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こちらには『蒼天のシラユリ』
ネタバレがあります。

本編見る!
こんばんは
佐倉 光
ズザーーーー
KP
こっちこっち
八重山 アカネ
ウオーーーッ(こんばんは)
裾丸
こんばんは!
エミーリア
は!
KP
曲者っ!
エミーリア
曲者である忍者をヒーローにすることにより
KP
それじゃお時間なので2クール目開始いたしまーす
エミーリア
お願いいたします
八重山 アカネ
よろしくお願いしまーす!



夏なんて嫌いだった。

何処も彼処も暑くて、
汗だくになって、気持ち悪いから。

夏なんて最悪だった。

このクソな環境で死ぬ気で頑張れなんて、
ふざけるなという感情しかなかった。

でも、その夏も、もうすぐ終わる。
あんたと過ごした最後の夏が終わる。

夏なんて。
夏なんて、好きになんかなりたくなかったのに。


クトゥルフ神話TRPG

「蒼天のシラユリ」 chapter2


エミーリア
みんなクソしか言わない
八重山 アカネ
状況がクソだからしょうがない
夏ーッ!
一瞬不穏なBGMが流れたぞ
KP
きのせいきのせい

KP
あれから2週間が経過した。
シラユリに搭乗し、何百体怪物を倒したのだろう。
夏の日の昼、身を焼くような暑さの中、
あなた達は見張り台で怪物達が海から出てくるか見張っている。
あなた方は暑さの中で思い出すかも知れない。
ここに来てすぐに巨大な魚人と戦った時のことを……

エミーリア
そろそろ夏服生えてきててもいいよね
KP
というわけで、暴走お嬢様をシメたい方はここでどうぞ。
エミーリア
ああ、回想シーンで
KP
もしくは今までの戦闘であったことなんかを捏造してシメてもよい。
八重山 アカネ
おっ、回想シーンだ ありがとうございます

エミーリア
「加奈っ……!」
シラユリから飛び出るや、『妹』の姿を探す
伊藤 加奈
「やりましたわね、お姉様ッ!
でもどうしていきなり作戦と違う行動をとったんですの?
わたくし、あの程度ならやっつけられましたわよ」
エミーリア
「……!」
その無事な姿を見て、顔が歪む
それは、一見怒っているようにも見えたかも知れない
本当はただ涙を堪えていただけであったのに
八重山 アカネ
ここはリアさんに最初お任せしようかな。
伊藤 加奈
「な、何かいけないことをしましたかしら」
八重山に困ったような顔で問いかけようとして
エミーリア
堪らず、妹を抱きしめる
伊藤 加奈
「きゃっ!
ど、どうしたんですのお姉様!?」
エミーリア
「よかった……加奈……」
伊藤 加奈
「えっえっ、なんですの? どうかしましたの?」
千寿 有栖
「あんたが無謀な行動しようとするからでしょ」
有栖は肩をすくめる。
八重山 アカネ
「お見通しってヤツね」有栖と揃って肩をすくめた。
エミーリア
頭を、背中を撫でて、お日様の香りの髪を嗅ぐ
「ああ……ごめんなさい」
ようやく自分の暴走に気付いて、体を離す
伊藤 加奈
加奈はきょとんとして首をかしげている。
アカネ視点
千寿 有栖
少し、有栖は青ざめているように見えた。

八重山 アカネ
「有栖、あんたも見たのね?」
千寿 有栖
「見た? 何を?
そっちで何かあったの?」
八重山 アカネ
「見てはないの? ならいいわ。随分青い顔してたもんだから」
エミーリア
「?」
千寿 有栖
「……だとしたら、きっと。
この馬鹿が飛び出していこうとしたからよ。
三体同時に相手するのは初めてだったもの」
伊藤 加奈
「ぜーったいイケましたわよ。
有栖が仕留めてくれるって思ってましたもの。
でも結局お姉様方がぜーんぶやっつけてしまいましたけれど」
エミーリア
「……
加奈……ちゃん」
ようやく、呼び方を改めて
伊藤 加奈
「なんですの?」
エミーリア
「そうかも知れない、そうだったかも知れない。
でも、絶対に今回のような無茶突っ込みはしないで。
たとえ、相手をやっつけられても、誰かが死んでしまったら意味は無いのよ」
伊藤 加奈
「今まで何とかなってきましたもの」
千寿 有栖
「馬鹿でしょ、あんた」
あきれ顔だ。
八重山 アカネ
「……加奈。
一つ聞くけど。あんた死ぬのが怖くない訳? 辺獄で聞くのも変な話だけどさ」
エミーリア
「……」
八重山 アカネ
不意に、言葉を放り込む。
伊藤 加奈
「死ぬのは嫌ですわよ、そりゃ。
生きてないと生き返れませんものね?」
あっさりと応える。
「でも、逆に言えば死ななければ大丈夫、なのですわ」
八重山 アカネ
「じゃあなんで突っ込んだのよ。結構ヤバかったわよ、アレ」
じっと、加奈の眼の奥にあるものを見ようとする。その言葉が真かどうか。
〈心理学〉したいです。
エミーリア
「本当に、そうなのかしら……」
『あの現象』を思い出して、唇に手を当てる
あれは、異常だ
異常を越える異常だ
それが引き起こされているだけでも、平気、ではないのではないか
そんな風に思ってしまう
KP
〈心理学〉こちらで振ります。いくつでしたっけ。
八重山 アカネ
80です。
KP
🎲 Secret Dice
アカネ視点
KP
彼女には特に考えなどない。
ただただ、自分の力を過信しているだけだ。
死をも恐れぬ動きは、それしか戦い方を知らないからだ。
彼女は、格闘技を学んだわけでも何でもないのだろう。

八重山 アカネ
「あ、そう」
暫くその眼を覗き込んで……ふう、と大きく溜息をつく。
伊藤 加奈
「お姉様?」
八重山 アカネ
「リア、あんた格闘技とかボクシングとか、割と戦る気のヤツやったことある? あたしはクソ程もない」
エミーリア
「えっ?
う、うーん……体を動かすのは好きですけど……喧嘩したりするのはちょっと……苦手ですね」
八重山 アカネ
「あー、クソ。そう。どうしようもない」はぁ、と大きく再び溜息。
エミーリア
「どうかしたんですか?」
千寿 有栖
「……?」
八重山 アカネ
「いや。毎回無謀に突っ込まれたらどっかでゲームオーバーでしょうが。
こっち動けんの四人しかいないんだからさ」
エミーリア
「それは……そうですね」
千寿 有栖
「その通りね。いつもシラユリを壊して瑞彩に怒られるのよ」
八重山 アカネ
「だから、そういうの詳しかったら引き際を教えてやってほしかった訳」
エミーリア
「ああ、そう言うことでしたら……
……教えてあげることはできるかもしれません」
伊藤 加奈
「だってわたくし、負けたことはないのですわ」
千寿 有栖
「腕や足なくなって戻ってくるようなの、普通は一回で終了なのよ」
エミーリア
「……加奈ちゃん。
じゃぁ、私と勝負してみる?」
真面目な視線で、加奈の顔を真っ直ぐに見つめる
伊藤 加奈
「お姉様と?」
エミーリア
「そう。……って言っても、叩いたり蹴ったりじゃないけど」
伊藤 加奈
「で、でもお姉様、きっとすごーく痛いのですわ……違うの?」
エミーリア
「私も痛いのは嫌いだよ。それは加奈ちゃんも同じだよね」
伊藤 加奈
「ま、まあ、できれば。
お姉様を殴るのは、わたくしも嫌ですし」
エミーリア
「よかった。じゃぁ、種目はかけっこで。
どうかな?」
イベント差替え
KP
ふむふむ。
ここ冒頭でレクとしてスイカ割りが入るんだけど
エミーリアさんの考え次第では代わりにそれやってもいいかもね?
エミーリア
勝負内容としては、島内一周障害物競走を持ち掛けたい感じ
それで、こう痛いの怖い、危険に闇雲に飛び込むのは間違いっていうのを教えたい感じかな
アカネさんの言う、引き際ってやつ
八重山 アカネ
ああー、なるほど。丁度レクのシーンにそれがはまりそう。
伊藤 加奈
全員でやる? それとも姫組は見物する?

エミーリア
「せっかくですし、みんなもどう?」
エミーリア
誘っちゃった
千寿 有栖
「私も?
別に……構わないけど」
アカネ視点
千寿 有栖
ちら、とあなたを見る。
シラユリから降りたばかりの貴方を案じているようだ。
八重山 アカネ
ひとつ肩をすくめ、視線だけで大丈夫だと返す。
まあ大丈夫じゃないけど、キツかったら素直にへばっとくからさ。

エミーリア
「ありがとう。瑞彩ちゃんと希さん、アカネさんも、無理の無い範囲でいかがです?」
獨芹 希
「さすがに全員で開けてしまうわけには行かないし、私と瑞彩は残るよ」
片瀬 瑞彩
「見張り、してますから……」
八重山 アカネ
「走んの苦手なんだけど。ってか、暑いし降りたばっかだしクソほどしんどい。
まぁ……、でも、加奈がやんならいいわよ。一緒にやる」
獨芹 希
「戻ってくるまでにスイカでも切っておこうね」
八重山 アカネ
「いいわね。スイカでも賭ける?」
片瀬 瑞彩
「……」
エミーリア
「決まりですね」
エミーリア
これからすぐに行く感じ?
KP
さすがにバトル直後だし
翌日とかでいいんじゃないかな!
八重山 アカネ
賛成ッ!
エミーリア
「じゃぁ、今日はみんなお疲れですし、一度解散して……
私は、ちょっと出てきますね」
エミーリア
コースのセッティングをしてきたいんだけど、勝手に島一周してきてもいいかな?
KP
休憩時間なら別に構わないよ。
これからは瑞彩が見張りに行って、パイロット組は休憩だ。
エミーリア
じゃぁ、ちょっくら行ってこよう
エミーリア視点
片瀬 瑞彩
出際にシラユリを見上げて、微笑しているのが見えた。
エミーリア
「あれは……瑞彩ちゃん?
瑞彩ちゃん」
声を掛ける
片瀬 瑞彩
「きゃっ!? あ、リアさん」
エミーリア
「お疲れ様。どう? シラユリさん機嫌悪くしてない?」
片瀬 瑞彩
「えっ? いえ、無事で……良かったなって……」
エミーリア
「ああ、なるほど」
頷き
「ごめんね、なんだか瑞彩ちゃんがシラユリさんとお話してるみたいに見えたものだから」
片瀬 瑞彩
「ああ……そうですか……?
お話しできたらいいな……とは思ってますけど……」
エミーリア
「……シラユリさんのことが好き、なの?」
片瀬 瑞彩
「…………」
無言で頷いた。
「わ、私……、急いで見張りに行かないと……」
エミーリア
「そうなんだ……今回はちょっと無茶をさせちゃったから……って、あ、瑞彩ちゃん?」
また逃げられてしまった

KP
瑞彩が見張り台へと駆けていった。
エミーリア
それを見送りつつ、森の方へと消える
八重山 アカネ
「リア、あんたこそ無茶しすぎんじゃないわよ。でもありがと」森へ消えるのに手を振る。
エミーリア
微笑みと共に手を振りかえす
伊藤 加奈
「さーてと、有栖、アカネお姉様、ケーキ食べませんこと?
倉庫で見つけちゃったんですの!」
八重山 アカネ
「ケーキ? あんのそんなもん」
エミーリアの姿が消えると、暑いのかひどくぐったりとした様子で、壁にもたれる。
千寿 有栖
「どうせホットケーキとかでしょ?」
伊藤 加奈
「どうせとはなんですのどうせとは! メープルが挟んであるのですわよ!」
千寿 有栖
「嫌いじゃないけどね。
さ、八重山さんも」
八重山の手を取って、加奈のあとを追う。
八重山 アカネ
「ああ、ありがと……」その手を掴み、どうにか身を起こす。
KP
…………

KP
それから数日後。
エミーリアが企画した『駆けっこ』の日がやって来た。
KP
先輩二人の能力値ないんだよなぁ。
なんとなくそれっぽいRPするだけでもいいし、適当に設定してダイスゲームしてもいいけど。
加奈 STRとCONが高い。DEXまあまあ。INT EDU絶望的。POW低め。
有栖 STR CON POWは並、DEX高め。INT EDU高い。
ってとこかなぁ?
八重山 アカネ
ああー、ぽい。
エミーリア
では、ハチマキを締めて、スーツ姿のエミーリアが、適当な木箱の上で胸を張る
「皆さん! 本日はお集まりをいただきまして、ありがとうございます。
いよいよ、名も無き島一周、障害物レース開催の日がやってまいりました」
伊藤 加奈
張り切ってはちまき締めてる。
八重山 アカネ
途中でリタイアする気満々でハチマキ締めている。
エミーリア
「皆さん、張り切ってますね!」
一番張り切った声で
千寿 有栖
「まあね」
意外とやる気を見せている。
伊藤 加奈
「体力勝負なら負けませんわよ!
障害なんてぜーんぶぶっ壊して差し上げますわ!」
八重山 アカネ
「障害走ってぶっ壊すもんじゃないわよ」
千寿 有栖
「脳筋」
エミーリア
「……ぶっ壊せる障害ならいいわね……」
ぼそり
伊藤 加奈
「?」
エミーリア
「さて、皆さん気になって仕方がないであろうコースですが、不肖、いち選手兼コミッショナーである私からご説明をさせていただきます」
エミーリア
「さて、コース説明といっても、シンプル。この」
言って、白いハンカチ程度の布切れを見せる
「白い端切れが、随所の木などの目立つ位置にくくりつけてあります。常にこれの外側を通るように島を一周して、ここへ一番に戻ってくること!
それだけです」
伊藤 加奈
「らーくしょうですわ! 目には自信がありますもの」
八重山 アカネ
「先生質問」けだるげに手を上げる。
エミーリア
「はい、アカネさん!」
指さす
八重山 アカネ
「途中で迷って道分かんなくなったらどうしますか」
エミーリア
「その場合は、迷ったー! と叫んでください。
私が正しいルートを教えに戻りますので」
伊藤 加奈
「そんなことしてたらお姉様勝てませんわよ」
エミーリア
「ふふふ、どうかしら?」
八重山 アカネ
「OK。競技中に魚人のクソが出てきた場合は?」
エミーリア
「それは……中断しましょうよ、流石に」
千寿 有栖
「中止でいいんじゃない?」
肩をすくめる。
八重山 アカネ
「OK。その時は出たーーーって叫ぶから」
伊藤 加奈
「やっつけて通ればいいのですわ!」
八重山 アカネ
「クソほど数が居たらどうすんのよ」
伊藤 加奈
「やっつけて逃げますわ!」
千寿 有栖
「……やっつけないで逃げなさい」
エミーリア
「その際も、一番にここへ戻ってきた人を一等にしましょう」
八重山 アカネ
「OK。ってことだから、やっつけないで戻りなさいよね」
伊藤 加奈
「はぁーい」
エミーリア
「それでは、気を取り直して……準備はよろしいですか?」
言いながら、軽く柔軟している
伊藤 加奈
「いつでもよろしくてよっ!」
八重山 アカネ
「OK」
こちらもストレッチらしきものをしているが、よく覚えていないのがバレバレだ。
千寿 有栖
「いいわ」
エミーリア
「では……
瑞彩ちゃん、よーいどん、してくれる?」
KP
見張り台の上で手がヒラヒラと振られた。
エミーリア
今日も見張りさんか
パイロット組が全員遊んでいるということは、見張りは彼女しかいないのである。
希は基本いつ出動があってもいいように下で待機しているのだ。
片瀬 瑞彩
「イキマーーーース」
エミーリア
「おねがーい!」
片瀬 瑞彩
「ヨーーーーイ。
ドン!」
伊藤 加奈
「いっちばーん!」
KP
真っ先に加奈が駆けだしてゆく。
エミーリア
合図があってからも、その場で軽く跳躍をしながら両手足を脱力してぶらぶらと柔軟をいくらか続ける
八重山 アカネ
「あっ、待ちなさいよね!」早速少し出遅れつつ、その後に走り出す。
千寿 有栖
八重山の横を抜けてぐんぐんとスピードを上げる。
エミーリア
「ふふふ、元気いっぱいね」
それを見送って少ししてから
「それじゃ、そろそろ行こうかな」
CCB<=70〈登攀〉1D100<=70) > 10 > スペシャル
CCB<=75〈跳躍〉1D100<=75) > 75 > 成功
KP
ずっるいw
エミーリア
ふふふ
八重山 アカネ
「うわっ、何あれ。エグ」飛ぶように駆けてゆくエミーリアの姿を目撃した。
KP
少女二人はそれに気付くことなく駆けてゆく。
エミーリア
遅れて駆け出し、皆が避けて迂回してゆく岩へ真っ直ぐに走り寄ると、それに躊躇わずに足を掛け、スイスイと登ってゆく
更には、途中から張り出した枝の上へと渡り、それらを渡って障害物を遥か上からクリアしてゆく
八重山 アカネ
「そういやパルクールやってんだっけ……」
千寿 有栖
「……あっ」
KP
有栖はエミーリアを目撃して少し悔しそうな声を上げた。
そして再び前を見て走り出す。
エミーリア
「おっ、有栖ちゃんなかなか早いねー」
頭上から、のんびりした、とも聞こえる声
千寿 有栖
「ルールには地面を走ることとはなかったものね」
伊藤 加奈
「ふふふふふわたくしが一番ですわ!」
エミーリア
そんな加奈の上から
「とぅっ」
と言う短い声
伊藤 加奈
「?」
エミーリア
加奈の後にいた有栖には、白と金の色を纏った人影が、地上10mほどの高さはあろうかという岩から跳躍したのが見えただろう
千寿 有栖
「……」
エミーリア
あ、これ演出である程度リードしちゃってもいいやつ?
KP
いいよ。
エミーリア
わーい、面目躍如
エミーリア
では、加奈が全力でひた走る、その前方20mほど先に、エミーリアが飛び降りた
伊藤 加奈
「わたくしが一等です……わぁぁぁぁぁぁ!?
な、ななななんですの猿!?
お姉様!?」
エミーリア
そのまま、衝撃音も衝突音もなく、軽やかに転がって落下のダメージを受け流すと、落下の勢いを前への推進力に加速する
「加奈ちゃん、お先に!」
伊藤 加奈
「ちょっ、ズルですわ! ズルですわそんなの!」
エミーリア
「ちゃんと白布の外側走ってるものー」
エミーリア
軽く上がった息は、しかしリズミカルなもので苦しさは感じさせない
伊藤 加奈
「ぬおぉぉぉぉぉもぉぉぉぉぉぉぉ!」
エミーリア
「ほら、どんどん行っちゃうよ!」
伊藤 加奈
「まてぇぇぇぇぇぇぇ!」

千寿 有栖
歩調を緩めて八重山の隣へ行く。
八重山 アカネ
すっかり勝負を投げた様子で、走ってゆく二人を見送っている。
千寿 有栖
「スイカ切るの、手伝いに行きましょうか」
八重山 アカネ
「ああ、いいわね。賛成」ひらひらと手を振る。
「ルールにはリタイヤするなって無かったしね」
千寿 有栖
「あんなのに勝てるわけないのに、ばっかみたい」
言いながらも少し微笑んでいる。
八重山 アカネ
「そう言う割に顔が笑ってるわよ」ふっと笑む。
千寿 有栖
「笑ってなんていませんけど」
むすっとして先に行く。
八重山 アカネ
「そういうことにしとくわ」

エミーリア
小さな岩や倒れた木をサイドフリップ、フロントフリップで小さな跳躍を繰り返してやり過ごし、速度を落とさず疾る
伊藤 加奈
「負け、負けませんわぁぁぁぁ!」
岩を蹴飛ばし木を踏み割り、必死に後を追う。
エミーリア
その距離はどんどんと開いて行くだろう
しかし、あるところでぴたりと足を止めた
振り返り、加奈を待つ
伊藤 加奈
「ぜえぜえ、はあはあ、ぜぇぜぇ……」
汗だくでエミーリアに追いつく。
エミーリア
「追いついて来たね」
額に僅かに汗を輝かせ、微笑む
伊藤 加奈
「も、もう、勝ったつもり、ですの!?
ごーるはまだ、先ですわよ!」
エミーリア
「ふふ、どうかな?」
しかし、加奈を待っていたその背後には、いつしかつられてちょっとした岩と土の丘の先で、谷のような裂け目が口を開いていた
その距離、20mはあろうか
一見、行き止まり
伊藤 加奈
「……!
こんなの無理ですわ。
あっちに迂回路があるのですわよ」
エミーリア
「そうかな?」
小さく微笑んで、前へと振り向くと
そのまま軽い反動をつけてから、谷間へと身を踊らせた
伊藤 加奈
「きゃっ!?」
エミーリア
一見、無謀な跳躍も、しかし
その足の裏が、岩から張り出した木の枝を捉え、その反動で跳躍をした先には、また別の枝
それに両手で飛びつくと、身を振り子のようにして跳ね上げ、次の枝へと
深山の猿がそうするようにして、たちまちに谷を渡り切った
エミーリア
そこで改めて
両腰に手を当てて振り返る
伊藤 加奈
「……
わ、わたくしだって!」
エミーリア
「……本当に?」
表情を落として、谷を挟んで向き合った
伊藤 加奈
「や、やれますわよ、それくらい!」
エミーリア
「私は、いつも練習をしてるから、できた。
加奈ちゃんは、本当にできる?」
どうしようかな
伊藤 加奈
無茶して落っこちてもいい?
エミーリア
無茶するなら助けるけどw
煽った後で、加奈ちゃんにはショートカットに気付いてもらって、そっちに向かってもらおうかな、って画策してたw
伊藤 加奈
なるほど?
エミーリア
多分、加奈ちゃんなら絶対気づくだろうなー、って感じのコース設定をしてた、って感じで

伊藤 加奈
「……」
エミーリア
「落っこちちゃったら、死んじゃうかもしれないのよ?
私に今、勝つためだけに、そんな無茶をするの?」
伊藤 加奈
「ここでは……化け物に殺されない限り、死ぬことはないのですわ……」
一歩足を進め、谷をのぞき込む。
エミーリア
「そんな怪我をして、魚たちが襲ってきたら、どうするの?」
逃げ道を塞ぐように、畳み掛ける
伊藤 加奈
「……
戦えないと、困りますわ」
エミーリア
「……」
その言葉に、小さく微笑みを浮かべる
そして、気取られぬようにし足先を動かすと
小さな石が、カツカツと音を立てて谷間へと転がり落ちてゆく
その先には、道が一筋
野生児のごとくの加奈ならばこそ、気付くことができるほどの獣の足取りの道が
伊藤 加奈
「……!」

八重山 アカネ
「……ったく、どうなるんだか」
その頃有栖とともにスイカを切りながら、一言呟いた。

「まぁ……、
なんとかなりゃ、いいけどね」
千寿 有栖
「何とかなるんじゃない?」
八重山 アカネ
「そうね。そんな気はする」
千寿 有栖
「加奈だって、新しい人生を送りたいとは思ってるはずだし」
八重山 アカネ
「生きる気はあるみたいだしね。正直、どうしようもないとは思ったけど、それだけは安心した」
千寿 有栖
「そのために無茶はいけないって事、草加さんなら教えてくれるでしょう」
八重山 アカネ
「ええ」

伊藤 加奈
「ふふん。わたくしだってそんな谷。
越えられましてよ!」
エミーリア
「……加奈ちゃん?」
演技
気付いていないふりだ
伊藤 加奈
細い谷に続く、道にも見えない狭い道を駆け出す。
エミーリア
「あっ!」
しまった、という声
伊藤 加奈
「ほーっほほほほほほ!
ここが通れるなんで思わなかったでしょう!?」
エミーリア
「……」
気付いてくれたことに、ホッと漏らした息を掻き消すように

「コラー! ずるいわよ、加奈ー!」
慌てた声で、谷を駆け降りて追いかける
その表情には、笑みを浮かべて
伊藤 加奈
「ずるくなんてありませんわ!」
エミーリア
ここから先のコースは、ずっと平坦なものだ
『そう設定』した
彼女の足ならば、自分でももう追いつくのはむずかしかろう
伊藤 加奈
「ちゃんとルール通りなのですわー!」
伊藤 加奈
ちゃんと花を持たせてくれる!
エミーリア
ただただ、全力で走る
小さな背中を追いかけて、野山の中を
それは、いつか幼い頃、何度も夢見ていた光景だ

『お姉さんになるんだよ―――』
父と母の言葉が、ふと聞こえたような気がした
いつしか、胸の奥に暖かな痛みを感じながら

千寿 有栖
「……あ、そうだ、八重山さん」
八重山 アカネ
「何?」
千寿 有栖
「これ、あげます」
キラキラ輝く真っ赤な石に穴を開けて紐を通した物を差し出す。
八重山 アカネ
「これは?」
千寿 有栖
「森で拾ったのよ。綺麗だったから」
八重山 アカネ
その石を受け取り、掌に乗せてよく見る。
KP
それは見つめると心が落ち着くような気がした。
具体的な力については後ほど。
八重山 アカネ
「へぇ……。いいじゃない。ありがと、受け取っとくわ」
その石を、無意識にか少し力を込めて手に握った。
こういう石は商売道具だから、最近は素直に見られなくなっていたけど。
その石と、そこに込められた感情を見ていると、少し心が落ち着くような気がした。
KP
オミットしたイベントの景品です。
八重山 アカネ
なるほどスイカ割りだったやつ。
KP
いえ、第一部の皿洗いですね。
スイカ割りは特に意味も景品もないのだ。

KP
高らかに笑いながら駆けてゆく少女は、ぐんぐんと遠ざかって行く。
それはもう、走るのが嬉しくてたまらない、といったように見えた。
エミーリア
金の髪を靡かせながら、いつかの少女は走った
『妹』の背を追いかけ、光る雫を散らしながら
それは、汗か、あるいは―――
ただ、表情だけは嬉しそうな楽しそうな笑みを浮かべて
エミーリア
いいところで、戻って来ますね
伊藤 加奈
「いぃっちばーーーーん! ですわ!!」
千寿 有栖
「おかえり」
八重山 アカネ
「お帰り。声デカ」
伊藤 加奈
「ええっ、どうしてふたりがもういるんですの!?」
八重山 アカネ
「リタイヤしたから」
千寿 有栖
「リタイア」
伊藤 加奈
「っということは!」
振り向く。
エミーリア
では、そこへ
八重山 アカネ
いつ見てもすごい顔
エミーリア
キメ顔
エミーリア
「はぁっ……はぁっ……!」
上がりに上がった息に全身を上下させながら、走り込んできた
元々持久力はそれほどでもないのだ(【CON】は低い
両膝に手を当て、全身で息をする
千寿 有栖
「すっごい顔。大丈夫?」
八重山 アカネ
「うわ、すごい顔」
エミーリア
「ええ……、大丈夫……」
伊藤 加奈
「わたくしが勝ちですわ!」
エミーリア
「負けたーーーーー」
悔しそうに、天を仰ぐ
エミーリア
わりと本気で
千寿 有栖
「じゃあはい、頑張ったで賞」
エミーリアに赤い石の首飾りを。
エミーリア
「あ、ああ、ありがとう、有栖ちゃん……
まさか、あんな抜け道があったなんて……」
伊藤 加奈
「うふふふふふふ! 甘い、甘いですわお姉様!」
八重山 アカネ
「……へぇ?」一等賞の一番大きなスイカを用意しながら、エミーリアの表情をちらりと見る。
エミーリア
悔しそう、苦しそうな中にも、笑みが覗く
千寿 有栖
「はいはい、じゃああんたにはこれね。一等賞」
KP
加奈に渡された赤い石は、三つの内で一番大きかったように見えた。
八重山 アカネ
「上手い事やったみたいね」
伊藤 加奈
「それはもう!」かんちがい
エミーリア
アカネの言葉に、ウィンクを一つだけ返し
「……加奈、ちゃん」
ううん、と首を振り
「加奈、って呼んでもいい?」
伊藤 加奈
「ええ、お姉様!」
エミーリア
「ありがとう……」
伊藤 加奈
「よろしくてよ!」
エミーリア
いつか、自分の妹がそう呼ばれるはずだった名前
その奇跡ような偶然と、彼女の返事に汗の浮いた顔を和らげて
デッチアップ
KP
同じ金髪だしね。
八重山 アカネ
ああー、確かに。
エミーリア
デッチアップしてしまったわ↑
KP
素敵なデッチアップですわよ、お姉様。
八重山 アカネ
ナイスデッチアップ!
これは素敵なデッチアップ

エミーリア
「ねぇ、加奈」
伊藤 加奈
「はい?」
エミーリア
「もう無理、それしかない―――そう思っても。
きっと、道はあるんだよ」
伊藤 加奈
「……」
千寿 有栖
「……」
伊藤 加奈
「そうかも、しれませんわね」
エミーリア
「だから、絶対に諦めないで。その先を探して」
千寿 有栖
「…………」
エミーリア
「私たちと一緒に、歩くその道の先を」
八重山 アカネ
「この言葉、正直嫌いだけど。
 少なくともここじゃ、生きてりゃなんとかなんだからさ。
そういうことよ」
伊藤 加奈
「そうですわね、お姉様方、結構頼りになりますもの。
それにしても、びっくりですわ! どうやって先に来ましたの!?
わたくしにもそれ、教えてくださらないかしら!」
エミーリア
「ふふふ……うーん、どうしようかな~~。
加奈が、本当に無理、無茶をしないいい子でいてくれたら、ちょっとだけ。
教えてあげてもいいかな~?」
伊藤 加奈
「しない! しませんわ! わたくしいい子でしょう!?」
エミーリア
「え~? でも、またお魚が来たら、一人で突撃しちゃわない?」
伊藤 加奈
「し、しませんわ!」
エミーリア
「ナイフとフォークでお食事できる?」
千寿 有栖
「どうだか」
伊藤 加奈
「えっ。
そ、それ関係ありますの!?」
エミーリア
「あれっ? やっぱりダメかな?」
困った顔を作って、くるりと背中を向ける
伊藤 加奈
「わ~! ちゃんとやります! やりますってば!
使えばいいんでしょう使えば!」
千寿 有栖
「奇跡を目の当たりにしているわ」
エミーリア
その必死な様子に、
「……っくく」
思わず肩が震えてしまった
八重山 アカネ
「……ふふ」そんな二人を見て、微かに笑った。
伊藤 加奈
「もう、何を笑っていますの!」
エミーリア
「笑ってない、笑ってない。わかった、今度教えてあげるよ」
振り向いて、加奈の柔らかい髪をぽんぽんと軽く叩いて笑った
エミーリア
その目尻に、ほんの小さな輝きを見せて

KP
お二人に渡されたのは、AF 赤い宝石
SANを1d5回復する。1度使うと消滅する。
というアイテムです。
エミーリア
おお
八重山 アカネ
ほほう。なんかいいところで使いたいな。
エミーリア
じゃぁ加奈ちゃんに稽古つけるか
とりあえず、左手薬指を切断してヒドゥンブレードを身につけ、イーグルダイブの特訓から
八重山 アカネ
いつの間にアサシンになったのリアさん
KP
練習がガチすぎる件。
エミーリア
真実は無く、赦されぬことなど無い

KP
そんな辛い修行の日々を思い出しながら、今日はスイカ割りなどを楽しんだ。
希と瑞彩はなんだかんだと忙しく参加することはほぼないが、パイロット組は見張りがない時はなんとなく集まって遊んだり話したり、打ち解けていった。
八重山 アカネ
「痛っっだ」したたかに変な所を打った。
伊藤 加奈
「やっつけてやりましたわ!」
エミーリア
「思い切り空振りましたね」
エミーリア
セリフの前後事故が!
千寿 有栖
「アカネさん大丈夫?」
八重山 アカネ
「一応なんとか。クソ、スイカ割りなんてマトモにやったことないわよ」

エミーリア
有栖ちゃんや瑞彩ちゃんもリクエストがあればぬいぐるみ作ってあげよう
KP
瑞彩は辞退したが、有栖は
choice 猫 イヌ 鳥 クマ サメ そのた (choice 猫 イヌ 鳥 クマ サメ そのた) > 鳥
エミーリア
とり
八重山 アカネ
鳥!
KP
鳥さんが良かったらしい。
エミーリア
ヘイお待ち


千寿 有栖
かわいい……!
千寿 有栖
無言で受け取って、真っ赤になってカの鳴くような声で「アリガト」って言った。
エミーリア
「ふふふ、どう致しまして」
その様子に、嬉しそうに目を細める

千寿 有栖
「加奈のは粉々過ぎよ。
もうちょっと手加減しなさいよバカ」
エミーリア
「フルーツポンチにできるくらい、見事な割れっぷりね」
獨芹 希
「いっそフルーツポンチにしようか。白玉粉はあったような気がするよ」
八重山 アカネ
「賛成。っていうか他に無理でしょ、これ」
エミーリア
「まぁまぁ、みんなで分けっこできていいじゃ無いですか」
伊藤 加奈
「そういえば、おふたりがここにきて、もう2週間ですわね。
あっという間でしたわねー」
エミーリア
「そっか……もう二週間も経ったんだね……」
伊藤 加奈
「わたくしたちもそろそろ終わりですし」
エミーリア
「終わり……ああ」
八重山 アカネ
「案外過ぎると短いもんね。あん? そうなの?」
千寿 有栖
「そうね、いい加減終わってもいい筈だわ」
八重山 アカネ
「……」
千寿 有栖
「正確な日は分からないけれど」
八重山 アカネ
「それなら、余計に無茶してらんないわね」
千寿 有栖
「そうね」
伊藤 加奈
「そうですわねー。
あれから大物は来ませんし、このまま雑魚を倒して終わりたいですわね」
エミーリア
「ちょっと寂しいけど……喜ぶべきよね」
八重山 アカネ
「噂をすると影が差しそうでやあね。信じてないけど」
KP
突如、地面が揺れた。
エミーリア
「わっ……」
八重山 アカネ
「っあ!? クソ!」咄嗟に近くの物にしがみつく。
KP
震動は島全体に広がり、あなた達を、森を、襲った。
立つことさえ困難な縦揺れだ。
八重山 アカネ
「クソ、何!?」
千寿 有栖
「きゃあっ!」
伊藤 加奈
「有栖! もう、なんですの!」
八重山 アカネ
「またデカブツ!?」
エミーリア
外を伺ってみよう
KP
その揺れは今までにない巨大な物だった。
それは明らかな異常をうかがわせる。
KP
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
エミーリア
1D100<=84 正気度ロール (1D100<=84) > 36 > 成功
八重山 アカネ
CCB<=55 《SANチェック》 (1D100<=55) > 84 > 失敗
[ 八重山 アカネ ] SAN : 55 → 54
KP
〈聞き耳〉
エミーリア
CCB<=85〈聞き耳〉1D100<=85) > 90 > 失敗
エミーリア
ああっと
八重山 アカネ
CCB<=60〈聞き耳〉1D100<=60) > 50 > 成功
KP
激しい波の音が聞こえる。
八重山 アカネ
「クソ、海だ! 海の向こうから何か来てる!」
アカネ視点
KP
海の向こうから地鳴りと共に何かがあがってくるような音が聞こえる。

エミーリア
そちらを伺う
千寿 有栖
「なんなのよ……」
KP
揺れが収まってくる。
では、〈目星〉をどうぞ。
八重山 アカネ
CCB<=65〈目星〉1D100<=65) > 62 > 成功
エミーリア
CCB<=85〈目星〉1D100<=85) > 63 > 成功
KP
何か違和感を覚えたあなたは海の向こうを見た。
そこには何か巨大なものが姿を現していた。
遺跡のようにも、大きな建造物のようにも見える。
エミーリア
「何……あれ」
伊藤 加奈
「な、なんですの……。これは……」
八重山 アカネ
「何……、あれ。魚人じゃない?」
目を凝らし、そちらを見る。魚人の姿はあるだろうか。
KP
生き物の姿は見えない。
ただそこに、黒々とした建造物が見えるだけだ。
八重山 アカネ
何かが浮上しとる
エミーリア
ルルイエ?
ねじくれた塔とか見えない?
八重山 アカネ
「加奈、有栖。双眼鏡、ある?」
千寿 有栖
「あるわ」
手渡す。
八重山 アカネ
「貸して」
双眼鏡を受け取り、覗き込む。
KP
歪みねじくれた建造物が突き立っており、塔のような物も見える。
エミーリア
やっぱり
八重山 アカネ
建造物、どれくらいの大きさ?
KP
建造物は遠くて様子は良く分からないが、かなりの広さがある。
千寿 有栖
「こうしている場合じゃな。行かなきゃ――」
走ろうとした有栖の身体が宙に舞い、床に転がる。
八重山 アカネ
「有栖? どこへ行くって?
ちょっと!」咄嗟に手を伸ばそうとする。
千寿 有栖
「もちろん、あそこへよ!
あの魚人どもに関係あるんでしょう……ッ」
エミーリア
「有栖ちゃん!?」
伊藤 加奈
「あ、有栖! どうしましたの!? 腐ったものでも食べましたの!?」
千寿 有栖
「ちょっと立ちくらみをしただけよ……!」
エミーリア
「待って、生身では危ないわ」
千寿 有栖
「シラユリで行くのよ、当たり前でしょ……!」
エミーリア
「そ、それはそうだよね……。でも、危ないよ」
KP
〈目星〉【アイデア】〈応急処置〉のいずれかで。
八重山 アカネ
CCB<=65〈目星〉1D100<=65) > 100 > 致命的失敗
八重山 アカネ
おおっと
エミーリア
100!
八重山 アカネ
こんな所で100ファン
エミーリア
CCB<=80〈応急手当〉1D100<=80) > 69 > 成功
アカネ視点
KP
あなたは、彼女の姿に自分の未来を見るだろう。
彼女の命は尽きかけている。あなたも食われている。
このまま二人とも、食われて死ぬのかも知れない……
怖気が走る。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
八重山 アカネ
CCB<=54 《SANチェック》 (1D100<=54) > 15 > 成功

八重山 アカネ
「……クソ……、」
KP
有栖の顔色は真っ青でふらついている。
とてもシラユリに乗れる状態ではない。
アカネ視点
KP
あれからシラユリの呪いはあなたも有栖も蝕んでいる。
あなただって立っていられるのがやっとの状況だ。
有栖はあなたの代わりにシラユリに搭乗することが多かった。
彼女はこの小さな身体でどれだけの苦痛を背負っているのだろうか。

八重山 アカネ
「行かなきゃいけないってのは全く同感だけど。動けんの、そんなザマで」
エミーリア
「……有栖ちゃん。ここは私たちに任せて」
伊藤 加奈
「そ、そうですわ!  今日はお姉様にお任せしましょう!」
八重山 アカネ
「中で動けなくなったらお終いよ。シラユリごとやられたら、何もできなくなる」
エミーリア
いあいあ
片瀬 瑞彩
「皆さん! 海に、海に変な建物が!」
駆け込んでくる。
八重山 アカネ
「ああ、見てる!」
エミーリア
「ああ、瑞彩ちゃん。今ちょうど見ていたところ」
片瀬 瑞彩
「ど、どうしましょう、早く、早くアレをなんとかしないと!」
エミーリア
「シラユリさんは、出られる?」
片瀬 瑞彩
「出られると思います!」
八重山 アカネ
「クソ。行くわよ」
エミーリア
「ええ、行きましょう」
八重山 アカネ
「ああ!」
己を鼓舞するように、叫ぶ。
ここでようやく変化があるってんなら、掴まなきゃいけない。
エミーリア
「加奈、有栖ちゃんをお願い」
伊藤 加奈
「はいっ! 気をつけて!」
KP
あなた方は整備室へと向かう。
エミーリア
スーツに身を通す
この所作にも慣れたものだ
八重山 アカネ
少しふらつく足で、大股に整備室へ乗り込む。時間ももどかしくスーツに身を通す。
アカネ視点
八重山 アカネ
身を引き裂き魂に喰らいつかれるがごとき苦痛を反射的に思い出してしまい、身が震える。
思考をずたずたにする程の痛みが、不快感が、苦痛が脳の内側をずっと掻き混ぜている。まるでシチューにされたような感覚をずっと覚えている。
それでも。このまま何も出来ずにぶら下げられた餌を信じてるなんて、そんな事出来るわけがない。

KP
シラユリの整備室に入ると、希がパソコンを弄っている。
キン、と甲高い音が聞こえる。
エミーリア視点
KP
その音は「シラユリ」と呼んでいるように感じた。

エミーリア
「……えっ?」
耳に手を当てて、戸惑いの声をあげる
八重山 アカネ
「リア?」
エミーリア
「……今のは? シラユリさん……じゃない」
白い巨躯を見上げる
KP
瑞彩はあなた方と一緒に整備室に降りてくると、不安そうにシラユリを見上げた。
エミーリア
「誰かが……シラユリさんを、呼んでいる……?」
片瀬 瑞彩
「えっ?
だ、誰が?」
エミーリア
額に手を当て、首を振る
「わからない……でも、今の共鳴のような音は……
シラユリさんに、似てた……」
片瀬 瑞彩
「シラユリに……?」
八重山 アカネ
「そういや、希。同型のロボットが他にもいる、みたいな事言ってたわね」
獨芹 希
「……まあね。けれど今は関係のないことだよ。
『今ここにそれはない』からね」
エミーリア
「ここには……無い?」
八重山 アカネ
「あ、そう。ここじゃない場所にならあんのかもね。
正直、あんまり増えられても困るけど。あんなもの」
獨芹 希
「とにかく今は急いであの建造物を調べて欲しいんだ。
シラユリに搭乗し、謎の建築物を『一周』してきてくれないか」
エミーリア
「わかりました」
搭乗用リフトに乗り、胸部ハッチをくぐる
八重山 アカネ
「言われなくても」大股でリフトに乗り込み、シラユリの内部へと乗り込む。
まるで吞み込まれるような気がした。
「クソ」
獨芹 希
「ただの偵察だ、無理はしなくていい」
エミーリア
全天周モニターに、システムブートめいた文言が、ただし日本語で流れるのを眺めながら
「シラユリさん……大丈夫ですか」
KP
高く澄んだ音が響いた。
いつも起動の時に聞こえる音。
エミーリア
答えるように響いたその澄んだ音に頷き
『行けます。上げてください』
アカネ視点
KP
痛い。痛い。痛いのは身体か。

それとも心か。
八重山 アカネ
「……クソが」
悪態をつく。深く息を吸い、吐く。
そうしていなければならないのだ。
吐き出さなければ、やっていられない。

八重山 アカネ
「クソが……」
絞り出すようにひとこと呟いて、シートに身をあずける。
ロックされる感覚が、今はすっかり嫌いになっていた。
エミーリア
「アカネさん? 大丈夫ですか」
八重山 アカネ
「大丈夫よ。一応」
エミーリア
「まずは偵察だけですから。激しい動きはしないようにしますね」
KP
シラユリは緑の粒子に包まれて天空へと駆け上がる。
射出口から空へ高く飛び上がったシラユリは、島と建造物を見下ろせる高さまで上昇した。
それはこの島よりも2倍ほどの大きさであった。

※この島の大きさは「長さ 24 km 幅 5 km 面積72.32km2」である。
乖離
KP
ほそなっっっげぇ
エミーリア
でっか
八重山 アカネ
結構しっかり決まってた! >サイズ
そして丸いかと思ったらそうでもなかった
KP
この付録の絵全然合ってないなぁ。
八重山 アカネ
画像はイメージです
エミーリア
ああ、こっちの島がか
KP
の、倍あるということです。

エミーリア
その異様な建造物に意識を向けると、生命体や魔力に走査を掛ける
八重山 アカネ
「何あれ。島よりずっとでかいじゃない……。ってか、こんなに細長かったの、この島」
エミーリア
「こうして上から見ていると、まるで……道みたい」
八重山 アカネ
「道ね……」
KP
ここから確認する限りでは藍色の建材で出来た都市のようなものに思える。
獨芹 希
『今のところ生体反応を感じられないようだね』
KP
通信が入る。
獨芹 希
『私からは大きな遺跡――のように見えるが、実際はどうかな?』
エミーリア
『遺跡……確かにそうも見えますけど……』
八重山 アカネ
「魔力センサー入れとく」言うと、けだるげな指先でコックピットの水晶球に触れる。
エミーリア
『どこも崩れたりしてなくて、むしろ今も何かが住んでいそうな……』
エミーリア
ルルイエって確かボロくなかったよね?
KP
詳しい描写がググっただけじゃわかんなかったのよね。
次回までにルールブック読み直しておこう。
獨芹 希
『ふむ。細かいところはあとにしよう。まずは全体図を確認してほしい』
エミーリア
『わかりました』
「アカネさん、お辛かったら、言ってくださいね」
そう告げて、そっと左操縦桿を前方へ倒す
八重山 アカネ
「いいって。誤差の範疇だから好きにやって」
エミーリア
「わかりました」
気持ち斜め前方へと角度を変えながら、右操縦桿も反対方向へと入力
獨芹 希
『シラユリに念じて写真も撮ってきてほしい』
エミーリア
建造物を正面視界に入れつつ、一定距離を置いて周回するような進路を取る
『写真……』
試しに念じてみる
アカネ視点
KP
痛みが走る。

KP
撮れている、のだろうか。
とにかくあなたは念じる。
KP
〈目星〉をお願いします。
エミーリア
CCB<=85〈目星〉1D100<=85) > 94 > 失敗
エミーリア
うーん
KP
今回なんか目がいまいちね。
エミーリア
わりといつものこと
八重山 アカネ
こちらも振れる? >〈目星〉
KP
もちろんどうぞ
八重山 アカネ
「クソ……」微かに呟く。
エミーリア
「撮れてるのかな……」
エミーリア
たぶんダメ
八重山 アカネ
CCB<=65〈目星〉1D100<=65) > 71 > 失敗
エミーリア
ああっと
直前に撮った人が巻き上げてなかったな
八重山 アカネ
そんなフィルム式なの?
エミーリア
じこっじこっ
KP
建造物に動く物は見えない……気がする。
恐らく。たぶん。
KP
別の角度からもういっちょ〈目星〉
エミーリア
CCB<=85〈目星〉1D100<=85) > 90 > 失敗
エミーリア
ふふふ
KP
あららぁ?
エミーリア
バケモンスナップは苦手だった
八重山 アカネ
水晶球に触れる指先が微かに震え、ぐっと拳を握り込む。
CCB<=65〈目星〉1D100<=65) > 12 > スペシャル
KP
エミーリアは、都市の形状に何となくの違和感をおぼえた。
エミーリア
「むしろ違和感しかない」
KP
言語にできない違和感だ。
遠くてよく見えないため、具体的には良く分からないが……
なんだか気持ち悪い。
アカネ視点
KP
都市の形状に違和感を覚えた。
壁や天井にドアがあったり、壁を床にするように机や椅子が置かれている。
床からは天井に向かって階段が伸びていたり、その先には大きな穴が空いている。
都市全体がまるでだまし絵のようだ。
生き物がいるというなら、ここでどうやって暮らしているというのだ?

八重山 アカネ
「……何これ?」
エミーリア
「なんだか、不思議な建物ですね……。なんか遠近感が狂ってくるみたいな……」
八重山 アカネ
「だまし絵かトリックハウスじゃないの。壁が床だったり、床から天井に階段が伸びてたり……」
エミーリア
「まさにそんな感じですね」
エミーリア
そういえば、アカネさんのSPは?
KP
秘匿でぶん投げました
エミーリア
なるほど
エミーリア
「アカネさん、何か見えます?」
KP
その「だまし絵」っていうのが内容だったんですよね
エミーリア
なるほどPart2
獨芹 希
『……おかしいな』
エミーリア
『希さん?』
獨芹 希
『やはり生体反応がない。
何もいない……とは考えにくい……のだが』
エミーリア
『あれが何か知っているんですか?』
獨芹 希
『……
いいタイミングで1度戻ってきてくれ。
シラユリのデータを解析したい』
エミーリア
『……? わかりました』
小さく首を傾げ、頷く
「アカネさん、もう戻ってもいいですか?」
八重山 アカネ
「OK。
何か知ってんなら問い質したいしね」
エミーリア
「……そうですね」
八重山 アカネ
「大体、最初っから意味深が過ぎんのよ、あいつ」
苛立ったように言いながら、拳を握る。爪が食い込む程に。
エミーリア
その答えに、左操縦桿を後方へ倒す
しばし、建造物を正面に捉えたまま後退し、距離が離れたところで大樹へと向き直って帰還する
KP
あなた達は射出口へ戻る。
エミーリア
「何か……は知ってそうですよね」
八重山 アカネ
「間違いなくね。知ってなきゃあんな言い方するもんですか、クソが」
KP
巨木の脇に開いた穴に、シラユリが入って行く。
最初はここに戻るには希の手を借りたものだが、今はあなたたちの力でも戻れる。

キン、と甲高い音がした。
その音は少し不快で、あなた達は思わず目を瞑ってしまう。
エミーリア
「……う。
今のは……また?」
八重山 アカネ
「ぐっ、」呻く。思わず目を瞑ってしまう。

KP
再び目を開けると、そこは真っ暗だった。
八重山 アカネ
「……何これ」
エミーリア
「……あれ?」

ピ、ピ、ピ、という電子音が規則正しく聞こえる。

あなたの身体は動かない。
暗闇の中、電子音だけがあなたの耳に届く。

何故だろうか、体が痛む。

八重山 アカネ
「クソ、何も見えない。何これ?」
何かに触れ、確認したいと望むも、身体が動かない。
エミーリア
ICU?
八重山 アカネ
「クソ……、」
エミーリア
「……うう」
痛みに呻きをあげる
八重山 アカネ
あら~~~ 現実では入院して生死の境ナウとかかしら
エミーリア

KP
『エミーリア? アカネ?』
獨芹 希
『大丈夫か?』
エミーリア
「……はっ。
ここは……?」
八重山 アカネ
「さっきのは……、何?」
辺りを見回す。
KP
希の声で、は、とあなた達は目を開ける。
あなた達は、今、シラユリのコックピットにいる。
眼下には謎の遺跡と、小さな島。
そして地上と空を繋ぐ大きな樹。
八重山 アカネ
その電子音が何に似ているかとか、聞き覚えがあったりしないかしら>KP
エミーリア
そうか、医療関係者
KP
そうですねー、【アイデア】振って成功したら思い当たるかな?
八重山 アカネ
CCB<=65 【アイデア】 (1D100<=65) > 65 > 成功
八重山 アカネ
危ねぇ
KP
医療関係者なら振るまでもなく知ってて良いや。
バイタルを測っている音だ。
エミーリア
ピッタリ賞
獨芹 希
『気をやられたか? 心配だな。戻ってこれるか?』
エミーリア
『今……何か』
八重山 アカネ
「何……、あれ。真っ暗で、あの音だけが聞こえる、ですって?」
エミーリア
「アカネさん?」
KP
あなた達の身体は正常に動く。
八重山 アカネ
「リア。さっきの音、聞いた? 規則的な電子音」
エミーリア
「ええ……何か、あたりが真っ暗で。アカネさんも?」
八重山 アカネ
「あれ、バイタルモニターの音よ。ドラマとかで見んでしょ。心拍数の、ピッピッ……、ってやつ」
エミーリア
「えっ? なんでそんなものが……」
希からの着信を知らせるノーティスにも気付かず。
八重山 アカネ
気づいていたが、さっくりと無視して。
「さあね。でも最初に来た時思ったのよ。全部夢なんじゃないか、って」
エミーリア
「これが……夢?
でも、私たち二人して、同じ?」
八重山 アカネ
「分かんないけどね。どうしたら抜け出せるのかも、分かんないし。
でも、そうじゃないかって思ったことだけ伝えとくわ。
……辺獄って、行き所のないものが行く場所よ」
エミーリア
「……」
八重山 アカネ
「まだあたしたちは、行き所がないのかもしれない」
エミーリア
「じゃぁ、もしかして加奈……他のみんなも?」
八重山 アカネ
「さあね。可能性はあるわ。
そうとでも思ってれば……、まだ希望が持てる。
そうでなきゃ、八方塞がりだもの」
エミーリア
「……」
操縦桿を、握りしめる
「聞かないといけませんね。真実を。
カケラだけでも」
八重山 アカネ
「ええ。いい加減喋らないってんなら、絞り出してやる。
欠片だけでも」
エミーリア
そこで、ようやく気付く
しばし、迷うようにしてから、応信のボタンに触れる
『……すみません。大丈夫です、帰還します』
獨芹 希
『本当に大丈夫かい……?』
エミーリア
『ええ……』
KP
シラユリはあなた方二人とその疑念を乗せ、地面へと飲み込まれて行く。
奇妙にゆがんだ都市が、水平線の向こうに黒々と浮かんでいた。

KP
本日ここまで!
エミーリア
お疲れ様でした!
KP
おつかれさまでしたー
八重山 アカネ
お疲れ様でしたー!
次回もよろしくシラユリ!
KP
次回予告ー!
不思議な遺跡をドキドキ探索!
八重山 アカネ
コワイネ!
KP
の前に追求がはいりそう。
といったところで、また次回!
八重山 アカネ
またじかーい!
ありがとうございました!
エミーリア
ようやく打ち解け始めた皆
その和やかな空気を打ち破るように突然浮上した、謎の遺跡
でも、そこには何者の姿も見えなかった
そして、不意に垣間見える真実
私たちの胸に湧き上がる疑念
希さん、あなたは一体何を知っているの?

次回、蒼天のシラユリ第〇〇話
『不思議な遺跡をドキドキ探索!』
誰だって、今日を生きる―――

※このBGMで次回予告ってこんな感じだよね
KP
それっぽい。
八重山 アカネ
凄くぽい。

コメント By.KP
無茶をする少女をいさめるため、エミーリアは障害物競走を開催するのだった。
それは、いつの日か来るかも知れなかった小さな未来への憧憬。

シナリオに沿った感じでPCがいい感じに自立してイベント起こしてくれるのって最高だよね。

TRPGリプレイ【置】CoC『青白い馬』 波照間&東雲 3

捕まえるべきは物語の尻尾じゃなく、名もない悍ましい何かの尻尾だ。

TRPGリプレイ CoC『わすれんぼうのおうさま』栗原・黒枝・羽生・伊豆見 3(終)

異常事態中にこんなに気が抜けたのは初めてだ。

TRPGリプレイ CoC『VOID』36(アフター・おまけ2)(終)

アットホームな職場はここにあったんや……!!



本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
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PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」