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こちらには『青に染色』および
『俺の恋人が庭からボコボコ生えてくるんだが!?』のネタバレがあります。
また、細かい改変多めなので実際に回す際の参考にはしないでください。

牧志 浩太

お人好しで温厚、だが意思は強い好青年だったが……。
とある事情で二年より前の記憶の大半を失い、代わりに悪魔使い波照間紅の記憶を持っている。
首から胸へと続く奇妙な【契約】の痣がある。たまに痛むという。
生贄体質らしく、事件に巻き込まれることが多い。

佐倉とは友人。


佐倉 光

サマナーで悪魔退治屋。ハッカーでもある。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年。とある事件より、体中の痛みに悩まされている。
基本悪魔を召喚して戦うが、悪魔との契約のカードを使ってその力を一時的に借りることもできる。
最近、牧志そっくりの異星人……の記憶を保持する物体X六人との契約を行った。

巻き込まれ体質らしい。
最近いきなり起きる不随意運動に悩まされている。牧志の心音を聴くと精神が安定するためか治まる。

牧志とは友人。


とある事件以来、特殊な事情のため二人が面倒を見ることになった少年。
超美形で類い希な理解力と知性を有する。
年齢は7歳程度。生育環境が特殊だったため、一般的な教育を受けていないので、言語が年齢の割に幼い。最近になって急に一般的な生活を送り始めたので、外界への興味が強い。


少し前に現れた6人の異星人。佐倉と契約して彼の仲魔として存在している。
その正体は、何にでも変身して喰らい殖える不定形生物だったが、事故により『人間』としての意識を持ち、増殖を抑えてこの星での人間との共存を試みている。
そのうちひとりが『もうひとりの牧志』ともいうべき『牧志浩子』、女性だった牧志である。


牧志 浩太
簡易秘匿なんだろうな~~わくわく
KP
もんだいはどっちがどっちをやるかでございますー
牧志 浩太
佐倉さん拷問されたことあるし、今度は牧志が拷問(HO2)されちゃう?
狙われるのが似合うのは牧志だけども。
KP
なるほど? それもよし。
今まで通りの流れだとHO1が牧志なんだけど、逆も楽しそうなんですよねぇ、これ。
牧志 浩太
ほうほう。ではHO2やってみたい。
KP
前回の事件から2~3ヶ月ほど開けたいかなー
牧志君って何か不定残ってましたっけ。
KP
何も考えずにチャンネル作っちゃったけど、これリアルタイムでも良かったかも知れませんなー。
しかしじわりじわりとよくわからないことがやってくる感を味わうには置きか……
牧志 浩太
じわじわ来るよくわからない恐怖と負けイベ描写みっしりやるには置きでも合いそう。
不定は2~3ヶ月空くなら牧志は全部治ってますね。前回の話であと1ヶ月だったので。

KP
青に染色本編を始める前に、前回の事件で加わった、ちょっと変わった仲魔たちの話を少し。
牧志 浩太
わーい、よろしくお願いします!
KP
よろしくお願いします。
前日譚1 仲魔
KP
あの事件からしばらく、悪魔遣い界隈ではちょっとした事件として扱われた。
なにしろ一体でも見逃せばこの星が滅亡しかねない危険生物だ。
あなたが日常に戻っている間にも、佐倉はじめ波照間、そして事件の当事者である『牧志』たちも、随分とどこかへ出かけていた。

とはいえ、『牧志』たちについては早々に決着がついたらしい。
完全に契約がなされて使い魔に納まっている悪魔であれば、それほど問題視されない。
ただの『危険な悪魔』であればこの世界にはいくらでも存在するからだ。

あの『隕石』の落下地点からは微量の謎の物体が発見されたなんて話もあるが、
例の教授が残らずかき集めてつつがなく灼き尽くした、らしい。

お陰で世界は変わらず平和である。

あなたの恐怖症もゆっくりと収まっていった。
佐倉は未だに奇妙な症状に囚われて心臓の音を聞かせて欲しいと言ってくるが、それが何か問題を引き起こすようなこともない……

※精神治療判定を、牧志は1ヶ月、佐倉は2ヶ月分行ってよい。
牧志 浩太
1d100 治療判定 Sasa 1d100→13
1d3 回復 Sasa 1d3→3
SAN値56 → 59
佐倉 光
1d100 精神治療 Sasa 1d100→68
1d100 精神治療 Sasa 1d100→5→決定的成功クリティカル)!
おっと。では2度目の治療は+1で。
2d3 Sasa 2d3→2,3→合計5
6回復。
佐倉、SAN値 55で開始。

牧志 浩太
彼女たちは俺に見えて俺じゃなかったわけだけど、それでも佐倉さんに随分世話かけちゃったな、という気がした。

俺だって自分の姿をしていて、一日一緒に遊んで、あんな寂しそうな目をする俺達を、焼きたくなんかなかった。
でも俺にそれを実現する力はなくて、決断してくれたのも、痛みを被ってくれたのも、彼女達を助けてくれたのだって、佐倉さんだ。
牧志 浩太
でも、それを気に病むよりは、ただ感謝していたかった。
貸し借りみたいなのは今更だって、あの時言ったばかりだ。

ようやく外せたサングラスは、部屋に置いている。何となく思い出みたいな気持ちだ。
牧志 浩太
今日も世界は穏やかだ。
気を張ることはやめられず、明るい道ばかりを歩き、仕方なく遅くなる時はなるべく人のいる所を辿る、それでも世界は穏やかだ。

きっとまた何かあるんだろうな、なんてのはもう諦めから確信に変わっていて、それでも今を楽しみ、未来を見る。

大学でそんなことがつい口に出て、「大病でもした?」なんて言われたっけ。
KP
いきなり行方不明になったかと思えばサングラスをかけて来るようになったあなたを、
友人達はあれこれと心配してくれただろう。
一部の講師には不真面目であると不評だったかも知れない。
だがそれでも人は慣れるものだ。
中でもいつも通りに接する東浪見や波照間の態度が、
周囲の人間の視線を、他の心配事や興味へと速やかに散らしてゆく助けになっただろう。
KP
さて。
『牧志』たちは夜間は基本捕食と増殖の本能を抑えるためデータ化しているが、
佐倉の仕事がない昼間は交代で外に出て、気ままに過ごすときもあれば、
自分たちが実体化するマグネタイトを稼ぐために佐倉たちに協力することもある。
佐倉 光
「今日は『浩子』さんの番で、明日は『コータ』の番で……あとは『牧志』と『牧志』と……」
KP
彼らと話している時、あなたは自分の名前を頻繁に呼ばれる。
その80%はあなたではない他の『牧志』の話題だ。
……少し落ち着かない。
牧志 浩太
東浪見はいつも、いつも通りに接してくれる。
俺が全部忘れて戻ってきた時も、様子がおかしくなった時も、突然サングラスをかけだした時も。
東浪見がいてくれることが、本当に助かるし、ありがたい。

一度そう言ったら、じゃあ飯でも奢ってくれよなんて笑ってたっけ。
それで奢ったら、次に会った時に奢り返してきたんだ。東浪見だなぁ。
牧志 浩太
「え、何? ……あ、あっちか」
あの事件で、家には六人の同居人が増えた。
同時に出てくることはないけど、代わる代わる姿を見せる。
家が随分と賑やかになったような気がして、ちょっと楽しい。
牧志 浩太
……浩子さんと同じ家って思うと、たまにちょっとくすぐったいけど。
『女の俺』って思ってた時はそうでもなかったんだけど、違う名前で呼び始めると、こう、うん。不思議な感じがする。
牧志 浩太
ただ、困ることが一つ。
やっぱり自分の名前は名前だから、呼ばれるとつい反応してしまう。
牧志 浩太
結果的に女の人と一つ屋根の下。くすぐったい。(夜はいないからまだSAFEだけど)
佐倉 光
「おーい牧志ー」
KP
と呼ばれて反応してみたら自分ではなかった、ということもしばしば。
牧志 浩太
じゃあ呼ばれても反応しなければいいかというと、それは嫌だった。
大事な時に無視してしまったら嫌だという気持ち。
ただ単純に、名前を呼んで呼ばれたいという感覚。

そういえば紛らわしいことが頻発するのは、彼らも俺と同じように、そういうたちだからなんだなということに気づいた。
KP
そんなことがしばらく続いて、ある日大学から帰ってみたら家のなかが混んでいた。
お帰りと声をかけてくれるのはあなたの顔をした『悪魔』たちだ。
最近彼らはあなたと意識的に見た目をずらすことにしているのか、髪を長くしたり切ったり、やたらアクセサリーをつけていたり色々だ。
まあ…単なる趣味かもしれないが。

そのなかで、『浩子』は、女性的でありながらあなたとほぼ変わらない格好のままだ。
彼女の記憶はほとんどがあなたそっくりの異星人、『牧志浩子』のものだからだろう。
佐倉 光
「分かってたけど進まねーなー。
もー勝手にてきとーに決めちまうぞー」
牧志 浩太
「ただいま、あれ、今日はみんないるんだ」
耳飾りがたくさんついてる『牧志』、落ち着くのかダボダボした服を着てる『牧志』、逆にずっとタンクトップ姿の『牧志』、髪を伸ばし始めた『牧志』、それから服の下に…… 見なかったことにしとこう。

見た目をずらしてくれているのか趣味か分からないけど、それを見ていると、別の人間なんだなっていう認識が少しずつ染み込んでくる。
牧志 浩太
※見なかったことにしとこう
マゾヒスティックな牧志いる。
KP
なにつけてんの……
牧志 浩太
なにかを……。
牧志 浩太
その中で『浩子さん』は、俺とほぼ似たような格好のままだった。
その耳に耳飾りがないのが、唯一の違う所。
ああ、本当に近い道を歩いてきたんだなって思う。
佐倉 光
「あ、お帰り牧志。こっちの牧志な。
悪いなー今取り込み中でさー」
KP
佐倉は困ったように頭をかいていた。
牧志 浩太
「ただいま、佐倉さん、シロー。
取り込み中って?」
その辺に荷物を置き、冷蔵庫から麦茶を出して飲みながら聞く。
佐倉 光
「全員牧志じゃあまりにも紛らわしいから、コードネームでもつけようかと思ってさ。
で、30分だけ全員にマグネタイト渡して自力で出てきてもらったんだけど、こう揃って出るの久しぶりだろ?
全然話が纏まらねーんだよ」
佐倉 光
「マグネタイトは有限です!  真面目にやること!  これサマナー命令!!」
名前
KP
とはいえ、最初からいた三人はゲームの時につけた名前でもいいかな? と思っている私。
もしくはキングダムハーツ方式で、必ず名前にXが入っているとか。
牧志 浩太
しかしそうなると気弱牧志がチキンに。
KP
チキンくんか……
あとは牧志 が路線にあるとこの周囲の駅名もらうとか?
赤嶺駅……
こんなところに。
牧志 浩太
そうなんですよねアンリで二駅使ってる。牧志も赤嶺も経塚もゆいレールが元ネタです。
KP
そうするとそれで使っちゃうのは今後困るかな。
牧志 浩太
さすがにこれ以上アンリは名前増えないだろうし、沖縄キャラこれ以上増やしはしないと思うのでそこは大丈夫です。波照間は駅名じゃないですしね。
KP
『縛り』に反応すな。(今更のツッコミ)
牧志 浩太
落ち着いたら本性を現しだすマゾ牧志。
KP
データ化されて封印されるのも縛りの一つかな(てきとう)
牧志 浩太
ちょっと封じられる瞬間が癖になっていそうな所はある>カードに封印

牧志 浩太
「ああ、なるほど。いいなそれ。
あー、久しぶりに六人一緒に会ったからとにかく話がまとまらないと」
ガタイがいい女牧志
「うーん、いい案出ないんだよな。深山と緋寒の時みたいに何かで縛る?」
目つきが悪い牧志
「縛るって言って無意識に体震わせるのやめろって、色々複雑すぎる。何で縛るんだよ」
弱気な牧志
「鳥……」
目つきが悪い牧志
「却下」
目つきが悪い牧志2
「また纏まらなくなってる。浩司や浩子みたいに浩の字つく名前にしよう」
ガタイがいい女牧志
「でも五人分出る?」
目つきが悪い牧志2
「出ない」
弱気ガタイ良い牧志
「ええと、名前、名前、駅名とかどうだろ、山手線ゲーム……」
目つきが悪い牧志
「目黒さんとか嫌だよ俺」
KP
相変わらず全然纏まっていない。
目黒さん……女神転生・ペルソナシリーズの音楽作ってる人だよ!
佐倉 光
「牧志って沖縄の駅名にあるんだな。じゃあこのへんで考えよう。
周辺の駅名で。
だからって市立病院前とかはナシな」
佐倉 光
「時間までに決まらなかったら『きさらぎ』とか『高輪ゲートウェイ』にすっからな」
KP
言いながら名前に使えそうなものを書き出していく。
『那覇・赤嶺・小禄・奥武山・壺川・旭橋・美栄・安里・おもろまち・古島・儀保・首里・石嶺・経塚・裏添・てだこ浦西……』
佐倉 光
「このままじゃなくてもいいし。適当に字を抜いて使うとかさ」
KP
「おなまえ? 決めるの? まきしなのに?」
佐倉 光
「全員牧志だと分かんなくなるだろ?」
KP
「まきしはまきしなのに」
佐倉 光
「あー、名前変えるわけじゃねぇんだよ。ニックネーム。呼び名。仲のいい奴がつけ合ったりするんだ」
KP
「それほしい」
KP
『仲のいいもの』という言葉に反応したか、ふんす、と鼻息を荒くするシローに、佐倉は困ったような笑みを浮かべた。
佐倉 光
「みんなのが決まってからな」
牧志 浩太
「ん? ああ、あるな。大きな市場があってさ」
女性の牧志
「ああ、あったな。懐かしい」
目つきが悪い牧志2
「……きさらぎ、割とありじゃないか?」
目つきが悪い牧志
「今から混ぜ返すなよ。新浜松にするぞ」
ガタイがいい女牧志
「そういえば玉那覇ってお菓子なかったっけ?」
目つきが悪い牧志
「混ぜ返すな! じゃあ俺、安里で」危機感を覚えた目つきの悪い牧志が強引に話をまとめだした。
弱気な牧志
「じゃ、じゃあ壺川で」気弱な牧志が次に続く。
目つきが悪い牧志2
「じゃあ俺は浦西」
もう一人の目つきの悪い牧志が続ける。
弱気ガタイ良い牧志
「えっ、え、じゃあ旭橋……」
体格のいい気弱な牧志が、慌てて続く。
ガタイがいい女牧志
「市立病院前はナシなら県庁前はアリ?」
目つきが悪い牧志
「やめろ、そんな名前で呼びたくない」
ガタイがいい女牧志
「冗談冗談。じゃ、古島」
体格のいい方の女牧志が最後に決めて、何とかまとまった? らしかった。
牧志 浩太
鼻息を荒くするシローと困ったような笑みを浮かべる佐倉さん、それからわいわい話し合う五人を見て、ふっと笑みがこぼれた。

ああ、なんだか平和だな。

女性の牧志
浩子 女性 体の一部が不定形 牧志浩太に一番近い
目つきが悪い牧志
安里 男性 目つきが悪い。どことなく佐倉を思わせる
弱気な牧志
壺川 男性 弱気だが頭を使うことに関してはピカイチ
ガタイがいい女牧志
古島 女性 ガタイが良く、その体にはそっと刺激物を忍ばせているマゾ。体の一部が不定形。ボディタッチ激しいらしい(?)
弱気ガタイ良い牧志
旭橋 男性 弱気でガタイがいい方。ボディタッチ激しい(小動物タイプ) 露出狂(?)
目つきが悪い牧志2
浦西 男性 安里とあんまり区別がつかない。サブカルオタク
KP
そういえば古島さんも不定形持ってんのかしら。
牧志 浩太
浩子から分裂して性別もそのまま引き継いでるから、不定形も持ってそう。色々アブナイな?
旭橋のボディタッチの激しさは、気がつくとぴと……っとくっついてきてるでかい小動物タイプかなー、と思っています。

佐倉 光
「オッケーオッケー、じゃあ紛らわしそうなときはそっちで呼ぶから。
……覚えられっかなー」
KP
佐倉は早速メモを取り始めた。
それは以前にあなたが渡した手のひらサイズの小さな手帳だ。
佐倉 光
「よしっと、とりあえず個別の名前がつけば色々捗るな。
予定表がゴッチャにならなくて済む」
佐倉 光
「はい、じゃあ解散。
Magマグネタイト節約して帰ってもいいし、ギリギリまで外にいても良いけど、あんま騒ぐなよ」
古島
「紛らわしそうな時と言わずに、いつでもこっちでいいよ」
浦西
「同感。やっぱり個人名欲しいしな」
壺川
「俺も、その方がいい、人間になれる気がする、人間じゃないけど……」
古島
「名札作る?」
安里
「作るか」
KP
そんなことをめいめいに言いながら、彼らは名札を作りだす。
KP
佐倉は首をごきごき鳴らしながらあなたの方に近づいてきた。
佐倉 光
「もっと早くやるべきだったなーって思う。
改めておかえり、牧志」
KP
久しぶりに、間違いなくあなたを呼んだのだと分かる、あなたの名前だ。
牧志 浩太
「ああ……、」
違うかもしれないと思わず、素直に返事ができる。
そんなことが、久しぶりに嬉しかった。
牧志 浩太
「ただいま、佐倉さん。お疲れ様」
佐倉 光
「ああ。やっぱ咄嗟に通じないって困るしな」
佐倉 光
「今、あいつも入れたらここに8人牧志がいるんだぜ?
ややこしいったらないよ」
KP
あいつ、と言いながら佐倉は自分の頭を軽くつついた。
牧志 浩太
「ああ、それは紛らわしい」
その様子に笑みがこぼれる。この状況、あいつはどう思ってるかな。
あいつ……元々異世界にいたが、今は佐倉の精神に同化して存在している隻眼隻腕の牧志。
牧志 浩太
「それにあいつら呼ぶときも、名前があった方が分かりやすいしな」
KP
「なまえ、ほしい。
まきしとさくら、ほかになまえある?」
KP
シローの呼び名についてはつけなくても大丈夫。
子供は色々なものがブームになるのだ。
牧志 浩太
「シローかー、シローはシマエナガにするか? ほら、かわいい」
スマホで画像を見せてやる。
牧志 浩太
かわいいけど長くて呼びづらいから飽きるの早そう。>シマエナガ
KP
「おもちだ! かわいい! これしまえなが?
しまえなが!」
シローは目をキラキラと輝かせた。
KP
その日、結局五人はMagを使い切るまで賑やかに喋っていた。
牧志 浩太
結局、浩子以外の全員名札を作るようです。名札の筆跡もほぼ同じなんだろうけど、壺川と旭橋は遠慮がちな字を書きそう。
KP
ワイノワイノ

KP
彼らが戻った後、4人だけになった部屋は急に静かになった。
牧志 浩太
「……ずっとそうだったはずなのに、急に静かになった気がするな」
五人が去ると、急に辺りが静まり返って感じた。
まだ一人多いはずなのに、友達が帰った後のように室内の間隙が目立つ。
佐倉 光
「やっぱ、外にいた方が楽しいんだろうな。
『人間らしい尊厳と自由……』足りてねぇよなぁ」
牧志 浩太
「基本、話すの好きだしな……、俺。
やっぱり、全員で喋れるのが楽しいんだろうな。カードに戻ってる時どうなってるのか、よく分からないけどさ」
佐倉 光
「デヴァ・ユガかぁ……あいつらもそこならある程度自由にいられるだろうな」
牧志 浩太
「デヴァ・ユガか。どうなんだろうな、確かにデータなら食わないで済むのかもな……」

彼女達が『俺』と同じなら、きっと彼女達も好きだったはずだ。
世界が。
その世界を喰らい、侵し、埋め尽くさずにはいられない……。
デヴァ・ユガ……真・女神転生TRPG、CoCペルソナに出てきたとんでもなくリアルな仮想空間のこと。
KP
佐倉は持っていたカップをがちゃんと音を立てて置いた。
いや、そうしたかったわけではないのだろう。
佐倉の手が小刻みに震えている。
彼の意思を無視して筋肉が振動しているのだ。
牧志 浩太
その音で、小刻みに震える手に気づいた。
いつものように、佐倉さんを胸元に引き寄せようと手を伸ばす。
佐倉 光
ありがとう、と頷いて見せたのだろう、その体も声も、思考ですら暴走する不随意運動で自由がきかなくなっているようだった。
あなたに倒れ込むように佐倉は身を委ねてくる。壊れた人形のようにがくがくと震えながら、あなたの胸に耳を当て目を閉じた。
心臓の音に合わせ、ゆっくりと呼吸をする。
牧志 浩太
彼を抱き止めて、ゆっくりと息を吸い、吐く。心臓が穏やかに鼓動するように。
KP
最近忙しかったせいだろうか、前よりも発作が起きることが多いような気がした。
牧志 浩太
疲れが出たのかもしれない。シローの面倒を浩子さんが見ていてくれるのに感謝しながら、そっと佐倉さんの背をさする。
KP
シローが浩子に、シマエナガという愛らしい鳥について夢中で語り続けていた。
名前の話はモチモチとした生き物の前に吹き飛んだようだった。
浩子
浩子はシローが語り続けるのに、楽しそうに聞き入っていた。
牧志 浩太
浩子さんが増えたことで、シローの面倒見てくれる手も増えてる。

前日譚2 古島
KP
それから暫く後だっただろうか。
古島が「いいことを思いついた、試してみたい」と嬉々としてあなたに言ってきたのは。
体の変形を使って? 他の人の体に貼り付くことによって強化できるのではないかという……

それ契約的に大丈夫なのか? というかそれ人の体に貼り付きたいだけでは? という
何とも微妙な提案をされた。

※あなたはその実験に付き合ってやってもいいし蹴ってもいい。
表情から言って佐倉には……内緒らしい。
牧志 浩太
早速楽しい。
牧志たち個人名がつくと一気に個人っぽさが上がってきますね。特に本編であまり描写の暇がなかった後の三人。
KP
やはり固有名は重要なのだ……
牧志 浩太
やっぱり固有名、重要。
古島のキャラが実はこっそり派手だったのもあるけど。
KP
割と問題児になりそうな特徴持ってるなって思いました。
牧志 浩太
色々だいぶんアウト。会話見てるとノリがいいみたいだし、明るい問題児ですね。
牧志 浩太
「えっ」ちょっと驚く提案だった。
人間でいようとしていたように見える彼女たちが、積極的にそういう提案をしてくるのは珍しい。
牧志 浩太
「うーん」
彼女たちは彼女たちなりに、自分自身と折り合いをつけようとしているんだろうか。そんな気もした。
いや、単純に新境地探してるだけかもしれないけど。
牧志 浩太
「それ契約的に大丈夫なのか? 内緒なんだよな? ……食べないよな?」
正直ちょっと怖い。あれ無意識みたいだし。ライオンくしゃみしないよな?

でも、気になる。どんな感じなのか、正直気になる。
包んだことはあるけど、包まれたことないし。

それに彼女たちを信じたい気もする。
牧志 浩太
※確認はするけど乗り気。
KP
古島は笑って手をひらひらさせた。
なんでも安全性のためにちょっと強めの呪いをかけられてるから、サマナー不在時にこの星の生き物に害を成そうとしても無理、なんだとか。
そういえば佐倉がずいぶんと不満そうにそんなことを言っていた気がする。
佐倉 光
「そんなんじゃあ、こいつら自身が襲われたときはどうしたらいいんだよ。
逃げろ隠れろで済まない場合だってあるだろ。
あいつらだって牧志なんだぞ」
KP
この星のものでなければ可能かもしんない。
牧志 浩太
なるほど神話生物は異星起源なことが多いから行ける可能性。
古島さん、体格いいのもあってノリのいいえっちなお姉さんって感じになってきてイイ。
牧志 浩太
「そう……、なのか。なんだか、悪いな。
でも、それなら……よかった」
牧志 浩太
首元に覗く痣を見やって、複雑な言い方になってしまった。

それは間違いなく、俺達とこの星にとっては「安心」だ。きっと彼女たち自身にとっても。

でも、彼女たちだってきっと、俺と同じ因縁を持ってる。
何かに巻き込まれることだって、あるかもしれない。
いや、きっとあるだろう。
牧志 浩太
それに、彼女は女の人だ。そういうこと以外でも、何かあるかもしれない。
KP
というわけだから、と彼女は迫ってくる。
世話になっているのだから役立つ方法を模索したい、色々な可能性を探りたい、できることは全て試したい、ギリギリのラインを攻めたい、その結果上手く行かなくなってお仕置きされたらそれはそれで……もとい問題ないのでやらせて欲しい。

……あっけらかんと積み上げる言葉が何故か、なんとなく如何わしく聞こえるのは気のせいだろうか?
牧志 浩太
「あ、あ、うん……、それは、勿論だけど」
うっかり心臓が跳ねた。
何も変なことは言ってないはずなのに、なんだか口調の端々が怪しげに感じる。
牧志 浩太
お仕置き……。
牧志 浩太
思わず何か想像しかけて首を振る。
生唾を呑んでしまったのは許してほしい。何にか分からないけど。あっちの佐倉さんにかな。
KP
あなたの許可が得られるのならば、彼女はあなたの後ろに立つ。
そして首筋にそっと手を沿わせて深呼吸すると、顔を寄せてきた。一瞬、ぬるりとした感覚。
服の下、体の表面を覆うように何かが滑り込んでくる。
牧志 浩太
「ひゃっ、ああ、あああ」
変な声出た。距離が近い、近い!

一瞬鼻をくすぐった嗅ぎ慣れない体臭と心臓を侵されるような危機感、それから彼女との距離の近さで心臓がわけもわからず高鳴る。

服の下を這う感触に、あの時佐倉さんにとても悪いことをしてしまったんじゃないかという思いがよぎった。
牧志 浩太
改めて考えると状況がとってもまずい。>背後から首元に顔を寄せて服の下

ぬるぬるされる方になってちょっとあの時(不定形マニアック事件)は悪かったな……と思う牧志でした。
KP
それはほんの一瞬のことで、もし彼女に敵意や悪意があったなら
襲われたことに気付いたときにはもう逃れる術はないのだろうと思い知ることになるだろう。

ほんの少し経つと背後の気配は消え去り、あなたの体には少しぬるついた動物の皮を直接纏っているかのような
ちょっとした違和感だけが感じられた。その感覚も、彼女が色々と試しているのかぞわぞわと体表を撫でる感覚が訪れる度に薄くなってゆく。
それ以外、感覚も動きも外から侵されたようには感じない。
牧志 浩太
「……」
その感覚が暫くのうちに全部過ぎ去ってしまったことが、逆に、ああ、これは勝てないなと思わせた。
KP
あなたの体には変化がないように見えたが、よくよく見ると何か貼り付いているように違和感がある。
指先でつまむと皮膚から剥がれて持ち上がった。
KP
あなたの手の甲できょろ、と目玉が開いた。そして戸惑うようにからだの表面を動く。
そして突然慌てたようにぱちくりし、目が閉じた。

背後になにか気配がある。
牧志 浩太
慌てたような様子に、何が起きたのかはなんとなく察していた。

佐倉さん帰ってきたな。
佐倉 光
「古島……」
KP
地の底から響く怒りの声だった。
牧志 浩太
「あ、いや、大丈夫、俺も大丈夫だって言ったから! 俺が了承したから!」
慌てて手を振る。
佐倉 光
「動機が何だろうと体内侵入は命に関わるって言っただろうが!
牧志も!  んなこと了解するな!
大丈夫かよ体!」
佐倉の叫び声に、腕輪がペカペカと光る。
牧志 浩太
「ご、ごめ、ごめん! だ、大丈夫だと思うけど……」
ぺたぺたと身体を叩く。そう言われるとまずいことを了承したような気にもなってきた。
牧志 浩太
動転してる。動転してるな? してる。
KP
叩いたところに目玉が生えた。

佐倉の腕輪に文字が表示される。
佐倉 光
「体内入ってないからギリセーフ?
そういう問題じゃねーだろが!
ばれるとまずいから今すぐ戻れ!
牧志の体もそうだし、
全員の問題になりかねないんだぞ!」
KP
目が、すすすす、と物理的に物陰に入った。
牧志 浩太
そうだ。元々、擬態を許せばまず見つけられないような生物だ。

彼女たちに敵意がなくても、もし敵意を疑われたら、その時点で佐倉さんごと焼き尽くされかねない!
KP
古島さんをアレな感じにしてしまってごめんなさい。牧志なのにね!
牧志 浩太
これは楽しいキャラでいいと思います。楽しい。別個のキャラが立つの楽しいし最高にイイキャラだし。個体差強いから牧志であって牧志じゃないし。
個人名がついたことで本格的に独自性が出てきたんだろうなー、と思います。
あとこれ了承するあたり何気に牧志も好奇心強いし。
牧志 浩太
「ご、ごめん、重大さを分かってなかった……!」
慌てて体表から彼女を引き剥がそうとする。
KP
体に密着したそれは、とても丈夫でしなやかだった。
引っ張る力にたいしては頑健に、つるりと指先から逃げてゆく。
つまり。
脱げない。
あなたが焦ってそれを掴み直そうとすると、涙目がポツリと浮かんだ。
佐倉 光
「ハァ!?」
新たにモニタに表示された文字を見て佐倉が声をあげる。
佐倉 光
「戻れなくなったぁ!?」
牧志 浩太
「えぇっ!?」
も、戻れなくなったって!?
牧志 浩太
「えっそれまずいんじゃ、佐倉さん、呼び戻したらカードに戻らないか!?」
呪いがかかってるって言ってたけど、このまま夜になったら……どうなるんだ!?
佐倉 光
「返還できねぇ。
エラー起こしてる。やべぇな。呪いと変な干渉したのか?
あーもー、せっかくうまいこといってたのに……」
頭をかきむしってあれこれとデータをいじっていた佐倉は、眉根を寄せた。
佐倉 光
「魔晶反応……?」
牧志 浩太
「……へ?」
佐倉 光
「えぇ……そんなことあんのか?」
KP
ぶつぶつ言いながら何やら調べていた佐倉は、腕組みをしてあなたの体を見つめる。
佐倉 光
「ずっと前に、悪魔が変じた装備っての、渡したことあるだろ?
魔晶ってんだけどさ。
なんかそれみたいな反応になってる。つまり、今古島は悪魔じゃなくて魔器物になってる。
このままなら安定しているから体に害はない。ただ、こうなると戻れない。普通は」
KP
というわけで『異星のスーツ』を手にいれたぞ!
効果は少しの身体能力強化と追加装甲と少しの気まずさと心強さだ!
牧志 浩太
やったぜ! ひとりじゃない! 心強い! 気まずい!
たまに悪戯されそう
牧志 浩太
「え、ええ……。装備になっちゃったのか。
うっかり装備になる? こともあるんだな……」
KP
あなたの手の甲のあたりで、目がぐるぐるとパニックを示している。
牧志 浩太
「……何だか、変なことになっちゃったな。
ごめん、俺も軽はずみだった」
ぐるぐると物理的に回っている目を、上からそっと撫でる。
佐倉 光
「呪いで能力封じられた結果だろうな。
俺にはどうしようもない。
COMP通して会話はできるし、マグネタイトが少しずつ減ってるから、今回の実体化に使ったマグが切れれば還れるんじゃねぇかな」
佐倉 光
「次喚んだときに、悪魔として出てこられるかどうかわかんねーけどな」
佐倉 光
「『そんなひどい』じゃねーよ!
だからどうなるかわかんねーしやるなって言ったろ!」
牧志 浩太
「……ううん……」
もう出てこられないかもしれないと思うと大変なことだけど、元はと言えば彼女が始めたことでもあるし。ううん。

どう思っていいか分からない。謝るのも変だし悲しむのも変だし、まだそうなると分かったわけじゃないから、とりあえず。

棚に上げよう。
牧志 浩太
「とにかく、少しの間一緒ってことか。……よろしく」
握手するように両手を組んで、声をかけた。
KP
瞳がくるんと回った。
佐倉 光
「『こちらこそよろしくー』だってさ」
佐倉 光
「のんきだなお前ら……」
佐倉 光
「後でBar行くぞ。
報告はしとかないと……」
牧志 浩太
「だな」
頷いて苦笑し……。
牧志 浩太
「……」
ちょっと不味いことに気がついた。
牧志 浩太
「佐倉さんどうしよう大きな問題がある。たった今」
佐倉 光
「問題?」
佐倉は、イライラと呟いた。
牧志 浩太
「……トイレ行きたい」

手の甲で、同じ色の眼がこちらを見ている。
トイレ、行くのか? 彼女と一緒に? ……この手で?
腹の中で葛藤と尿意が渦巻いた。
KP
あなたの手首でそっと目が閉じた。
佐倉 光
「『存分にどうぞ』だって」
牧志 浩太
「お気遣いありがとう……」
気まずい思いを抱えながらトイレに飛び込んだ……。



Call of Cthulhu 「あお染色そまる


――完成したい。
あなたと、ひとつになって。


KP
そんな話をしたのがつい数時間前。
KP
牧志。あなたはとある廃墟で、傷つき昏倒した佐倉を手当てしている。
ここまでくるだけで必死だった。死ぬかと思ったのだ。
自分の体も痛いが、こちらの手当ては終わっている。
それに攻撃を受けたことを考えるなら、この程度で済んだのが不思議なほどだ。

まだ迂闊に動くわけには行かない。
まだあいつらが、突然目の前で人を殺し、こちらにも襲いかかってきたやつらが近くにいるかもしれない。
牧志 浩太
「……佐倉さん」
耐えられなくなって、ひとことだけ名を呼んだ。
あの数時間前が、随分前みたいだ。

死ぬかと、思った。生きている。
それだけを、心に染み込ませる。

俺達はまだ生きている。
佐倉さんは、まだ生きてくれている。
……見つかるわけにはいかない。

音を立てないように、小さく息を吸い、吐く。
怖いと感じてしまう前に、目の前のこと以外を頭から追いやる。
KP
よく生き延びてここまでこられたものだ。
おそらく今あなたの手首で心配そうにあなたと佐倉を見ている小さな目、古島が、いわれなき暴力から守ってくれたおかげだろう。
どう考えても佐倉同様昏倒していたに違いないほどの衝撃のなか、あなたは意識を保ち、逃げ出せたのだ。
牧志 浩太
「ありがとう、助かった」
自らの手に唇をつけて音が漏れぬようにしながら、小声でささやく。
確かに二人とも随分やらかしたけど、彼女がここにいてくれなかったら、俺達はきっと生きてなかった。

そうだ、いま守るものは佐倉さんだけじゃない。
一緒にいてくれているのは、佐倉さんだけじゃない。
牧志 浩太
少し落ち着くと体が震えだしそうで、今までの記憶を手繰ることと、佐倉さんの手当てをすることに集中する。

KP
そもそも何故こんなことになったのか。
夜間に万一のことがあっては困るので、アッタの店で診てもらった。
彼女の見解も佐倉と同じ。このままなら害はない。マグネタイトが切れれば消えるだろう。再召喚時に悪魔に戻れる可能性は五分五分であろうとも。
「この状態であんまり傷ついたりして、まあ死にゃあしないだろうけど、ショック受けまくって自分の元の姿忘れたら、世にも珍しい喋る魔晶になるんじゃねーの?」
自業自得だ、とアッタはあきれたように鼻をならしていた。
「あんたも分厚い縁負ってるくせに怖いもの知らないね。
無知は罪だな」
あなたにもその目は向けられていたようだった。
KP
「消えるまでほっとけば?」
そんな投げやりなお言葉をもらい、あなたと佐倉は帰宅することにした。
佐倉 光
「思ったよりあっさり済んで良かった」
KP
佐倉は脱力したようにそう呟いた。
牧志 浩太
怖がっている暇なんてない。確か、あの後……。
牧志 浩太
▽その後何があったか、記憶を辿る。

KP
なるべく広い道を、明るい道を辿り帰る。
それでも都会のあちこちに狭間は存在する。
今になって思えば、あれは半分異界だったに違いない。
あまりにも静かすぎ、あまりにも唐突だった。

必死の形相で走る、ヨレヨレのスーツを着た眼鏡の男。彼は小さな医療用トランクのような物を持っていた。
視認すると同時、佐倉はその男と正面衝突をして諸共にひっくり返った。
KP
男は目を見開いてあなたたちに、逃げろ、と叫んだ。
大音響、そして一瞬遅れて硝煙のにおい。耳が機能を失って頭の中で金属音が響き渡る。
起き上がろうとした佐倉に、眼鏡男がのしかかった、ように見えた。
だがすぐにそれは、彼が撃たれたためだと気付く。
更に二発、三発と銃声。銃弾はあなたをも狙っている。
眼鏡男は驚くべきことに銃を取り出し、攻撃者の方に向け、撃った。
それからはもう目茶苦茶だった。
KP
佐倉が悪魔を呼んで応戦する。しかしあまりにも相手の数が多かったし、佐倉は最初に銃弾を受けてしまっていて逃げ出すことができなかった。
あなたも退路を求めて周囲を必死で観察した。
KP
ついに眼鏡男が射殺され、包囲網が狭まってくる。
さしもの悪魔も数に押されて消滅寸前だ。
佐倉は悲鳴を上げ、男が持っていたケースを盾代わりに、身を守ろうとした。
ケースが壊れ、中から何か液体が飛び散り、佐倉に降りかかった。
KP
あなた自身ももう何発か銃弾を体に受けていて、通常ならば死んでいてもおかしくないほど。
そんな状態だというのに、あなたはいまだ動くだけの力を残していた。
あなたは眼鏡男が持っていた銃を拾って応戦しながら、
佐倉の悪魔が消滅する寸前にその場から逃げ出した。
KP
いやー、大変でしたね。
牧志 浩太
えっらいことになってる。そして佐倉さん何か被ってる。
牧志 浩太
そうだ。何もかもが急に移り変わって、自分達が巻き込まれたというのに、まるで映画のようだったと感じたのは、思考の速度が追いついていない。

目の前で飛び交う銃弾。銃声。
その一発でも当たれば死ぬかもしれない。

とにかく無我夢中だった。
佐倉さんが撃たれたことに叫ぶ間もなく、みるみるうちに事態が悪化した。
目の前で人が死んだことを考える余裕なんて、あるはずもなかった。
必死に佐倉さんを守ろうとした。生きようとした。
牧志 浩太
彼女がいなかったら死んでいた。
佐倉さんの悪魔がぎりぎり消滅していなかったことだけで、佐倉さんが生きていると信じた。
……死にかけたことを深く考えるのはやめよう。恐怖がまた来かねない。
牧志 浩太
あの液体の影響も、佐倉さんの怪我も気にかかる。何せ銃で撃たれたんだ。
手当てをしながら、佐倉さんの様子を確認する。
牧志 浩太
▽佐倉さんの様子を確認する。
KP
佐倉は浅いが安定した呼吸をしている。
真っ白になった顔は冷たい。
さっき全身に被った液体は既に乾いている。
その瞼がぴくりと震えた。
佐倉 光
「うう……」
KP
意識が戻りかけているようだ。
牧志 浩太
「佐倉さん」
叫びそうになるのを堪え、小声で呼びかける。
液体は乾いているようだが、何か痕跡は残っているだろうか。

牧志 浩太
▽佐倉さんや自分に〈応急手当〉は振れますか?
KP
そうですね、システム上HPが減った扱いにはなっていませんが、2度ずつ振っていいですよ。
牧志 浩太
1d100 61 〈医学〉 Sasa 1d100→ 52→成功
1d100 61 〈医学〉 Sasa 1d100→ 39→成功
1d100 61 〈医学〉 Sasa 1d100→ 7→成功
1d100 61 〈医学〉 Sasa 1d100→ 68→失敗
KP
失敗したの誰宛のヤツだろう。順番的に佐倉かな?
牧志 浩太
あ、失礼しました目標書いてない。ですね。
KP
〈医学〉四回か。結構時間を費やしましたね。
数時間経ってるかな。
牧志 浩太
おっとしまった所要時間。〈応急手当〉にしておけばよかったな。
KP
一回ずつを〈応急手当〉したことにしてもいいですよ。
経過時間がちょっと縮みます。
牧志 浩太
あっ、ありがとうございます。迂闊ですみません。
では、〈応急手当〉だったことにさせてください。

KP
あなたは、佐倉の体が濡れていたのを思い出す。
あのトランクに入っていたのは何だったのだろう?
今はもう痕跡がほとんどないが、青っぽい液体だったように思う。

そういえば……逃げ出すときに背後で、追っ手が佐倉の外見情報を叫んでいたように思う。
佐倉 光
1d100 85 【アイデア】 Sasa 1d100→ 49→成功
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 30→成功
KP
佐倉が呻きながらうっすらと目を開いた。
牧志 浩太
「佐倉さん」
小声で呼びかける。
佐倉 光
「う……ああ……牧志……?
どこだ、ここは……」
牧志 浩太
ここは何処で、どんな場所だろうか?
周囲に何があるか把握しているだろうか?
無我夢中で逃げ出してここに来た?
KP
ここは穴だらけの廃墟だ。
外の様子を見るのは容易である。
まだ夜明けは遠く、外は暗い。
外に何があるかは良く分からない。
牧志 浩太
▽佐倉さんと一緒に、外から身を隠すような位置に移動しておく。
牧志 浩太
「ここは、どこかの廃墟だ。
あの後……」
今までの経緯を手短に話す。
牧志 浩太
「追っ手が佐倉さんの見た目を叫んでたんだ。
追われてるかもしれない、いや、たぶん追われてる。

何かの液体をかぶったこと、覚えてる?」
佐倉 光
「ああ、あまり、よく……覚えて……」
佐倉は呟いて、自分の手を見つめた。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
ふと、あなたは自身の腕の違和感に気がつく。
ピリピリと電気のように指先に痺れが走った。
それと同時に、気づけばあなたは牧志の首に腕を伸ばしていた。
説明できない、衝動のままに。

KP
牧志は+20で〈回避〉判定。
牧志 浩太
1d100 36 〈回避〉 Sasa 1d100→ 68→失敗
KP
突如あなたは押し倒されていた。
他ならぬ、佐倉に。
佐倉 光
佐倉はあなたの首を掴んで抑えつけている。
1d100 75 【POW】判定 Sasa 1d100→ 76→失敗
KP
あっ。
牧志 浩太
ああっ。
佐倉 光
佐倉の目は表情を失っていた。黒くぽっかりと開いた穴のように。
あなたはその奥に、燻る欲望を見た。
牧志 浩太
「……!?」
何が起きたのか分からないまま、咄嗟に押し返そうとする。
牧志 浩太
正気じゃない。我を失ったか。あの液体のせいなのか。
その眼を覗き込みながら押し返す。
佐倉 光
SAN値 55 → 54
佐倉 光
「っ!?」
KP
佐倉の目に突如光が戻った。
一瞬凍った佐倉はあなたの顔を見て混乱を来したようだった。
佐倉 光
「えっ?」
息を呑んで手を放す。

コメント By.KP
今回はややこしすぎる新しい仲魔たちの名付けから始まります。

色々な都合で前回の話『俺の恋人が庭からボコボコ生えてくるんだが!?』の完全続編になっちゃってしまった話。
今回は本筋は変わらないとはいえそこそこアレンジ多めだったりするので、実際に回す際の参考にはしないでくださいね!

TRPGリプレイ【置】CoC『青に染色』 牧志&佐倉 4

あれだけ、あれだけ頑張ったのに。子供みたいに泣きたくなった。ひどい、ひどいよって、声を上げて泣きじゃくりたい。

TRPGリプレイ CoC『瓶の中の君』牧志&佐倉 2

「狭いところってのは落ち着くよな……」

TRPGリプレイ【置】CoC『一蓮托生の紐の先』 佐倉&牧志 2

俺は何のために生きている?
もう遅いのか。
俺はどこで間違えた。

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


TRPGリプレイ Zephyranthes 第八話 『SAMURAI SOUL』1

『SAMURAI SOUL』1

CoCキャットゥルフ『それは月の明かりの下で』 ユキ 1

気のせいだなんて思えるほど、猫の第六感は鈍くはないのだ。

TRPGリプレイ【置】CoC『blood red decadence』Side:B 牧志&佐倉 1

どうしてか、錠の降りる音がはっきりと聞こえた気がして、一度振り返った。