TRPGリプレイ Zephyranthes 第一話 『罪と罰』2

SCENE 6「侵入」

DL
マリーへ侵入を行います。三階部分の窓を開放して、そこからロープを渡すという方法らしいですね。というわけで、ワイヤー付きのボウガンをマリーにぶち込んでロープの橋渡しは終わりました。
クリフ
運動はあんまり得意じゃないなあ。
ヨハン
「よし、私がまず行って安全を確保しよう。常に危険なところには一番乗り、それが武士道というものだ」〈武士の誇り〉……成功。
クリフ
武士道!?
DL
This is my BUSHIDO! って言って真っ先に神父がするするすると渡って行きました。
マグノリア
《運動》判定? 失敗したらもしかして落ちる?
DL
(笑)まあ、ルージュが飛ばない限りは大丈夫。
マグノリア
じゃあマスターに続くぜ。14で〈鋼の心〉「まあ、随分高いこと」
クリフ
やばーい。高いカードが違うスートでしかなーい。
DL
そういう時は【パワーチップ】を使えばスートを自由に変えることが出来ますよ。
クリフ
18〈遊び好き〉で「わくわくしてきやがったー!」

DL
君たちが乗り込むことに関して妨害とかは一切行われません。渡った先は一切無人で、人の気配とかはありません。どうやら乗り込んだ先も同じような一等客車のようですね。
クリフ
こういう時は運転車両に行ってみてはどうだろうか。とりあえず。
ヨハン
じゃ運転車両。危険な気配とか感じられる?
DL
奇跡とかあったら奇跡でもいいけど、《観察》《サバイバル》でもいいかな。
ヨハン
サバイバルオッケー!
DL
やる気満々だ(笑)どうぞ。
ヨハン
「神よ、この無力なる私を守り給え」
DL
それで探索を開始するということでいいのかな。
まず真っ先に君たちが気付くことは、振り返ると、窓の外は真っ暗闇です。
クリフ
おや。
マグノリア
向こうの列車が見えていない?
DL
見えてません。
クリフ
渡ってきたロープを手繰ってみたら手応えは?
DL
途中からぶつっと切れてる。
クリフ
……何も見なかったことにする(笑)というのはジョークとして、「ロープが、切れた……はめられたか?」
ヨハン
「どうやら、行くしかなくなったようだ。それでこそ迷いがなくていい」
クリフ
「行く先は、地獄か」
ヨハン
「我々の行くところは常に天国なのだよ」
マグノリア
怖いなーなんか(笑)
DL
天国に行くことは約束されているから何も怖くないね(笑)
クリフ
「アンタんとこの天国行きの列車はこんな陰気なものなのか」
ヨハン
「こんな列車でも乗車賃がただで済むのが天国行きの列車だ」
クリフ
「魂がキップってか(笑)」
マグノリア
「あのー、もう私たちが死ぬことを前提に話すのはやめていただきたいのですが(笑)」
ヨハン
「マグノリア、死を恐れてはいけませんよ」
マグノリア
「すみません、マスター」
クリフ
「オートマータにはこんな状況でギャグでも言って笑うしかないなんて気分は分かんないんだろうな」

マグノリア
じゃあ、《観察》しまーす。
DL
客室が並んでいるんですけども、ドアをのぞき込むと、まるでつい先ほどまで人がいたかのようだ。
マグノリア
とりあえず危険そうなものは今のところ見あたらない?
DL
そうだね、ないね。
マグノリア
「マスター、危険はございません。どうぞお入り下さい」〈主人への忠誠〉で。
ヨハン
鷹揚に入ってゆく。
DL
そしたらヒュン!て顔をかすめて何かが飛んでいく。
ヨハン
何だろう。飛んでいった方を見る。
DL
壁にペンが刺さってびーんと震えている。
ヨハン
「どういうことだマグノリア」
マグノリア
「先ほど見回ったときは何もございませんでしたよ、マスター」
ヨハン
「よく見なさいと言っただろう!」ガーンて叩く。
マグノリア
「大変申し訳ありませんマスター!」
DL
がーんってやったらまたヒュン!て飛んだ。
マグノリア
「大変申し訳ありませんマスター」(出口を塞いでる)
ヨハン
「そこを退けマグノリア!」
DL
そしたら棚がガシャーン!て倒れた。
クリフ
それを投げている人とか、そういうものは見あたらない?
DL
いません。
クリフ
ポルターガイストッ!
DL
そうだね、いわゆるそれだ。
マグノリア
「エーテルが濃いです……」
DL
ゆんゆんしてる。
クリフ
二人を押しのけて扉を閉める。
DL
閉まった扉に何かがカカカカッと刺さった音がした。
クリフ
「うーん、ここは外れのようだ。次どこへ行くかコインで決めようぜ」《賭博》で10「表が出たらこっち、裏が出たらこっちだ」
ヨハン
「よし、じゃあ運転席に行こう」
(一同笑)
クリフ
「無視すんなコラ」人がせっかくギャンブラーらしいことをしたというのに(笑)

DL
前の方、角の向こうから、キコキコキコキコキコって音が聞こえる。
クリフ
はッ、車椅子に座った老婆のミイラがッ!
ヨハン
缶詰を開けている!
(一同爆笑)
マグノリア
そっちの方をちらっと見て「何かしら」
DL
キコキコしてるよ(笑)とりあえず音が聞こえてくるという段階。
マグノリア
近づいてくる?
DL
そうだね。曲がり角の向こうから近づいてくる。
クリフ
誰か明かり持ってるのか?
DL
いや、車内は煌々と照明がついていて明るい。
ヨハン
「虎穴に入らずんば虎児を得ず。恐怖心などは全て神への祈りに捧げるがよい。さ、行くぞ、ついて来い」
DL
といったところで物陰から音の主が姿を現す。
やって来たのは誰も乗っていない車椅子。対面の壁にぶつかって止まる。
君たちが近づいていくと、車椅子の前の方がひとりでに持ち上がって方向転換する。
マグノリア
「あら。床が傾いているだけではなくてでこぼこしているのかしら」
クリフ
逃げ場を確保したいな。横の客室は開きそう?
DL
開くよ。開くけど……。
クリフ
一応ドアノブに手をかけておく。扉は外開きって事はない? このまま開けたら盾にできるかも。
DL
いや……内開きって事で。普通のホテルで外開きってあんまないでしょ。危ないから。
ヨハン
「マグノリア、車椅子は不自由なのだ、手伝ってあげなさい」と言って前に出す(笑)
マグノリア
「Yes, Master.」
DL
すると更に向こうから二台キコキコキコキコってやって来てこっちを向く。
マグノリア
「マスター、増えましたが、どなたを手伝えばよいでしょう」
ヨハン
「求めるものは全てだ(笑)」
マグノリア
「わかりました、マスター」満面の笑みで応えて近づいちゃう近づいちゃう。
DL
近づいちゃう? じゃあだんだん速度を上げて突進してきます。
防御リアクションして。三台来て三人いるからそれぞれに。ちなみに目標値は12。
ヨハン
「感じる……私は常に神に護られているのを感じるぞ!」
DL
あぶねぇ奴だな(笑)
マグノリア
「マスターの命令です。求めるものを全て与えることこそ、わたくしの使命です!」
DL
じゃあ両手を広げて受け入れるわけだね。
マグノリア
一応体は硬くするけどね。
クリフ
判定は《回避》だけでいいのかな。
DL
防御系の【マニューバ】と組み合わせることもできる。
クリフ
《カバーリング》は人を庇うってことだよね。
DL
イザベラが後ろにいるんだけどね。
マグノリア
ああ、忘れてた(笑)
クリフ
庇わなきゃ(笑)じゃあ後ろのイザベラを、腰を抱くようにして横によけて「弱い奴は護ってやんなきゃな」
DL
じゃあ君ら(ヨハンとクリフ)が避けて。
マグノリア
一つをがーんとはじき返す。
DL
すると、先頭車両側の曲がり角にフリルドレスの少女が立っている。
クリフ
「……あっ。あれだ、あの棺桶に入ってたヤツ」
ヨハン
「ヴィクトリカ!」
DL
くるりと背を向けて向こうのほうへ立ち去ってゆく。
クリフ
「待て、カード返せ!」
DL
何の反応もしない。
クリフ
イザベラは?
DL
恐怖に震えている。「あいつがマリーをッ!」
ヨハン
転がっている車椅子を窓の外に投げ捨てる。「マグノリア、追うぞ」
マグノリア
「Yes, Master.」

SCENE 7「罪と罰」

DL
次の車両を抜けると、そこは娯楽車両です。
クリフ
ひとりでにカードが舞ってたりしない?
DL
入る? 飛び込んだ先はカジノですね。
マグノリア
「あら、こんなところでさっきみたいにお皿が飛んできたりしたら困りますねえ。コインって痛そうじゃないですか。ねえ、マスター」
クリフ
「やな事言うなよ。さっさと抜けよう」
DL
ノワールは誰が持ってるの? 《観察》判定のチャンスかな(マグノリアに)
マグノリア
チャンスかな(クリフに)
クリフ
チャンスかな(ノワール持ちのヨハンに)
(一同笑)
ヨハン
解った《観察》する……
「賭博場か。さいの目ひとつで天国と地獄が別れるこの場所、俺たちには最高の場所だ」〈危険を楽しむ〉
(【ノワール】を次に回して)【ノワール】がないとプレッシャーから開放されていいね(笑)
DL
まさに運試しで負けたのか、ダーツの的のところに、脳天ぷすっとやられてダラーンてなったままミイラ化した死体がある。
クリフ
ダーツが貫通しているわけじゃない?
DL
貫通してる。ダーツがほとんど埋まっちゃっているというか。
ヨハン
ダーツを引っこ抜いて、ミイラを床に横たえる。テーブルクロスでもあったらそこにかけておこう。
「哀れな。これでは天国へ行けないな」
DL
ほかにもトランプを体中に埋め込んでミイラ化している死体と、ダーツにやられた死体がある。
ヨハン
トランプ抜いてダーツ抜いて布をかけておく。
DL
大変だな(笑)
マグノリア
マメな人だね。
クリフ
言っとくけど手伝わないよ。
マグノリア
俺は手伝うよ。
クリフ
無駄なことやってる二人は置いといて、先のほうを見に行くから。

DL
ノワール持ってるのは誰?
マグノリア
はーい。
DL
《観察》のチャンスかな。
マグノリア
「さっきの車両は安全でしたが、この車両もまた危険かもしれません。マスター、わたくしが先に」
DL
彼らはみんなプリーチャーだったり、ホーリーアーマーこそまとっていないものの、パラディンであるということがわかる。
ヨハン
「返り討ちに会った同業者か。長いこと苦しかっただろうが、それも今日で終わりだ。心して待つがよい」
DL
【ノワール】持ってるのは誰?
クリフ
へーい。
DL
《観察》のチャンスかな(笑)
クリフ
それはしろと言っているのかな。
マグノリア
しろと言われてるんだよ。
DL
シティアドベンチャーっつったら観察しかないやんけ。
クリフ
11。死体以外に何か見つからない?
DL
壁面中に弾痕と、地面に転がる無数の薬莢、完全に装弾数ゼロになった重火器とか。
クリフ
「元々血なまぐさいっつってもこりゃやり過ぎだ。どこの悪魔がこのカジノを使ってたんだ? こんな地獄に聖職者が来るべきじゃないな」〈西部の掟〉
「……というわけでさっさと出ないか?」
DL
はい、ノワールをヨハンにまわして。
ヨハン
もう《観察》のチャンスはなくなったね? なしでいいね。
(一同笑)
クリフ
そのへんに銀の弾丸とか落ちてない?
DL
落ちているけど、もう使われちゃっているものだから。
クリフ
うん、普通のかそうじゃないか知りたいだけ。
DL
ああ、もちろん聖別されたものだね。
クリフ
てことは、何かやばいモンと戦った跡みたいだよ。
DL
彼らは、ダークと戦う法王庁の特殊部隊だね。
クリフ
この列車自体が魔物。オッケー!
ヨハン
じゃあ頭潰しに行くぞ。
マグノリア
また短絡的な(笑)
クリフ
だからね、「さっきの女の子追ってきたのに何お前らそういう無駄なことやってんだよっ!」
DL
【チームフェイト】がこの謎を解くになってしまった以上もうそれしかない(笑)
ヨハン
「しかし私にはこの様な惨いことをこのまま見捨てられない」
DL
法王庁に怒られるぞ。遺体が見つからないと。
ヨハン
「そうだな。こんな場合ではない。とっとと行くぞ(笑)」

DL
何かメモの端切れのようなものを発見します。日記なのかレポートなのか。かすれて一部読めない部分もあるんですが、日付順に並べていくと……。
クリフ
お約束の展開だー!
DL
かゆうまって書いてある。
マグノリア
え、同士討ち? (笑)

「~~年~月~日。我々は勅命に従い、ヴィクトリカ抹消のため、マリー内部の探索を開始。侵入前に、障害(ここの部分で何かの文章をまず書き、それを黒く塗りつぶして消してから、障害と書き直した痕跡)を排除」

「~~年~月~日。ヴィクトリカを追撃中、トラブル発生。我々は閉じ込められたようだ。現在、アンセム司祭の指揮の元、脱出の手段を模索している」

「~~年~月~日。脱出の目処は立たない。また騒霊現象が頻発している。徐々に負傷者も増えつつある」

「~~年~月~日。車窓から外の景色が見える。正常な空間へと戻ることが出来たのか、と淡い期待を抱くが、あっさりと打ち砕かれた。未だ位相の異なる場にこの列車は存在しているようだ。彼方に大陸横断鉄道と思しき列車が見える。列車がまるで獲物を狙っているように感じる」

「~~年~月~日(前の記述より日数が経っている。文面は大きく荒れている)。HolyShit!マーカス神父までやられた。生き残りはもはや我々四人だけだ。弾薬も残り少ない」

「脱出の目処が立った。が、おそらくもうダメだ。残るのは俺とあと一人のみ。これから、唯一稼動可能なホーリーアーマーを使用し、俺は機関車両へ突撃をかける。どうか神のご加護がありますように(という部分もガリガリと消されたあとがあるが、かすれていて消えきっていない)」

「神よ、我らの罪を許したまえ」
クリフ
……とりあえずこれは日記を書けと言っている。
「~~年~月~日。ヴィクトリカを追って潜入……」
DL
あのー、別に宿においてあるフリーノートじゃないから(笑)
ヨハン
「我々は姿を現したマリー号に飛び乗った」
マグノリア
日記書いちゃってるよこの人。
クリフ
さあ神父さん行きますよー。
ヨハン
「しかし後から来る人のためにこれを残しておかないと」
クリフ
「失敗前提かよっ(笑)」
マグノリア
もう列車に乗ったときから死ぬこと前提だったから(笑)
DL
君らがそんな風に漫才してると、耳元を掠めて何かが飛んでゆく。
ヨハン
「さあ、次の車両に行くぞ(笑)」
DL
君の背後でイザベラの悲鳴が上がる。彼女の腕から血がにじんでいる。
クリフ
イザベラの手を引いてカジノ部屋を脱出。このへんは危ないものが多すぎる。
DL
すると入り口のほうに中年男性が一人立っている。
マグノリア
「こんなところに人が?」
クリフ
(ヨハンに)はい《観察》ッ!
ヨハン
「こんなところで出会うとは果たして人か魔か。いずれにしろ良い事ではあるまい」
クリフ
生き残りっていう解釈はナシか。
ヨハン
なし(笑)日付が遠すぎるから。
DL
ミイラ化してるからね、ほかの死体は。男性の表情は、血涙を流し、怒りに歪んだ壮絶なものでした。
クリフ
さっき見たときはいなかったんだよね?
DL
いなかった。
マグノリア
マスターとその人の間にはいって
「マスターに危害を加えるのはやめてください。マスターは悪くありません。マスターはすばらしい聖職者なのです」
DL
イザベラはその男性も見て「お父さん!」と叫ぶ。
男の姿はすうっと消えた。
イザベラ(DL)
「やはりただ一人生き残ったわたしを赦してはくれないのね……」
クリフ
「しっかりしろ、あれは幻だ(イザベラの頬を軽く叩く)」
ヨハン
じゃあ、次の車両に行ってもいいのかな。
(一同笑)
マグノリア
血まみれのおっさん無視?
DL
姿は消えた。
マグノリア
「(イザベラに)どういうことなのですか?」
イザベラ(DL)
「あれは私の父です」
マグノリア
イザベラのお父さんも神父?
DL
いや、ただの乗客。
この列車が襲われたときに、お父さんとお母さんがイザベラをこの列車から逃がしてくれたわけだね。
マグノリア
「逃がしてくれたのなら、あなたのご両親はあなたを責めてなどいないわ。あなたがここに来たことを怒っているのかも知れない」
クリフ
いいこと言うねえ。
DL
しかしカードがないから判定できないんだねえ。
マグノリア
カードあっても〈鋼の心〉は使えないんだけどね。人間ぽいから。
DL
それはやり方次第だね。
マグノリア
きっとマスターならそう言うわ、みたいな話になるね。

DL
どこからか微かな音色が聞こえてきます。ピアノの音色だね。曲にはなっていない。一音一音間を開けて鳴っている。
ヨハン
水滴が落ちてるんだ。
マグノリア
重い水滴だな(笑)《観察》のチャンスじゃないかい?
DL
《観察》っていうか……《サバイバル》だ。
ヨハン
音の出る方を《追跡》でもいいんじゃない。
クリフ
《追跡》……《追跡》……(手札を見る)血涙を流しながら16。
クリフの攻撃用【マニューバ】に使用するスートはダイヤ。そして追跡で使えるスートもダイヤ。やっと来たいいカードを出さなければならなかったのです。
DL
君が血涙を流すのか(笑)
その音はこの娯楽車両の更に先にある劇場から聞こえてくるようだ。前に進もうと思ったらそこを通過することになるんだけどね。
クリフ
……ということだ。なんかたいした情報じゃないんですけど。
マグノリア
そこで【フェイト】を使ってさらっと言っとけばいい。
クリフ
〈西部の掟〉ってどう使うんだ。
DL
ピアノが置いてあるのは劇場。それが〈西部の掟〉だ(笑)
クリフ
それは単なる先入観でしょぉ(笑)
マグノリア
こうも静かなところでピアノを鳴らすとは、俺たちをおびき寄せているに違いねぇ。それが〈西部の掟〉だ。
クリフ
えぇぇぇぇぇぇ(笑)
DL
ものすごい気障ったらしく言ってもいいんだよ。
ヨハン
じゃあ、ピアノには陽気なリズムと美女がよく似合う。それが〈西部の掟〉だ。
クリフ
脈絡ないし。
DL
いいんだよそれで。
クリフ
うん……じゃ次行ってください(笑)
マグノリア
クリフには〈西部の掟〉が合わないんだ(笑)
クリフ
〈遊び好き〉だったらセリフがあるんだけどね。
マグノリア
【チームチップ】使ってスートずらせば?
クリフ
よし、使うぞ。「あのピアノの奏者はずいぶんと前衛的なセンスをお持ちのようだ。ちょっと顔を拝んでこようぜ」
マグノリア
おお、かっこいいな(笑)
さ、ヨハン、また【ノワール】が回ってきたよ。
ヨハン
さっきイザベラの腕には傷ができたんだよね。
「どんな小さな傷でも放っておけば命取りになる。それが武士道だ」
DL
ええええー?
ヨハン
あ、嘘嘘(笑)

SCENE 7「罪と罰」

DL
劇場に着くと、スポットライトが一本だけ舞台を照らしています。
光の中には破損しきったホーリーアーマー。中にはミイラ化したパラディンが乗っていますね。遠目にもそれは見えます。
周囲には何の気配もなくて、ピアノの音は舞台の前にある楽団ブースから聞こえてきます。
クリフ
「機関室に乗り込むって言ってたのに何でこんな所にあるんだ?」
マグノリア
「別のアーマーという可能性もあります」
ヨハン
「機関室で倒されてここに飾りとしておかれたんじゃないか?」
クリフ
「悪趣味だな。やっぱりここの奴のセンスは解らん」
ヨハン
「たとえ機械を使おうと、勇気を持って戦った人間をこのように晒し者にするとは。許せん」国は違えど〈武士の誇り〉《観察》。失敗。
DL
失敗してんじゃねーかよ(笑)
クリフ
何か戦った後があるとかは観察しないと解らないかな? 鎧が壊れているとか。
DL
ここには戦った形跡はない。鎧は完全に壊れているよ。腕がなくなっててあちこち傷だらけ。
マグノリア
音がする方は見える?
DL
楽団ブースに置かれているピアノだね。もちろん人の姿は見えませんが。
クリフ
顔が見えなかった(笑)よし、メロディーを音の石とかオカリナに記録して帰ろう(笑)
ヨハン
メモ用紙に書かれていたここを出るための手段とか、それを見つけた方がいいな。
マグノリア
それはヴィクトリアが……。
DL
ヴィクトリ【カ】。
マグノリア
ヴィクトリカが知ってるんじゃないですか?
クリフ
これがさっきの日記の主だったとしたら、この人が「脱出のめどが立った」と言っていたことになるわけだが。
マグノリア
ホーリーアーマーを《観察》
DL
近づいて《観察》する? じゃあ君に【カラミティー・ルージュ】

舞台の上の梁の方からふわりと何かが舞い降りた。それはフリルドレスの少女だった。
彼女はホーリーアーマーにそっと寄り添うと、嫣然と微笑んだ。
マグノリア
「ヴィクトリカさん。私の主人のもとへ戻りましょう。あなたがいないとマスターが困るの」
ヴィクトリカ(DL)
「あなたたちは私の主人ではないわ。私は自由なの」
マグノリア
壊れオートマータかしら……〈主人への忠誠〉《話術》
「あなたもマスターの説法を聞けばマスターのすばらしさが解り、全てマスターのためにと思うようになるわ。さあ、こちらへいらっしゃい」
クリフ
説得系がないんだよねー。《話術》で7。
「カード、あんたが持って行ったんだろ? あんたには意味のない物だ、返してくれ」〈仇討ち〉
DL
そう言うのか。何も言わないよ。
クリフ
……あれ? 泥棒じゃなかったのか?
DL
(含み笑い)
マグノリア
「あなたの目的は何なの?」
ヴィクトリカ(DL)
「私は呪う、この世の全て。神も人も全て呪う」
マグノリア
「全てを呪う? 理解に苦しむ感情ね」
ヴィクトリカ(DL)
「それが私の意味なの」
ヨハン
「君は何故こんなことをした。それは君の意志なのか?」
ヴィクトリカ(DL)
「……人に裏切られたから……神に裏切られたから……」
少女は繰り返す。人に裏切られたから。神に裏切られたから。次第にその声は大きく、くぐもっていった。
ヨハン
「祈りなさい。たとえあなたが神を忘れても、神があなたを忘れることはありませんよ」
いつの間にか、周囲の観客席全てに観客がいる。彼らは皆舞台を見て一様に血涙を流し、怒りに顔を歪め、怨嗟の声をあげている。
マグノリア
「裏切られるという感情はよく解らないけれど、あなたはたまたま運が悪かっただけなのかも知れないわ。
大丈夫、私たちはあなたを裏切ったりしないわ。私のマスターは大丈夫、全ての物を快く受け入れてくれるわ」
ヴィクトリカ(DL)
「では、私たちの呪いを受け入れて」
少女の声に応えるように観客達が立ち上がった。人々はキャストたちの方を注目する。
クリフ
「呪いって何だ!」
もはや問いに答えはなく、人々は怒濤のように押し寄せてきた。

クリフ
逃げ場はありそう?
DL
ないね。周囲全体覆われている。
クリフ
さーてどうしよう。
DL
できることといったら戦闘なんだけどね。【デュエル】開始。
クリフ
……戦うって選択肢が頭から飛んでたわ(笑)
マグノリア
平和的でよろしいじゃないか(笑)
DL
みんな喋るのが一生懸命になるからね、このゲーム(笑)
クリフ
とりあえずイザベラ守っとくから……おかしいな。まともなキャラになってるぞ私(笑)
マグノリア
いや、おかしくないだろう(笑)今の一言はそれはそれでおかしいぞ(笑)
DL
期待してるとおりだな、俺にとっては(笑)

マグノリア
はーい、じゃあ《格闘》仕掛けまーす。
DL
ちなみにこのゲーム、攻撃するときも判定なので、【フェイト】を使って喋ることもできます。戦闘中も会話は止まらない。
マグノリア
14。えーと、何か……ああ、俺ノワール持ってないんだった(笑)
DL
別にノワールがないと喋れないってことじゃないからね。喋ってくれていいんだよ、かっこいい台詞を。言うだけ無駄だから言わないとかそういうのはやめてね(笑)
マグノリア
「あなたたちの呪いや悲しみなんて私には理解できないわ。マスターへの危害は加えさせないわ」
DL
じゃあ君が腕を振り回すと、まるで水を切るようにすかすかすかーってすり抜けた。少し揺らいだだけで、手応えはありません。
クリフ
それを見たクリフは、そいつらには攻撃きかなさそうだなあと判断して、効きそうなのはあの女の子くらいかなー。しかしあれ撃っていいのかな。
DL
だめ。ていうか君、ちゃんともらってきたやん。効きそうなものを。
クリフ
……ああ。通常攻撃だから効かないってだけか。物理全部だめかと思った。二丁拳銃で撃ちまくろう……突然いいカードばっかりで使うのがもったいないな。16で
「死んだやつはおとなしく死んでおけ」
クリフ&DL
それが〈西部の掟〉だ(笑)
クリフの弾丸に貫かれた亡霊が16人倒れた。しかし、後ろから更に押し寄せてくる。
クリフ
(ヨハンに)さあ聖職者がんばれ。
DL
しかしそんな奇跡は持っていないそうだ。
クリフ
なーんーだーとー。使えないやつだ。
DL
彼にも聖水を渡してあるから何とか。
ヨハン
しかしどうやって使うのか。投げつける? 武器につければいいのか……マグノリアに投げつける。
マグノリア
ダメージ受けるよ(笑)
DL
ああ、そうか。【貴族の種】入ってるからダーク扱い(笑)
ヨハン
マグノリアの持っている武器にかけるとか。
DL
つかサムライやろ君!こう口にふくんでぷーってやれよ!(刀に吹き付ける真似)
ヨハン
わかった。こう口に含んでチェーンソーに。
DL
彼の武器はすごいぞ。聖書の背表紙つかんで引き出すと、鋸刃が飛び出してチュイーンて回るんやて。それで「あなたに幸あれー!」って(振り下ろす)
クリフ
それものすごく射程距離短いような(笑)
DL
大丈夫、《超巨大武器》だから。
ヨハン
今のうちに刀にもかけておこう。
「迷える者どもよ。ここはお前たちのいるべき場所ではない。さまよえる御霊は天国へと帰れ」〈神への愛〉
亡霊たちはまた十体ほどが倒れたが、後から後から押し寄せてくる。
マグノリア
攻撃手段がない……ダメージ受けることにして聖水かけてもらうか。
DL
……君魔術があるじゃん。
マグノリア
……。
テラ・ザ・ガンスリンガーでは、マニューバを使用すると、それぞれに応じた維持コストがかかります。強力な能力を使えば使うほど貧乏になってゆくという寸法です。
マグノリアが一度でも魔法を使うと、その維持費は820$!これは半端な金額ではありません。ちなみにガンスリンガーのクリフはフルに活躍しても300$程度です。
マグノリア
マスター、殴ろうとしている俺に命令して。あれを使えって。
ヨハン
「マグノリア、あれはこのときのために用意されたものだ。迷うことなく使いなさい」
マグノリア
「Yes, Master」しょうがない、【マイナーアクション】でディファレンスエンジンを始動させます。
DL
その瞬間、チーンジャラジャラジャラ。
マグノリア
目のところに金額が出るよ(笑)で、背中からディファレンスエンジンががばーって出てきて、スカートばさばさってやるとガトリングがどーんと。
DL
エジソン管だから落とすと割れるぞ。
マグノリア
(笑)いいんだよ。そんなことはビジュアル重視で。そうやっていちいち割ってるから800$なのかも知れない(笑)
DL
そんなんで800$飛んでるだったらその差分値4を消せよ。
マグノリア
いやだー(笑)《ファイアーボール》を撃つよ……これで借金が1800だぞー。
DL
ええええ? 君借金限界いくつだっけ?
マグノリア
1000だよ。800返さなきゃいけないんだぞ。
テラガンでは、マニューバ使用にお金がかかるので、常にこうして貧乏に追いまくられることになります。
あまりにも借金がたまりすぎて借金限界を突破すると、大陸横断鉄道から追い出されてしまう、つまりはゲームオーバーです。
クリフ
マグノリアはマスターの持ち物でマスター管理じゃないの?
DL
生活ランクは適応されるのに限界が増えないのは痛いよなー。
マグノリア
キャラクターだからね。
マグノリアの散財アタックで更に16人が倒れた。だがきりがない。
クリフ
銃をヴィクトリカに向ける。
DL
周りの人が邪魔なのでハンディキャップが発生します。
行為に対して何か障害が発生するとき、山札から引いたカードの数値分達成値が低くなってしまいます。これがハンディキャップです。ただし、いくらハンディキャップが高くても、達成値はゼロ以下にはなりません。
クリフの射撃は達成値10でしたが、ハンディキャップによって出たカードの数値5がマイナスされ、ヴィクトリカはあっさりと銃弾をかわします。

無尽蔵に現れる亡霊たちは、攻撃の手が休まったことで更に押し寄せてきた。
クリフ
「くだんねぇ生き方しかしてない奴にはくだんねぇ死が訪れる、ってか。全くツいてないぜ」
ヨハン
「ここを抜けるのは難しそうだ。先達たちよ、私も後を追うことになりそうだ」
マグノリア
「マスター、すみません。私はマスターの安全をお守りすることができないかもしれません。お許しください」
ヨハン
「神の僕は死ぬときはいつでも一緒だ」
マグノリア
「ありがとうございます、マスター」
これまでか、そう誰もが思ったとき、天井のステンドグラスが砕け散り、誰かが飛び降りてきた。
両手にハードガントレットをはめたフリルドレスの少女、ヴィクトリカが……。
ヨハン
「これは一体?」
天井から現れたもう一人のヴィクトリカは、罵声を上げながらみるみる周囲の亡霊を蹴散らしてゆく。
クリフ
「何だかよく分からんが、味方のようだ」
ヨハン
「向こうには向こうの事情がありそうだな」
援軍が現れたことによって、亡霊の数は少しずつ減っていった。
最後の一体を倒したところで、前からいたほうのヴィクトリカは不機嫌そうに消えた。

SCENE 7「罪と罰」

マグノリア
ガントレットのヴィクトリカが残っているわけね。マスターをかばう。
ヨハン
マグノリアを、いや、大丈夫だというふうに後ろに下げる。
DL
ガントレットには一応十字がついてるから。
ヨハン
「助けられたようだな。まずは礼を言っておこう」
ヴィクトリカ(?)(DL)
「お前らこっちに来ちまったのかよ」心配するようでもあり、逆にうんざりもしている表情だ。
クリフ
「あんた、あっちのヴィクトリカと何か関係があるのか?」
ヴィクトリカ(?)(DL)
「ふふ、まあ色々とな。こうなったら慌てたってどうなるものでもないからな」
DL
ヴィクトリカはそこらへんの客席にどかっと座り、フリルドレスのポケットからパイプを出してくわえます。
マグノリア
おっさんだおっさんだ。
クリフ
中身はおっさんだよ。
ヴィクトリカ(?)(DL)
「いろいろ聞きてえこととかあんだろ?」
クリフ
「じゃあ、まず一つ。あんたカードを見なかったか」
ヴィクトリカ(?)(DL)
「カード? 何だ、カードって」
クリフ
「これこれこんな感じの……あんたが棺から出たときに見えなくなっちまったんだが、あんたが持ってったんじゃないのか?」
ヴィクトリカ(?)(DL)
「んーなもん知らねぇよ」って言ったところでぽろっとカードが落ちる(笑)
クリフ
「(カードを拾って)何だ、持ってんじゃねえか」
ヴィクトリカ(?)(DL)
「あれ、おかしいな。いつの間にこんなところに入り込んだのかな」
クリフ
「手癖の悪いお譲ちゃんだ(呆れ気味)」
ヴィクトリカは本当にカードが自分のスカートに紛れ込んでいたのに気づいていなかったのだ。

ヨハン
パイプを取り上げる。
ヴィクトリカ(?)(DL)
「あっ、てめえ何するんだよ」
ヨハン
「あのヴィクトリアと君は双子かな?」
ヴィクトリカ(?)(DL)
「パイプ返したら教えてやる」
ヨハン
(パイプを返すしぐさ)
ヴィクトリカ(?)(DL)
「まあ、似たようなもんだ。オレもオートマータなんだけどな」
ヨハン
「オートマータ……」
ヴィクトリカ(?)(DL)
「言ってみればあいつはオレの姉貴になるのかな」
ヨハン
「二人とも作られたわけか」
ヴィクトリカ(?)(DL)
「オレはヴィクトリカ、あいつはヴィクトリアだ」
ヨハン
「何のために作られたかは分かるかな? (パイプを取り上げる)」
ヴィクトリカ(DL)
「パイプ返したら教えてやるよ」
ヨハン
(パイプを返すしぐさ)
DL
あっさり返したな(笑)
ヨハン
「交渉はスムーズに進めないとな」
マグノリア
「さすがですマスター(目をきらきらさせている)」
ヴィクトリカ(DL)
「あいつは法王庁がダーク殲滅のために作ったオートマータだ。
お前ら【貴族の種】って知ってるか? そいつを取り込んだモデルだったんだが、あっさり暴走しやがって。ま、それがために当時乗っていたマリー号の乗客を襲っちまったってわけだ。
まぁ、アレだ。オツムのネジが飛んじまったワケだな」
ヨハン
「今ここに乗っているのはお前とあいつだけか」
ヴィクトリカ(DL)
「お前らを除けばオレとあいつだけだな」
クリフ
「ってことは、前の大事件も今の大事件も、お前らの暴走のせいだってわけか?」
ヴィクトリカ(DL)
「お前ら」って、オレまで一緒にしないでほしいな」
クリフ
「同じようなもんだろ」
ヴィクトリカ(DL)
「オレは自分の意志で動いてるんだよ」
マグノリア
「ではなぜ棺の中にいたの?」
ヴィクトリカ(DL)
「じゃあ、一から話してやるか……
ダークを倒すべき者が暴走してマリー号の乗客を殺戮。
しかし実際生き残りはいたらしい。だがこの事態の隠蔽を図った法王庁が、実行部隊を以って生存者を抹殺したんだ」
クリフ
「死人に口なし……まァ、俺でもそうするだろうな」
ヴィクトリカ(DL)
「その際に殺された者の怨嗟が、奴に取り込まれた種を核に集束し、一種の異空間を作り出してしまったんだ。
現実のマリー号は、荒野にあったという奴だろう。
このマリー号は、かつての乗客の怨念が形を得たものだろうな。奴らはその自らの怨念にとらわれ続けているんだ」
マグノリア
「つまり、その怨念を開放しないと私たちはここから出られないということですね」
ヴィクトリカ(DL)
「そういうことだろうな。なんらかの力によって、このマリーは別空間に拘束されていたようだが、なぜか最近になって目撃事件が相次いできた。拘束が緩んでいるのかもしれない。
で、法王庁がまた慌てだしたってわけだ。犠牲は払ったものの闇に葬ったはずの事件がまた顔を出してきたんだからな。
そして送り込まれたのがオレってわけ」
ヨハン
「埋葬するというのは偽りだったということか」
ヴィクトリカ(DL)
「はは、そういう話になっていたのか。まあ、そういうことだな。あんたは引っ掛けられたんだ」
ヨハン
「神よ、愚かにして弱い人間の罪をお許しください」
ヴィクトリカ(DL)
「あのな……あんたもその傘下に入っている法王庁の人間だっていうのに意外と冷静なんだな」
ヨハン
「そうだな。法王庁の罪は、法王庁の一員である私が始末をつけよう」

ヨハン
「まずはこの列車にとらわれた、まだ天国へ行けない人たちの魂を導くことが私の仕事のようだ。それが友を救えなかった私に下された神の試練なのだ」
マグノリア
「マスター、素敵です(うっとり)」
ヴィクトリカ(DL)
「ご立派な人だな。あんたの師匠はよほどの人格者だったんだろうな」
ヨハンがスルーして適当な方に話が流れそうになったのを、慌てて師匠のほうへ誘導するDL(笑)
ヨハンは師の設定など考えていなかったので、適当に名前をひねり出す。
ヨハン
「素晴らしい人だった、ジョージ・ブッシュは」
(一同笑。この後しばらく、ジョージの名が出るたびに笑いが起こる)
マグノリア
先生なのに呼び捨てだ(笑)
ヨハン
じゃあ、「素晴らしい人だった、ジョージ神父は」
ヴィクトリカ(DL)
「ジョージだと? ジョージとは、ジョージ・ブッシュのことか!?」
ヨハン
「何っ、知っているのか、俺の師匠を!」
(一同爆笑)
DL
ノワールは? カード回さないと~!
ここはヨハンの稼ぎどころ。無理矢理でも回さなければなるまいということに。
クリフ
じゃあ、ジョージだと? のところでヴィクトリカを《観察》……スペードがないから失敗っと。「幽霊退治かと思ってたら面白いことになってきやがったな」はい次!
(一同笑)
DL
面白いこと大好きだな(笑)
クリフ
面倒が好きってワケじゃないんだけどな。
DL
《観察》するとわかるけど、ヴィクトリカにとっても恩人か何かのようで、知り合いがいることを喜んでいるみたいだね。
ヨハン
「あの人は素晴らしい人だった」
マグノリア
過去形だー(笑)
DL
いや、生きてる生きてる生きてる。
ヨハン
「ジョージとはどこで?」
ヴィクトリカ(DL)
「ジョージ・ブッシュは、オレたちを開発したチームを管轄していた人間だ。ジョージがオレの自我形成に力を貸してくれたおかげで今の自分がある」
クリフ
「あんた(ヨハン)の師匠は随分とワイドな人なんだな」
ヨハン
「師匠は手広く商売していたんだ(笑)」
DL
君は師匠がそんなことをしているとは知らなかったけどね。
ヴィクトリカ(DL)
「あの人はかつての法王庁の罪を教えてくれた。そして今それを大いに悔いて、オレにあいつを止めるよう頼んだ。
オレは、オレ自身のケジメをつけるために来たんだ」
ヨハン
「そうか……では手伝ってくれるかな。私のために、ジョージのために、死んでいった全ての人たちのために」
ヴィクトリカ(DL)
「ああ、もちろんだ……
だが、あいつも一番初めにオレのように心を貰っていればこんなことにはならなかったんだろうな」
暴走したヴィクトリアは、心を持たないただのオートマータだったらしい。
【貴族の種】やダークを喰らい、体内に封印する、そういった機構を持っていたのだ。だが、食った【貴族の種】に乗っ取られてしまった。
今の彼女を動かしているのは、種を核として怨念を巻き込み発生した狂った意思なのだ。
クリフ
まあ、カードは回収したしぃー。
マグノリア
帰る気満々だこの人(笑)
クリフ
ヴィクトリカにも会ったしぃー。
ヨハン
「ヴィクトリアを倒して、囚われた魂と我々を解放しようではないか」
ヴィクトリカ(DL)
「そうだな」
ヨハン
「先頭車両に行けばいいのかな」
ヴィクトリカ(DL)
「オレに訊くな(笑)いつまでもここでぐだぐだ話してても仕方ねえからな。そろそろ行くか」
そう言ってヴィクトリカが立ち上がった瞬間、一発の銃声とともに彼女の体がわずかに浮きあがって倒れた。
銃弾はヴィクトリカの胸を貫通していた。

ヨハン
「(助け起こしつつ)しっかりしろ、傷は浅いぞ」
マグノリア
どっちから飛んできた?
ヴィクトリカの背後には、硝煙を上げる銃を持ち立ちつくすイザベラがいた。
マグノリア
「あら、あなた何をしているの?」
イザベラ(DL)
「アンタのせいで……アンタのせいでお父さんもお母さんも……。
何がケジメよ!そんな自己満足で全てが無かったことになるだなんて思わないで!」
激高するイザベラは、次にヨハンに銃口を向ける。
イザベラ(DL)
「アンタも!綺麗事だけで全てを片付けようとしないで!」
マグノリア
「マスターへの敵対行動を確認。戦闘モードに移行します……その銃をおろしなさい。おろさないと容赦なく燃やすわよ。さあ、どうするの」(しばし間)……マスターもどうするの?
(一同爆笑)
ヨハン
フェイトが合わないんだよな。
クリフ
動いていい? 両手を挙げて近づく。「まあ落ち着きな」
相手は素人だし、銃口が震えているだろう。
DL
もちろんがたがた震えています。君だったらいくらでも対応できるだろうね。
クリフ
んじゃ一足飛びで近づけるところまで近づいたらダッシュかけて、相手の銃を奪い取りつつほっぺビンタ。
銃を奪われたイザベラはその場に座り込んでしまった。
クリフ
「あんたな、何をやったかわかってんのか? こっから出ないことには俺たちは死ぬんだぞ。その力になりそうな奴をぶっ殺すなんて、何考えてんだ!
あんたが死ぬのは勝手だが、俺たちを巻き込むな!」
ヨハン
「この事件が終わってまだ私を撃ちたいというのなら撃ちなさい。だが、ここから出るまで私を生かしておいてくれないか……
もういいでしょう、マグノリア。もう彼女に戦う意志はないようだ」
マグノリア
「マスターがそう言うのでしたら……(イザベラに)マスターのご命令だから見逃してあげる。命拾いしたわね」
イザベラは涙ぐんだ目で三人を睨むと立ち上がり、走って劇場から出て行ってしまった。
クリフ
「おい、待て!」
クリフがイザベラの後を追おうとしたとき、倒れていたヴィクトリカが弱々しく呼び止めた。
ヴィクトリカ(DL)
「あんたたち、カジノにあったメモを見たんだろう? その続きがきっとどこかにあるはずだ。そして恐らくそこにはこのマリー号を眠らせる方法が記載されているはず。
彼女を止めるにしても、まずはこの列車を止めることが最優先ではないかな」
マグノリア
「あなたの言うことは最も合理的だわ」
ヨハン
「それ以上喋るな。傷口が広がる。
……天にまします我らの父よ御名の尊ばれんことを御国の来たらんことを御旨の天に行わるるごとく地にも行われんことを我らの本日の糧を本日我らに与え給え我らを許し給え我らを試みにひきたまわざり我らを悪より救いたまえAMEN」
いわゆる神聖魔法、神の力を借りた奇跡を起こすためには、実際に祈りの言葉を口にしなければなりません。聖書の一節そのままをロールプレイ中に言わなければならないのです。言わないと奇跡は発動しないとルール上で定められています(笑)
ヨハン
達成値20。
DL
【胸部貫通】は達成値17だから治った。
このゲームにいわゆるHPというものはありません。その時のダメージ達成値により、肉体・精神へのダメージ状態を出す表があります。表に【死亡】と書かれない限りは死なず、ダメージが蓄積し続けます。逆に、銃弾一発で四散して跡形もなくなった、なんて恐ろしいことがあるのがこのゲームです。
DL
治ったけど体力は消耗しているね。要は動けないってことだコイツは。
クリフ
イザベラ……素人のくせにオートマータを一発貫通とはいい腕だ。
DL
多分使った銃が44マグナムのハードポイントか何か(笑)
ヨハン
肩が抜けてんじゃないの?
マグノリア
反動ですごい吹っ飛んでる気がする。
DL
クリフが殴る前に吹っ飛んでるんだって。吹っ飛んでるところに追いついて地面に叩きつけた。
クリフ
何その空中コンボ。
DL
ドラゴンボールやんけ。

ヨハン
「メモか。どこにあるんだろうな。よし、今こそあの力を使うときだ!」
クリフ
「……俺?」
ヨハン
(コインをはじく仕草)
(一同笑)
DL
弾くのはいいけどさ、コインである以上選択肢二つしかないだろ。この選択肢があふれまくった空間で何を選ぶ気だ(笑)
クリフ
あー、じゃあ前か後ろかで。コインが立ってる。
マグノリア
上か(笑)「マスター……届きません」
ヴィクトリカ(DL)
「お前らアホか」

そうこうしているうちに、ホーリーアーマーの中に入っているミイラの口の中に何かがあるのを発見。それは以下のようなメモだった。
「やはり、ムリだったようだ。私のアーマーはすでに機能を停止しようとしている。しかし、いつかこの魔列車が再び世に現れた時、不運にもこの事象に巻き込まれてしまった者のため、恐らくは唯一の脱出方法をここに記しおく。我らの罪がいつか赦されるその時を願って」
この列車の核はヴィクトリアであるようだが、恐らくはこの列車を形成する際に、列車という体裁を取ったせいか、その意味的な構造もそれに従ったものとなっているようだ。つまりは列車の心臓部、機関部が、唯一致命傷を与うるに足るポイントであるらしい。それが証拠に、ヴィクトリアの出現は機関部を離れるにつれその頻度を落とし、機関部に近づくにつれ高まる。同時にその攻撃も熾烈になるのだが……。
とまれ、機関部を破壊せしめることさえ出来れば、恐らくはなんらかの隙、つまりは脱出の機会を得られるものと考えられる」
ヨハン
「我々のやることは決まったな」
ヨハンはやおらチェーンソーと刀を担ぎ上げると、「ハーレールーヤー!」と叫びながら機関部へ走っていった。
マグノリア
神様称えながら何しとんねん。

SCENE 8「終着駅」

亡霊の群れを退けながら、三人は機関部にたどり着いた。
ドアを開けると、然素機関と霊素機関を制御するためのテスラ管、エジソン管が所狭しと配置された巨大な機関室。その奥の、機関部に直結するコンソールは、まるで生物の様に不気味に脈打っていた。
ヨハン
《観察》
「でてこい、ヴィクトリア!ここにいるのは分かっている!ヨハンと二人の信徒が来たぞ!」
クリフ
コンソールに一発撃ち込む。
DL
コンソールの前に泣き笑いのような表情で銃を携えたイザベラと、それに抱きつくように立つヴィクトリアが現れた。
マグノリア
「その人を放して。その人は関係ないわ」
ヴィクトリアはくすくすと笑うと、イザベラの耳元で囁き始める。
ヴィクトリア(DL)
「さぁ……憎い憎いお父さんとお母さんの仇が入ってきたわ。呪って……憎んで……呪い殺してやって」
イザベラは震える手で銃を構えている。
マグノリア
「あなた、また性懲りもなくマスターに危害を加えるつもりなの? 本当に燃やすわよ」
DL
あんた怖い(笑)どう見てもイザベラは正気ではないね。
クリフ
正気ではない相手に精神ダメージ与えてもしょうがないよな。
DL
いや、言ってしまうと効果あるよ。
クリフ
じゃあ《紙一重》で顔を掠めるように撃つ。いいカードがないな。失敗したら本当に当たるんじゃないの?
……やっぱヴィクトリアに向かって撃つ。「卑怯なマネすんじゃねえよ。自分の力だけで勝負しやがれ!」
DL
ヴィクトリアに向かって撃つの? 抵抗成功。平然としてるね(イザベラなら無力化できたのに)
ヴィクトリア(DL)
「この子は私の友達なの」
マグノリア
「友達がいなくて寂しいのね。なら光のあるほうへ出ていらっしゃい。私たち三人があなたの友達になってあげるわ」あまり心はこもってないけどね。
「マスターは寛容な心を持っているわ。ね、マスター」
クリフ
マスター威圧してる(笑)
ヨハン
「これ以上罪を重ねるのはやめなさい」
DL
みんなイザベラ相手にしねーな。
マグノリア
だって発狂してるんでしょ?
DL
してねーよ!そそのかされている感じだ。
ヨハン
「悪しき言葉に惑わされるのはおやめなさい。こんなことをしてもあなたのご両親は帰ってきませんよ。ここをでてあなたがあなたの幸せをつかむことのほうがご両親の望みでしょう」ストーリーフェイトの〈マリー号の事件を解決する〉を使って《説得》
「さあ、その手を振りほどくんだ。ここから出るために!」
DL
イザベラは涙を流し、銃をおろして倒れます。
ヴィクトリア(DL)
「あら……強い呪詛の声が聞こえてたのに……。ダメねぇ」
ヴィクトリアはくすりと笑って、両手のハードガントレットを構えた。
ヴィクトリア(DL)
「聞こえる……貴方たちの心から、わたしを憎む呪詛の声が。憎んで。呪って。そして死んでいって。わたしの力になって」
マグノリア
「あなたは良いか悪いかは別として心を手に入れたようね。その心がはっする悲しみは、あなたがここで消滅することでしか止められないのかもしれないわ」
クリフ
えーと、か、《観察》《警報》
(一同笑)
《警報》は危険を察知するマニューバです。漠然と危険のあるなしだけを感じる能力なので、戦闘状態の敵を目の前にして使っても、危険なのは分かりきっていますから意味がありません。
クリフ
ばりばり危険だな(笑)〈遊び好き〉で「これはでっかい勝負だな。俺の命チップにしてお前らに賭けるぜ」
一カットは一分程度、戦闘の行動順は、【冷静】の高い順になります。
戦闘中とれる行動にはメジャーアクションとマイナーアクションがあります。何かを言ったり少し動いたり、そういったものはマイナーアクションです。
メジャーアクションは誰かを攻撃したり全力移動したり、一分以内に取れる、判定を伴う行動です。
マグノリア
チームチップを使ってメジャーアクションを増やします。
マイナーアクションで戦闘モードに移行。
一回目のメジャーアクションで魔法を使います。《フィジカルエンチャント》ヨハンの身体能力判定にアドバンテージをつけて、更に【パワーチップ】を追加三枚で永続化。戦闘終了まで続くようにします。
DL
……えええ!?凄くね? 強ぇな蒸気魔術師。
マグノリアが出したカードはエースでした。エースは数値20として扱われます。アドバンテージとは、判定に加算される数値です。これでヨハンの戦闘行動の達成値には常に+20されるわけです。しかも戦闘終了時まで。これは大きいなんてものじゃありません。
ちなみに、アドバンテージは術者ではなく、かけられた対象が出すものなのですが、ここではルール解釈の間違いでマグノリアが出しました。
マグノリア
二つ目のメジャーアクションで、ヨハンを白兵距離まで《テレポート》
クリフ
ダッシュかけて近づいて、倒れているイザベラを保護。
DL
じゃあ白兵距離まで近づいてこのカットは終了だ。
ヨハン
聖書とサムライ・ブレードを構えたまま《サムライ・トランスフォーム》
テラ・天羅の世界におけるサムライは、体に異形を埋め込み、その力で変身します。それが《サムライ・トランスフォーム》です。一定時間強い力を得ることができます。
ヨハン
「ヴィクトリア、黒い声に耳を傾けるな!それは甘美に聞こえるが、お前に苦しみしか与えないぞ!」両手の剣で切りつける。
DL
《バタフライダンス》を使用して25で抵抗。差分値はダメージに入らないから、二本分の武器修正とダメージカードを加算して……。
ヨハン
28ダメージ。
DL
(ダメージ一覧を見て)【パワーチップ】を一点使ってダメージを減らします。声帯にダメージが入って声が出なくなった。
ヴィクトリアの行動……ヨハンに、《クンフー》《アイアンメイデン》《剛拳》《ブレッドタイム》《ザ・プレイヤー》《怪力》《超巨大武器》《徹拳》を組み合わせて攻撃。達成値は42。
ヨハン
40だぁ!?【チームチップ】を一点使ってスートを変更。40。
DL
差分値2の7の、ダメージカードを9出して16の23の……(マニューバに基づいて計算中)……ヨハンの物理防御(PD)7点下げた上で38点のダメージ。
ヨハン
PD残り2を引いて36のダメージだな。
DL
【パワーチップ】1点につきダメージを一点減らせるよ。
ヨハン
11使って25まで下げる。【重症】出血多量……【重症】はだめだ。24まで下げて、【両足の損傷】。移動と運動ができなくなる。
DL
じゃあ、ヴィクトリアのハンマーが君の剣をかいくぐって足を殴ったら関節が増えた。
【パワーチップ】を使ったってことは、君の希望や祈りが力を発揮したってことで、「外れろ外れろ外れろーっ!」て祈ったんだけど、足に当たったってことだね。
マグノリア
【チームチップ】を二枚使ってクリフにアドバンテージ……いやー、蒸気魔術師の弱点は回復魔法がないってことだよねぇ。
クリフ
手が空いてたらイザベラさん回収してー。
マグノリア
それでは、《テレポート》で回収。
「マスター、クリフ、イザベラさんは回収しました。安心して戦いをお続けください」〈主人への忠誠〉
クリフ
「うわ、俺付けたし臭ぇ(笑)」
ヨハン
「よくやったぞマグノリア。これで全力を出して戦える」
クリフ
二丁拳銃で周囲の機械を攻撃。
DL
部品が飛び散った。
クリフ
止まる様子はない? あれー、列車止めるのが先じゃないのか。
何かを勘違いしていたクリフが迷っている間に、ヨハンは自分の傷を祈りで癒した。
DL
《スピードスター》で近寄ってマグノリアを30で殴る。
マグノリア
《鉄身》使って倍にして……28。俺、墜ちるかもしんないよ。
DL
10点【パワーチップ】を使って達成値上昇。差分値12……まずPDが12点下がります。ダメージは34点。
マグノリア
【チームチップ】を3点使って……目が見えなくなりました。
DL
ちなみにダメージの【バックファイア】は避けたほうがいいよ。その場で引いた数値分ステータスが下がるから。
マグノリア
どうしようかな……。
DL
今カード引いて、ああ終わったなと思った(笑)ヨハンとクリフには怖いアドバンテージがあるから、もうそっちに手出しする気はないよ。
マグノリア
ヨハンを《テレポート》で引き戻す。
(一同笑)
DL
忙しいな。てかあんた自分のマスター何だと思ってるんだ(笑)
マグノリア
ふう、危ない危ない♪
クリフ
人の心を持ち始めてるなコイツ(笑)
ヨハン
この極限状態で目覚めたんだ。
クリフ
なんかやな方向に(笑)
DL
こいつ《心機一転》持たせとけばよかったな。
《心機一転》とは、自分の手札全てを捨てて、山札から手札を取り直すという荒業です。手札がひどすぎる時に効力を発揮し、場を荒らします(笑)
クリフ
《ガンスリング》《集弾》でヴィクトリアに攻撃。34。
DL
《バタフライダンス》《アイアンメイデン》。達成値30。差分値4だけど【パワーチップ】使って4点上昇。差分値0で命中。
ルールブックでは、達成値0の時点で失敗となっています。防御側有利となっているのです。ここでは解釈ミスしているようです。
クリフ
武器修正二丁分で16、ダメージカード10でダメージ26「あんたみたいな子供を撃つのは趣味じゃないが、こんな戦場に顔を出したほうが悪いのさ」
ヴィクトリア(DL)
「哀れむのはやめて。私を呪って」とスカートで弾丸をはじいた。
クリフ
「呪う? ただ俺たちは外に出たいだけだ」
そういやイザベラはマグノリアの足元にいるはずだよな。
マグノリア
危ないじゃないか。
DL
うん、今逸らした弾丸が足元に跳ね返った(笑)
クリフ
じゃあかっこいい事言いながら、あ、やべッ!って思ってる(笑)
マグノリア
マスター、やっちゃってやっちゃって。
DL
俺がまた《スピードスター》でそっち行ったらまたマスター吸い込まれるな(笑)
クリフ
しまいにゃ酔いそうだね。
マグノリア
便利でしょ、《テレポート》(笑)
DL
本人が移動系のマニューバ持ってなくても移動できるのは便利だね。
ヨハン
「たとえ何があろうと弱き者が私の背中にいる限り、この戦い、勝たねばならぬ!それが武士道だ!」〈武士の誇り〉
《ソードマスター》《超力》《竜虎一天流》《サムライ・トランスフォーム》……《アーマークラッシュ》も付けよう。44!
DL
44か……《鉄身》でPDを倍にする。こっちは一切回避行動をとらないので、クリーンヒットします。
ヨハン
《アーマークラッシュ》の効果でPDを17低下させて、28点のダメージ。
マグノリア
《鉄身》の意味がなかったね。
DL
《アーマークラッシュ》の効果を知らなかったのが痛かったな……
じゃあ次、《スピードスター》を使ってクリフに攻撃。
ヨハン
ただ単に俺が飛ばされるのが面白いだけだろう(笑)
マグノリア
なんで今《テレポート》しか使わないか解るかい? アドバンテージが効いちゃって、抵抗しなければ成功する唯一の魔法だからだよ(笑)
ヨハン
飛ばされたくないですって言ったら。
マグノリア
その瞬間ぷしゅーって失敗する。
DL
38で攻撃。
クリフ
回避回避……ああ、《インターセプト》で反撃できるのか。
DL
ヴィクトリアは至近まで来ているから、ハンディキャップが付くよ。
クリフ
《ガンスリング》《インターセプト》《集弾》で反撃。達成値40の、ハンディキャップ6で、ダイヤの能力値は6。
DL
差分値2で君の反撃が命中。ダメージは?
クリフ
24かな。「無駄なことはやめな」
DL
向かってきたヴィクトリアに撃った君の弾は目をかすった。今の反撃で《スピードスター》はキャンセルされたから、ヴィクトリアは動いていない。はい、クリフの攻撃。
クリフ
え……早くない? ああ、反撃だったからか。
DL
それがガンスリンガーとサムライの凄いところだ。

クリフの攻撃はヴィクトリアに傷を負わせることはできなかったが、ヨハンの渾身の力を込めた一撃がヴィクトリアの足を砕いた。
ヴィクトリアは力を失って倒れ、彼女の背後に奥へ続く扉が現れる。
あれこそがこの列車を形作っている元凶だ。クリフは銃を構えたまま前に進んだ。彼の目の前に、この列車の心臓部、生物の心臓のように脈打つフロギストン・ジェネレーターが姿を見せる。
ヴィクトリアは、悲痛な声で哀願した。
ヴィクトリア(DL)
「やめて、壊さないで。わたしの意味を消さないで……」
ヨハン
「あれは壊さなければならないんだ、この悲しい事件を終わらせるために。
だが決して私は君のことを忘れることはないだろう。安心してお眠り。今はただ神の腕に抱かれることを祈るがいい」
ヨハンの言葉を聞くと、ヴィクトリアは涙を流しながらもゆっくりと目を閉じた。
マグノリア
「もう少し早くマスターに出会えていたら、あなたは救われたかもしれないわ」
クリフはフロギストン・ジェネレーターに向かい、最後の銀の弾丸をこめて引き金を引く。
クリフ
「今回の手札は最悪だったが、今度はいい手札をもらって生まれてこいよ」
弾丸がジェネレーターを貫いた瞬間、機関部が停止した。一際甲高く、汽笛が鳴る。マリーが大きく振動する。
機関室の窓から外を見ると、マリーがその先頭部からじわじわと消滅して行くのが見えた。クリフは仲間たちの元へ駆け戻る。
クリフ
「前のほうから消え始めた!このままじゃ放り出されるぞ!」
マグノリア
「ロープのところへ戻りましょう」
クリフ
「駄目だ、ロープは切れちまってる」
ヨハン
「最後尾に行くしかないな。イザベラは頼む」
気絶したままのイザベラをクリフが、倒れたヴィクトリアをヨハンが抱え上げる。
三人は列車の消滅に追われ走った。途中、劇場でマグノリアがヴィクトリカを助け起こす。
ヴィクトリカ(DL)
「よぅ……やったみたいだな。あとは脱出するだけか。……できるのかどうかわかんねぇけど」
マグノリア
「マスターがいれば何とかなるわ。あなた、負ぶさりなさい」
だが、どこへ逃げればいいのか。一等客車を抜けた所で、イザベラが不意に目を覚ました。
イザベラ(DL)
「な、何が一体!?」
クリフ
「そのまま寝ててくれよ。今ちょっと取り込み中だからさ!」
イザベラはクリフの肩越しに消滅するマリー号を目にすると、叫んだ。
イザベラ(DL)
「三等客車!三等客車に行って!」
クリフ
「このくそ忙しい時に、何があるっていうんだ!」
ヨハン
「我々に残る選択肢はそれしかない」
イザベラの言葉のままに三等客車へと走る三人。三等客車ににたどり着いた時にはすでに消滅はすぐ背後まで迫っている。
絶望感にとらわれる中、ふと差し込む光明。見れば、車窓の一つが口を開け、そこから眩い光が差し込んでいる。
ヨハン
「ええい、神よ!」
逆光になってよくは見えないが、その前に一組の男女が立っているようだ。
「お父さん、お母さん……」呟いて、イザベラは涙を流す。
三人は直感する。それこそが脱出口だ!
クリフ
「そうか、イザベラはここから逃がされたのか」
マグノリア
「マスター、行きましょう」
ヨハン
「我らを救い給え」
三人は光の中へ飛び込んだ。光の中で、飛び出してきたマリーの車窓が遠ざかって行く。
その向こうに、イザベラの両親を始めとする、かつての乗客たちの姿が見える。彼らは皆微笑みを浮かべ、礼を述べているように見える。
その輪の中に、ヴィクトリアの姿も見える。泣きじゃくっていた彼女だったが、周囲の乗客たちになだめられ、泣き止んだ彼女は少しすねた表情で、かすかに恥ずかしそうに「ごめんなさい」と呟いたようだった。
三人の意識はそのまま遠のいていった。

ENDING

ヨハンが目を覚ますと、まぶしい光が目を刺した。
ヨハン
「ここは……天国か?」
DL
大陸横断鉄道の病院のようだね。周りを見回すと、それぞれ全員がベッドで寝ています。君ら(マグノリアとクリフ)も順次目を覚ましていいよ。
しばらくすると医者と車掌が入ってきます。
車掌(DL)
「皆さん、目を覚まされましたか!」
ヨハン
「マリーは?」
車掌(DL)
「皆さんがマリーに侵入してすぐ、マリーの姿がかき消えてしまって……どうなったかとハラハラしていたのですが、それから数時間あまりしてから、皆さんが突然車窓から飛び出してきたのです。それも怪我をして。
そして皆さんがこちらに戻ってきてすぐのことです。この鉄道がザ・ゲートを抜けたのは。しかもすでに夜は明けていて……。
一体何があったのですか?」
クリフ
「……運命の神の悪戯ってとこかな」
DL
かっこいい。
クリフ
まあ要するに、わけわかんねえって言ってるだけなんだけどね(笑)
DL
ヴィクトリアもいるけど、完全に物を言わぬ人形になっている。完全に機能停止状態で病室の片隅に置いてあります。
ヨハン
「あそこにはとても悲しいことと罪があった。
(イザベラとヴィクトリカに)何があったか、話すかどうかは君たちが決めることだ」
ヴィクトリカ(DL)
「面倒臭ぇからオレはパスだな」
イザベラ(DL)
「私のほうからも別に何も。私の中で一つの解決はつきました」
クリフ
こんな所にいると嫌なこと思い出しちゃうから、治る前にこっそり出てくよ。で、包帯グルグルのままでポーカーなんかやってる。
男(ヨハン)
「おい、その包帯の中からカードが出てきたぞ(笑)」
クリフ
「これはスペードじゃねえよ、ハートだ。血の染みじゃない!」

やがて列車は臨時停車するための小駅へと到着する。
三人は荷物を抱えたイザベラと出会う。

マグノリア
「あら、どうしたの、その荷物は」
イザベラ(DL)
「皆さん、どうもありがとうございました。私はここの駅で降りることにします。もうこれ以上西へ向かう理由もありませんから」
クリフ
「今までのアンタの手札はクズカードしかなかっただろうけど、ってことは山札ン中にはまだ絵札が沢山残っているってことなのさ。これからきっといい人生が待ってると思うぜ」
イザベラ(DL)
「ありがとうございます。そうですね、きっとトランプの山札と同じなんです。
私、思うんです。お父さんもお母さんも、乗客の皆さんも、決して心の中は恨んだり、呪ったり。そんなコトばかりじゃなかったって。あの、ヴィクトリアというオートマータの女の子も。
きっと、皆の悪くない心の部分が、あのマリーをこの世ではない、あの場所に引き止めていたんじゃないか、って。
今回のコトは、歯止めが利かなくなりそうな自分たちを止めてもらうために、私たちの前に現れたんじゃないでしょうか……」
ヨハン
「今私が君にこんなことを言う資格はないかもしれないが、幸せになってくれ。君の御両親や、マリー号の乗客、悲しい運命しか選べなかったヴィクトリアの分まで」
イザベラ(DL)
「ありがとうございます、神父様。私もこれから一生懸命生きてゆきます。皆さんのこれからの旅路に神の御加護がありますように」
降りてゆくイザベラと入れ替わるように、黒の一団がやってくる。エンズビルでヴィクトリカのコフィンを渡した神父たちだ。
ヨハン
先回りしてる……。
DL
なぜかと言うと君たちがかなり長い間ザ・ゲートの中に居たからだね。
無表情の神父がニヤリと笑う。
神父(DL)
「騙すようなコトを言ってすみませんでしたね。しかしどうやら無事事態は解決した様子」
クリフ
「済まないって顔じゃねーな」
ヨハン
「神の名を騙って犯したこと、全て神はお見通しです。せめてあなた方の罪が許されんことを」
神父(DL)
「ははは。貴方が何を見聞きしたにせよ、それは貴方の胸の内にしまっておくべきです。そうは思いませんか。東部で、そして貴方が目指す西部で、神の救いを待つ人々のためにもね」
ヨハン
「今度のことは私の胸にしまえても、神の目から逃れることはできません。ただ私はあなた方の魂が救われることを祈るのみ」
神父(DL)
「本当にこの世に神がいるのならね」
ヨハン
「神はいます。あなたの側に」
神父(DL)
「……その話は置いておきましょう。
さて、もう一つあなたに伝達事項があります。この事件で同行したヴィクトリカですが、この街で応急処置を施した後、あなた方に同行させます。西部には、まだまだ殲滅すべきダークが巣食っているのですから。
それでは今後ともよろしくお願いしますよ、ヨハン神父」
こうして事件は幕を下ろした。
立ち去る神父達の背に向け、クリフはコインを弾いて一人呟く。
「神? 神ならいるぜ……ここにな」
コインはくるくると舞い上がり、陽の光を反射して眩しく輝いた。

END