こちらには
『レッド・グランド・セパレート』のネタバレがあります。
牧志 浩太
↑こちらのキャラ紹介は厳密には違います
お人好しで温厚、だが意思は強い好青年だったが……。
とある事情で二年より前の記憶の大半を失い、代わりに悪魔使い波照間紅の記憶を持っている。
首から胸へと続く奇妙な【契約】の痣がある。たまに痛むという。
生贄体質らしく、事件に巻き込まれることが多い。
佐倉とは友人。子供になってしまった佐倉と奇妙な同居生活をしている。
佐倉 光
↑こちらのキャラ紹介は厳密には違います
サマナーで悪魔退治屋。ハッカーでもある。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年。
とある事件で子供に戻り、そして元に戻れなくなってしまった。
記憶はそのままだが、子供としての感情や衝動に引きずられることがある。
牧志とは友人。
まあ、とはいえ佐倉は相変わらず無謀と思えるような事をするし、あなたの悩みの種は尽きないが……
改めて実感してみれば家の中は随分荒れていたし、俺は疲れていた。
見えなかった佐倉さんの苦しみの種だって、そこら中に転がっていた。
俺も、佐倉さんも、どうしていいかわからなかったんだ。きっと。
形がどうなっても、それだけは変わらないってことを。
ただ、忘れ物をしたときみたいに、横からちょっと忘れてるよって言うだけだ。
そんなの、ずっと俺自身知っていたはずの事なんだ。
今の自分に合った距離を測らなければならない。
今の自分を利用するために。
ような気がする、そんな日。
その朝もいつも通りだった。
大きく伸びをして一週間のスケジュールを思い出す。さて今日は平日だろうか、休日だろうか。
レッド・グランド・セパレート
松葉 様 作
さて、佐倉さんはもう起きてるだろうか?
ゲーセン行くんだ」
同じクラスで、何かと一緒に叱られる仲であるらしい。
何かと一緒に叱られ友達か、いいよなそういうの。
先輩はあんまり同年代に友達いなかったな。
佐倉さんがいるのは今ここなのに、少しだけ過去を覗いているような、過去をやり直しているような気持ちになる。
ハルカとは
シナリオには無関係の友人です。
ああー、使用Picrewさん不明か、それは残念。
そういえばどっちも『普通の子供時代』を送れなかったキャラクターなんである。
戻りは11時半ねー」
……まあ、攫われはしたけど。あれは俺のせいだし。
駅の広告用モニターに占いが写っていた。
『本日の牡牛座は波乱万丈な一日になりそう!
大きな流れには逆らわず従うのが吉。
ラッキーアクションはジャンプ!!』
『今日の最下位は蠍座のあなた!
非常に運が悪いかも、巻き込まれ事故に注意!
ラッキーアクションは思い切った行動!!』
画面ではションボリした黒猫がスンスン泣いていた。
そのまま射手座くらいまで見ているかもしれない。
とってもアクティブな一日になりそう。
色々な人に話しかけて、意見を聞くのが吉!』
番組は終わり、それから広告が流れ始めた……
なぜだろう。先日の事件のせいで敏感になっているんだろうか。
それから図書館で目的の本を見つけたり、読書をしたり、穏やかに過ごした。
……単に楽しさを共有したいだけなのかも知れない。
普通の子供のように。
つい食べちゃったらしい……
『お、いいな。今ゲーセンだろ、そっち行こうか? それとも、こっち来る?』
AIによる生成物の偏り
実際同じようなキャラが出てくる事あるもんなぁ
さてこのまま穏やかな一日だといいけど、なんて思うのはフラグかな。
トイレいきゃ治ると思うけど、ちょっと遅くなる』
割とすごい名前だが、知ってる銀行だろうか。
何となくその場所を調べてみる。
なんかテキトーな名前つけようと思って、メガテンからのデビルチルドレンネタでした。
ショッピングモールへ向かう途中にある大きな銀行だ。
『分かった、そっち行く』と返して、銀行へ向かって移動する。
友人がいるようなら行かなかったけど。
銀行とは反対側にいたため、それなりに連絡が来てから時間が経った。
20分ほどだっただろうか?
例の銀行の割と近くまで到着したが……何だか辺りが騒がしい。
何だ?
「銀行強盗?」
「え、やだ本当に?」
「逃げてきた奴がさっきいたよ」
「磨海? うっわー、行かなくて良かった」
聞き捨てならない言葉が耳に入る。近くの人に事情を聞こう。
浮き足だってソワソワしているような青年が振り向いた。
人質とって立てこもってるとかって。
こっからじゃ見えないなー」
──いや、まさか。
自然と焦りが浮かぶ。まさか。まさか、巻き込まれてないよな。
『今、中なのか』返す。
近くの人を捕まえて状況を聞きながら、問題の銀行の近くへ移動する。
大勢の野次馬、それを追い返そうとする警察官。
銀行の前には黒ずくめの覆面男が数名立っている。
どうやら彼らは警棒やナイフなどで武装しており、まだ人数の少ない警官は手が出せずにいるようだ。
今の所、テロとかじゃなくて銀行強盗。
野次馬に紛れて近くまで移動しつつ、前に飛び出してしまうほどには近寄らない。
スマートフォンで銀行内の見取り図を確認する。どの辺だ、トイレ。
出てきた男は拡声器を持っており、警察や野次馬たちに向けて語り始めた。
本編見る!
我々には人質に危害を加えるつもりがあることを先に伝えておく」
野次馬達がスマホを掲げたり、興奮して騒いだりする。
今正に目の前で、スリリングな非日常が起きているのだ!
待っていれば解決する。そのはずだ、けど。
勢い、心配になってしまう。
男は息を吸う。そしてはっきりとこう言ったのだった。
「十五時までに“天川薫の運命の人”がここにくること。
誰のことか言わなくても当人にはわかるはず」
声が漏れた。銀行強盗…… じゃ、ない?
どうして。まさか、まさか。銀行強盗じゃなくて。
最初から、こちらが目的だったっていうのか、こんな大掛かりなことまでして?
奇妙な要求に、周囲の人々から戸惑いの声が上がる。
警察を含め部外者が突入して来た場合……」
目の前にその目的の人物がいるとは夢にも思っていないのだろう。
『銀行強盗』は続けた。
「この建物に仕掛けた爆弾を起爆させる」
さすがに爆弾とは穏やかではない。
男の声に耳をそばだてながら、色々なことが頭を駆け巡った。
あいつ死んでいなかったのか。殺した、と思ったのに。殺したつもりだったのに。殺意で引き潰したのに。
などということは考えないでほしい。
警察も運命の人も、利口であると我々は信じている。
では十五時だ、運命の人よ、時間厳守で頼む」
話していた人物は興味ないと言わんばかりにくるりと背を向けて
銀行の中へと戻っていった。
出入り口を他の黒服の強盗犯が陣取り、先ほどの人物の姿は見えなくなる。
現在外に出ている強盗犯は三人ほどいるが、
誰も警察の呼びかけに答える様子は一切ないように見えた。
巻き込んじゃったんだ、俺は、あいつは!
確実に殺意を込めて轢きつぶしたはずの、あの男の声に似ていた気がした。
そうか、足りなかったのは俺の覚悟か。もっと粉々にしとくべきだったかな。
『あいつも召喚師みたいだったし、悪魔の力かなんかかな……』
胸に穴開いてても向かってきたんだ、驚きはないな』
人だかりの真ん中あたり、人に紛れたまま男達から視認されなさそうな位置まで下がります。
それについて言及されなかったのは幸運だったかも知れない。
そうだ、俺の特徴に言及されたら間違いなく摘み出される。
トイレちゃんと確認しねーんだ』
『扉の裏にいただけでセーフだった。
ちょっとスリリングだったけど』
ごめん、このままあいつらの前に出るわけにはいかない、何とかしないと。
あいつらの様子は見えた?』
見つからない代わりに状況もよくわからん』
『ナントカシンコウ……信仰かな。って聞こえた。
たまに巡回が来るから、いつも連絡できるわけじゃねぇ』
『ナニ信仰かは聞こえなかったし、違うかも』
フレーバーですが波照間に助けを求めます。
…………繋がらない…………
悪魔使いとしての佐倉が抜けてしまってから、波照間には大分しわ寄せが行っているらしく、随分と忙しくしているようだ。
「なー。物騒だよな……」
「運命の人だってよ……」
「まさか天川ってあの人?」
「やっと通りが平和になったらこれか」
男二人の声だ。
▼【アイデア】
最近聞いた事がある。
声の主は確か、誘拐事件の時に路地裏で出会った二人組だ。
名前は知らないが、見た目に反して弱気な奴らだったように思う。
悪い奴じゃなかったような気がする。
人込みに身を隠したまま、のそのそとそちらへ近づく。
あの二人は俺を見てるから、気休めだけど。
トゲトゲしいアクセサリーに革ジャンが威圧感を醸し出す。
が、そんな見た目と裏腹に身を縮めて不安そうに囁きあっていた。
あいつが少しでも俺の特徴に言及すれば、ここにいる全員敵に回るけど。
男が素っ頓狂な声を上げた。
その二人に声をかける。
お子さんは見つかりました?」
「銀行強盗だって。怖いっすねー」
「ええー、可愛そうに。無事なんですか?」
息子さん無事だといいっすね……」
「きっと大丈夫ですよー。日本の警察優秀だし」
「っていうか天川薫ってあの……占い師っすよね?」
「家近所で話したこともあるんですけど、最近見かけないと思ったらこんなことになってるなんてね……」
「なー、びっくりだよ」
「そういや最近天川さんの家の周辺、
あんまり見かけない人がうろついてて怖いんすよね」
ガタイが良くて。怖いよなー。
さすがに見分けはつかないっすけど」
「あ、良かったら案内しましょうか?」
今は、できそうなことは何だってしたいんだ」
「運命の人探して来て貰うんですか?」
「なんだろうな、運命の人って」
二人の感情があけすけに伝わってくる。……善人である。
底抜けの。
……いい奴でよかった。やっぱり俺は、周囲の人には恵まれてるな、と思う。
人じゃない周囲には恵まれてないけど。
ありがとうございましたー!
こんな状況だけど善人しかいない空間だ。
(それでもこの状況で他の人のことも考えているあたり、牧志も善人の範疇に十分入るとは思う)
ただやっぱり殺意は随分増したなと思いますしね。特にこちらの牧志。
「女子トイレに入ってて無事だった」もちょっと考えたけどそれはさすがにやめたよ!!
中身ちゃんと二十歳だし。
いや大事件なんだけど……
そうそう。命には代えられませんからそういう事がもしあればね!
このシーン、KPC銀行に用事があっていくんですけど、さすがにATMも窓口も6歳が一人で利用するのは無理でしたわ。
それでトイレ。
よし、ではまた次回!
平穏が訪れたと思ったら、またまた訪れる大ピンチ。
いいやこれはチャンスかも!?
TRPGリプレイ【置】CoC【タイマン限2】収録シナリオ『Look,LOOK Everyone!』 佐倉&牧志 3
「あんまり人前で牧志に話しかけんな」
「だめなの?」
「普通服は動かないし喋らないの」
【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」
TRPGリプレイ CoC継続限収録シナリオ『探索者対抗!!二人三脚障害物レース』 牧志&佐倉(終)
「こいつらが何なのかは全然分からないんだけどさ。何をさせたいのかだけは、分かる気がするんだ……」
「やだ。分かりたくない」