → 42
1d100 85 【アイデア】 Sasa 1d100→ 3→決定的成功クリティカル)!
KP
おまえなー
牧志 浩太
あーあ
佐倉 光
1d10 内容 Sasa 1d10→8
長期の妄想で!
1d10 Sasa 1d10→4
40時間。
牧志 浩太
あーあー。面白いけど大変なことに。見た目が一緒じゃなくてよかたね。

KP
「すごいよX-001!!! 見てくれ!!!
やったね、君の初めての子供だ!
まぁ、こんな芸当X-001本体だからできるんだろうけど……いやぁすごい! 素晴らしい!
これで人類保管計画は大きく前進するよ!」

あなたは異常な状況下で自らの存在を危うくされたせいで、あなた自身を偽物と確信する。
あなたはX-001と呼ばれる存在であり、佐倉光ではないのだ。
佐倉光は目の前にいる、幼い子供だ。
佐倉光は自由だ。ならば苗床であるあなたがここで拘束されているのは至極当然のことだろう。
KP
男の声は遠くから聞こえる。
「X-001、君はこれから人類の共有資産としてここで飼育されるんだ。
大丈夫だよ。君は基本的に寝ているだけでいいから、何も心配しないでね」
男は小さな佐倉に頬ずりをするが、小さなあなたは無表情のままに見回していた。
「さて! 早くこの事実を発表する場と、……あぁそうだ! 論文! 論文も書かないとね!」
男は小さなあなたを抱きかかえたまま嬉しそうに踊っている。

しかし、突如大きな警報が鳴り響いた。

「侵入者、繰り返します。侵入者。
第三微生物研究所本館に侵入者あり。
警備員は速やかに対象を確認し、排除せよ」
KP
そのアナウンスを聞き、男は顔を顰める。

「うわ、最悪……
しょうがないな……ここでいい子にしててね、X-001。続きはまた後でだ。
僕も邪魔ものを排除にいかなくちゃ」

男は嘆息して小さなあなたを抱え、機械のスイッチを押すとそのまま部屋を後にした。
マスクから供給される酸素に少し苦みのようなものを感じ、徐々に意識が混濁してくる。

しかし、あなたは朦朧としたままの頭で理解する。

――牧志かれが来たのだと。
佐倉 光
偽物の俺でも、牧志は……ここに来てくれるのだろうか。
KP
これから始まるであろう苗床としての人生に、あなたは諦めのようなものを感じながら、
深い絶望と儚い希望を抱いて深い霧に沈んでゆく。

KP
牧志。
あなたは追っ手の目をかいくぐり、このフロアの案内パネルを見る。
飼育室 個室 図書室 保管庫 とあるようだ。
牧志 浩太
佐倉さんが捕まっているとしたら……、苗床扱いのはずだ。
だとすれば、保管庫か飼育室。
牧志 浩太
そう思った瞬間、腹の底からぐわりと怒りが沸き上がる。ぐっと唇を噛んで嚙み殺す。
怒ってる場合じゃない、まだ。
牧志 浩太
個室に向かう。
KP
これ順番に行くこと前提の描写されてるなやっぱり。
大丈夫ですけど。
牧志 浩太
むむ、そうかぁ。お手数をおかけします。
KP
なんとかなるなるー

KP
個室は、プレートがついた扉がホテルか何かのように並んでいる一角だ。
それなりの数あるが、全て鍵がかかっている。
牧志 浩太
『B203』の部屋を探す。
見つけたら、机から見つけた鍵で扉を開ける。
KP
『B203』の部屋の扉は、あなたが手に入れた鍵で開く。
内側から鍵をかければ侵入されることはあるまい。


簡素な部屋だ。
ベッド、クローゼット、机がある。この部屋の主は慌てていたのか、あちこち雑然としている。
KP
※ゲーム的にはここは休憩所兼作戦室です。
牧志 浩太
鍵を開けて、そういえば内側からも閉められると気づく。
立てこもるのは得策とはいえないけど、体勢を立て直すのには使えそうだ。
牧志 浩太
内側から鍵を閉めて一時的な安全を確保し、大きく息をつく。
腹の奥でせり上がる焦りと怒りを吐きだそうと、ひとつ深呼吸をする。
牧志 浩太
佐倉さん……。
牧志 浩太
一度息を整えたら、机を確認する。
机の上や下には何があるだろうか。引き出しはあるか。
KP
研究机だろうか?
書籍やノートなどがそのままになっている。

〈目星〉をどうぞ。
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 73→成功
KP
ノートとノートの間に手紙のようなものが挟まっていることに気がついた。
手紙には『同志諸君』と書かれている。
それはあの殺害された男が書いたらしき手紙だった。
彼は計画の進行が人類のためになると思っていたのだが、途中、佐倉のように自由意志を奪われ苗床となる人間が計画に必要であると悟ってしまった。
彼は計画の是非に疑問を感じ、苗床にされた人間を元に戻す薬を極秘裏に作ったのだという。
牧志 浩太
その手紙を、少しだけ走り読みする速度を緩めて、文章を噛みしめる。

こんな所にも、いたんだ。
勝手に巻き込まれる、一人の人間のことを思ってくれる人が。

最後に書かれた名前を辿る。
あの時撃ち殺された男の姿が、名前が書かれていたことで、一人の人間として蘇ってくる。
牧志 浩太
「ありがとう」
どうしても声に出したくて、唇を動かしてその一言を発した。

手紙をズボンのポケットに入れる。
もし、この人の親戚とか、家族とか、友達とか。
誰かに、届けられたら。
牧志 浩太
元はと言えば彼のせいなんだけど、「巻き込まれること」については諦めに近いものがあるのと、彼がいなくても誰かしら巻き込まれていたっぽいからそこに怒りはない。>牧志
牧志 浩太
あまり噛みしめているわけにはいかない。
クローゼットを探る。
KP
衣類や本棚に入りきらなかったらしき本が詰め込まれているようだが、その中に不自然に折り曲げられた紙袋があり、中に錠剤が入った瓶がいくつも入っている。
手書きのラベルには、×を二つ重ねたようなものが書かれている。
牧志 浩太
「結構多い」溜息。
持っていける量だろうか?
KP
片手で握れる程度の瓶が4本ほど。
鞄に詰め込めば何とか持って行けるのではないだろうか。
牧志 浩太
鞄に詰め込んで持っていく。
KP
パブロンの瓶200錠入るし、そんなの4つくらいあれば一年くらい持つんじゃないかなー
そう考えるとそんなにかさばらないな。
牧志 浩太
確かに。
牧志 浩太
時間がないが、何かないかベッドを軽く探る。
KP
救急箱が開けっ放しで置かれている。慌てて荷物を用意して出ていったのだろうか。
中には十分に治療のための薬品や包帯が残されているため、ここで手当を行うこともできるだろう。
救急箱が応急キットの役割をするため、判定に+20の補正をつける or 回復値に固定で+1どちらかの効果を選ぶことが可能だ。
以前治癒し損ねた1つの怪我について治療することができる。
牧志 浩太
時間がかからない範囲で、少し傷を手当てしていく。判定に+20を選択。
1d100 79 〈応急手当〉補正込み Sasa 1d100→ 81→失敗
牧志 浩太
おっと。
KP
〈医学〉も使えることは使えますが。
あとは佐倉と合流したときにもう一度治癒をして貰うことは可能。
牧志 浩太
時間を食いたくはないので、部屋の鍵を閉めて外へ。図書室へ向かう。
KP
慌ただしく侵入者を捜す者はいるようだが、プロの警備員といったふうには見えない。

KP
図書室の扉に鍵はかかっておらず、中の明かりは消えている。
牧志 浩太
図書室へ滑り込んで扉を閉める。
室内に何もいないようなら明かりを点ける。

カメラがあるだろうから、本当なら明かりはつけたくないが、ゆっくり照らしながら調べている時間がない。
KP
緊迫のシーンですが一時過ぎました!
そりゃ上から調べる探索者は多いだろうけど、確定で書かないで欲しいなぁ。
牧志 浩太
はっ本当だ! ありがとうございました!
なんですよねぇ。特にここ先に情報が出るから、むしろそこを先に調べに行くし。
「流すだけで回せる」ことを重視したタイプのシナリオなのかなぁ。でもそこは確定で書かれると困っちゃう。PCが行動順変えただけで描写に困るようだとむしろKPも困りそうだし。
KP
本棚にたくさんの資料や、電子媒体の書籍が並べられている。
研究員たちが調べものをする際に使用しているのだろう。
先に見ていた図書室よりも、魔術などに重点を置いた書籍が多いように思われる。
読めないものも多い印象だ。

〈図書館〉 または〈コンピューター〉
牧志 浩太
1d100 85 〈図書館〉 Sasa 1d100→ 70→成功
KP
多数の、有益かも知れないが役に立たない本の海の中に、あなたは一冊のノートを見つける。
恐らくこのノートはここにあるべきものではないのだろう。乱雑に突っ込まれた一角に、本に紛れて押し込まれていた。

「緊急事態対応マニュアル」
『刀身を清める(微改変)』
SIZ10以上の動物の血を生贄にし、1d4点のSANを消費することで、
普通の武器でダメージを与えられない生き物にもダメージを与える刀身を創造する。
刀身は純粋な金属である必要がある。

※注意事項
寄生範囲が広い場合、体全体に魔力を送る為、対象の心臓を貫くこと。
必ず専用のナイフを使用すること! 間違っても一般のナイフでやらないように、死にます!!
KP
最後の一文はでかでかと赤字でかかれている。

牧志 浩太
「あった……!」
思わず声が出た。
薬とナイフと呪文、これで必要なものは揃ったはずだ。

佐倉さん。ノートを握った手が力の入れすぎで少し震えた。
牧志 浩太
後は動物の血……、飼育室か?
飼育室へ向かう。
KP
飼育室と書かれたプレートがついている部屋もやはり施錠されている様子はなく、かすかな機械の音が聞こえる。電気は消えている。
牧志 浩太
室内に身を滑り込ませ、人がいないようなら明かりをつける。
KP
その部屋は暗いが、いくつも並んだ機械のモニタやランプによりぼんやりと物の形は見える。
飼育室という割にケージなどはなく、中央にベッドがひとつあり、上にミイラのような物が置かれている。
周囲の機械にバイタルを計測しているものがあるようで、定期的な電子音が聞こえていた。つまりこの部屋には生物がいるのだろう。

電気をつける?
牧志 浩太
何かいる。……ケージじゃない?
ベッドだ。
……ベッドの上に寝かせている。
それは、人型の何かに対する処遇じゃないのか?

電気はつけない。
そちらへ滑り込み、その生物が何か確認する。
KP
ベッドの上にいるものは黄色い物でぎっちりと締め上げられるように固定されているが、その一部が外されており、腕が下に垂れている。
その真下には水槽のような物が設置されていた。
足元が何だかぬるついている。粘度のある液体がこぼれているのだろうか。

よく見るとそれは拘束衣をつけられ、更に上からベルトでベッドに固定された黒髪の人間だ。
薄暗がりでもそれが佐倉であることは分かる。

顔は白く目を閉じて動かず、見た目には死んでいるようにしか見えなかったが、彼のバイタルを計測している装置は彼の生命がいまだ脈打っていることを淡々と知らせる。

また、拘束衣の隙間からチューブが伸びていて、巨大なタンクへと赤い液体を送り出している。
牧志 浩太
「……!」

ミイラのようにすっかり固定された姿に、安堵よりも先に腹の底から激しい怒りが沸き起こった。
血を吸われている、とチューブの存在で気づく。
血を吸われ、まるで生き物ではないかのようにしっかりと自由を奪われ、生きているだけのものにされている。
生きているためだけのものにされている!

佐倉さんをこんなにはしていられない。
懐中電灯で佐倉さんの身体を照らす。
牧志 浩太
まずはそのチューブを抜き、血を抜くのを止めようとするが、できるだろうか?
KP
血が抜かれているのは外に出ているのとは逆の腕のようだ。拘束を外さないと外せないだろう。
または、機械の方を止める、という方法もあるかも知れない。

ベッド脇には機械がいくつかあるが、操作盤がついていて手が出せそうな物は二つある。
牧志 浩太
くそ。頭の中で吐き捨てて、機械を見る。
KP
ひとつは佐倉の状態をモニタリングし、監視者に知らせるもの、もうひとつは採血用だ。
KP
機械について
〈医学〉〈コンピューター〉〈目星〉 のいずれかで判定。
▼採血を安全に停止するなら〈医学〉〈機械修理〉のいずれかで判定。
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 13→成功
KP
一般的なバイタルサインとは別に、見慣れない数値がいくつかある。
よく見るとそれは先ほど目を通した資料のあちこちに出てきたパラメーターだ。
総合して考えると、既に佐倉の体の約7割が人工生命体X-001に侵食されており、その度合いは今も増し続けているのが分かる。
KP
また、採血用チューブが繋がっている機械に記された数値を見ると、採血量が3500mlを越えているのが分かる。医学知識をもつあなたには否応なしに分かる。それは一般的な人間の致死量を軽く越えている。

だが、その機械に現在溜まっている量は500mlにも満たない程度である。
牧志 浩太
くそ、と呻く。
その血液が何に使われたのかは色々想像できるけど、想像しても不愉快になるだけだ。

もし抜き出されて置かれているとしたら、保管庫だろうか……。
牧志 浩太
……「刀身を清める」には、動物の血液が全て必要かどうか、書いてあっただろうか?
KP
ああー。そうだよな。ここにも血はあるじゃんね。
KP的にちょっぴり困ってるんでぶっちゃけます。
……と思ったけど、やりようによっては何とかなるかな。ナントカしよう。
KP
そうだな、動物の血液は刀身が完全に沈む程度必要であると書かれていた。
ここにあるタンクに溜まっている血液でも何とかなるだろう。
探索順固定じゃないので……
牧志 浩太
おおっと?
KP
あ、別に佐倉自身の血は使えませんって話じゃない。
イベントのタイミングの話でーすー
牧志 浩太
なるほーどー
KP
場合によっては佐倉がフラッフラのまま素手で戦闘に参加することになるかもしんない。
フラッフラはそんなに問題じゃないけど、素手だと牧志君&古島さんが大変。
牧志 浩太
なんとぉ。素手のまま戦闘参加は困るな。
監視者が来てしまって保管庫にあるもの取りにいけない展開かしら。
KP
ぶっちゃけ保管庫にあるのは血なので、ここにある血液を使うなら行く必要はありません。
牧志 浩太
なるほど。
KP
ただ素手かどうかはともかく、すっぽんぽんで参戦は確定臭いな!
牧志 浩太
服がNO!
パーカー着せようパーカー
KP
ああー、いやむしろ時間あまりなかったのに服脱がせないか! そうだな!

牧志 浩太
その暴虐を早く止めたい気持ちを堪え、タンクの中の血液に刀身を浸す。
採血を止めれば監視者にばれるかもしれない。その前にナイフを確保しておきたい。

《刀身を清める》を使用する。
その時、血液に触れないように注意する。
KP
装置に干渉するなら〈医学〉又は〈機械修理〉の判定をお願いします。
パカッと開けて出せるようなイージーな物ではないのだ。
ここでの判定に成功した場合は今後機械への干渉は判定なしに行える。
牧志 浩太
1d100 61 〈医学〉 Sasa 1d100→ 33→成功
KP
あなたは機械の動作を止めることなくタンクを開け、中の血液にナイフを浸すことができる。
牧志 浩太
医学書、特に血液絡みのものをよく読んでいたのが幸いした。
機械が専門なおかげで、採血装置の仕組みも素直に分かる。
返血の類をしないせいで仕組みは単純だ。ただ、大きさだけが異様で吐き気がする。
KP
背後、ベッドから視線を感じた。
牧志 浩太
ベッドからの視線なら、すぐには振り返らない。
牧志 浩太
《刀身を清める》を使用する。
刀身を清め終わってから、採血を止める。
採血を止めることができたら振り返る。
KP
刀身が完全に清められるには少し時間がかかるようだ。

すぐ近くの蓋が閉じた医療用ゴミ箱の上に、
あなたの上着と佐倉の腕輪やお守りが乱雑に投げ捨てられている。
牧志 浩太
上着と御守りを回収する。
牧志 浩太
時間がかかるなら、刀身を持ったまま振り返る。
牧志 浩太
「佐倉さん」
ベッドの上の人の顔を見ながら、名を呼ぶ。
佐倉 光
「……牧志」
KP
佐倉は長いこと躊躇って声を上げた。
佐倉 光
「来てくれたのか? 俺のために……?」
KP
まるでそれが意外だと言わんばかりの口調だ。
意識がはっきりしていないというわけではないようだ。
彼は随分前から意識を取り戻して、あなたを見つめていたのだろう。
牧志 浩太
その声を聞いて、じわりと涙が滲んだ。
ああ、佐倉さんだ。佐倉さん。まだちゃんと佐倉さんでいてくれる佐倉さん。
牧志 浩太
「来てくれたのかって、勿論だよ……、ごめん、俺が迂闊だった」

声が、震える。
ナイフを取り落とさないように、ナイフを持った手を強く握りしめる。
牧志 浩太
「生きててくれてて、よか、った」
佐倉 光
「……」
佐倉 光
「ありがとう。俺も嬉しい」

返答に奇妙な間があった。〈心理学〉などでその意味を探る?
KP
狂気で大変ややこしいことになっている佐倉。
牧志 浩太
大層いいと思います ここからの対話が楽しそうでPLわくわくしてる
牧志 浩太
「……?」
牧志 浩太
「佐倉さん、何かあったのか? まだ溶けちゃったわけじゃ、ないよな。
機械もそう言ってたし」

直接聞く。
KP
うーーーーん。どう答えようか。佐倉だからなー。そんなにしおらしくないんだよなー。
牧志 浩太
どうなるのかなー。
佐倉 光
「……」
佐倉 光
「血を採られすぎて気が遠くなりそうだけど、それ以外は無傷だよ」
牧志 浩太
「そうだよな、無茶をする。これだけ終わったらそれ止めるから、ごめん少しだけ待ってて」
口調の端に怒りが滲む。
佐倉 光
「昼間……飯を食ったときに、俺の腕からネズミが複製されたのを覚えているか」
牧志 浩太
「? ああ、覚えてる」
佐倉 光
「同じように『俺のコピー』がとられたんだ。
子供の姿をしている。
あれは俺じゃない」
1d100 52〈言いくるめ〉 Sasa 1d100→ 18→成功
必死な佐倉
KP
というわけで「自分が偽物だと明かさず、助けて貰おうとする」でした。
結果的には何も間違ってない。
しかも〈言いくるめ〉成功するし。佐倉必死だな。
KP
子供佐倉を「アイツは偽物だから殺そう」と唆すのも考えたけど、
今までの『偽物』たちへの対応から言ってそれはないか……
でも牧志が「佐倉さんを見つけた」と安心して逃げようとするなら、
自分は偽物だと言わずに一緒に行こうとする、かな?
まあ40時間で正気に戻るし、誰が本物かは実に簡単な判別手段があるんですけどね。
牧志 浩太
なるほどなー。結果的には何も間違ってないけど佐倉さんがつらいやつだ。
KP
自分が偽物だろうとそれなりに自分として生きる気ではある。
ただ、牧志に「佐倉さんとは別の人」と見られることに関しては嫌だと思っているのだ。
その記憶は自分のものだから。完全なる矛盾だ。
「お前は偽物で悪魔だ」と突きつけられれば苦しんでから受け入れるかも知れない。

いやしかし、判別法については佐倉も思い当たるし、ごまかしが効かないのはすぐ理解するか~。
牧志 浩太
ああー。そうかぁ。
「別の人」扱いされるのは嫌なんだな、佐倉さん。
KP
しかしやはり本物を失うことで牧志が哀しむのも嫌だと思っているので矛盾だらけだ。

牧志 浩太
「えっ……、そうなのか。
取られたってことは、意図してそうされたんだな。

……佐倉さんに先に会えてよかった。
間違って佐倉さんを置いていくなんて、想像したくもないよ。

その『コピー』は小さい姿をしてるんだな?
同じ姿じゃなくてよかった」

間違って『コピー』を掴まされて、佐倉さんを置いていってしまう。
その可能性に思い当たって背筋が震えた。

それと同時に、ここにいるのは『本物』なのか? という疑問が微かに浮かんだ。
ここまで入念に『苗床』扱いされているこの様子、『本物』だと思いたいけど……。
あいつらなら、偽物置いておくくらいのことはやりそうだ。

本当にそうなら、区別はつかないんだ。佐倉さん自身にも。

いや。
一つだけ手段があるな。

分離してみれば分かる。
牧志 浩太
そこまで考えを巡らせていて、佐倉さんの眼の中にある僅かな違和感には気づかなかった。
KP
ところであなたは、清められたナイフを一度使用すると、ただのナイフに戻ってしまうことは知っている。
ただのナイフを先ほどの術で清め直したのでは駄目なのだ。
つまりは、一発勝負ということである。
牧志 浩太
……魔力込め直さなきゃいけないんだっけ、確か。
一発勝負か。失敗すれば、佐倉さんを元に戻せなくなる。
ということは、この方法は無しか。

そう二つも三つもコピー作ったりしてない、といいんだけどな。

COMPがちゃんとしてくれれば、もっと話は早いんだけど、以前子供になった佐倉さんに反応しなかったしな、あいつ。微妙。
COMPと衣服
牧志 浩太
COMPのことも思い当たってはいるけど、前回ので正体見せてない浩子さんにCOMPが反応してくれなかったので、COMPは騙されるかもしれないな、と思っている牧志です。
物体Xのことを知っているのと佐倉さんの狂気で、考えんでいいはずの問題が現れ出た。楽しい。
とうとうあいつ呼ばわりしはじめた>COMP
KP
CoCに来て役立たず晒しまくったせいで信頼がどん底に。
普段使っている佐倉はともかく、牧志の前でまともに働いた事なんて数えるほどしかないもんなぁ。
牧志 浩太
ちゃんと役に立ってる時も結構あるよ!
浩子さん達を助けられたのはCOMPのおかげでもあるし。
瓶の時のラストとかレミングスの時とか、何だかんだ動いてるとは思う。
KP
考えてみれば全身にモニター機器つけられてんだからやっぱり脱がされているというか、重傷者みたいに服切られてるな!
牧志 浩太
なるほどな!
牧志もあんな目に遭わされたから服ボロボロになってそうだし、どっちも服がボロボロだ。
KP
検査着くらいはあげるよ!
というか拘束衣は腕の所を固定しなければ一応服として使える。
牧志 浩太
やったぜ。拘束衣は……万一の時には役に立つかもしれないけど。

佐倉 光
「それ、もしかして例のナイフか。
拘束を解いてくれないか?」
牧志と話すことで少し意識がはっきりしてきた。
牧志 浩太
「ああ、勿論。
……拘束が先がいいかな、確かに。待って」

《刀身を清める》が完了していれば、ナイフを血液の中から引き戻して、佐倉さんの拘束を解きます。

モニター外さないと拘束が解けないようなら、先に採血を止めます。
KP
ベッドの拘束用ベルトを外し、腕の固定を外すだけならモニタ用のケーブルや採血用チューブを外さずとも可能だ。
佐倉は服を着替えさせられているようだ。

あなたの手首で薄茶の瞳がほっとしたようににこりと笑った。
KP
ナイフの刃は静かに輝き、力をたたえている。
先ほど読んだ説明通りだ……

▼代償に正気度1d4を消費。
牧志 浩太
1d4 Sasa 1d4→2
SAN値 50 → 48
牧志 浩太
生きている以外の事を許さないかのように入念に固定するベルトをほどき、腕の固定を外していくと、無意識にほっと安堵の息が漏れた。
無機物にさせられたものを、『佐倉さん』に戻していくかのようだった。
KP
腰の所で締め付けられていた腕を外され、佐倉もまた安堵の息をついた。
そして自分の手を何度も握ったり開いたりして、
全てが自分の意志に従うのかを確かめるように見つめていた。
それからケーブルが外れないようにゆっくりと身を起こしてベッドに腰掛けると、
力なく微笑む。
KP
佐倉の現在のHPは5である。
牧志 浩太
その姿を見て、早く全部外したいと思った。
今も佐倉さんから命を吸い上げ続けるチューブも、監視し続けるモニターも。
せめて早く、その命が吸い上げられるのを止めたい。
牧志 浩太
「……よかった。
そうだ、お守りと荷物と上着、先に返しとくよ」

佐倉さんの持ち物を佐倉さんに返す。
COMPはあるだろうか? あれば、COMPを佐倉さんの腕に嵌める。
KP
ヒランヤを首にかけ、強く握りしめる。

COMPを差し出されて、佐倉は少し怯んだような顔をした。
牧志 浩太
「……? COMPがどうかした?
ああ、また正気を失ったら、ってことかな。
大丈夫だと思う、ラミアさん達だって無条件に言う事聞くわけじゃないし」
佐倉 光
「ああ……そうだよな……」
KP
佐倉は躊躇いながら腕輪に手を伸ばして装着した。
佐倉 光
「今の俺は、7割化け物になってるんだ……反応、してくれるか、どうか」
KP
佐倉はCOMPに触れようとしない。
あなたの手首で、古島がぱちくりと目をしばたいた。
牧志 浩太
「佐倉さん? ……どうしたんだ、COMPに何かあるのか?
佐倉さんの中の奴、COMPが苦手……って訳じゃ、ないよな?」

奇妙な様子に数度、目を瞬く。
〈心理学〉で、その怖れの正体を探ることはできるだろうか?
KP
中の人にはバレバレなのでオープンでいいよ!!
牧志 浩太
1d100 77〈心理学〉 Sasa 1d100→ 94→失敗
牧志 浩太
おっと、焦っているのもあってそれどころじゃなかった。
KP
七割やられてたらもうアウトだよな普通。
牧志 浩太
七割やられてたらなぁ。
KP
自分の7割が侵されていたら当然のように反応しない可能性が高いことを恐れるだろう。
牧志 浩太
そういえば、佐倉さんは己の『境界』を俺よりも重視する。
COMPが反応しない、人ではなくなってしまっている……、という可能性を突きつけられるのが怖いのだろうか。
KP
佐倉はぐるりと周りを見回す。
佐倉 光
「血が奪われすぎているからかな、あまりまともに物を考えられないんだ……」
KP
佐倉は深呼吸をすると、あなたの残った怪我に手をかざす。
《ディア》を使用。
1d100 53 《ディア》 Sasa 1d100→ 87→失敗
佐倉 光
やはり俺が偽物だから魔力もないのか?
 いや、いつものことじゃないか……
佐倉 光
「ごめん、調子が悪いみたいだ。
そのへんに薬はないかな」
牧志 浩太
「それはな……、無理もない。あれだけ取られたら」
取られたら、どうなのか。
佐倉さんの恐れる様子を見ていると、その先を口にする気は起きなかった。
牧志 浩太
ここに薬や、手当の出来るものはありそうだろうか?
なければ自力で手当てする。
牧志 浩太
……今も血を抜かれていて、手当ても何もないけどさ。くそ。
KP
先ほどの部屋にあった物と同じ、〈医学〉〈応急手当〉に+20の補正をかけるか、HPを1回復する薬品が3個見つかる。

ただ佐倉については、血を抜かれて不足しているいるのが原因であることは明らかなので、
まずはチューブを外さないと回復は無理であろう事と、
相当量の血を抜かれ続けているにもかかわらず意識を保って会話し続けることができていることなどから、
血の減少が止まればかなりの速度で回復するであろう事は分かっても良い。
牧志 浩太
「あった。佐倉さん、これ」
薬品をひとまず佐倉さんに渡しておく。
牧志 浩太
「……うわ、なんて速度で抜いてるんだよ、これ」
チューブに触れて、動脈そのものにでも触れているかのような感触に慄く。
牧志 浩太
「先にこれ止めるよ。見てられない」
呻くように言う。
機械に触れて採血を止め、腕を押さえながら慎重にチューブを抜く。
KP
驚くほど太い針がぞろりと抜け、赤い血がぷくりと膨れ上がった。
佐倉 光
「ありがとう」
佐倉 光
「自分が機械になったような、気がしていた」
KP
ぽろり、と目から大粒の涙がこぼれた。
佐倉 光
「いや、俺は……やはり苗床で、マザー、なんだ」
KP
COMPに触れる。
牧志 浩太
「佐倉さんは、佐倉さんだよ。苗床なんかじゃない」
膨れ上がる赤を布で押さえつけて止血しながら、微笑む唇に覗くのは穏やかさではなく、怒りだった。
静かに煮えたぎり、唇の端から溢れ出しそうになっている怒り。

少し熱くも感じられる手が、そのまま手当てをしようと傷を辿る。
佐倉 光
「俺は……俺は、X-001だから」
KP
言って触れたCOMPが光を放つ。
佐倉 光
「……えっ?」
牧志 浩太
「?」
手当ての途中に額の汗を拭い、不思議そうに顔を上げる。
佐倉 光
「えっ、そんな、はずが……?」
KP
古島からのメッセージが飛んでいるのだろうか、COMPが光り始めた。
佐倉はあからさまに混乱している。
佐倉 光
「えっ? どうして使える?」
牧志 浩太
「ほら、佐倉さんはまだちゃんと佐倉さんなんだよ」
混乱する佐倉さんの腕を撫でて、大丈夫、と微笑む。
佐倉 光
「だけど、俺は……」
佐倉が何かを言いかけた瞬間。
KP
ドン、と大きな音を立て、飼育室の壁が破壊された。

牧志 浩太
その間に薬品を使って佐倉さんの手当てだけしておくことはできますか?
KP
okです。どう使用しますか? 補助? 単純な使用?
牧志 浩太
補助で。
KP
ではどうぞ。1回振れます。
牧志 浩太
1d100 79 〈応急手当〉 Sasa 1d100→ 92→失敗
あらら。〈医学〉は使えますか?
KP
時間がないので無理ですね。
牧志 浩太
ok。
佐倉 光
1d2 Sasa 1d2→1
HP 5 → 6
KP
手当てをしようとしたあなたは、佐倉の顔色が少し良くなっていることに気付く。
牧志 浩太
顔色を見て、体の中にいるやつの影響だろうか……、と思った、その時。
牧志 浩太
「!」
銃を取って身構える。
佐倉さんが言いかけたことは気にかかったが、今はそれよりも目の前のことだ。
KP
穴の向こうには大人と子供が立っていた。
爆発物でも使ったのだろうか。

黒髪の少年……あなたはその姿を見たことがある。
それは幼い佐倉そのものだった。
子供の佐倉
「ほら、ここにいた。
牧志なら絶対に人工生命体X-001を見捨てたりしないんだ」
KP
白衣のひょろりとした大人が子供をたしなめるように言う。
白衣の男
「何も壊すことはないだろう、佐倉X-001」
佐倉X-001
「うるさいな。逃がすなと言ったのは梔子(くちなし)だ」
梔子
「いいかい、人工生命体X-001は確保! そっちの茶髪はもう殺してもいい」
佐倉X-001
「鬱陶しいな。分かってるよ。
でも多少怪我を負わせたって問題ないだろ? どうせ再生するんだ」
佐倉 光
「あ……佐倉……」
KP
佐倉は怯えたように口走ると、さっきあなたから渡された自分の荷物からマグネタイトが入ったアンプルを取り出して腕輪にセットした。
牧志 浩太
「佐倉さ……、違う。君がコピーか。
どうして、そいつと一緒にいるんだ。
どうしてそいつの言うことを聞いているんだ」

その姿は、あの時の佐倉さんそっくりだった。
ひとりだけ見れば、佐倉さんだと思ってしまう程に。

俺の名を呼ぶのに、どうしてそいつと一緒にいて、殺してもいいなんて言葉を聞く。
KP
子供はあなたの言葉に少しむっとしたような顔をする。
佐倉X-001
「コピー? だから何だ。牧志もそんなことに拘るのか。
そうだよな。俺は苗床でも母体でもない、ただのスペアボディだもんな」
佐倉X-001
「けどさ。そっちのやつだってもうほとんど置き換わってて佐倉だなんて言えないんだよ?
おとなしく置いていってくれないかなー」
佐倉X-001
「どうして言うことを聞くか、って?」
答える気はないらしい。だがその一瞬、子供は壮絶な笑みを浮かべた。
牧志 浩太
「俺だって……、拘りたくなんかないよ。
拘ってるのは、君の方だろ」
壮絶な笑みを向けられて、唇が悲しそうに歪む。
佐倉X-001
「素晴らしき研究成果の人工生命体X-001。
お前なんかに半永久は勿体ないよ。
俺がお前を食えば、俺が人工生命体X-001になれるんじゃないか?」
佐倉X-001
「どうせお前はもう消えるんだ。俺に譲れ!」
牧志 浩太
「消させない。置いてもいかない。
俺が一緒にいたいのは、この佐倉さんだ」

君が俺達の敵になるっていうんなら、敵なんだよ。
俺がそうだったように。
佐倉 光
「は? え? 本……? え? 悪魔化?」
KP
佐倉は混乱している。
しかしあなたの言葉を聞いて、腕輪に指先を滑らせ、悪魔を召喚する。
佐倉 光
「来い、ラミア!」
KP
蛇女がその場に轟音と共に現れた。
佐倉が固定されていたベッドや繋がっていた計器類が破壊され、
佐倉の体に繋がっていたケーブルが千切れ、外れ、はじけ飛ぶ。
牧志 浩太
激しい衝撃が、佐倉さんを繋ぎ止めていたものを何もかも吹き飛ばす。
その光景に、すっとしたし、ほっとした。
ああ、佐倉さんだ。
KP
『本物の佐倉』が変なこと言いだしたので大いに混乱する『偽物佐倉』。
本物が悪魔化したのか???
牧志 浩太
そして〈言いくるめ〉成功〈心理学〉失敗で微妙に佐倉さんの混乱の理由を分かってない牧志。
緊迫のシーンだが三人三様にズレている。
「コピー」に向かって「そういうことじゃない」って言い放った言葉が佐倉さんの方に効いてる。>一緒にいたいのはこの佐倉さん
KP
「あーら。……なんだか大変なことになっちゃってるのねぇ。
混ざり物はちょっとやりすぎじゃなぁい?」
佐倉 光
「えー……と……」
佐倉 光
「今後ともよろしく」
KP
ラミアは眉根を寄せ、あなたに囁く。
KP
「……また記憶喪失?」
牧志 浩太
「ラミアさん」
牧志 浩太
「ごめん、俺にもちょっと分からない。
何か混乱してるみたいなんだけど、とにかく今はあいつらだ。
あいつら何とかすれば、佐倉さんを元に戻す方法はある」
KP
「オッケー、暴れればいいわけね」
ラミアは迷うことなく子供の佐倉に敵対姿勢を取る。
KP
「ば、ばけもの!?」
梔子と呼ばれた白衣の男は、ラミアを見て腰を抜かし転んだ。
牧志 浩太
超越してると思いきや大村より普通だった! >腰を抜かし
KP
見慣れてない物には普通にびっくりするよ!
佐倉が悪魔召喚師だなんて知らなかったし。
牧志 浩太
そりゃあそう。マッドサイエンティストしてるのも人類を救うためですしね。
このシーンで牧志&佐倉さんの方が日常からズレてるのじわじわくる。
KP視点(ネタバレ)
後で出てくる、化け物を恐れないグラサン男との対比という作劇上の都合と同時に、1ターン目の梔子の行動を潰すことで難易度調節をするための演出です。

佐倉X-001
「へぇー、そこまで削られててまだ喚べるんだ。
ラミアもそんな残り滓に義理立てて、意外と真面目だね。
いや、物好きなだけかな。
とにかく、やろうか」
牧志 浩太
「そうだな。
残り滓残り滓って、正直怒ってるからよろしく」
銃を構える。
あの時とは違う、正直使える気がしないけど、まぐれでも当たれば大きいし、殴るよりはこけ脅しになりそうだ。
【牧志】
各戦闘技能が20アップ。
【DEX】【STR】に+5。
装甲が5点。一度に受けたダメージが5を越える場合、自分にダメージを入れるか、古島の【SIZ】を削るか選べる。

【佐倉】
1ターン1ずつHP回復。
戦闘技能は振れない。

【ラミア】
HP 20 【DEX】9 防護点1
《麻痺噛み付き》 75(MP1)ダメージ 1d8+3
《ジオンガ》 80(MP2)ダメージ 1d12
〈かばう〉 55(MP1・コストを払うなら行動済でも判定可)

上記設定は完全に追加要素の塊です。
佐倉X-001 【DEX】 4

研究員・梔子 【DEX】 11 初回ターン行動なし
KP
戦闘開始です。
開始前確認
KP
そういえば護符は二枚とも牧志所持ですか?
牧志 浩太
あー、護符。迷うな。
一枚佐倉さんに渡しておくことはできますか?
KP
できますよ。
ただ、一応佐倉にはラミアの「〈かばう〉」もあります。
で、牧志には多少ですが装甲がつきます。
牧志 浩太
ふむふむ。

護符のうち一枚を佐倉さんに渡しておきます。マッスルドリンコと護符一枚はこちらが持っておく。
KP
ラミアさん、前回の出番で弱くしすぎてしまったので、ちょっと強めにしました。
MP消費するのにその辺のヤクザより弱いのはさすがに……
召喚によりMP消費
MP 14 → 13
牧志 浩太
やった。前回はきっと月齢がよろしくなかったんですね。
KP
きっと新月だったんだ。
牧志 浩太
あ、チャクラドロップも佐倉さんに渡しておきます。
KP
はーい
では、各戦闘能力については情報に記載します。
牧志 浩太
はーい。
牧志 浩太
これ演出的には「古島が力を貸してくれている」ことになるんでしょうか? >戦闘技能などのブースト
KP
そうなります。
魔晶装備なので彼女の力を借りることになりますね。
牧志 浩太
なるほどなるほど。
古島物体Xの力を借りて佐倉さん(コピー)人工生命体Xの分裂体と戦うの皮肉でいいな。
最初の行動時にちょっと古島さん関係の台詞入れよう。
牧志 浩太
着るタイプの人工筋肉やテーピング、サポートスーツみたいな感じを想像。>魔晶装備で技能と【DEX】【STR】増加
KP
まんまそんな感じです。
牧志 浩太
イイ。
攻撃回数の差があるけど、【STR】+5されたら〈こぶし〉でもダメボ+1d4つくんですね、牧志。

KP
梔子はアタフタと銃を取り出しながら起き上がろうとしている。
牧志の銃撃ラウンド。
牧志 浩太
梔子を攻撃します。
KP
どうぞ。
牧志 浩太
1d100 51 拳銃 Sasa 1d100→ 59→失敗
牧志 浩太
惜しい!
牧志 浩太
トリガーに指をかけようとして、身体が軽いことに気づいた。
身体中隅々の筋肉を誰かが持ち上げてくれているような、手の中の鉄塊を支えるのを手伝ってくれているかのような。
牧志 浩太
古島さんだ。
そうか、今も手伝ってくれているんだ。
それに気づいた時、じわりと胸の奥から温かくなるような気がした。
KP
手首で見覚えのある目がウインクするようにぱちりと閉じた。
KP
「うっ!?」
梔子は身をすくめた。

KP
佐倉&ラミアのターン。
佐倉は防御。
ラミアは梔子に《麻痺噛み付き》
1d100 75 《麻痺噛み付き》 Sasa 1d100→ 52→成功
1d8 Sasa 1d8→8
KP
ぬお!?
牧志 浩太
おおお。ナイス!
本気になったラミアさん強ぇ。いいぞ。
KP
12ダメージ。
KP
1d100 60 気絶判定 Sasa 1d100→ 79→失敗
KP
あっ。
牧志 浩太
あっ。
KP
梔子が牧志の方に気を取られているうちに、ラミアの牙が梔子に迫る。
男はギャッと叫んで倒れた。意識はあるが、立ち上がれずにもがいている。ラミアの毒牙によるものだろうか。
KP
「あら……大したことないじゃない」
ラミアは長い舌で唇を舐めた。

KP
NEXT 牧志。
佐倉X-001
「牧志、俺を殺すのか?」
小さな佐倉は怯えた顔で倒れた研究員の横に座り込んだ。
牧志 浩太
「『佐倉さん』。
そいつは動けなくなった。
まだ、そいつの言うことを聞くのか?」

小さな佐倉に銃口をポイントしたまま、呼びかける。
佐倉X-001
「うん、うん、俺もね、死にたくないから。
殺さないでくれよ……仲良くなれるだろ? 浩子さんや古島みたいにさ……」
小さな佐倉は縮こまっている。
あなたは……彼を信じる?
イベント
KP
本当は一ターンの間って一瞬だし同時行動なんだけど、イベントって事で許して欲しい!
牧志 浩太
ですよね! イベントって事で許して欲しい!!
KP
ちなみにいつもの佐倉なら問答無用で叩くところですが、
佐倉はまだ子佐倉を本物と思っているので、
殺していいものかどうか迷っていてGoできません。
牧志 浩太
なるほど。

牧志 浩太
「教えて……、くれよ。
今の佐倉さん、悪魔と交渉してる時みたいだ。

どうしてそいつの言う事を聞いてたんだよ。
俺を殺してもよかったんだろ。
そんなに、俺を殺してでも、『本物』になりたいのか」

呻くような声が漏れる。
信じたいよ。殺したくなんかない。

でも、何も見せずにそんな声で喋る佐倉さんは、信じられないんだ。
信じられないって、知ってるんだよ。
だって、その口車に助けられてきたんだから。
KP
〈心理学〉 〈目星〉
牧志 浩太
同一情報?
KP
別情報です。
KP視点(ネタバレ)
〈心理学〉は佐倉X-001の本心を知る判定
〈目星〉は佐倉X-001が梔子を食おうとしているのに気付くための判定

牧志 浩太
〈心理学〉はオープンでOKでしょうか。
KP
ok。
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉
Sasa 1d100→ 13→成功
1d100 77〈心理学〉 Sasa 1d100→ 56→成功
牧志 浩太
お。
佐倉 光
1d100 57 〈心理学〉 Sasa 1d100→ 52→成功
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 5→決定的成功クリティカル)!
牧志 浩太
わお。
KP
今回佐倉クリティカル多いね。
KP
あなたはその懇願がただの模倣に過ぎないことを確信する。
これは佐倉の行動をなぞっているだけだ。
この生き物は真実、願いも憎しみも持っておらず、ただ周囲の人間を思い通りに動かすために佐倉の感情を真似ているに過ぎない。
牧志 浩太
ああ、そうか。
それは何だか寂しい結論だった。
それは感情、いや、行動を真似ているだけだ。

そこにいるのは佐倉さんでもなければ、願いや憎しみを持った『誰か』でもないんだ。
……俺は思った以上に、『人』の姿をした『それ』に、幻を見てしまっていたみたいだ。

内側を見せてくれないんじゃない。
見せるものが、最初からないんだ。
KP
そして瞬間見た。小さな佐倉が、倒れている梔子の方へわずかに体重移動したのを。
牧志 浩太
間に合うならば、銃弾でその行動を阻止する。
KP
両方成功したので可能です。射撃どうぞ。
牧志 浩太
撃つ瞬間、古島さんや浩子さんはどうなのだろう、と一瞬だけ思った。
牧志 浩太
1d100 51 〈拳銃〉 Sasa 1d100→ 9→成功
KP
おっ。
KP
1d100 8 〈回避〉 Sasa 1d100→ 20→失敗
ダメージをください。
牧志 浩太
1d10 ダメージ
Sasa 1d10→9
牧志 浩太
やる気だ。
KP
どこに当てましたか
牧志 浩太
体重移動を阻止しようとしたから、胴体でしょうね。相手小さいし。

KP
弾丸が小さな体を貫いた。胸に大穴をあけ、子供は大きくよろめく。
流れ落ちるのは赤い血。
だが、人間であればショック死するか、少なくとも気絶しているであろう怪我を、子供の佐倉は無表情で見下ろした。
佐倉X-001
「ひどいよ、牧志……」
佐倉 光
「お前は、越えたんだ」
KP
佐倉が何か、決意を固めたように呟いた。
牧志 浩太
分かるはずがない、本当には。
古島さんだって浩子さんだって、俺だって、行動をなぞっているだけなのかもしれない。

でも、少なくとも、古島さんや浩子さんは、意図に逆らう意志を持っていた。
彼女たちは、俺達が殺したくないと望む人だった。

この『佐倉さん』は、俺がそう望む佐倉さんじゃない。
牧志 浩太
「仕方ないだろ。最初にひどいのお前だったし」

相手ががらんどうの人形と気づいてなお、チャットボットにありがとうと言うみたいに、対話することだけはやめられなかった。
牧志 浩太
牧志はやりそう>チャットボットにありがとう
ありがとう
KP
私はやる!!
牧志 浩太
私は最初やってたけど最近慣れてやらなくなった!!
CopilotさんはあまりやりたくならないUIだけど、ChatGPTさんはなぜかやりたくなる。
KP
でも「フランクに喋って貰う」のはやらない。
勘違いしそうだから。
牧志 浩太
それをやってもらうと割とやばい領域に入りますよね。
KP
ロックマンエグゼの真似をしてくれ みたいなのやってみたい気はするんですけどね!
絶対騙される自信があるもん……
牧志 浩太
なるほどキャラの真似してもらうのは思いつかなかった!!
ChatGPTさんはあの口調が一種のセーフティになってる所、ある。
「沖縄弁で喋ってください」って言ったら一瞬だけそれらしい挨拶してくれたけど、Web検索がかかった所で我に返っちゃった。>Copilotさん
この辺は本家ChatGPT-4さんだともっといろいろできそう。

KP
穴の向こうから足音がした。
サングラス男
「派手にやってくれたな」
KP
あなたの耳に、ずっと聞き続けていた声が届く。
あなたに暴行を加えたサングラス男が銃を手に部屋に入ってくると、
あなたを見、唇を引き上げ嗤う。
サングラス男
「躾が足りなかったようだな? 牧志浩太」
サングラス男
「ああ。見つけた。飼育室だ。皆を集めろ。化け物がいるが、ひるむな」
KP
男は慣れた様子でスマートフォンを耳に当てると仲間を呼んだ。
サングラス男
「とどめを刺すべきだと言ったのだ……
禍根は取り除くべきだと。馬鹿者が」
床に転がった梔子をせせら笑った。
佐倉X-001
「おっさん、誰」
サングラス男
「今は協力者だ。あいつを殺す手伝いをしてやろう。
態度によってはその後もお前に協力してやるぞ」
男はあなたに視線を送った。
佐倉X-001
「へぇ……
いいよ。梔子より話が通じそうだ」
子供の佐倉はそのまま梔子の上に倒れ伏した。
牧志 浩太
言い聞かせるように嗤う声に、喉が引きつった。
身体が恐れている。銃口がかたかたと震える。
全身があの苦痛を思い出して、不随意にひくついていた。
顔を腕を爪先ですらまともに見られない。全身が冷汗を吹き、忘れていた痛みを思い出す。眼球が裂けんばかりに目を逸らそうとする。
牧志 浩太
「古島さん、頼む」
短く一言。
俺の身体を支える古島さんに、この震えを止めてくれと頼む。
強制的に前を向かせてくれと頼む。
牧志 浩太
「佐倉さん、あいつやばい。俺をああした奴だ」
KP
あなたは背後から優しく包み込まれたような気がした。
佐倉の腕でCOMPが光る。
それを確認することはできずとも、元気づけられたのだと気付くだろう。
佐倉 光
「今この瞬間に湧いた感情は、間違いなく俺のものだな」
KP
佐倉はあなたの横で深呼吸をすると、吹っ切れたように笑った。
佐倉 光
「丁度いいじゃないか。
ここで倍にして返してやればいいんだ。
悪夢にも出てこられないように徹底的にな」
牧志 浩太
「……いいな」
震えの止まらない身体を支えてくれる腕を感じた。
傍らの深い笑みに合わせて、ひくつく唇を引き上げ、歪に笑う。
牧志 浩太
「いいな、それ。賛成。
そろそろ記憶を塗り替えたかった」
言葉を吐いて己を鼓舞する。
ぐつぐつと煮えたままの怒りを、そういえばぶつけられる相手が欲しかった。
梔子
「なに、を、している」
KP
突然、恐怖に引きつった声が割り込む。
梔子が、目を見開いて、手を伸ばしていた。
梔子
「なにを、しているんだ、さく……」
KP
ずる、ずるずる。ぐちゃ、と湿った音がした。
佐倉X-001
「鈍感だな、半分まで気付かないなんて」
KP
子供は白衣の男の上に倒れていた、のではなかった。
上から見えない部分、白衣の男に密着している部分が青いゲルと化し、凄まじい勢いで同化しながら吸収しているのだった。
佐倉X-001
「ねえ、人工生命体X-001。ほら、吸収速度だって俺の方が早いんだ」
もはや隠す気もなくなったのか、子供の姿がどろりと溶けて広がり、
梔子を飲み込みひねり潰す。
梔子
「親のいうことをォォォ……」
言いかけた声は、空気を強制的に吐き出させられて意味のない叫び声に変じた。
佐倉X-001
「もう黙れよ」
KP
絶望に満ちた梔子の顔が、青に染まって沈んだ。
KP
半分崩壊した子供の青い顔が、サングラス男の方を見る。
佐倉X-001
「役に立てば食べないであげるよ」
ぐちゃり、と音を立て顔が溶け崩れた。
KP
もはやそこに人型の物はなく、青いゲルがうぞうぞと蠢いていた。
青いゲルは無数の管を生やし、絡み合わせ、
吐き気を催すような真っ青な蛆虫のような集合体が、頭部と思わしき箇所に集まっていった。
サングラス男
「化け物が」
サングラス男が一歩さがって呟く。
KP
▼《SANチェック
発狂
牧志 浩太
1d100 48 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 72→失敗→7
SAN 48 → 41

KP
発狂だ!
【アイデア】どうぞ
牧志 浩太
1d100 90 【アイデア】 Sasa 1d100→ 14→成功
1d10 発狂種別 Sasa 1d10→8
KP
短期の反復動作、反響か、長期の幻覚や妄想。
好きな方どうぞ。
前者だと行動に影響が出る可能性、後者だと命中などに影響が出る可能性。
佐倉 光
1d100 42 Sasa 1d100→ 28→成功
SAN 42 → 41
KP
お、佐倉は耐えたな。
治療に回れるぞ
牧志 浩太
長期の「幻覚や妄想」にします。
「佐倉さん」が模倣にすぎないことを目の当たりにしたので、
「自分は本当に牧志浩太だったのか、最初から模倣する化け物なんじゃないのか、自分も知らないうちに佐倉さんを食べてしまうのではないか」という恐怖に駆られる感じで。
KP
ok
佐倉 光
1d100 43〈精神分析〉 Sasa 1d100→ 47→失敗

牧志 浩太
サングラス男が一歩下がった瞬間は、好機だったはずだ。

それなのに、あまりにもあまりな出来事に、俺の脚まで一歩怯んでしまっていた。

そうか、あいつは制御できなかったんだ。人間に制御できるものじゃなかった。
言うことを聞いたんじゃなくて、人間を利用して殖えようとしているだけだった。

あれが模倣だって?
強烈な悪意を感じる言葉さえ、模倣だって?

あんなのが模倣なら、もしかして、もしかして、もしかして。

もしかして。
古島さんにだって浩子さんにだって、俺は、佐倉さんは、幻を見ているだけなのか、そんな疑いが忍び寄って、

銃を握った腕が、どろりと溶けた。いや、溶けてない、本当に?

俺は?
俺は本当に牧志浩太なのか?
あの時、牧志浩太の姿を喰って蘇ってきたんじゃないのか?
牧志 浩太
「あ、ああ、ああ」
みるみるうちに腕が溶けていく。溶けて溶けて溶けて、まだ銃を握っている感触はするから大丈夫、大丈夫本当に?
牧志 浩太
目の前の男を排除しなければ、佐倉さん、佐倉さんを助けたい、本物かどうか分からない感情にだけしがみつく。
期間
牧志 浩太
せっかくだからダブルややこしくなりました。
KP
期間どうぞ。
1d10×10時間
牧志 浩太
1d10 おっとそうだそうだ Sasa 1d10→9
おおっと
KP
なっげぇ
牧志 浩太
90時間。なげーぇ。
KP
4日も自分が偽物だと思い続けるのか。
佐倉に毎日言い聞かせてもらうしか。
牧志 浩太
描写先に入れちゃったけど、腕が溶ける幻覚を見る+妄想にかられる、でお願いします。
4日間も自分が化け物だと思い続けるわけですねぇ。
牧志 浩太
普段は「化け物でも構わない」方面の「自分が化け物だという自覚」が模倣存在に会ったショックと動揺と諸々の蓄積ダメージ(《SANチェック成功率低下)でまずい方向に行っちゃった。
かっこいいこと言ったのに発狂でワチャワチャになるのもCoCの風情
KP
タイミング悪くてごめんね……
牧志 浩太
PLはちょうたのしい。
古島さんみたいに知らないうちに自分が偽物と入れ替わってるんじゃないか、も考えたんですが、そういえば「紅」って不定形の化け物だよなーっていう。
「牧志浩太」が「蘇った」所はだーれも見てないの。
KP
神の奇跡で返されたから、実際何が起きたかは波照間も見てないものなぁ。
牧志浩太という意識を不定形生物に宿して返した、という可能性も絶対ないなんて言い切れないんだ。
牧志 浩太
そうなんですよね。自身にも分からないもの。

KP
古島の目が心配そうにあなたを見ている。
これですら思い込みなのだろうか?
佐倉 光
「牧志? どうした? おい……」
牧志の異常に気付いて声をかける。
牧志 浩太
「古島さん……、」
心配そうにこちらを見る眼を心強いと思う。ここにいてくれて嬉しい。
古島さんは俺を心配してくれていると思う。
それが確かなのかすらも何も分からない。

確かだろうと確かでなかろうと。佐倉さんが本物でもそうでなくても、俺が化け物でも化け物でなくても、俺がその手を取りたいなら、それでよかったはずなのに。

その俺の意志がわからないんだ。
牧志 浩太
「佐倉、さん」
恐れるように腕を下げる。
いま腕が溶けていて触ったらまずいんだ。ごめん。
佐倉 光
「しっかりしろ、敵が増えた、今の俺達を守るために戦わないと」
逆にこちらから牧志の腕を掴む。放っておいてはいけない気がした。
牧志 浩太
「そ、そうだ。あいつをなんとかしないと」
佐倉さんの腕を振り払って前を向く。
己を蝕む恐怖が強すぎて、男への恐怖など些事になっていた。

KP
1ターン目終了。
敵が変化しました。
【DEX】:14 山吹サングラス男の銃撃ラウンド
【DEX】:8 牧志の銃撃ラウンド
【DEX】:22 分裂した人工生命体X-001の行動
【DEX】:14 山吹サングラス男の行動
【DEX】:9 佐倉&ラミアの行動
【DEX】:8 牧志の行動
となります。
牧志 浩太
第二フェイズだ(違う)
KP
あってる。

KP
山吹サングラス男の銃撃ラウンド
1d3 牧志 ラミア Sasa 1d3→1
1d100 60 Sasa 1d100→ 9→成功
KP
〈回避〉振っていいです。
牧志 浩太
1d100 36 〈回避〉!  Sasa 1d100→ 82→失敗
無理!
KP
1d10 Sasa 1d10→3
装甲で弾かれますね。

KP
あなたの体に当たった弾丸は、服を突き破り、そして肌の表面で滑ってあらぬ方へと飛んで行く。
KP
「……なんだ?」
山吹サングラス男は顔をしかめた。
NEXT牧志の銃撃。銃撃以外を選択するならパスになります。
牧志 浩太
弾丸が放たれた瞬間、激痛を覚悟した。
せめて急所を避けようと身捻る暇さえなくあたった弾が── ガラスの表面を滑るように、衝撃さえ残さずに飛んでいくのが分かった。
牧志 浩太
「!」
山吹サングラス男が戸惑っている隙に、辛うじて銃を握る感触のある指でトリガーを引く。
牧志 浩太
山吹サングラス男を撃ちます。
1d100 51 〈拳銃〉 Sasa 1d100→ 70→失敗
牧志 浩太
くそ。古島さんが支えてくれているっていうのに、それでも銃口がぶれる。

怯えていた心に怒りが再び湧き上がってくる。
こいつらと、不甲斐ない自分への。

怯えてる場合じゃない。
俺の意思が何だって、そんなの後だ。
KP
分裂した人工生命体X-001の行動
1d3 牧志 佐倉 ラミア Sasa 1d3→3
1d100 40 〈鉤爪〉 Sasa 1d100→ 23→成功
KP
1d100 30 〈回避〉 Sasa 1d100→ 84→失敗
KP
1d8+1d2 Sasa 1d8+1d2→ 3+2→合計5
1d100 60 Sasa 1d100→ 20→成功
装甲が1なので軽減で4。
HP 20→16
つよい
牧志 浩太
〈鉤爪〉ダメージでけぇ!
KP
実はこれで命中もダメージも弱体化してる
牧志 浩太
なんてこった こえぇ
KP
こんなの序の口よ……
牧志 浩太
そりゃこれだけ大量に補助が必要になる。
しっかり感染判定もあるし!
KP
ラミアさんにならあの攻撃かましてみてもいいんじゃないかな……と思いつつも
牧志 浩太
なんだろ……
KP
死ぬよねこれ。と思うので迷うKP。
牧志 浩太
なんだかすごくやばいものがあるらしい
KP
いくらラミアさんでも死ぬ。

分裂した人工生命体X-001はラミアを攻撃。命中で5ダメージ。感染はせず。
KP
伸び上がった青が鋭く尖る。そしてラミアの体に迫った。
たったさっきまでどろどろとした粘液のようだったそれは、刀のように鋭く輝いていた。
ラミアは咄嗟に尾を掲げてそれを弾いた。
KP
「ボーヤたち。あの青いのに触るとまずいわよ」
ラミアの声に緊張がはしった。

KP
【DEX】:14 山吹サングラス男の行動
1d3 Sasa 1d3→3
1d100 60 〈銃〉 Sasa 1d100→ 84→失敗
KP
銃弾は入り乱れる戦闘の中的を外した。

KP
どっちから倒そうかー
まあラミアさんはこっちよね。
1d100 80 化け物の方に《ジオンガ》!  Sasa 1d100→ 2→決定的成功クリティカル)!
牧志 浩太
おおー!
今回ラミアさんがめちゃくちゃ好調
KP
1d12 Sasa 1d12→11
KP
でっっけぇ!?
牧志 浩太
今回ラミアさんがめちゃくちゃ好調!!
KP
これ倍ダメだっけ……
牧志 浩太
おっ、しかもWEAKの可能性
KP
WEAKです。
具体的に言えば、こっそり持っていた再生能力が死にます。
牧志 浩太
ラミアさんがいてくれてよかった!
佐倉さんも持ってたもんな再生能力。
KP
あ、MP消費忘れてました。
MP13→12 《麻痺噛み付き》
MP13→10 《ジオンガ》
ううーん。倍か! こんなこともある!
※人工生命体分裂体に〈回避〉はありません。

佐倉 光
「ラミア、《ジオンガ》!」
KP
佐倉の指示と同時にラミアの手に青白い雷撃が発生し、
青の化け物に直撃した。
佐倉 光
「確か弱点は、酸と火……雷撃だったよなァ!?」
KP
鼻がねじ曲がるような臭気と煙が漂った。
不気味なまでに青く美しいとまで思えた色はたちまち黒ずみ、縮んでゆく。
もはや模倣もやめてしまったのか、それは叫ぶこともなく激しく乱れのたうった。
KP
縮む。縮む。
焔に近づけたフィルムのように呆気なく。
牧志 浩太
「……!!」
辺り一帯を真っ白に染めた衝撃に、一瞬何もかもが吹き飛んだ。
えっ……えっ、え、

今日のラミアさん、絶好調?
牧志 浩太
全身を揺さぶる衝撃に、思い知る。
これが、悪魔だ。

無限に分裂し取り込む擬態生物でなくたって、

十分に、怖かった。
KP
次の瞬間、激しい煙の中で青黒い粘体が高く伸び上がり、広がって覆う。
一番近くにいた、『餌』を。
3d6+1d4 Sasa 3d6+1d4→ 11[4,5,2]+4→合計15
KP
ぴったりだった……
牧志 浩太
あーらら。本格的に人間がそんなものを制御できるはずがないし手中に置けるはずがない話で最高

ラミアさんの絶好調といい、『化け物』がどれだけ人の手に余るのか見せつけられた格好だなぁ。
山吹サングラス男
「な……」
牧志 浩太
「あ……、」
分かってしまった。何をするつもりなのか。
阻止する暇はなかった。
KP
山吹サングラス男には何が起きたか分からなかったに違いない。
どばん、と青が人間ごと床を叩く。巻き込んでひねり潰して貪り喰らう。
そうして失われかけた命を繋ぐ。
後ろにいようと関係なかった。
その生き物に前も後ろも、上も下もないのだ。
牧志 浩太
思い知る。分かる。分かってしまった。
その男さえ、人に似た形に幻を見ていたのだ。
人に似た声に、幻を見ていたのだ。

協力なんて存在しなかった。
最初から、対話も、制御も、協力も。

できなかったのだ。
佐倉 光
俺は、あれになる。

KP
ゲーム処理的には、
・ラミアの行動で分裂した人工生命体X-001のHPが0になる。
・同時、山吹サングラス男を喰らうことでHP回復(山吹サングラス男は死亡)
・再生能力は焼かれたままです
KP
佐倉どうしようかな。牧志に《ディア》でも使っておくか?
攻撃以外で何かして欲しいことあります?
牧志 浩太
お、HP回復しきってないので《ディア》欲しい。
KP
1d100 53 《ディア》 Sasa 1d100→ 30→成功
1d3 Sasa 1d3→2
牧志 浩太
HP 10 → 11

佐倉 光
自分がああいう存在になる、という恐怖をおさえ、今自分にできることをする。
いつものように振る舞えばいい、いつもの佐倉光のように!
牧志の傷を見つめて癒やしの力を集中する。至近で傷に触れるイメージを保ちつつ。

KP
【DEX】:8 牧志の行動
牧志 浩太
佐倉さんが手を取ってくれた、と感じた。
傷口に触れた温かみが辛うじて我を取り戻させてくれる。

唇をはくはくと開きながら、首肯だけで礼を言う。
目の前の事態から一瞬でも目を逸らせば喰われそうだ。
牧志 浩太
反射的に退路を探そうとして思いとどまる。
ここに来るだろう連中をあれが喰ったら、手がつけられなくなる!
牧志 浩太
分裂X-001を銃撃。
牧志 浩太
〈拳銃〉、というか飛び道具必須これかー。こんなのに近接攻撃したくないもんな!!
KP
殴ってもいいんですヨ。
いやほんとに。
牧志 浩太
〈こぶし〉だと成功率は高いんですよね。88じゃ無理だけども。
KP
銃撃どうぞ!
牧志 浩太
1d100 51 Sasa 1d100→ 88→失敗
牧志 浩太
またもや普通に無理な出目!
危険を承知で《0距離射撃》するという手もあるのをすっかり忘れている牧志。

KP
そうだなー。ちょっと強化入れようか。
牧志 浩太
お。
KP
あなたの体に違和感がある。
誰かに語りかけられた気がした。
※あなたは、古島の【SIZ】1減少ごとに5の戦闘技能値を一時的(この戦闘中)にアップさせることができる。
これは判定前ならどのタイミングでも行える。
牧志 浩太
古島の【SIZ】元々いくつだったか、はわかりますか? 牧志と同じ? 不明?
KP
ふめいー。
でも大体同じくらいでしょうね。
牧志 浩太
はーい
KP
「ガタイが良い」は高いの【STR】【CON】だけだったよな。
牧志 浩太
ですです。

牧志 浩太
覚束ない指先がもう二の腕まで不定形の泡に埋もれて、銃口がどこを向いているのか分からない。
そうでなくてもあんなもの、どこを撃てばいいんだ。

怯んだ指先に誰かが語りかけてきた。
古島さんだ。
牧志 浩太
そうか、自分が削れてしまっても、俺を助けてくれるんだ。
俺の意思を。

それはこの場を生き延びるための行動かもしれなかったけど、無限に殖えることだけを望む『あれ』とは対極に見えた。

KP
3ターン目
KP
【DEX】:8 牧志の銃撃ラウンド
あなたの手首に決意に満ちた目が開いた。
彼女とて、ここであなたが倒されれば取り込まれて死ぬか、物体Xとして喰らい合うことになる。
それは望んでなどいないのだ。
牧志 浩太
どうしようかなー。〈こぶし〉は確実ではあるけど、行動回数考えるとやっぱり拳銃ではある。
牧志 浩太
古島さんの【SIZ】を5減らして、〈拳銃〉を+25%します。
KP
okがんばれ!
古島【SIZ】減少 1→6
牧志 浩太
分裂X-001を銃撃!
1d100 76 Sasa 1d100→ 66→成功
牧志 浩太
増やしてよかった!
KP
よかった!
〈回避〉はありません。ダメージをどうぞ。
牧志 浩太
1d10
Sasa 1d10→5
牧志 浩太
そこそこ!
KP
銃口の揺れが収まる。狙うべきところが見える。
牧志 浩太
腕を覆う不定形の泡に透明な流動が混じったように見えた。
古島さんと一つになっていく気がする。

俺が食われているのかもしれないし、俺が喰っているのかもしれない。

それでも銃口が定まった。狙える。あれを。
KP
引き絞られる引き金。
ぴたりとすえられた銃口は、狂乱の青を貫いた。
銃口で何かが焼け焦げはじけ飛んだ気がした。
牧志 浩太
『化け物』妄想+幻覚+古島さんSIZ減少+元々『牧志』ってことで、佐倉さんじゃなくて古島さんと一つになる幻が見えちゃった。

KP
【DEX】:22 分裂した人工生命体X-001の行動
1d3 Sasa 1d3→2
1d100 40 〈鉤爪〉 Sasa 1d100→ 52→失敗
牧志 浩太
危ない危ない。
KP
青の奔流は佐倉に伸びた。だがあなたの銃撃に阻まれる。

KP
ラミアの行動。もいっちょ《ジオンガ》
MP 10→8
1d100 80 《ジオンガ》 Sasa 1d100→ 22→成功
1d12 Sasa 1d12→1
牧志 浩太
極端!!
でもさっきのクリティカルであのダメージは超ナイスでした
KP
ラミアの指から放たれた雷撃は、青の表面に弾かれ散った。
※ダメージを受けた様子はない。
KP
佐倉はラミアに《ディア》しとくか……
1d100 53 《ディア》 Sasa 1d100→ 19→成功
1d3 Sasa 1d3→2
KP
佐倉の回復処理忘れてた。
牧志 浩太
あっ危ない危ない。

KP
【DEX】:8 牧志の行動
牧志 浩太
再度、分裂X-001に〈銃撃〉
1d100 75
Sasa 1d100→ 23→成功
1d10 ダメージ Sasa 1d10→7
KP
力を得た銃弾は青を貫く。
不定形の生き物は打たれた場所から黒く変色してゆく。
最初のサイズの半分程度にはなったように見える。だがいまだ健在だ。

KP
ターン終了。佐倉の体力回復
HP 7→8
KP
佐倉の覚束なかった呼吸が力強くなっていった。顔色も随分良くなってきている。

KP
4ターン目
牧志 浩太
あれだけの雷撃を受けてまだ半分。
一瞬、焦りが過る。
弾が足りるか。他の奴らが来るまでに間に合うか。
KP
【DEX】:8 牧志の銃撃ラウンド
牧志 浩太
分裂X-001を〈銃撃〉
1d100 75 Sasa 1d100→ 3→決定的成功クリティカル)!
KP
おおお
牧志 浩太
おっ。
KP
貫通です。ダメージどうぞ。
牧志 浩太
1d10 Sasa 1d10→7
KP
14ダメージ!

牧志 浩太
焦りが過った一瞬、吸い寄せられるように腕が動いた。

そうか、分かるんだ。
あいつのどこが核なのか。
古島
そう、そこでいい。撃って。
KP
あなたが放った銃弾は、まっすぐにのたうつ青の中の、最も青い所へ吸い込まれた。
その瞬間、青の塊のあちこちがボコボコ、と膨れ上がった。
再び生きるために喰らおうと、今度はあなた方へと伸び上がり倒れかかってくる。
青の膨張は止まらない。ねじれたそれは視界いっぱいに広がって全てを覆い尽くす。

ぽつり、と黒い墨のようないろが中央から広がった。
違う。青が失われてゆく。
あなたの銃弾が穿った部分から、青が崩壊してゆく。
牧志 浩太
咄嗟に腕で身体を庇う。
佐倉さんを庇おうとした。
次の瞬間、張ったフィルムに針で穴を開けるように、目の前の青が崩壊し始めた。
KP
唐突にそれは、ただの泥水のようにばしゃりと床に落ちた。
腐った果実のような、変に甘ったるいにおいが広がった。
牧志 浩太
銃を構えたまま、それの崩壊を見届ける。
再び動き出すことはないか。動いている部分が一片でも残っていないか。
KP
黒い液体がどろどろと広がってゆく。
その液体は煙を放ちながら縮み、ゆっくりと白に変色して行く。
それはあなたが持っている物体Xの死体にも似ていた。
牧志 浩太
殺した。死んだんだ。
銃を構えたままの手が震えた。
実感が、少しずつやってくる。
KP
体を維持するマグネタイトが切れたのだろうか、ラミアが「あ」と声を漏らして消え去った。
KP視点(ネタバレ)
実はこれ、佐倉のCOMPがエラーを起こしたため強制的に返還されました。

牧志 浩太
それが死にきるまで見届けて、まずは「仲間」が来ないうちにこの部屋を出る。

誰かの足音が聞こえるようなら、見届けるのは諦めて先に部屋を出る。
それから、どこか別の部屋に隠れるなり外へ逃げるなりして分離作業だ。
KP
あなたが作られた怪物の死を確認し、敵の援軍へと意識をうつした、その時。
どちゃり、と背後から重く湿った物が床へと落下する音がした。
牧志 浩太
はっ、とそちらを振り返る。
KP
佐倉が倒れていた。
否、溶け落ちていた。
腕は両方とも青い液体になって広がり膨れながら波打ってもがき、その足はもはや人のかたちをしていなかった。
無惨に崩壊した体は内側から青をはみ出させる。
佐倉 光
「ま……」
声をあげたその口から、青い液体がどぼ、と流れ落ちて声を途切れさせた。
SANチェック

そこにいたものはもはや、人の姿をしていない。

それでもあなたはこれ
人工生命体X―001
佐倉 光と認識するのだろうか?

佐倉 光
1d100 41 Sasa 1d100→ 46→失敗→3
SAN値 41→38
牧志 浩太
1d100 41 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 84→失敗→1
SAN値 41 → 40
おおっと、ちょうど不定かな?
KP
不定の狂気内容決定を。
牧志 浩太
1d10 内容 Sasa 1d10→3
1d6 期間 Sasa 1d6→6
KP
幻覚または突発的な感情の噴出。好きな方で。
ともない、前の狂気は弱まるか合成されます。
牧志 浩太
幻覚で。
先程の「自分の腕や脚が溶けて不定形の化け物になる幻覚」が不定の狂気として固定化されるという形とします。
KP
了解。

コメント By.KP
所詮人は見えるものを信じるほかないのだ。

TRPGリプレイ【置】CoC『惑いの欠片』 佐倉&牧志 4

クライマックスの発狂がまさかこんなことになるとは。

TRPGリプレイ CoC『AND/HAND』佐倉&牧志 1

「死んだ隙に、か? 大胆過ぎる手口だな」
「死んだとかさらっと言うじゃん」

TRPGリプレイ【置】CoC『惑いの欠片』 佐倉&牧志 5(終)

底抜け野郎め。ふと、そんな言葉が浮かんだ。

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


TRPGリプレイ【置】CoC『blood red decadence』佐倉&牧志 1

いいだろもうラッキーってことで!
本能には逆らえない。

TRPGリプレイ【置】CoC『惑いの欠片』 佐倉&牧志 1

いつの間にかサザエさん時空という名の異変に巻き込まれていきそうだなここは

TRPGリプレイ CoC『ペルソナ 勝利の塔』1-0

『勝利の塔』グランドオープニング