TRPGリプレイ CoC『ブルー・スターズ・セパレート』牧志&子供佐倉 1

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こちらには
『ブルー・スターズ・セパレート』のネタバレがあります。

牧志 浩太

↑こちらのキャラ紹介は厳密には違います
お人好しで温厚、だが意思は強い好青年だったが……。
とある事情で二年より前の記憶の大半を失い、代わりに悪魔使い波照間紅の記憶を持っている。
首から胸へと続く奇妙な【契約】の痣がある。たまに痛むという。
生贄体質らしく、事件に巻き込まれることが多い。

佐倉とは友人。子供になってしまった佐倉と奇妙な同居生活をしている。


佐倉 光

↑こちらのキャラ紹介は厳密には違います
サマナーで悪魔退治屋。ハッカーでもある。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年。

とある事件で子供に戻り、そして元に戻れなくなってしまった。
記憶はそのままだが、子供としての感情や衝動に引きずられることがある。

牧志とは友人。


ブルセパやろうぜ
KP
今日のヤギさんの進行次第だけど、次は「夜は星を落とし易い」かな?
ブルースターズなんかは子佐倉だと楽しそうだけど色々無理があるんだよなぁw
牧志 浩太
ヤギなんですが、ここから色々あるので、スピード感にもよるけど今回だけでは終わらないかもしれません。
KP
おっと。色々あっちゃうのかー。
牧志 浩太
スピード感と進み方次第かな、と。
そう、子供佐倉さんチームでブルースターズセパレートは面白そうだと思ってました。
KP
敵の動きに大分無理が出るけど。
まったくおとなしくしてないKPC が子佐倉だったら楽しそうだなーとは思うんですよね。
牧志 浩太
そうそう。子佐倉さんの大暴れ! 
どれくらい改変okか次第ではあるけど見たい気がする。
KP
心配して助けに行く牧志のパパムーブが見られるんです!?
牧志 浩太
見られるんです!
KP
レッド次第ですねー。
場合によっては悪魔の力とかごにょごにょして見た目誤魔化してやるという手も。
牧志 浩太
それも面白いかも。いつも使えると子供状態の面白みが減っちゃいますが、何しか頑張って今回だけなんとかした! とか。
KP
今回の佐倉に〈精神分析〉盛ったように、『「変装」悪魔の力でちょっとのあいだなんとかする』というのもまあアリ……便利すぎになるな。
牧志に憑依させた悪魔の力みたいに、不定の狂気とセットで出たり消えたり揺らぐのもイイかな。
それで何とかなるかどうかレッド次第なので、ちゃんと読み直してからになりますけど。
牧志 浩太
ですね。安定しないとか代償があるとか。毎回偽装できちゃうと子供状態のアレコレ楽しめないし。
KP
偽装できるなら偽装するもんなぁ、普通に。
牧志 浩太
そうそう。いつも偽装できたらそのまま暮らしそうだし。
KP
ブルセパ遊んだことがあるならご存知でしょうが、敵キャラが大分やべーやつになりますね。
牧志 浩太
なりますねぇ。
でも面白そう。すまねぇ敵さん。
KP
レッドは子供でも問題なさそうですね。
牧志 浩太
おお。
KP
いけるんじゃないかなw
敵への突っ込みどころ満載になるけど。
牧志君にいっぱい突っ込んで貰おう。
牧志 浩太
わーい。ぜひやってみたい。
牧志のツッコミが光る!

牧志 浩太
子供佐倉さん&牧志ちーむ初めてだし、例によってシナリオに入る前にそれからの二人の生活を描写するのがいいかな?
KP
ですねー

なんだかんだで、『こどもぱにっく』事件で子供から戻れなかった佐倉、というチームで遊んでみることになりました。


ブルー・スターズ・セパレート
松葉 様 作


KP
あなたはここ一週間同じ夢を見続けている。
延々と水の中を沈み続ける夢だ。
牧志 浩太
沈んでいる。
水の中を、ずっと。
苦しいだろうか。手を伸ばしたりしただろうか。
KP
それ以上に何かがあるわけでもなく、ただただ水に沈みゆく。
指一本動かすこともできず、水圧を感じる。
呼吸できている感じもなく、苦しいと思うのに、あなたは溺れることもなくただただ苦しさを感じ続ける。
あなたは背を下にして沈んでいるようだ……
水面がどんどん遠ざかっていった。
牧志 浩太
苦しい。苦しい。苦しいと思うのに、手を伸ばすこともできず、もがくこともできない。
意識を失うこともなく、意識だけが離れていく水面を求め続ける。
帰りたい。帰りたいと思うのに、指が動かない。離れていってしまう。
KP
「おーい。
おーい、おいってば」
佐倉 光
「起きろよ!」
牧志 浩太
「うわっ。
うわっ、えっあっ、あれ? 佐倉さん?」
突然引き上げられた意識に混乱する。俺は帰ってきて、えっ?
牧志 浩太
「あれっえっ、佐倉さん? 佐倉さんで合ってるんだっけ? だよな?」
佐倉 光
「何言ってんだよ。俺は俺だよ。
ちょっと寝過ぎじゃないかな。もう昼だぞ」
牧志 浩太
「えっ、もうそんな時間か!?」
枕もとのスマートフォンをひったくり、時間と曜日を確認する。
KP
昨日はそういえば二人でゲームして夜更かしをしたような気がするが……
佐倉がいつまでもゲームをやめず、鳥が鳴き出すような時間まで遊んでいた、気がする。
牧志 浩太
「うわ、本当にもう昼だ……」
佐倉 光
「もう。俺の身長だとメシ作るの大変だから、手伝ってくれよ!」
牧志 浩太
「ごめんごめん。高さあるもんな、キッチン」
寝すぎた後の気怠さを払い、キッチンへ向かう。
KP
ホットケーキの種を作るところまでは頑張ったらしい。
しかし野菜をカットするための包丁を出そうとしたところでまな板に手が届かなくて挫折したようだ。
佐倉 光
「踏み台買おうぜ~。
不便でかなわん」
牧志 浩太
「あー、だな。ついでに脚立も買おうかな。あれ、ホットケーキの種?」
佐倉 光
「食いたいんだもん」
牧志 浩太
「ああ。分かった分かった」笑ってはいけないと思いつつも、そんな所を見るとつい笑ってしまう。
KP
こう見えて、佐倉は今、あなたよりひとつ年下だ。
明日にはふたつ年下になる。
だが見た目はどう見ても幼稚園児か小学校低学年だ。
こうなってしまったのは、ちょっとした事故で若返りの酒を呑んでしまったからだった。
呪いか魔術の品だったらしいが、それを作った人間は行方不明になってしまい、どういった魔法がかかった品だったのかすら今となっては分からない。
ここの二人は、佐倉が子供になってしまう事件『こどもぱにっく』が起きた時に、大人に戻れなかったルート、という想定です。
牧志 浩太
あれから、俺達は一緒に暮らしだした。
この姿の佐倉さんが一人で暮らすのは何かと大変で、それなら俺が保護者ってことにして一緒に暮らそう、ということになった。
牧志 浩太
……まあ、その時にもちょっと、いや、盛大に色々あったんだけど。
小さな佐倉さんの手足がみるみるうちに水膨れと引っ掻き傷だらけになっていく姿は、もう見たくない……。
KP
ああー。
順番的にそんなことになるんだ。
牧志 浩太
俺を保護者にするまでのあれこれは、佐倉さんの得意なハッキングと、佐倉さんの伝手でなんとかしてもらった。
今の佐倉さんは随分と集中力がなくなってしまっていて、やりおおせるまでには結構な時間がかかったけど。
KP
佐倉自身はというと、大して気にする様子もなかった。
むしろ若返ったことで学び直したり子供時代を楽しんだり、子供と侮ってくる相手を騙すのをおおいに楽しんでいる。
指が短くなったり集中力が落ちてしまったぶん、ウイルスや悪魔を作って暇つぶしをすることが増えた。
牧志 浩太
ああー、それで技能値。
KP
なのです。
子供佐倉は〈コンピューター〉〈ハッキング〉の技能値が減少し、代わりに〈ウイルス作成(悪魔合体)〉が伸びています。
牧志 浩太
佐倉さんは佐倉さんだ。でも、不意に子供っぽい所が垣間見える時が増えて、つい微笑んでしまう。
そういえば、学校にも行きだしたんだっけ?
KP
行ったら行ったで、嬉しそうにしていたのは一週間ほどで、早々に「退屈だ」とぶーたれていたが。
佐倉 光
「さすがに小学生からやり直しはさー、つれーんだよ」
牧志 浩太
「無理もないよな。足し算引き算からやるんだろうし」
佐倉 光
「ずっとノートにプログラム書いてる。
スマホくらい持ち込んでもいいだろうが……
腕輪もダメだっていうんだぜ!?」
牧志 浩太
「何かもうちょっと隠し持てるような形に改造してもらえたら、いいんだけどな。今COMP使えないから、あっちの伝手も頼れないんだろ?」
佐倉 光
そーいやCOMP使えないんだった。
佐倉 光
「ちょっと若返ったくらいで酒場に入れないのどうかとおもう」
牧志 浩太
「うーん、間違ってはないかな」
牧志 浩太
「あ、でも高学年になったら勉強用のタブレットが配布されるって言ってたよ」
佐倉 光
もう見た目は子供頭脳はおとな! で探偵やるしか。
怪異関係の探偵か。かっこいいな!
牧志 浩太
かっこいいな!! そういうシナリオもありますしね。
佐倉 光
「とにかく、包丁とまな板取ってくれよ」
牧志 浩太
包丁と俎板を手に取って…… 思案。
KP
佐倉の指は短く、元々なかった筋力は更に弱体化している。
KP
そういえば肉体系の能力さがるんだったなー。
牧志 浩太
【STR】が3になってましたっけね。
牧志 浩太
「まだ踏み台ないし、大変だろ。切るのはやるよ」
言いながら、さっと野菜を取って軽やかに切っていく。
佐倉 光
「あっ……」
牧志 浩太
「包丁も大きいしな。小さい包丁と俎板と、あと踏み台か。結構買う物多いな」
佐倉 光
「まあ、いいけどさ……」
KP
佐倉は皿を並べ始める。
牧志 浩太
何となく最近の牧志は、あなたが大変そうにしていることを横から手伝ったり、危なげなことをさっと取っていくのに慣れてきた気がする。
佐倉 光
俺、20歳なんだけどな。
牧志 浩太
「ありがとう。あー、野菜炒めでいい? ホットケーキにはメープルかける?」
佐倉 光
「かける」
メープルはどこにあったかな。棚の上か……
背伸びしたら届きそうだ。
手を伸ばし、棚の上に向かって伸び上がる。
佐倉 光
あと、すこ、し!
牧志 浩太
野菜と熱された油が絡み合い、胡麻油のいい香りがしてくる。
「あ、メープル?」
ひょいとシロップの瓶を取って渡す。
佐倉 光
「あっ」
牧志 浩太
「?」
佐倉 光
「ああ……サンキュ……
チビだもんな俺」
牧志 浩太
「あ、ごめん……。自分で取るつもりだったのか」
佐倉 光
「いいよ別に。大変だったのは確かだし」
牧志 浩太
こういう所でひょいと取って渡せてしまうのは、逆に子供ではなく「佐倉さん」として見ているからかもしれない。自分でさせるべきとか、そういうものがない。
佐倉 光
なるほど
佐倉 光
理屈では、分かる。
自分は子供だ。力も身長も足りない。大人の力を借りる必要がある。
だからって面白くないな、という気持ちが消えるわけではないのだ。
牧志 浩太
何となく気まずい雰囲気と、不一致な佐倉さんと自分の背丈。
「……後で脚立と踏み台、買いに行こうか。あと低い棚も買おう」
佐倉 光
「棚はいいだろ……踏み台があればさ。
どーせ俺すぐ伸びるもん」
牧志 浩太
「そうだな。じゃあ踏み台くらいにしとくか」
KP
機嫌が悪い。
佐倉は子供になってから、感情のコントロールが前ほど効かない。
年相応になっている、というのだろうか。
欲望や興味に引きずられることが多く、感情の起伏が激しくなっている。
あなたから見てくだらないことで、気分を害したり膨れたりすることも多い。
牧志 浩太
そういう様子を見ていると、気まずかったり戸惑ったり、心配になったりする。
俺の方も慣れてないみたいだ、今の佐倉さんをどう見ていいのか。
佐倉さんの周囲を新しく取り巻くようになった人たちは、そんなこと知る由もなく、佐倉さんを子供として扱う。
俺にも、子供の保護者としての立ち位置を求めてくる。
そういうものを忙しい日々の中でさばいていると、偶に呑まれそうになるんだ。
佐倉さんは、佐倉さんなのに。
KP
あなたには、時折、『光には素直さが足りない』だの、『大人の話に口を挟む』だの、『話題が物騒だ』などといった苦情が舞い込む。
佐倉はある程度子供を偽装して過ごしているはずだが、それでもやはり漏れるものがあるらしい。
牧志 浩太
そんな時だけは俺も内心に怒りを込めて微笑みながら、「この子の性格を大事にしてあげてほしい」だとか「賢い子供だから」とか、「年頃の男の子はそんなもの」だなんて、使ったことのない奇妙な言葉で返すのだ。

……ちょっと透けてる気もするな。佐倉さんに迷惑がかかってないといいんだけど。
俺が迷惑かけてないか心配になって、偶に佐倉さんに何度も聞いてしまう。
牧志 浩太
佐倉さんが佐倉さんであることに文句をつけられると、つい怒りがでちゃいそうになる牧志でした。
佐倉 光
複雑。
「どんな教育してるんですか」とか言われたら一悶着おこりそう。
牧志 浩太
佐倉さんに迷惑をかけたくないので喧嘩はふっかけないけど、内心大いに怒りながら笑って受け流す。
偶に牧志が内心めちゃくちゃ怒ってるのを察してしまう人がいそう。

牧志 浩太
気まずい空気を感じながら、ホットケーキをフライ返しで翻し、野菜炒めを皿に盛る。
KP
佐倉はカトラリーを出して、それぞれの席に配置する。
コーヒーマシンはもうすっかり味噌汁製造機だ。
冷蔵庫から牛乳を引っ張り出して、コップに注ぐ。紙パックがふらふらと危なっかしい。
牧志 浩太
さっきそれで不機嫌にさせてしまったことを思い出し、出そうになる手を引っ込める。自分の分の麦茶をカップに注ぐ。
佐倉 光
「よしっと」
少し零した。
ティッシュでささっと拭いて捨てる。
牧志 浩太
「よし、上手に焼けましたっと。頂きます」
佐倉 光
「いただきまーす」
メープルシロップをかけて幸せそうにホットケーキを頬張る。
牧志 浩太
焼きたてのホットケーキは美味しい。目の前で幸せそうに頬張っている姿を見ると、余計に美味しくなる気がして笑みが漏れてしまう。
KP
もはや、彼が大人だった頃の姿とはほとんど重ならないような、ただの子供の姿がそこにあった。
牧志 浩太
「美味しい。焼き菓子って、焼き立てに勝るものはないよな」
佐倉 光
「牧志うまいよなー、ホットケーキ焼くの」
牧志 浩太
「昔、こういうのよく焼いててさ。家に小麦粉が置いてあったから」
佐倉 光
「俺もうフライパン持てねーからな」
佐倉 光
「重すぎて」
牧志 浩太
「大きいもんな、フライパン。卵焼き用のやつなら小さいの見るんだけど」
牧志 浩太
「まあでも、すぐだろ。中学校くらいになったら背丈なんて、一気に伸びるだろうし」人による。
佐倉 光
「だといいけど。
身長低いのはマジで不便」
牧志 浩太
「色々届かないもんな。前は俺の方が低かったのにな、背丈」
ケンカの予定
佐倉 光
この日の夜にケンカをすることになります。
夜遅くまでウロウロしてやろうかな。
牧志 浩太
いいですねぇ。めちゃくちゃ心配しそう。
佐倉 光
明日は牧志の誕生日だ。どの誕生日にする?
よし、じゃあプレゼント捜しに行って遅くなろう。
夢中になりすぎて連絡忘れてしまおう。
牧志 浩太
牧志が心配のあまり怒っちゃうかもしれない。
そうなるとやっぱり牧志自身の誕生日ですかね。
誕生日に喧嘩してしまうっていう。
佐倉 光
誕生日前日ですね!
牧志 浩太
前日か!

佐倉 光
「今日俺出かけるから」
牧志 浩太
「出かける? うん、分かった。どこに?」
佐倉 光
「ちょっとショッピングモールまで」
牧志 浩太
「俺も行こうか」
佐倉 光
「いや、一人でぶらぶらしたいんだ。
ゲーセンでしばらく遊ぶつもりだしさ」
佐倉 光
(アンパンマンの映画観たいなんて言えるかよ)
牧志 浩太
「そうか。ここ最近、俺か誰かと一緒ってことが多かったもんな。
いつごろ帰る?」
どこに行って、何時頃帰るのか。そういうことを自然と聞くようになっていた。
佐倉 光
「終った時に電話するよ。
メシはこっちで適当にやるから気にしないでくれ。
たぶん七時頃には戻れると思うんだけどさ」
牧志 浩太
「……分かった」
ふと、前はなかった心配そうな色が、眼に覗く。
佐倉 光
「……大丈夫だって……
ちゃんと連絡するから」
佐倉 光
映画観た後で牧志へのプレゼント探すつもり。
晩ご飯はマックあたりで済ますつもり。
牧志 浩太
つもり。
牧志 浩太
「ごめん。今の佐倉さんCOMPも使えないだろ、心配でさ。ブザー持った?」
佐倉 光
「ああ……あるけど。
要るかなこんなの?」
女の子ならともかく、男だしなぁ。と言いたげだ。
佐倉 光
男なら安心って事もないし、佐倉の場合普通に大金使えるから危ないぞ。
牧志 浩太
「後ろから抱えられたりしたら、声も上げられないだろ。
大体俺達、子供じゃなくても普通に連れ去られたりしたじゃないか」
佐倉 光
「あー、まあね、あったね、そんなことも」
牧志 浩太
「……俺の分も買おうかな、踏み台買いに行くときに一緒に」
佐倉 光
「心配性だなぁ」
牧志 浩太
異変相手じゃブザーがあっても意味がないけども。
佐倉 光
大体前触れもなく瞬時にだし。
まあ「ヒナドリ」事件みたいなのは防げるかもしれん。
牧志 浩太
「心配性にもなるんだよ。まあ、でも、何だろうな、ちょっと呑まれてる自覚はあるよ。当然のように俺と佐倉さんを、周囲はそういうものとして扱ってくる」
佐倉 光
「ああ」
牧志 浩太
「佐倉さんの面倒を見て、心配して、何かあったら責任を取る人として見てくるんだ。……何だか、変な感じでいるよ、ずっと」ぽつりと声を洩らす。
佐倉 光
「俺はガキじゃないんだよ、牧志。
まあな、俺自身も体が小さいのはどうしようもないし……
ある程度は諦めるしかねーよな」
牧志 浩太
「知ってる。でも、佐倉さんの身体は小さくて、短くて、時々驚くくらい子供っぽくなるんだ。周囲から見たら子供に見えるんだよ、佐倉さん」
佐倉 光
「分かってるよ」
牧志 浩太
「……ごめん。しんどいよな、普通に」
佐倉 光
「こっちが世話になってんだから、どーこー言うことじゃないね。
あまりにもしんどいと思ったら言ってくれていいぜ。
実家に帰らせて貰うからさ」
牧志 浩太
「それは嫌かな。大丈夫、俺はしんどくないよ。佐倉さんの方こそ、あまりしんどかったら言ってよ。
学校なんてやめてしまってもいいんだ。立場なんて誤魔化せばいい。
前と同じくらいに大きくなってから、行方不明になってたことにしてしれっと戻ればいい。
それなら、佐倉さんを見間違えないで済む」
佐倉 光
「学校一回やめると手続き面倒だからな。
そこまで世話かけられねぇよ。
とにかく行ってくるから」
食事を終えて、食器を片付ける。
牧志 浩太
「……うん。行ってらっしゃい」
食器を片付けて拭きながら、悔しそうに布巾を握りしめるのが見えた。
佐倉 光
「ま、中学くらいまで行けば面白くなるだろ……」
牧志 浩太
案外シリアスになる子供チーム。
佐倉 光
二人とも基本真面目だからな。
牧志 浩太
ですね。
佐倉 光
服を着て、外に出る。
車は使えないが、子供用パスが使えるから交通費は安いな。
KP
部屋の玄関で、黒いランドセルが揺れた。
KP
さすがに本気でアンパンマン観たいなんて事は何重にも恥ずかしくて佐倉には言えなかった。
別に大人が観てもいいと思うんだけどね。
牧志 浩太
大人がアンパンマン観てもいいよ!
牧志 浩太
学内連絡ポータルサイトに上がっていた不審者の話だの、誘拐事件のニュースだの、そういったものがぐるぐると頭を巡る。

……今の佐倉さんは小さくて、弱い。たまに、驚くほどに子供っぽくなる。
興味を惹かれる物に我を忘れてしまう。自覚してないみたいだけど、びっくりするくらい軽はずみになるし、思ってもない無茶をする。
……それでも、ただ弱いものとして見たいわけじゃ、ないんだ。
牧志 浩太
小学校って、驚くくらいやることが色々ある。
正直な所、忙しい。

忙しい日々の中でいつか、佐倉さんを見失ってしまうとしたら。
それがどうしようもなく、怖かった。
牧志 浩太
溜息をついて、脚立と踏み台と小さなフライパンを買いに行こうと、車を出して出かける。
KP
そして……
時間は過ぎる。

KP
あなたが買い物を済ませて家に戻ったのが六時半。
佐倉からの連絡はない。
牧志 浩太
「……?」
連絡が、ない。こちらから数度、連絡を入れる。
「佐倉さん?」
KP
佐倉のスマートフォンは何度呼び出しても返事がない。
牧志 浩太
「…………佐倉さん?」
不意に、心配になる。忘れてるだけならいいけど、何か興味を惹かれる物があって、連絡のことなんかすっかり忘れてるだけなら、いいけど。
何か、あったんじゃないか。
KP
映画観るために音を消して、そのまま忘れてる。
KP
時間は過ぎる。
彼が予告していた夜七時を過ぎても連絡はない。
牧志 浩太
「くそ」
何か、あったんじゃないか。それこそ、後ろから抱えられて、声も上げられないうちにそのまま、なんて。

KP
時間は過ぎる。
時計は八時を打った。
メッセンジャーに既読がついた。
だが返事はない。
牧志 浩太
遅すぎる。いい加減閉まり始める店もあるはずだ。
居てもたってもいられず、車の鍵をひったくりショッピングモールへ向かって出発する。
スマートフォンを最大音量にしてドリンクホルダーに差し、急ぎ気味に走る。
KP
あっこれは行き違いになる。
牧志 浩太
おおっと。

KP
閉店間近のショッピングモールからは人が次々と出てくる。
もう開いているのは食事を提供している店くらいのものだ。
牧志 浩太
近くの店員を捕まえて、こういう子供がいなかったかと聞いて回る。
KP
さすがにそんなに目立つ格好をしていたわけでもない子供を、ノーヒントで覚えていられる店員はいなかった。
館内放送をかけたが、待てど暮らせど佐倉は戻ってこなかった。
牧志 浩太
「くそ、佐倉さん……」
焦る。焦る。焦りだけが強くなる。
何度も連絡を入れる。
KP
と、そこへ。
電話が鳴った。
牧志 浩太
「!」電話を取る。
佐倉 光
「牧志ー、出かけてんの?
こんな遅くになんかあったのかよ?」
牧志 浩太
「佐倉さん! 今、どこにいるんだ!」
思わず声を荒らげてしまった。電話口に向かって、怒鳴るような声になっていた。
佐倉 光
「えっ、家の前だけど。
鍵忘れちゃってさ。
入れなくて困ってんだ」
牧志 浩太
「分かった、今戻る」
電話を切り、すぐに家へ向かう。
牧志 浩太
寒い時期じゃなくてよかった。佐倉さんが家の前で立ち尽くしている姿を想像して、早く戻らなければという気持ちで一杯になる。
見つかってよかった。どうして連絡を入れてくれなかったんだ。
頭の中がめちゃくちゃになりそうだ。やっぱり一人で行かせたのは間違いだったんじゃなかったかなんで、そんな感情まで湧いてくる。
KP
で、スマホにめちゃくちゃ連絡入ってるのに気付いて「アチャー」ってなってる。
牧志 浩太
あーあ。

KP
帰宅すると玄関前に、ぽつねんと佐倉が座っていた。
佐倉 光
「何そんな焦ってんだよ。
まだ10時前だぜ?」
牧志 浩太
「佐倉さん!」
階段を駆け上がる。姿を見つけて、思わず抱きついた。
佐倉 光
「ってうわ!」
牧志 浩太
「なんで、連絡入れてくれなかったんだよ」
その小さな背を、強く抱きしめる。
佐倉 光
「いや、映画観てて音消したの忘れ……」
佐倉 光
「っていいだろそこは!」
牧志 浩太
「どうして遅れたんだ。どうして連絡を入れてくれなかったんだ。七時には戻るって言っただろ」
佐倉 光
「いやだって一時間しか遅れてなかったろ?
そんなのしょっちゅうじゃん俺」
牧志 浩太
「そうだな、行き違いになったのは悪かった。でも、それじゃ、何かあっても分からないんだよ」
佐倉 光
「いや、連絡しなかったのは悪かったけど。
そんなに怒ることないじゃん……」
牧志 浩太
「怒ってるか。俺、怒ってるか。そうだな、怒ってるかもしれない。
佐倉さん、自覚ないだろ。今の佐倉さん、周囲から見るとすごく小さくて弱いんだよ。この間も誘拐事件のニュースあっただろ」
佐倉 光
「……」
KP
小さい。弱い。そう言われた時、佐倉の顔が少し険しくなった。
牧志 浩太
「大人よりずっと標的にされやすいし、声も出せずに、誰にも気づかれずに連れていかれてしまうんだよ」
その声は少し震えていて、どこか厳しさを帯びて、知っている牧志の声ではないようにも聞こえた。
KP
この流れで実際に誘拐されるの、全面的に佐倉が悪くない?w
牧志 浩太
この流れで実際に誘拐されたら牧志の保護者ムーブが余計に強くなっちゃうんではなかろうか。
佐倉 光
失敗したかな? まあいいやw
佐倉 光
「俺そこまでマヌケじゃねぇよ」
牧志 浩太
「COMPも使えないのに? 俺への連絡だって忘れてたのに? 何かに夢中になってて、背後から襲われて、本当に気づける?」
佐倉 光
「……それは、そうだけど。
戻ってきただろ、普通に。
それになんかあったらあったで俺、自分の面倒くらい自分で見られるぜ」
牧志 浩太
「……どうやって?」
佐倉 光
「……非力なくせに、って言いたいのかよ。
非力だろうとガキだろうと、できることはある。あまり侮るな」
牧志 浩太
「……」
自分の胸をぐっと掴んで、深く数度、息を吸い、吐く。
「侮ってるか。俺、佐倉さんのことをそんなに侮ってたか」
佐倉 光
「ああ、だいぶね。
今日は俺、漫画喫茶にでも行くから」
牧志 浩太
「貸してもらえないだろ、一人じゃ」
佐倉 光
「……」
佐倉 光
「くそ、うるせぇな。とにかく今日はもうちょっと外にいる」
牧志 浩太
「分かったよ。俺の会員証持ってって」
佐倉 光
「いらねぇ。連絡はしてやる」
牧志 浩太
「……ありがとう。なあ、佐倉さん」
佐倉 光
「……
なに」
牧志 浩太
「もし、本当に何かあって、佐倉さんが本当に困るようなことがあったら。
それで俺の力を借りたくなったら」
牧志 浩太
「その時は言ってよ。前だって、それは変わらなかっただろ。
俺だって、困ったら佐倉さんに助けを求めるからさ」
牧志 浩太
「……それだけ」
KP
手をひらっと振って、佐倉は闇に消えた。
KP
別居前提のシナリオだから、子供ひとりで夜にいなくなるの難易度たっけぇw
佐倉 光
この年の子がひとりでウロウロしていたら通報ものだしなぁ。
牧志 浩太
なんですよねぇ。
牧志 浩太
まあそこはフィクション的都合のよさで。

牧志 浩太
「……そうか。侮ってたか……。そうだな、そうかもしれない」
牧志 浩太
「ごめん、佐倉さん」
牧志 浩太
ぽつりと呟いて、室内に戻る。追いかけたくなる気持ちを必死に堪えながら。
スマートフォンは最大音量のままにしていた。

KP
その夜、ぽつりぽつりと写真が送られてきた。
それはどこかのビルから撮った写真だったり、道の隅に寝ている猫だったり。
コメントも何も無く「自分は生きている」とだけ伝えるような写真。
おそらく、そのままいなくなる気はないのだ。
夜中散歩をして過ごすことに決めたのかも知れない。
牧志 浩太
「はは、猫か…… 可愛いな。ちょっと痩せてる」
ありがとう、というお辞儀のマークだけで返す返答。
牧志 浩太
そうだ、どうして忘れていたんだろう。小さかろうが非力だろうが、佐倉さんは、佐倉さんだ。
今は俺と一緒にいてくれているだけで、嫌になればいつでも、ひとりで闇に姿を消せるだけの、そんな、俺よりもずっと強くて場慣れしている、そんな佐倉さんだ。
KP
夜中2時頃に綺麗な月の写真が送られてきて、そこで連絡は途絶えた。
牧志 浩太
ああ、綺麗な月だな。佐倉さんも寝たのかな。
つとめてそう思いながら、寝床に入って目を閉じる。
本編見る!
牧志 浩太
これで佐倉さんが誘拐されて、でも黙っちゃいない! っていうのは、
どこか佐倉さんを「保護すべき弱い子供」として見そうになっていた牧志が相棒に立ち返れるいいタイミングかもしれない。

KP
目を開くと、いつも起きる時間より少し早かった。
家の中は静まりかえっている。
まだ戻っていないのだろうか。
牧志 浩太
「ふぁ、おはよう佐倉さん……、あ、いないのか」
牧志 浩太
そうか、昨日喧嘩して、出ていっちゃったんだっけ。
牧志 浩太
……本当に、佐倉さんには悪いことしたな。
俺だけは佐倉さんが子供じゃないって、知ってた筈なのに。
佐倉さんにとって、非力だとか弱いとか、そんなことは大した問題じゃないのに。
弱いものとして扱われるのがきっと嫌だろうってことくらい、知ってたはずなのに。
KP
あっ。夢のシーントバしましたわ。
回想で出そう。
やった気になっちゃってたわー。
牧志 浩太
牧志が「それどころじゃないんだけど!」って夢をスルーしてしまった。
KP
やだ、するーしないであげて!
牧志 浩太
顔を洗って、スマートフォンを覗き込む。何か連絡来てるかな。
KP
あの月の写真以降、連絡はないようだ。
もし寝てしまったなら、大体あと一時間もしたらいつも大体彼が起きる時間だ。
牧志 浩太
ふと心配になって、いけないいけない、と首を振る。
顔を洗ってキッチンに立ち、何気なく取り出したのはホットケーキミックスの袋だった。
それを仕舞って、一人だしパンでいいかな、とロールパンを取り出してバターを塗る。

使う人のいない踏み台が目に入った。
牧志 浩太
そういえば結局、小さな包丁も買ったんだった。俎板も、小さめなのを一式。
……どうして、「子供用」だって、自然に思ってしまえていたんだろう。
KP
『子供用』は、刃物の怖さを知らない子供のための商品なのだ。
知っている佐倉なら、ただ小さなもので良かったはずだったのだ。
牧志 浩太
偶に驚くほど感情に振り回され、我を忘れることがあっても。
佐倉さんは、物を知らない子供じゃない。……どうして、忘れかけていたんだろう。どうして、俺は。
牧志 浩太
「……怒ってくれてよかったな、佐倉さん」
そうでなければ、気づかない所だった。気づかずに、このまま。
牧志 浩太
佐倉さんを見失っていたんだ。
牧志 浩太
買ってきた子供用の包丁にチラシを巻きつけて、ガムテープで巻く。
「包丁」と大きく書いて、俎板と一緒に燃えないゴミの袋に放り込んだ。
KP
刃が潰された包丁の形をしたものは、ゴミ袋に収まった。

KP
ふと、今朝見た夢のことを思い出す。
いつもと同じ、沈んでゆく夢。
何もできず、ただただ水面から離れてゆく夢。
意味ありげなのに何も無かった、夢。
牧志 浩太
深い深い所へ沈んでいく夢を、もうずっと見ている。
一週間、もうずっとだ。
そうだ。あの夢が気にかかって少し不安定になっていたのだと、ようやく自覚する。
KP
今日は、その不安定さ故か。
夢がいつもと違っていた。
牧志 浩太
静まり返った独りきりの空間で、手持無沙汰に夢を思い出す。
どんな夢を見たのだったか。
KP
沈みゆくあなたの耳に、声が届いたのだ。
牧志 浩太
誰の、どんな声だったのだろうか。
KP
「一緒に行こう」
KP
その音は今までにないほどはっきりと、耳元で聞こえた。
KP
「私の運命の人」
KP
声は、男性の物だったような気がしたが、はっきり聞こえていたにもかかわらずほとんど記憶にない。
『はっきり聞こえた』という記憶だけがあるのだ。
その声が聞こえた時、あなたの体から最後の空気が漏れ……
あなたは暗闇に沈んだ。

リアルな溺れる感覚。
まるで現実のような苦しさ。
そして、耳元で聞こえた声は、確実にあなたに向けられた物だという確信があった。
聞き覚えもなく、強い執着を感じるそれは、あなたに危機感を抱かせるほどだった。

目覚めた時あなたは、ひどい不安に襲われただろう。《SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D2
牧志 浩太
CCB<=76 《SANチェック》 (1D100<=76) > 67 > 成功
[ 牧志 浩太 ]SAN 76 → 75
牧志 浩太
日記帳を開いて、夢のことと聞こえた声のことを書き留める。
それから、佐倉さんを怒らせてしまったことと、自分が佐倉さんをどう見そうになっていたのか、そんなことを、すべて。
牧志 浩太
夢の内容と佐倉さんを怒らせてしまったことを、交互に書きつける。
時折下線を引きながら書くそれは、反省で、自分への怒りで、刻むように書き留める誓いだった。

今度こそ、見失わないという誓いだった。
牧志 浩太
そうだ、今日の夢はどこか違っていた。
ただの夢だからといって蔑ろにするべきじゃない、そう教えてくれたのは佐倉さんだった。
牧志 浩太
もし、このまま佐倉さんが戻ってこなかったりして、佐倉さんのことを心配するとしても。
もし、本当に何かあって、佐倉さんのために俺が走るとしても。
俺のために、佐倉さんが走るとしても。
牧志 浩太
「子供」の手を繋いでいなければなんて、もう……、思いたくない。
牧志 浩太
もう、二度と。
KP
そんなことを書き綴って顔を上げると、一時間が経過していた。
相変わらず連絡は……ない。
牧志 浩太
「……佐倉さん、遅いな」
おはよう、と一言連絡を入れる。
KP
既読が、つかない。
昨日の雰囲気だったら、既読くらいはつきそうな物だが。
牧志 浩太
ふと心配になった。もしかして、タイミング悪く本当に何かあったんじゃないだろうか。
もう一度、連絡を入れてみる。
KP
既読が、つかない。
牧志 浩太
……行かせるべきじゃなかったんじゃないかって、そう思う心を打ち消す。
違う。それだけは間違っている。
牧志 浩太
「……」
まさか、本当に何かあったのか? タイミング悪く、本当に?
牧志 浩太
俺に考えさせるために、あえて既読もつけないようにしている?
これで俺が探しに来たら、本当にしばらく姿を消してしまうつもり、だとか?
牧志 浩太
でも。
もし佐倉さんが子供じゃなかったとしたら、どうしていただろう、俺は。
牧志 浩太
じっと、スマートフォンを見下ろして、考える。
KP
もし、大人の佐倉が音信不通になったら?
牧志 浩太
佐倉さんは、子供じゃなくて。友達で。
俺は少し不安定になってて、そのせいで喧嘩してしまって。
夜は連絡をくれていたのに、朝から、何も連絡がなくなって。
KP
連絡をする、と言っていたのに連絡が途切れたら。
牧志 浩太
……ああ、そうだ。
心配して連絡を入れて、きっと。
牧志 浩太
半日過ぎたくらいで、探しに行くんだ。
KP
かつて、互いにそうしていたはずだ。
何事もない、誤解だったなら、それはそれで笑って済ませて。
牧志 浩太
立ち上がる。ジャケットを羽織り、家の鍵と車の鍵を取って、ベルトポーチを巻く。その中に変わらない持ち物一式が入っていることを確認し。
互いにそうしていた。そうして、互いに互いを取り戻していた。
牧志 浩太
「佐倉さん」
牧志 浩太
探しに行こう。まずは、最後に写真が来た地点からだ。
KP
あなたは家を何時頃に出ようとした?
牧志 浩太
朝の十時頃。
KP
了解。

牧志 浩太
佐倉さん、佐倉さん。口の中で呟きながら、探し回る。
最近目に入っていなかった路地や通りは、佐倉さんとよく歩いた、見慣れた場所だった。
牧志 浩太
ああ、「佐倉さん、」と呼びながら、俺は。
いつから手を取るんじゃなくて、手を伸べようとしてたんだろう。
KP
佐倉の写真は、「自分が今どこにいるのか」を示す情報を意図的に映り込ませていた。
最後の月の写真ですら、公園の特徴的な時計が映り込んでいる。

写真の場所を追うと、彼は本当になんとなく景色の良さそうな場所をうろついていたらしい。
彼も彼なりに気持ちを整理しようとしていたのかも知れなかった。
牧志 浩太
その情報を追いかけていると、どこかパズルを解いているような気分になった。
……そういえば最近忙しくて、佐倉さんとパズルを解き合うこと、あまりなかったな。
KP
とくにその足跡が五芒星を描くようなこともなく……
住宅街の中にあるのどかな公園で足跡は途切れていた。
牧志 浩太
「……」公園の時計を見上げ、何かの痕跡がないか周囲を探し回る。
こういった子供を見なかったかと周囲に聞き込み。
佐倉さんが寝泊まりしたり、姿を隠したりした痕跡がないか調べ。
KP
東屋などもあり、ここで寝ようと思えば寝られる場所もある。
だがそこにも佐倉の痕跡はない。
公園にいる人々は、黒ずくめの少年を見てはいなかった。
牧志 浩太
連れ去られた可能性も考え、大きな車が停まっていた跡などがないかも調べる。
今の佐倉さんの大きさなら、乗用車でも連れていけてしまうかもしれないが……。
KP
突然、背後から遠慮がちに声をかけられる。
牧志 浩太
そろりと振り返る。
KP
それはあなたがさっき声をかけて佐倉の行方を訊いた、老夫婦だった。
「牧志さん、とおっしゃるのですか?」
二人は問いかけてくる。
牧志 浩太
「はい、そうですが……。何故、俺のことを?」
KP
「これをあっちの人からあなたに渡して欲しいと頼まれまして……」
老人があなたに真っ白な封筒を差し出す。
「あらら、いないわねぇ」
老婆が振り向いて呟いた。
「あなたの名前をご存知のようでしたし、お知り合いでは?」
牧志 浩太
「……ありがとうございます。どんな方でしたか」
KP
「黒い服の男の人でしたねぇ」
「ほら、丁度あなたくらいの年の」
牧志 浩太
「背格好は? どんな顔立ちでしたか?」
KP
「黒いマスクもしてましたね」
「ほっそりした若い方でしたよ」
牧志 浩太
「髪の色とかは」
KP
「黒かった……かねぇ」
「そうだったと思いますけれど」
牧志 浩太
「ありがとうございます。助かりました」
封筒を受け取る。
KP
「サングラスをしていたもので、ねえ、顔は良く分からなかったんですけどねぇ」
あなたの態度を見て、二人は少し不安になったようだ。
何度か振り返りながら立ち去って行く。
牧志 浩太
老夫婦が立ち去ってから、封筒の口を下に向けるようにして、慎重に封筒を開けて中身を確認する。
KP
封筒は無地だ。
宛名はなくのり付けされている。

逆さにして開くと、メッセージカードらしき白い紙がすとんと落ちた。
そして細かい物がパラパラと口から漏れて舞い散って行く。
封筒の中には何か柔らかいものが引っかかっている。
牧志 浩太
それに触れないようにして、それが何らしいかを視線で確認する。
封筒を切り、反対側からその柔らかいものを取り出す。
KP
舞い散った細かい物はどうやら細い紐……いや、髪の毛だ。
牧志 浩太
それは黒い髪だろうか。
KP
黒い。
牧志 浩太
髪質に見覚えはあるだろうか。
KP
子供になって以来細く柔らかく、黒さは少し薄くなったものの、見覚えのあるものだ。
封筒に入っていた柔らかいものは、それを一房、細い紐でくくって纏めた物だ。
牧志 浩太
「…………!」
行かせなければよかったんじゃないか、そんな感情が一瞬過って、違う! と、打ち消す。
行かせるとか行かせないとか、そんなの俺が決めることじゃない!

メッセージカードを拾い、表側と裏側を確認する。
KP
表には雑な字で、ランダムな文字の羅列が書いてある。どうやらSNSのアカウントらしい。
裏には何も書いていない。
牧志 浩太
周囲を一度見回し、誰かの視線がないか確認する。
KP
周囲に人はいないようだ。
こちらを伺うような視線も感じない。
牧志 浩太
微かに震える手で、そのアカウントを確認する。
KP
新しく作られたばかりで、メッセージも何も無く、画像なども貼られていないアカウントが見つかった。
ここに連絡をしろ、ということだろうか。
牧志 浩太
SNSを開いて新しいアカウントを作り、そのアカウントでそこへメッセージを送る。
「封筒は受け取った。どうすればいい」
KP
するとすぐにフレンド申請の通知が届いた。
牧志 浩太
申請を受理する。
KP
映像つきの通話がかかってくる。
牧志 浩太
「……」一度深く息を吸い、吐いて、カメラを手で覆いながら通話を受ける。
KP
ピコ、と腹が立つほど脳天気な通話開始音が鳴る。
目深に被ったニット帽と鼻まで隠された布によって目元だけが見える状態のほぼ覆面の人物がそこにはいた。
体格などから、それは男だろう、と見て取れる。
また、あまりにも男がドアップになっているため背景は見えない。
牧志 浩太
「……」じっと、相手の出方を見る。
KP
「ようやく連絡がついて良かったよ、牧志浩太くん」
覆面の男は開口一番そう話す。
牧志 浩太
「知っているんですね、俺の名前」
その声に聞き覚えはあるだろうか。
KP
まったくない。
牧志 浩太
つとめて冷静になろうと息を吸い、吐きながら、無意識に男の眼を睨んでいた。
KP
あなたの言葉を無視して男は話し続ける。
「我々は依頼されてこうして君に連絡を取っている。
さて、とりあえずこれを見てほしい」
そう言って覆面の男が画面の端に動く。
牧志 浩太
「……」身構えながら、画面を睨む。
KP
急速に開けた映像の真ん中、床に座らされている佐倉の姿がそこにはあった。
すぐ隣に立つ別の覆面の男が佐倉の顔の前にナイフを向けている。
牧志 浩太
佐倉さん、と呼びそうになった。声が出そうになった。
咄嗟に唇を噛みしめる。唇から血が流れ落ちた。
KP
見覚えのない部屋で、佐倉は腕を後ろに回され、縛られているらしいことが分かる。
画面にはそのほかに、黒服にマスクをした男が5人ほど。
佐倉の視線はナイフに集中しているようだ……
牧志 浩太
出そうになる声を必死で押し殺す。何が望みだ、などと聞くことに意味はない。
KP
「君の可愛い息子の身柄をこうして預からせてもらった。
無事に返してほしければ我々の指示に従ってもらおう」
佐倉 光
「……ハァ?」
KP
佐倉の声が聞こえた気がした。
牧志 浩太
くそ、と悪態を漏らしそうになった。押し殺す。情報を与える必要はない。
KP
「なに、簡単な頼み事だ。
しかし事情があって君にしか頼めない、それだけだ」
男はあなたに話し続ける。
「君が大人しく依頼を受けてくれるなら君の息子は助かる。
実に簡単な仕組みだろう?」
牧志 浩太
佐倉さん。まだ生きているんだ。生かされて、いる。
牧志 浩太
「……くそ……。分かったよ。話せ」
KP
「君にはとある場所にいってとあるものを置いてきてほしい。
場所と物は追って指示を出す。このアカウントからね。
あとは指示を待て」
牧志 浩太
「分かった。彼が生きていることを、指示の度に俺に伝えろ。
彼を殺したら、俺は金輪際従わない」
KP
男は笑っている。
「それは君の態度次第だ。
君の可愛い息子の運命は君にかかっていることを、どうか忘れないでくれ給えよ?」
男は楽しそうに笑う。
「そうだな……ほんの少しなら会話させてあげようじゃぁないか」
牧志 浩太
その笑い声に対して沸々と湧いてくる怒りを、自分の無力さに対する怒りを、唇を噛んで押し殺す。
そんなことを、考えている場合じゃない。
佐倉 光
「俺の親父はそいつじゃねぇぞ。
知らねぇよそんな男」
佐倉 光
「……」
KP
佐倉はそれだけ言って顔を背けた。
牧志 浩太
「無駄だ。把握されてる、きっと」
KP
佐倉はあなたの言葉を無視して、男達に文句を言っている。
佐倉 光
「お前らのせいでヒランヤ落としたじゃねーか」
牧志 浩太
その声に耳を澄ませる。
佐倉 光
「大事な物なんだぞ、あれは!」
佐倉 光
「ったく、金木通りはゴチャゴチャして」
牧志 浩太
声を、内容を、頭に刻み込む。
KP
佐倉の顔にナイフが押し当てられた。
「子供を痛めつける趣味はないんでねぇ、余計なことは」
KP
ガブゥ
佐倉がナイフを持った手に噛み付いた。
KP
「いてぇ!?」
牧志 浩太
「佐倉さん!」
思わず声が出てしまった。
KP
佐倉を押さえていた男の手が緩み、佐倉は縛られたまま転がって男達の手を逃れる。
そして短い足が翻って、捕まえようとした男の股間を蹴り上げるのが見えた。
KP
「ギャー何だこのガキ!」
「~~~~~~~!!!!!」
「バカ、さっさと捕まえろ!」
「こいつすばしっこいよ兄貴!」
「いや危ない! こら、お兄さんのナイフを取るんじゃない!」
牧志 浩太
画面の向こうで暴れているのが、もはや子供には見えなかった。
佐倉さんだ。俺が知るままの佐倉さんが、そこにいる。
必死に抗い、俺に情報を伝え、切り抜けようとしている!
KP
「お前らガン首揃えてガキ一匹捕まえられないのか! おとなしくさせとけ!」
後ろで暴れ回る小猿か猫のような黒い生き物をドタバタと追い回す男達の姿は、覆面男のドアップで隠された。
「さっき言ったとおり!
可愛い? 凶暴な? 息子を返して欲しければ、おとなしく指示に従え!」
「あっ、痛いよ兄貴!」
「警察に連絡でもして見ろ、このガキ絞め殺すからな!」
「子供殺すのはちょっとー」
「うるせぇ黙れさっさと捕まえろ!」
牧志 浩太
「分かったよ、従ってやる。
誰を敵に回したか思い知るといい」

画面の向こうに、ニッと笑ってみせた。
己を鼓舞するように。
KP
「それから、人質がおとなしくしているのを祈るんだな!」
男は後ろをちらりと見ようとして……
その頭がガツンと画面にぶち当たって通話が切れた。
牧志 浩太
……直接渡しに来たくらいだ、俺の動向は把握されてる。
警察か先輩達に連絡を取りたい所だが、きっと許して貰えないだろう。

指示っていうのも、きっと碌なことじゃない。
こういうので本当に無事に帰す保証などない。誘拐された子供の生存率は低い。
いくら佐倉さんが素早くて頭が回っても、相手の人数が多すぎる。
牧志 浩太
考えろ、牧志浩太。どうする。
考えろ。
これまでだって、ずっと、そうしてきた。
牧志 浩太
……ガキでも非力でも、できることくらいあるって、本当だったな。
俺は随分、佐倉さんを侮ってしまっていたみたいだ。
KP
佐倉が言った「金木通り」は、あなたがいつも通学で使う道だ。
牧志 浩太
まずは指示の合間を縫って、その通りを当たってみよう。
牧志 浩太
無事に合流したら、みっともなく泣いて、それで。
牧志 浩太
手を繋ぐんだ。今度こそ。

KP
本日はここまで!
牧志 浩太
お疲れ様でしたー!
KP
【STR】3でも急所攻撃は痛い。
牧志 浩太
「ガキでも非力でもできることはある」を見事に証明してみせた佐倉さんでしたね。
自覚なく変化してしまっていた牧志が相棒に立ち返るという、美しい話になりそうな気配。
KP
気配!
このシーン子供の大暴れだと面白そうだなーって思ったんですよねー
牧志 浩太
だがしかし大ピンチなのは変わらない! 佐倉さんは【CON】が低い!
KP
【CON】もさがってましたねたしか。
牧志 浩太
確か【CON】は下がってはなかったような?
KP
あれ、そうだっけ。
牧志 浩太
【STR】-3、【SIZ】-6ですね。
KP
まあさがってなくても所詮6!
SIZ8だ。ちっさい。
牧志 浩太
そう、持久力がないのは変わらないので、佐倉さん一人だといずれ息切れしちゃう。
KP
口車は使えるもん!
牧志 浩太
口車と素早さと回る頭で抵抗する佐倉さんと、佐倉さんを奪還すべく奮闘する牧志、という綺麗な別行動の構図でもあるんですよね。
佐倉さんがあそこで抵抗したことで、牧志の眼には今度こそちゃんと佐倉さんが見えた。
KP
このちっちゃな子供にネット環境にあるPCを触らせたら何が起こるか、想像もつかないだろうな!
牧志 浩太
おっ、佐倉さんのフルパワーが発揮されるぞ。
KP
まあ実際攫われているわけで、牧志の心配は正しかったんだけどな!
牧志 浩太
なんですけどね! でも、「できることはある」を見事に証明してみせた流れがあまりにも美しくて。
「保護下にある子供」を心配するのと、「音信不通になった佐倉さん」を心配するのとではやっぱり違うんですよ。
KP
たしかに。
牧志 浩太
「行かせなければよかった」は前者の感情ですからね。
KP
心配のあまり親ムーブになってしまう牧志が新鮮。
牧志 浩太
これは新鮮でしたね。それからああいう喧嘩の仕方するのも新鮮だった。
KP
佐倉は佐倉で、自分が思っているほど自分は動けるわけじゃなくてやはり助けは借りるべき、ってのが分かるとイイネ!
KP
もう思い知った気もするけど。
牧志 浩太
互いに「今の形で」「相棒として」もう一度、手を伸べるのではなく、手を取れると美しい。
KP
ですねー!
これはこれでシナリオといい感じにシナジーありそう。
牧志 浩太
ですねー、まさかこうなるとは。
KP
ドタバタ楽しい。
牧志 浩太
あと、正面から喧嘩するのって初めてでその意味でも新鮮。
KP
そしてオープニングが思った以上にシリアスになって、「あれ、これからコミカル展開……いける?」と少しおもった!
こっちのケンカはスムーズでしたね!
牧志 浩太
そう、魔きしチームより軽い感じと思ったら案外この二人も抱えていた。
KP
その辺ぱーっと吐き出して明るくなる話になるんだ!
牧志 浩太
なるんだ! 今の形の相棒に!
弱くて小さくて感情に振り回されてしまう佐倉さんを目にしたことと、立場をこなすので精いっぱいの忙しい日々で。責任感と心配と立場に呑まれてしまったんだろうなぁ、牧志。
KP
多分子供になっちゃってまだ間がなかったから、二人とも探り探りでストレス溜めてたんですよ。
佐倉も「変化を受け入れる」のは割と得意なのに、自分が変わってしまったことにはなかなか慣れなかった。
牧志 浩太
そうそう。二人とも探り探りだった。
しかも佐倉さんに対して「弱くて何もできない」は鬼門だったから余計に。
KP
感情が暴れるようになっちゃったから、理性だけで解決できなくなっちゃった!
牧志 浩太
でもそのおかげで盛大にぶちまけることができた!
KP
あれは大分本気で怒る一言でしたね。
牧志 浩太
それをまさかの、唯一自分が子供ではないことを知っているはずの牧志に放たれたのは大きかったでしょうね。
KP
かつての自分を知ってくれているはずの人にそれ言われたら、つらいなぁ。
牧志 浩太
誰も彼も自分を弱いものとして扱ってくる世界で、唯一かつての自分を知っているはずの牧志にそれ言われたら、そりゃ怒るし辛いんですよ。
KP
自分が弱い存在になったなんて受け入れがたくて、認めたくなくて葛藤してる最中に。
変化を利点と気付くきっかけに……なるか?
牧志 浩太
しかもこの流れだと、意図してこうなったわけではないですしね。
KP
そう、あの事件の首謀者が何処とも知れない場所で死亡し、手がかりも残っていなかった想定です。
牧志 浩太
望んでそうしたんじゃなく、弱くてままならない形のまま取り残されてしまったような状態なわけで。
そこで唯一かつての自分を知っていたはずの牧志にそれを見失われてしまったら。
KP
そんなに不満があるわけじゃないけど、「戻れるなら戻りたい」と思うこともあるでしょう。
ここの二人も意外と悩み深いぞ。
牧志 浩太
独りで出歩いていて通報されちゃった時とか、高い所に手が届かなかった時とか。戻れるなら戻りたいと思うタイミング、ちょこちょこありそう。
ここの二人はコミカルと思いきや、意外と根深いものを抱えてた。
KP
前の佐倉ならそういう状況も利用することができていたのに、今の佐倉はそれが素直にできない状態。
子供と侮られたら、侮りを利用するのではなく、そのことに怒ってしまう状態。
だいぶらしくないな。
牧志 浩太
だいぶらしくなくなっちゃってるなぁ。
利用してしまえばいいってことを引き出していって、互いに立ち位置を利用できるいいコンビになれるといいな。
そのためにはまずは目の前の大ピンチを切り抜けねばなりませんが!
KP
がんばろう。
牧志 浩太
がんばる。
KP
次回は金曜日かな。
牧志 浩太
ですかね、明日は狂気山脈だし。
KP
では、また次回!
牧志 浩太
ありがとうございました!
KP
ありがとうございましたー!

コメント By.KP
佐倉を子供扱いしてしまう牧志、自分が子供であることの自覚が足りない佐倉。
子供に戻ってしまった佐倉との生活は牧志を少しずつ追い込んでいた。
そんなときに佐倉がいなくなって……

子供に戻ったままの佐倉とそれに振り回される牧志のチームも楽しそうなので別枠で遊んでみよう、ということになりました。
ブルー・スターズ・セパレートは、エモもなく明るく遊べるバディ向けシナリオです。
KPC子供にしちゃったら色々無理があるよなぁとは思いましたが、ドタバタの雰囲気と合ってるのでやってみたかったのです!
基本外伝はネタ枠ですからね、いまのところ!

TRPGリプレイ【置】CoC『夜は星を落とし易い』 牧志&佐倉 3

「……無理強いはやめてほしいな、そういうの」

TRPGリプレイ CoC『Switch!』子供佐倉&牧志 2

「高度に発展した科学は魔法と変わらないなんて言うけど、高度に発展した魔法はどうなんだろうな」
「割と興味あるテーマだけど後にしようぜ」

TRPGリプレイ【置】CoC『忌胎』 佐倉&牧志 4

「どうして、こんな夢ばかり見るんだろうな……」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


TRPGリプレイ【置】CoC『青白い馬』 波照間&東雲 1

「随分、静かな夜ですね」

TRPGリプレイ CoC『VOID』継続『やさしい朝をくださいね』春&田尾 1

「こーいうのは誰かに肯定されて初めて、それに価値を認識し始めるものなんだから」

TRPGリプレイ CoC『心臓がちょっとはやく動くだけ』唐木&横瀬

『心臓がちょっとはやく動くだけ』
唐木&横瀬