TRPGリプレイ CoC『Switch!』子供佐倉&牧志 3

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こちらには
『Switch』のネタバレがあります。

本編見る!
KP
あなたは、するりと廊下に出る。
……幸い、悪魔の姿はないようだ。
廊下の外は静かになっていて、ただ、生き物がどこかを徘徊しているような、曖昧で怖気のする気配だけがある。
佐倉 光
よし、動くなら今だ。
104の仮眠室へ移動する。
KP
扉の向こうからは、異常な臭いなどはしない。
佐倉 光
扉に〈聞き耳〉を立て、開ける。
KP
〈聞き耳〉で判定。
佐倉 光
CCB<=79〈聞き耳〉1D100<=79) > 87 > 失敗
じゃあ開けるね。音は聞こえないようだし。
KP
扉を開けると、中は薄暗い部屋だった。
廊下から漏れる明かりで、中の様子が少しだけ察せる。

部屋の左右の壁添いにベッドが置かれ、サイドボードや小さな冷蔵庫もある。
まるでビジネスホテルのツインルームのような、妙に生活感を覚える部屋だ……。
佐倉 光
まずは、冷蔵庫を開けてみよう。
あ、ベッドをチェックすべきだったな。
KP
先にどっちへ行く?
佐倉 光
ベッドに何か寝ていないかを先に。
KP
薄暗いので、〈目星〉をどうぞ。
佐倉 光
CCB<=88〈目星〉1D100<=88) > 75 > 成功
KP
嫌な予感が的中した。左側のベッドが盛り上がっている。
眠っている者がいる……、のかもしれない。
佐倉 光
ここのヤツか? ネズミ人間か……?
佐倉 光
びびってる場合じゃねぇ……そーっと足音を忍ばせ近寄る。
KP
眠っている者がいるとすれば、大きな音を立てれば見つかってしまうだろう。
〈忍び歩き〉+10%に成功すれば、気づかれずに室内を探索できる。
KP
この+10%は、佐倉さんの体重の軽さと背丈の低さによるボーナスです。
佐倉 光
やったー
チビもたまには役に立つ!
佐倉 光
ではもう片方のベッドを……
CCB<=50+10〈忍び歩き〉1D100<=60) > 21 > 成功
KP
あなたはそうっと足音を忍ばせ、ベッドに近寄る。
あなたが以前にそうしていたよりも、なおあなたの足音は軽い。
もう片方のベッドには誰もいない。
近寄れば、眠っているらしい誰かの寝息と、微かな体温を近くに感じた。

ふと、ベッドとベッドの間にサイドボードがあるのに気づく。
その上に何か置かれている。
佐倉 光
なんだろう。近寄ってみる。
KP
それは内線電話と、小さな…… 薄暗くてよくわからないが、小さな薄いケースのようなものだ。
KP
あ、しまった。佐倉さん、1d100をどうぞ。
佐倉 光
1d100 (1D100) > 91
佐倉 光
ダメっぽい
KP
なるほどなるほど。
とりあえず、サイドボードの上には内線電話と、小さな薄いケースのようなものが置かれているようだ。
佐倉 光
薄いケースをそっと取る。
ここで電話するわけには行かないな……
KP
あなたはケースにそっと手を伸ばす。
それを手に取った、その瞬間、ちかりと視界が明滅した。
それも一瞬のことだ。ぐらりとあなたの視界が揺らぐ。
佐倉 光
わっ
KP
揺らぐ。揺らぐ。遠くから何か声が聞こえてくる。
佐倉 光
何か抵抗失敗したか。
KP
視界にノイズがかかる、ベッドルームの風景が揺らぎ、何か別のものが見える。
佐倉 光
「な……に……」
KP
それはフロアの廊下で話し合う何人かの人間だった。
白衣のようなものを着た彼らは、口々に何か話している。
KP
『緊急会議か。実験体はどうする?』
佐倉 光
サイコメトリーしちゃってる!?
佐倉 光
無言のままに奇妙な映像を見続けている。
KP
あなたの目の前に彼らが存在していた。
あなたはふと、違和感に気づく。
彼らの背丈はあなたとあまり変わらない。それは大人の視点だ。
『とりあえず寝かせておこう。呪文をかけてある。どうせ全部忘れている』
『それもそうだな。急いで行こう。何か起きたに違いない』
『人は残してあるか?』
『もうすぐ交代予定だった。交代してくる』
あなたの胸元でかちりと何かが音を立てた。それはあの小さな薄い……カードケースだ。
佐倉 光
つまり? つまり? これは。
過去の、ここのヤツの記憶?
KP
そこで不意に、映像も音も消えた。
まるで最初から何もなかったかのように。
あなたの前に話し合う人間たちはおらず、聞こえるのは眠る誰かの寝息だけだ。
佐倉 光
ひゅっ、と思わず息を吸う。
KP
あなたの手の中には、あの映像の中で見えたカードケースがあった。
KP
あれは、一体……?
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D2》。
佐倉 光
CCB<=69 《SANチェック》 (1D100<=69) > 15 > 成功
[ 佐倉 光 ]SAN: 69 → 68
KP
サイコメトリーしちゃってる。
佐倉 光
察していいのかなぁこれ……
KP
【アイデア】でもしておく?
佐倉 光
おっ、しよう。
佐倉 光
CCB<=85 【アイデア】 (1D100<=85) > 40 > 成功
KP
あなたは牧志が先程告げた内容と、自身のオカルト知識の中の超能力の知見を引っ張り出してくる。
まるで目の前にあるような、手を伸ばせそうな程の精細な映像。
佐倉 光
さっきの……謎の映像。
今のは、この物体に残された記憶、か?
つまり持ち主と思われるのはここに寝ているヤツで……
っていうかこれ
俺もPSI使ってた、ってことか?
改造されたのか?
そっかー、サイコメトリーか。
KP
そういえば、牧志は言っていなかったか。
連れてこられた被験者は、超能力を発現させる装置をあてがわれると。
あなたはあなたが知らぬうちに、装置をあてがわれ、脳を弄られ、力を引き出されていたのだ。
佐倉 光
便利じゃん?
佐倉 光
あ、でも映像見てる間に鼠に襲われたら怖すぎる。
あとなんか副作用あったりネズミになったりしたら困る。
KP
「忘れている」《記憶を曇らせる呪文》
あなたは……、あそこで目覚めるまで、何をさせられ、何をしていたというのだろう?
佐倉 光
記憶を消した、とか言ってやがったな……くそ
佐倉 光
いや、考えるのは後々。
まずはこの部屋の情報をできる限り拾って……
佐倉 光
つーかこいつ、俺を見張りに来たはずなのに寝てんのかよ。
暢気なヤツ……
佐倉 光
さて、サイドボードは調べたことになるのかな。
じゃあ冷蔵庫。
KP
サイドボードに他にあるのは、作りつけの目覚まし時計くらいだ。
コンセントはあるが、残念ながら充電ケーブルは見当たらない。
佐倉 光
しってた。
KP
冷蔵庫はホテルにあるような小さなものだ。
……冷蔵庫の機種にもよるが、開ければ光が漏れるかもしれない。
佐倉 光
折角だからー
開けてみるか……
KP
かちゃり、冷蔵庫が開く。中から微かに光が洩れだした。
そのまま開ける?
佐倉 光
光を防げるものないかなー。
くっ。パーカーがない……
ベッドはきちっとベッドメイキングしてあるやつ?
佐倉 光
あ、牧志の上着があるか?
KP
ベッドには少しよれた布団がかかっている。横のベッドの布団を引っ張ってくれば防げるだろうが、あなたの腕の長さでは、バランスを崩せば音を立ててしまうかもしれない。
牧志のジャケットは使えそうだ。
佐倉 光
牧志の上着広げて被って、寝息を聞きながら開けてみる。少しでも変な音がしたら退散する。
KP
なるほどなるほど。
そうするなら……、【幸運】+20%>。
佐倉 光
CCB<=75+20 【幸運】 (1D100<=95) > 71 > 成功
KP
危ない、眠る何者かがごろりと寝返りをしてこちらを向いた。
このまま開ければ、ジャケットで隠していても気づかれるかもしれない。
あなたはそれを察知できる。
佐倉 光
ちぇ
そっと閉めて部屋出よう。
攻撃手段があれば叩き起こして情報を聞き出すのも手なんだけどな。
どーせこいつこうなってることとか知らないだろうしさ。
KP
すうすうという心地よさそうな寝息が、あなたを見送った。
【幸運】をどうぞ。
佐倉 光
折角こっち見たなら寝てた奴の顔くらい見とくんだったな。
佐倉 光
CCB<=75 【幸運】 (1D100<=75) > 48 > 成功
KP
悪魔の数はあまり多くないのだろうか。
先程の映像で見たばかりの廊下は静かなもので、少なくとも近くに音は聞こえない。
佐倉 光
もっけの幸いってやつだな。部屋から離れつつカードケースを確かめる。
KP
その中には、警備員専用のものらしいカードキーが入っていた。
そういえば、牧志も枕元のキートレーに家の鍵などを置いていたな、と思い出すかもしれない。
佐倉 光
ラッキー。
佐倉 光
ヒナドリ未経験の佐倉で良かったなー。経験済みだったらトラウマで動揺しまくっていたかも知れない。
KP
ですねぇ。知らない内に脳いじられてるしな。
佐倉 光
どうしようかな……これ以上このフロアにいても仕方ないが……
早く動きたいんだよな、人がいるなら。
思い切って動くか。そうすりゃあいつこのフロアから動けなくなるかも知れねぇし。
佐倉 光
エレベーターに行ってみる。
KP
エレベーターの傍らには、カードを読み込む機械がある。
エレベーターは一階に移動した状態のままだ。
佐倉 光
カードを通してみる。
KP
ピッ、と微かな電子音がし、ボタンのランプが点灯する。
カードキーを認識したらしい。
佐倉 光
エレベーターが来たら中を調べる。
KP
中は空だ。青白い明かりが、無機質な白い箱の中を照らしている。
佐倉 光
ボタンはどんな感じかな。
あとトラウマ的にダクトがちゃんと作動しているか見ちゃうw
トラウマ……佐倉はとある施設のエレベーターで酷い目に遭ったことがあるのだ。
KP
「△」「▽」の二つのボタンがある。シンプルなものだ。
さいわい異様に気密性が高いなどということはなく、ちゃんと換気が行われている。
佐倉 光
上にも行けるのか。
KP
エレベーターの中のボタンが「△」「▽」、
外は「▽」だけですね。
佐倉 光
あ、単にボタンがそれだけしかないってことかな。
では中に入って下をポチッと。
KP
ボタンを押すと、エレベーターの扉がゆっくりと閉じる。
無機質な扉はついに閉じきり、あなたを狭い室内に閉ざした。
下降してゆく感覚。
佐倉 光
牧志のやつ、無事かなぁ……
佐倉 光
それと、さっきの幻だ……なんだ、あれは。
何かトラブルが起きて、実験中の俺達は置いて行かれたってことか?
俺の方は見張りがポンコツなお陰で助かったようだが……
KP
下降する感覚は意外に長い。
間に、ここから直接往来できない階層があるのかもしれない。
佐倉 光
んん? 変わった作りだな。
佐倉 光
それにしても、サイコメトリーか。
なんとか俺の力で制御できないものかな。
物から情報が得られるなんて最高じゃないか。
KP
ガタン、と不意に上の方から音がした。
佐倉 光
上を見る。
KP
1d3 (1D3) > 2
佐倉 光
わぁ。
大丈夫かなぁ、生き残れるかなぁ、俺。
ダメボ-1d6だから殴ってもダメージ入らないんだよね。
KP
あなたはそこに、嫌な物を見る。
天井近くの通気口の蓋がずれ……、その向こうからしきりに引っ掻く音が聞こえてくる。
ついに蓋はがたんと大きな隙間を作り、その間から身体をねじ込むようにして、あの。

大きな鼠のような、鋭い牙を備えた生き物が落下してきた。
佐倉 光
「あっ。ヤベ」
KP
「ヂーッ!!」
それは落下したことにか、苛立った声を上げながら、あなたに牙を向ける!
KP
戦闘開始!
KP
1ラウンド目、相手の【DEX】は20。
佐倉 光
〈回避〉〈回避〉〈回避〉ー!
KP
【DEX】20。相手は落下状態から態勢を立て直すのに手番を消費する。
KP
【DEX】12、佐倉さん。
ここで行動開始前に【アイデア】
佐倉 光
CCB<=85 【アイデア】 (1D100<=85) > 13 > スペシャル
佐倉 光
到着まで逃げ続ける、位しか思いつかないぞ!
KP
一瞬、絶望が過るだろう。
ここに逃げ場所はない。相手は素早い。牙は鋭い。天井の通気口は遠すぎて、あなたの背では届かない。
それでもあなたは諦めず、逃げ続けようとするだろうが……、

不意に、突拍子もない発想が浮かんだ。
KP
《サイコメトリ》。物体に残された記憶を読み取る能力。
そして、あなたの〈ハッキング〉の腕。

何故だろう。死が近いからだろうか。
あなたの頭脳は異常な速度で回転を始め、確信もない手ごたえをあなたにもたらす。
COMPを扱ったことのあるあなたの記憶と、物体に残された牧志の記憶。
牧志の動き方。COMPに流し込まれる生体マグネタイトのパターン。

今ならば。
焼ききれそうな程の速度で頭脳が回転している、今のこの状況ならば。
あなたの能力で牧志浩太という人間を、今このときシミュレートして、騙せるのではないか。

彼の武器、彼のCOMPを。
佐倉 光
おぉっと。
佐倉 光
やれるだろうか、じゃねぇ……
佐倉 光
やらないと殺されるぞ、佐倉光!
俺は元サマナーだ。COMPのことなら、知っている!
KP
《サイコメトリ》
あなたはサイコメトリ能力に覚醒する。
《サイコメトリ》の判定値は【INT】×5

判定に成功すると、牧志のCOMPを一時的に起動し、《サイコメトリ》判定で攻撃できる。
《サイコメトリ》は使用する度に、(攻撃のために使用するMPとは別に)1MPを消費する。
佐倉 光
ってことは。
佐倉がチクタクパンチするのか。
KP
です。腕は小さくても同じだけの威力がちゃんと出ます。悪魔なので。
牧志:〈こぶし〉
  ・機械の拳/1d10+2/ 1攻撃毎にMP1消費。〈受け流し〉はMP不要

  機械の拳による近接武器攻撃の〈受け流し〉は可能。
  近接武器を受け流すとHPにダメージが入るが、ダメージを1点軽減できる。

佐倉さん:〈投擲〉 以下のどちらも使用可能
  ・ザンストーン 1d8 MP1消費/1回 射程20m 1ラウンド攻撃回数2
  ・ショックストーン MP3消費/1回 スタン 射程:1/3DEX(最大5)m 1ラウンド攻撃回数1
佐倉 光
ダメボなしだやった!
KP
大丈夫ですダメボなし!
佐倉 光
つまり1ターン2MPずつで使えるって事かな。
KP
そういうことです。
佐倉 光
で、〈受け流し〉についてはターン最初に対象を指定していれば使える、でしたっけか。
攻撃と同時にできたっけ。
佐倉 光
攻撃される相手を指定して使用……これは確認。
佐倉 光
〈回避〉〈受け流し〉を使うことは可能。
〈受け流し〉たとき、受けるはずだったダメージを武器が受ける。耐久値を超えると武器が壊れる。はみ出たダメージは装着者が受ける。
あ、攻撃と〈受け流し〉できる!
2010のP29
あとは基本るるぶ66~67
KP
よかったよかった。どこかで同時OKって見たような気がしたんだけど、って探し回ってました。
佐倉 光
ほんとアプリ版便利!
KP
素手相手だと逸らしてノーダメージにできる、武器相手は不可、かな。
佐倉 光
「こうだ!」と確実に書いてあるとこがないんだけど、まあ普通に考えてそうなのかなと。
素手の耐久書いてないのもそういうことでないかなと。
チクタクハンド固そうなのに柔らかい!
KP
で、今回は機械の拳なので…… そうだなぁ。
機械の拳による近接武器攻撃の〈受け流し〉は可能。
近接武器を受け流すとHPにダメージが入るが、ダメージを1点軽減できる。

とします。〈受け流し〉成功すれば1点の装甲として使える感じですね。
佐倉 光
なるほど了解です!
1点のシールドか。ないより全然イイ!

KP
というわけで、改めてDEX12、佐倉さん。
先程の【アイデア】は手番消費しない扱いです。
佐倉 光
よーし、やってやる!
佐倉 光
COMPで……悪魔召喚はしたことがあるけど、悪魔変身は……
一回だけやったことがあるな。
佐倉 光
牧志の変身は確か、こう……
牧志の真似をして手を握ったり開いたりしてから機械の腕をイメージして集中。
歯車の音、キリキリと歪む腕の細胞。
細腕を覆う不気味な機械のパーツを思い浮かべる。
俺は牧志浩太、牧志浩太……
言うことを聞け、COMP!
思い出せる限りの牧志の戦いの記憶を、オニの腕を、まるでプログラムのように解析して歪めて、ハッキングするときのようにCOMPにサイコメトリーを通じて流し込む。
佐倉 光
今だけでいい、ここにいるのは牧志浩太だ!
左手を握りしめ、一度振るう。
[ 佐倉 光 ]MP: 15 → 14
佐倉 光
チビだろうが非力だろうが同じ威力を出せる拳か……
KP
あなたの腕をマグネタイトが迸る。
あなたの横に立つ牧志の姿が、いや、佐倉光の横に立つあなたの姿が、COMPから脳髄へと駆け上がる。
先程から異様な速度で回転し続けている頭脳が熱負荷を訴えながら、流れ込む記憶をぐにゃりと曲げる。曲げる。曲げる。
あなたの感覚が変質する。
あなたの記憶が変質する。
あなたの自我が変質する。
あなたは自身を、書き換え、騙す。
佐倉 光
別人どころか、子供を大人だと誤認識させるんだ。
いい感じの綱渡りだぜ……!
KP
COMPが一瞬抵抗するように真っ赤な光を放ち、直後に緑のランプに置き換わる。
液晶の表示が安定し、見慣れた表示をもたらす。
佐倉 光
よーしよし、いい子だ。うまいこと協力しようぜ。
KP
あなたの腕を赤い痣が駆け上がった。それを追うように機械に変じてゆく。
捻じ曲げられ、侵される不快感が一瞬、何もかもを投げ捨てたくさせる。

なにものかの嘲笑が聞こえる。
なにものかの嘲笑が聞こえた。
佐倉 光
うるせぇな。俺は今結構いい気分なんだ。
邪魔をするな、機械野郎。
佐倉 光
力を振るうのはいい気分なんだ。随分忘れていた。
佐倉 光
そういやこれがチクタクだって事は佐倉忘れてたなー。
なんかマシン系悪魔だってとこで思考停止してるんだなー。
KP
まあ「機械野郎」とまでしか言ってませんし。
KP
「ヂッ!」
目の前の小さく柔らかい獲物が姿を変えてゆくのを見て、獣は驚愕と怒りに鳴く。
佐倉 光
やってやる! 相棒の真似をして一歩進み出る。
KP
では、《サイコメトリ》で攻撃判定、どうぞ!
判定値はINT×5になります。
佐倉 光
CCB<=(17×5) 【INT】 (1D100<=85) > 30 > 成功
[ 佐倉 光 ]MP: 14 → 13
KP
違和感はなかった。あなたは記憶を己がものとして読み出せる。
体重移動、重心、殺意、全身の感覚と相棒の意志があなたの中に存在する。
鼠は落下直後のため〈回避〉しない。
ダメージ、どうぞ!
佐倉 光
1d10+2 (1D10+2) > 9[9]+2 > 11
でかい!
佐倉 光
その時、どう動こう、とか、間合い、とか考えることは一切なかった。
ただいつも牧志がやっている動きをトレースする。
子供の体格だろうが関係ない。
KP
あなたの小さな拳が、その大きさに似合わぬ圧倒的な速度と重量で鼠の腹を打ち据える。
そうだ。これが力だ。あなたはもはや無力ではない。
佐倉 光
いいねぇ、これが力だ! 俺がずっと欲しかったものだ!
佐倉 光
っと、【我】を出し過ぎるとCOMPのヤツにバレるな。
佐倉 光
ビチャアいった
KP
悲鳴はなかった。
一瞬で肉体から全ての空気を追い出され、厚みを無にされ、悲鳴を上げることすらできなかったのだ。
獣があったところには、赤い染みと毛と骨片の混合物が残されただけだった。
KP
戦闘終了。

佐倉 光
「おー、すっげぇ。やればできるもんだな。
なんかどっと疲れたけど……」
気を抜いた途端、COMPからはエラー音が鳴る。
おまえなんか知らん、だと。
堅いこと言うなよ。
KP
頭脳と肉体に流し込んだ他人の記憶が、あなたの身体に軽い疲労感をもたらす。
COMPはエラー音を一度鳴らしてまた沈黙し、あなたの腕は小さく柔らかい、痣のない腕に戻っていた。
佐倉 光
あの痣、やっぱなんか嫌な感じだな……
ぶるぶる、と腕を振る。
KP
あなたの肉体は佐倉光であることを思い出していたが、あの一瞬だけ牧志浩太だったような、「------」だったような、不思議な感覚の残滓が残っていた。
……「------」?

何だろう。とにかく力は手に入れた。一瞬で獰猛な鼠を潰した力は、圧倒的だった。
佐倉 光
とにかく、なんとかなって良かった。

KP
エレベーターの下降が止まり、扉が開く。
佐倉 光
さっさと降りて、周囲の観察だ。
KP
エレベーターから降りると、先程までとあまり変わり映えのしない景色が広がっている。
相変わらず窓は曇りガラスで、どれだけ下ったのか、などということも把握しづらい。
佐倉 光
このフロアに牧志は……いねーんだろうなぁ。東西だもんな。
KP
廊下の奥に出入り口らしい両開きの扉がある。
また、廊下の片側に扉がひとつあるようだ。
佐倉 光
警備室、か。
……たぶん。
牧志と早く連絡を取りたい。
佐倉 光
扉の前に移動し、その中の様子を探ろうとする……
KP
ガラス張りの扉には、今度は番号ではなく「警備室」と書かれたプレートがついている。
扉のガラス越しに見える範囲に人の姿はなく、中には警備員のためのものか、机と椅子が見える。
佐倉 光
中に侵入……する前に一応〈聞き耳〉だ。
中にあのネズミがいるかも知れない。
KP
〈聞き耳〉で判定。
佐倉 光
CCB<=79〈聞き耳〉1D100<=79) > 48 > 成功
KP
室内は静かなものだ。しんと静まり返っていて、先程の鼠の鳴き声や、床を引っ掻く音などは聞こえない。
佐倉 光
中にそっと侵入してざっと見回そう。
KP
扉に鍵はかかっていなかった。
中には警備員が待機するための机と椅子、監視カメラのモニターがある。それから、事務用なのかパソコンが一つ。
また、壁際に内線電話と……、おや。キーボックスがある。
佐倉 光
まずキーボックスを漁ろう。
在るだけ全部掻っ払っていこう。
KP
キーボックスには鍵がかかっているようで、開かない。
しかし鍵はごく一般的なものに見え、キーボックスも頑丈なものではなさそうだ。

エレガントに〈鍵開け〉を試みるか、〈戦闘系技能〉に訴えて破壊することができる。
佐倉 光
電子錠以外は専門外!
佐倉 光
壊すか。
練習は必要だ。
佐倉 光
……っと思ったけど、まあこの部屋探してからでも遅くないかな。
まずは牧志に連絡を取ろう。
薬剤室に電話だ。
移動するって言ってたっけ?
いや、待っててくれるって言ってたな。
牧志 浩太
電話が取られる。その向こうから声は聞こえず、落ちるのはこちらの様子をうかがうような沈黙だ。
牧志 浩太
「……」
佐倉 光
「牧志?」
小声でささやきかける。
牧志 浩太
「……佐倉さん? よかった、無事だったんだな」
焦ったような声が、沈黙を破って聞こえた。
佐倉 光
「あー、ごめん、いろいろあってさ……
俺今下のフロアの警備室にいるんだ」
牧志 浩太
「生きてて安心した。下のフロア? エレベーター、動かせたんだな」
佐倉 光
「ああ、休憩室に間抜けな警備員らしきヤツが寝ててさ」
牧志 浩太
「え、人いたのか」
佐倉 光
「そいつのキーカード借りてきた」
牧志 浩太
「さすが佐倉さん」
佐倉 光
「で、それに触ったときミョーなもんが見えてさぁ……」
牧志 浩太
「妙なもの?」
佐倉 光
「ああ、誰かの記憶を覗いているような感じで……だから寝てるヤツが警備員らしいってこととか、何かトラブルが起きたらしいって事や、俺……たぶんお前も何か処置されてから記憶消されたらしいって事なんかが分かったんだけど」
牧志 浩太
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 33 > 成功
牧志 浩太
「記憶を覗いているような感じ……? 記憶って、もしかして寝てるそいつの? テレパシー、なのか?」
佐倉 光
「いや、多分サイコメトリーの方だと思う。
カードキーに触ったら視えたんだ」
牧志 浩太
「そうか、寝てる方じゃなくて、カードキーの記憶なのか。
不思議な感じだな、生きてない物に記憶が残ってるなんて。
粘菌は化学物質で肉体の外に記憶を残すっていうし、そういうものなのかな」
佐倉 光
「へー……って興味深い話題ふるのやめてくれよこんな時に。
気になるだろ」
佐倉 光
「後で詳しく」
牧志 浩太
「ごめん。無事に帰ったらその話しよう」
牧志 浩太
「それにしても、寝てる間に俺達もやられてたなんてな。全然覚えてないのが不気味だ、寝てたんだからそりゃそうだろうけど」
佐倉 光
「ああ、だけど悪いことばかりじゃない。
俺、さっきエレベーターで鼠に襲われたんだ」
牧志 浩太
「えっ? エレベーターの中で? どこから来たんだそんなの」
佐倉 光
「上かな? 通風口とかだよ、たぶん。
で、逃げ場もないしエレベーター変に長くて、多分フロアまたいでたなあれ」
佐倉 光
「死ぬかと思ったら、急にCOMP使える気がしたんだよ」
牧志 浩太
「COMPを? 俺の?」
佐倉 光
「ちょっと信じられないだろ?」
佐倉 光
「物の記憶を読む力を逆転させて、俺が覚えている牧志浩太の記憶を無理矢理流し込んで、言うなれば霊的ハッキング?」
牧志 浩太
「ああ。だって佐倉さん自分のCOMPも動かなかったし、それに他人のCOMPなんて動くはずが……、えええ?」
佐倉 光
「したら、腕が機械化して殴れた。
何か痣も出てた。
大人の俺をシミュレートしたら動かねぇかなー俺のCOMP」
牧志 浩太
「えーっと、えっと、呑み込みが追いつかない」牧志は電話の向こうで数度息を深く吸って、吐く。
佐倉 光
「大丈夫俺にも良く分かってない。
ただ、お陰で俺は生きてる」
牧志 浩太
「COMPを霊的にハッキングなんて、そんなことできるのか、いや、でもできたんだよな。すごいなそれ」
佐倉 光
「俺自身理屈でやってるわけじゃねぇんだよ。もうヤケクソだこんなの」
牧志 浩太
「びっくりしたけど、とにかくおかげで佐倉さん助かったみたいだし。
とにかく、できたってことで呑み込んどくよ」
佐倉 光
「会えるまで借りるよ」
牧志 浩太
「でも、よかった。ああ、合流するまでいくらでも借りてていい」
牧志 浩太
「それなら俺も何か発動できないかな……、うーん……、だめだ、何も見えない」室内でごそごそやっている音が聞こえた。
佐倉 光
「魔法石は? あれコツさえ分かれば手榴弾と同じで投げつけるだけである程度の威力は出るぜ?
そっちにも物の記憶読む力があれば、起動のさせ方とか視えないか?」
牧志 浩太
「今の所、こっちはそういう様子なくてさ。コツ、先に聞いとけばよかったな」
佐倉 光
「うーん、俺そういうの言語化苦手なんだよな……
やってみるしかないんだよ、あんなの……」
牧志 浩太
「とにかく、佐倉さんが下へ移れたのはよかった。俺も、これからエレベーターに行ってみようと思ってるんだ」
佐倉 光
事務室ってもう行ったんだっけ。
KP
事務室はまだです。牧志曰く、このフロアには見当たらないらしい。
佐倉 光
ああー、そうだっけか。
そうすると事務室と警備室が対応してる感じなのかなぁ……
佐倉 光
「わかった。電話待ちながらここを調べる」
牧志 浩太
「ああ、頼む」
佐倉 光
「卵の表面の殻だけ割るみたいな、ガラスに力加えるようなさ……なんつーかな……
こう、指先に極小ピラミッド生やして圧かける、みたいな……」
牧志 浩太
「うーん……。イメージとしては分かるんだけど、言葉をこっちで解釈しちゃってる気がするな。
うまく実物を受け取れてない……」
佐倉 光
「うーん。できるようになれば簡単なんだけど……」
佐倉 光
「じゃあ、こっち、探してみる」
牧志 浩太
「ああ。それじゃ、また後で」
牧志 浩太
その言葉と共に、電話は切れる。
電話の向こうにあった牧志の気配が消え、室内に沈黙が落ちた。
佐倉 光
よし。情報共有ができると落ち着くな。
状況は少しずつ分かりつつある。武器も何とかなる。
これなら、いけるいける。

牧志視点(ネタバレ)
牧志 浩太
さっきのことがあったばかりだ、注意しながら扉を開ける。
KP
<幸運>で判定。
牧志 浩太
CCB<=60 【幸運】 (1D100<=60) > 24 > 成功
牧志視点(ネタバレ)
KP
廊下は静かなものだ。先程の獣の気配はない。
いや、どこからともなく何かが這いずり回る音が聞こえるような気もする……。
牧志 浩太
……却って不気味だな。
牧志 浩太
エレベーターへ向かう。
さっき見つけたカードキーを通してみよう。
KP
カードキーをスリットに通すと、ピッ、と微かな電子音がし、ボタンのランプが点灯した。
どうやら無事に認識したようだ。
開かれた扉の中は空だ。青白い明かりが、無機質な白い箱の中を照らしている。
牧志 浩太
すごく入りたくない。思い出してみるが、階段らしいものはなかっただろうか?
KP
なかった。
牧志 浩太
つらい。諦めて中に入ろう。室内をぐるりと見回してみるが、気になるものはあるだろうか?
KP
室内には何もない。あるものといえば静けさのたぐいばかりだ。
牧志 浩太
階数表示やボタンは?
KP
階数表示はない。操作パネルには「△」「▽」の二つのボタンがある。 あとエレベーターの中に手すりはあるかな。
牧志 浩太
一つ溜息をついて、「▽」のボタンを押す。
扉の前で室内に顔を向け、ボタンをすぐ押せるようにしておく。
KP
1D100をどうぞ。
牧志 浩太
1d100 (1D100) > 77
KP視点(ネタバレ)
KP
これは<サイコメトリ>取得のINT×3判定です。
牧志視点(ネタバレ)
KP
ボタンを押すと、エレベーターの扉がゆっくりと閉じる。
無機質な扉はついに閉じきり、あなたを狭い室内に閉ざした。

ふわり、と浮遊感。下降する感覚は、意外に長かった。
間に、ここから直接往来できない階層があるのかもしれない。
牧志 浩太
変な構造だな。二つの建物が組み合わさってるのか?
KP
落ちてゆく感覚は単調で、風景に変化はない。 疲労からだろうか、あなたの意識がぼんやりと緩みそうになる。
牧志 浩太
! まずいまずい、一瞬寝そうになってた……。いつ何があるか分からないし、寝てる場合じゃないのに。
KP
はっと気づいて、あなたは咄嗟に手すりを掴む。
──不意に視界が変化した。
視界を覆うように激しいノイズが走る。
まるで壊れたモニターのように、あなたの視界そのものをノイズが覆う。
牧志 浩太
う、うう……、何だ、これ。
KP
激しいノイズの中、自身の心音がいやに強く聞こえる。
ノイズに埋め尽くされた視界の向こうから、少しずつエレベーターの壁が見えてくる。
その中で、先程はいなかったはずの白衣姿の人間が二人、言い争っているのが見えた。
心音に紛れて、彼らの声はうまく聞こえない。
牧志 浩太
何だ、これ。何が起きてる? 幻覚? いや、確かさっき、佐倉さんが……!
必死に手すりにつかまりながら、その声に耳を澄ませようとする。
KP
次第に映像がはっきりとしてくる。
曖昧に聞こえた声が、聞き取れるようになり始め……

「あいつはただの同僚だって!」
「嘘おっしゃい。見てたのよ、あんたがあの子とラブホ街に消えてく所を」
「違うんだよ、あれは彼女が予約したビジホがラブホ街の真ん中だったから、危ないから送ろうとして」

……何やら言い争っている。
牧志 浩太
何だこれ、気まずい……。
KP
「嘘! この前だって別の子と公園で……」

何かまずいことが口走られようとした瞬間、吹き消されるように映像は消えた。
何故だろう。酷くリアルな夢のようにも思えたそれが、このエレベーターの「記憶」なのだと、あなたは分かっていた。
佐倉が言ったのと同じ。あなたはこの場所の記憶を読んだのだ。
牧志 浩太
……えっと。
目の前で起きたことの解釈に困る。これ、佐倉さんが言ってたのと同じもの……、だよな? きっと。
KP
1d3 (1D3) > 3
牧志視点(ネタバレ)
KP
あなたが解釈に困っていると。
ガタン、と不意に上の方から音がした。
牧志 浩太
! 解釈に困ってる場合じゃない、すぐにボタンを押す!
KP
まだエレベーターは下降を続けている。ボタンを押しても、開くことはない。
牧志 浩太
上を見上げる!
KP
エレベーターの天井板に隙間などはなかったはずだ。ならば、そこにできた隙間は、何者かが無理やり上からこじ開けたものなのだろう。

狭い隙間から、粘液にまみれた触手が、一本、二本、三本……。
やがて本体を強引に隙間へとねじ込ませ、それは姿を現した。
海棲生物の幼体を何匹も何十匹も捏ね上げて這いずる芋虫をかたちづくるような、理解しがたい形状の それは、確かにあなたの存在を有無も不明な視界にとらえていた。
KP
戦闘開始。相手のDEXは7。
DEX8、牧志。
牧志 浩太
くそ……! さっき佐倉さんが<サイコメトリ>で俺のCOMPを扱ったって言ってたはずだ、同じようにして佐倉さんのストーン使えないか!?
KP
試みるならば、<INT×5>で判定!
牧志 浩太
CCB<=(18×5) 【INT】 (1D100<=90) > 53 > 成功
佐倉 光
なんだろう、ここのダイス目で能力が変わるとかかしら。
牧志視点(ネタバレ)
KP
あなたはストーンを握りしめ、その「記憶」を辿ろうとする。
危機に瀕する心臓が大きく跳ねる。

化け物を目の前にしているというのに、視界にノイズが走った。
神経細胞が音を立てて信号を走らせていた。血流が頭の中でどくんどくんと音を立てる。

あなたはその瞬間、理解した。
先程聞いたのは心音ではなく、その場に残されたあらゆる痕跡から「記憶」を再構築しようと異常な速度で回転する、脳の血流の音なのだと。
牧志 浩太
佐倉さんの姿を探す。
手の中に握りしめたストーンの感触を、佐倉さんがそれをどうやって投げ、どうやって発動させていたかを。
KP
その絶え間ない血流の向こうに、見えた。手の中に握りしめた石を投げる相棒の姿が。
あなたはそれが何からできていて、どうなっているのか、あまさず理解していた。
▽《サイコメトリ》
あなたはサイコメトリ能力に覚醒する。
《サイコメトリ》の判定値は【INT】×5。

《サイコメトリ》判定で佐倉のストーンによる攻撃を行える。
《サイコメトリ》は使用する度に、(攻撃のために使用するMPとは別に)1MPを消費する。
牧志 浩太
ザンストーンで攻撃!
KP
OK。今回の《サイコメトリ》判定は先程のもので成功した扱い。化け物は回避しない、ダメージをどうぞ。
牧志 浩太
1d8 (1D8) > 6
[ 牧志 浩太 ]MP: 12 → 10
牧志視点(ネタバレ)
KP
こちらは触手で攻撃!
KP
CCB<=45 (1D100<=45) > 71 > 失敗
牧志視点(ネタバレ)
KP
触手はあなたの脚をかすめる。幸い、身体を衝撃が打ち据えることはなかった。
KP
2ラウンド目。
牧志 浩太
もう一度ザンストーンで攻撃。
牧志 浩太
CCB<=(18×5) 【INT】 (1D100<=90) > 87 > 成功
[ 牧志 浩太 ]MP: 10 → 8
佐倉 光
殴りあっとる殴りあっとる
牧志 浩太
1d8 (1D8) > 8
佐倉 光
イイダメージ!
KP
せっかくだからデータ確認も含めてちゃんと戦闘処理してみた。
牧志視点(ネタバレ)
KP
スライムを握りつぶしたときのような、形容しがたい音がした。
背筋を嫌悪感で逆撫でする音であることだけは、間違いない。

ひどく脳が疲れた気がする。とびきり難しいパズルを解いた後のような、そんな感覚だ。
牧志 浩太
うぐ……。どうなるかと思った。
結構消耗が激しいな、これ……。
牧志 浩太
気を失って何かに襲われたらたまらない。
二の腕をつねって意識を保ちつつ、着くのを待とう……。

KP
改めて、警備室だ。
中には警備員が待機するための机と椅子、監視カメラのモニターがある。それから、事務用なのかパソコンが一つ。
壁際には内線電話とキーボックス。
佐倉 光
まず鍵がありそうな机からかな?
KP
机を見ると、机の上に何やら付箋が貼り付けられている。
佐倉 光
付箋? 見てみる。
KP
「休憩から戻ってきたら東館と⻄館の警備をお願いします。
試薬を保管庫へ移してください」

これは、あの寝ている警備員に宛てたメモだろうか。
試薬? と目で追えば、横に小さな瓶が置かれている。
佐倉 光
おー。例のヤツ。
瓶をゲット。何か書いてある?
KP
瓶にはラベルが貼られており「apport」と書かれている。
佐倉 光
どーなのかなー。使えるかなー。
ま、とりあえず持っておくか。
KP
洗剤を連想するような、明るい黄緑色の液体が入っている。
微かに泡立っているのが、余計に洗剤っぽく見えてきた……。
佐倉 光
あんま飲みたくねぇな。
口からアワ噴くことになりそうだ。
大体薬って混ぜると禁忌とかいろいろあんだろ?
佐倉 光
モニター見てみよう。
KP
モニターを見ると、ざらついた映像の中に廊下や、室内の様子が映っている。
おや、エレベーターを降りる牧志の姿だ。このモニターには西館の様子も映っているらしい。

ここに来てから初めて、牧志の姿をちゃんと見た気がする。
ここにはちゃんと西館なるものが存在して、ちゃんとそこには牧志がいるのだ。きっと。
佐倉 光
良かった、あっちもフロア移動できたみたいだ。
KP
また、カメラに映っている範囲に人の姿は見当たらない。
たまに鼠や、触手を這わせるイカのようなものがのそのそと這いまわっているのが映る。
佐倉 光
ネズミはともかく……なんだこれ、イカ?
イカってめちゃくちゃ頭いいんだっけ?
佐倉 光
タコは確か賢かった気がする。
佐倉 光
カメラに過去の映像などはないですか?
KP
モニターには過去の映像を表示できるようなものはなく、リアルタイムの映像を映しているだけだ。
横のパソコンはどうだろうか?
佐倉 光
パソコン調べてみよう。
データなど残っていないだろうか。
KP
パソコンを調べると、パスワードか顔認証を要求される。……パソコンの上部にカメラがついている。赤く点滅しながらあなたを見る機械の眼に、なんだか嫌な気持ちになるかもしれない。
佐倉 光
あー、あの警備員の顔記憶しとけばさっきと同じ原理で使えなかったかな……
KP
パスワードは見当たらないし、もちろん顔認証も通らない。
〈コンピューター〉または〈芸術:ハッキング〉で認証を突破する必要があるだろう。
佐倉 光
今更だ。ちぇ。【正攻法】でいこう。
CCB<=75 〈芸術(ハッキング)〉 (1D100<=75) > 88 > 失敗
KP
おっと。【アイデア】をどうぞ。
佐倉 光
CCB<=85 【アイデア】 (1D100<=85) > 41 > 成功
KP
あなたの手の前に入力可能なキーを備えた物体がある。この物体は入力されたパスワードを「覚えて」いないだろうか?
佐倉 光
なるほど?
意識的に《サイコメトリー》してみるか……
佐倉 光
意識を集中。物品に纏わり付く記憶を……
物品にこびり付いた記憶を、引き出すんだ。
佐倉 光
我ながら何言ってんだか分かんねぇ……
KP
あなたは先程の状態に向けて、ゆっくりと頭脳の回転速度を上げていく。
佐倉 光
これやり過ぎると焼き切れそうで怖いな。
KP
キーに触れ、感じ取ろうとする。その感触をなぞり、限りなく細かく、精細に、それの状態を感じ取る。処理する。その上に残された例えば僅かな皮脂、僅かな凹み、変化、……【記憶】。
現在から過去へ。それに与えられた変化を辿り、想像し、同調する。
そこから、異質な記憶を釣り上げるのだ。
佐倉 光
魔法も技術。超能力も技術だ。
プログラムを読み解くのと何ら変わらない……
KP
《サイコメトリ―》で判定。
佐倉 光
CCB<=(17×5) 【INT】 (1D100<=85) > 46 > 成功
KP
ぱちん、と音がした。
頭の上を撫でられたような気がした。
いや。あなたは平たく広がっていて、凹んだ表面を撫でる指先が、少し思案しながらあなたの頭を叩くのだ。
ぱち、ぱち、ぱち。
規則的な軽い音。
佐倉 光
変な気分だ……だけど戸惑っている場合じゃない。
KP
誰かの指先があなたの上を滑る。順番に追いかけていけば、ひとつながりのフレーズがあなたの上に浮かんだ。
そこで感覚ごと映像は途切れた。キーボードの視点で操作者を見るとはレアな経験だ。
佐倉 光
それをそのままトレースしてキーボードに打ち込む。
今正にこれはさっきの俺みたいに感じているんだろうか?
佐倉 光
いや、物は感じない。よな?
記憶しているだけだ。
この記憶だって、別に物が脳に類する記憶器官を持っているわけではなく、ちょっとした埃の積もり具合やすり減り具合などを総合して作り上げたものなんだ……たぶん。
佐倉 光
じゃあカードキーさんはなんで会話まで覚えてたのっていうと……わっかんね。
KP
キーボードの上を走る電気信号は、『感覚』と言えるのだろうか。
あなたが感じ取ったフレーズをそのまま打ち込むと、あっさりとデスクトップ画面が開いた。
佐倉 光
《付喪神》という存在にならずとも、物は何らかの記録をしているもの、なのだろうか?
佐倉 光
おっと、こんなオカルト考察してる場合じゃない。
PCの中を調べる。
KP
PCの中を確認すると、そこには──

KP
というところで、本日は以上! ありがとうございました~!
佐倉 光
ありがとうございました!
KP
~TODO~
 ・警備室のPC内の情報開示
 ・佐倉さんの探索(続き)
 ・牧志の探索&牧志から佐倉さんへの連絡
KP
戦闘処理で見えてると思いますので開示すると、牧志も超能力発現しましたね。
二人とも発現して盛り上がってまいりました。
佐倉 光
牧志君石投げてたな!
KP
です。無事どちらも相手の武器を使えるようになりましたいえーい。
佐倉 光
いぇーいなんだけどなんでそれができたのって考えると割とピンチな気がすんのね!
KP
ウフフ。
佐倉 光
やったー俺物に記憶捻じ込んでハッキングなんて魔法みたいなことできるじゃん!
佐倉 光
アポートの使いどころ気になるね!
佐倉 光
これ二人とも銃使いだったりするといまいち合わない奴なのかな。
互いの武器を交換して使うのがミソの話みたいだしねー
あと武器によってはエレベーターが大惨事。
KP
同じ武器だといまいちはまらない気がしますね。「相手の武器を使ってあたふたするところ」がミソだそうです。
ただ拳銃とショットガンみたいな、同系統だけど技能が違うのはたぶん超HOT。
佐倉 光
エレベーターにつくまで武器交換話だってこと忘れてて、「!?」となったのは私です。
KP
佐倉さんの無力サバイバル話になってましたしね途中まで。
でも、あの無力サバイバル追い詰められ展開から覚醒!! って流れになったの最高。
佐倉 光
普通に死ぬかと思ったし、最初あまりにも無力すぎる佐倉への救済かなんかかと思った。
そりゃあ誰かに嗤われるくらい流すわ。
KP
実は武器交換話だったのです。
これ、牧志がKPCだからちょっと目立ちづらいのもありますね。
本来2PLシナリオ(タイマンアレンジは一応可)なのでこれ。
佐倉 光
そうなんだろうな、と思ってました。牧志側にも普通に色々ありそう。
KP
そう。
現状牧志側にそんな大きな伏せがあるわけじゃないので、置きだったらそれこそリアルタイムに牧志側も描写して、ってことができるんですが、リアルタイム卓でそれをやるとテンポがなぁ。
佐倉 光
さすがにね。
牧志視点待ちしております!
KP
ですね、今回は牧志視点! 入れたい!

コメント By.佐倉 光
力も無い、逃げ場もない、大ピンチだ!?

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【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


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