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こちらには『忌胎』
『ヒナドリ・イングレイヴド』
ネタバレがあります。
また、かなり大きな改変がありますので、
プレイ参考にはしないでください。

本編見る!
KP
そういうしているうちに、救急車は病院に滑り込む。牧志は緊急入院となり、あなたは病院の廊下にひとり取り残される。

どこからか、消毒液の匂い。
あなたの手の中に牧志の持ち物……ベルトポーチと見慣れたジャケット、それからあの時あなたに助けを求めたスマートフォンだけが残された。
KP
別に佐倉さんいじめるつもりじゃなかったんだけど、結果的にこんなところに取り残してごめん佐倉さん。
※佐倉は基本病院にいい想い出がない。
佐倉 光
入院の書類などを代筆、事情説明などを行い、消毒薬臭いがらんとした廊下の椅子に座って、牧志の荷物を抱えたまま説明や書類を待つ。

ふと思い出した。
……そうだ。あの時気になったことがある。
倒れた手元にあったスマートフォンが光っていたということは、直前まで操作をしていた、少なくとも触れてはいたということだ。
何か中途になっていることはないだろうか。
例えば誰かへのメッセージとか……

申し訳ないが緊急時だ、見せてもらおう。
※スマホを調べます。
KP
……牧志のスマートフォンは、あなたにメッセージを送った画面を映し出していた。
力尽きた指が何か押したのか、タスク切り替え画面になっていて、バックグラウンドタスクに起動中のWebブラウザが残っていることが分かる。
佐倉 光
なんか気まずいもんうつってたら見なかったことにしよう。
webブラウザを見てみる。
KP
そこには初期表示のニュースサイトが映っていた。ニュースサイトはこの間の隕石のニュースやら、芸能人のスキャンダルやらを雑多に映している。

【アイデア】
佐倉 光
1d100 85 【アイデア】 ☆ささぼっと☆ 1d100→22→成功
KP
あなたはいつもの習慣か、自然と思った。
検索履歴に何か残っていないだろうか。
佐倉 光
検索履歴には使う人間の趣味嗜好、その時の興味が赤裸々に残るものだ。
検索履歴を見る。
KP
あなたは検索履歴をざっと見る。
機械工学関係のサイトを見ていたり、猫画像だったり漫画だったり。応急手当のやり方、音楽動画、おもしろ科学、腹痛が気になるのか医学系の検索履歴もある。あ、月刊妖online。

そんなものに混じって、「ドッペルゲンガー」「悪夢」について検索した履歴が残っていた。
佐倉 光
「ドッペルゲンガー……」
悪魔使いとしての知識には少し引っかかる名前だ。
だがおそらく同じ名前だが別物と考えた方がいいだろう。
先入観は捨てるべきだ……
その時に見ていたアドレスをチェックする。
KP
そこにあったのは、あなたにとっては至って平易な内容だっただろう。

「ドッペルゲンガーとは、自分自身と全く同じ姿をした人間が現れる、という怪異である。一般に、ドッペルゲンガーを自分が目撃する、或いは他人に目撃されると、死に至ると言われている」

そんな結果と、後は大差のない雑多な内容か、歴史的な追及や出典の話、映画・ゲームや創作作品の話ばかりだ。あと自転車メーカー。
佐倉 光
ドッペルゲンガー見たら死ぬって、ああいうイメージじゃないな……
同一存在が同次元に存在すると云々、ってのはどっかで見た。

『悪夢』の方も見よう。少しでも情報が欲しい。
KP
夢についての様々な記事が見つかる。オカルト的な解釈、夢占い、人間の本能、記憶の整理、医学的な現象、薬の副作用…… 

〈目星〉または【アイデア】で判定。
佐倉 光
1d100 85 【アイデア】 ☆ささぼっと☆ 1d100→27→成功
佐倉 光
今までに悪夢を起点とした事件結構あったんだよなぁ。
KP
なんですよねぇ。かなり夢は起点になってる。
KP
牧志が検索結果から見たのは、医学的な悪夢への対処法であったらしい。

『悪夢を見る場合、肉体的・精神的に疲弊していることが多い。悪夢を見ないようにするためには、不安の要因の排除や、体調を整えることが根本的な解決につながるだろう』

『一種の夢日記、も効果的だ。
 悪夢の内容を詳細に書き留めるようなものではなく、夢を見た日付と良い/悪いを、その時の体調と精神状態と合わせて記入することで、体調との相関が分かる』
佐倉 光
ほぉー。
佐倉 光
「……」
あまり詳細な夢日記つけるのあまり良くないって聞いたことがあるぞ……
抗不安薬使ってなかったようだし。

とはいえ、普段の牧志の様子を思えば詳細を書き留めていてもおかしくはないな。
いつもの日記帳はないかポーチを探ってみよう。
KP
ジャケットのポケットに、見慣れた日記帳とボールペンが入っていた。
中身を確認するなら、〈目星〉
佐倉 光
1d100 85〈目星〉 ☆ささぼっと☆ 1d100→4→決定的成功クリティカル)!
KP
あなたはこのような状況でも、心を強く持つことができる。
クリティカルボーナスとして、ここで入る《SANチェック》免除とします。
見慣れた日記帳の表紙は、よくポケットに入れているせいか少し薄汚れて、使い込んだ雰囲気になっていた。
あなたも手にしたことのある短いボールペンが、その表紙に引っかけられている。
ちょうど、ページが終わりかけらしい。

そこには最初、買い出しのメモ、授業の感想、あなたや波照間、他の友人と遊んだことや、来年度からの研究室のこと、面白かった映画のこと、ようやく暖かくなってきたことなど、雑多な内容が書かれていた。
……いつもの牧志がそこにいた。

あなたは、夢の記載を求めて日記を読み進める。
佐倉 光
例え相手が牧志でも、内容に害がなくとも、知らなくていい筈のことまで見るのは何となく気まずい。手早くチェックしよう。

ここ一年何もなかったし、平和な記載が目立つな。

一個とんでもなくでかいのはあったけどさ……

また知らない名前だ。あいつ一体何人友人がいるんだ?
KP
その中でも、牧志は偶に悪夢を見ていた。
あなたが物言わぬ手駒にされかけた、あの時の夢。

ラズベリーのジュースを飲んで美味しいと息をつくあなたの夢。街の中を追われながらずっとずっと彷徨う夢。あなたの代わりに蛇らに責め苛まれる夢。首の刻印があなたを瞬く間に奪っていく夢。あなたに謝りながらあなたに殺される夢。
佐倉 光
あの時のことはあまり思い出したくない。
自分が何をしていたか。
いや、何を見てそれに何の感情も持たずにいたか、克明に思い出せてしまうからだ。

自分を蝕むものをのほほんと喜ぶ自分を。
疲れている牧志を元気づけたりともに悩んだりできない自分を。
支配に抵抗できずに牧志を殺そうとした自分を。
悔やんでも仕方ないことは分かっている。
自分をそんな状態に歪めて嗤っていたヘビどもは牧志の手で『退治』された。(一番殺したかったやつを諦めざるを得なかったのは悔しいが)
あれは終わったのだ。

牧志の記録を感情を殺して走り読みする。
あいつも、こんなに夢を見ていたのか。こんなに恐れていたのか。
KP
最近、そんな夢の頻度もようやく減ってきた所だったらしい。牧志の夢日記はその頃から続いていた。

だから、一週間前辺りから身体の不調と共に現われた悪夢も、最初はそれらと同じようなものとして扱っていたらしい。
佐倉 光
なるほどなー。悪夢を見続けていたから異常に気づけなかったんだ。
前のシナリオのはなし、ちょっとした枕かと思いきやお互いにとってひどい伏線だった。
KP
そういうことです。
ヒナドリの時があまりに牧志にとってしんどかったから、そりゃ無事解決しても悪夢も見るよなって。
佐倉 光
あの出来事は終わったというのに、忌々しい悪夢として残り続け、自分の睡眠をさんざん妨害し……
そして今、おそらく牧志の判断を曇らせた。

そうだ、今は終わったことに気を取られている場合じゃない。
一週間ほど前の記載に目を止める。前後を見比べ、やはりこの夢から異質なのだと確認する。
今までの悪夢と何が違う?
KP
『久し振りに、水槽の中で世界が滅ぶのを見ている夢を見た』

実際、最初は少し切なげに、そう書かれていたくらいだった。

しかし、その内容は次第に詳細に、異様になっていく。一緒に記録された身体の不調が重くなっていくと共に、あなたにも覚えのない内容が増えていく。

『無数の異形に生贄に捧げられる夢だった。濁った声で何か騒ぐのを聞かされながら、首を落とされた所で目が覚めた』
『腹が気持ち悪いせいか眠りが浅い。寝不足気味だ。
けど、悪い夢を見るから、あまりしっかり寝る気にならない』
『うたた寝してたら夢を見た。

身体中を丸々と太った蛆が這っていた。意識があるまま身体が少しずつ喰われて、腐って落ちていく長い長い夢だった。
気持ち悪くなってトイレで吐いた』
『蟲が體を這うような、不快で生暖かくてもどかしい感覚が、もうずっと全身を犯している』
『夢に俺が出てきた。俺が俺を食べる夢だった』
『東浪見が俺を殴ってきた。最初は軽く叩くくらいだったのに、段々強くしてきて、やめろって叫んでも笑いながら殴ってきて、頭を何度も何度も殴られて顔の骨がへこんで、鼻血が止まらなかった。夢だった』

『久し振りに、佐倉さんが死ぬ夢を見た』

最近、いくら何でも悪夢ばかり見すぎている。こうやって見ると内容も酷い。
体調が悪いせいだろうか、それとも。
明日、佐倉さんと先輩に夢のことを相談してみよう。

重たい筆跡が小さなインク溜まりを作り、記述はそこで終わっていた。

ここでの《SANチェック》免除。
背景
佐倉 光
東浪見に殴られる夢何重にも怖い。
KP
笑いながら殴られるのも、いいやつのはずの東浪見に殴られるのも、圧倒的な筋力で殴られるのも怖い怖い。
佐倉 光
佐倉が死ぬ夢だけ詳細がないの逆に怖い。

あと、触れられる心理状態じゃないからスルーしたけど、オープニングの色々な細かい描写や検索履歴がいろいろ微笑ましい。

牧志くん月刊“妖”読んでるのかぁー。
いや、割と今の彼らの立場、メガテンの時以上に情報収集になるかも知れないからなぁ。
カルト教団がどーのこーのって記事が出てたら、ただの与太かマジか調べに行っちゃう。また牧志狙われても嫌だもん。
KP
わーい。こういうちょっとした日常描写好き。>細かい日常とか検索履歴とか

それはそう。もう与太だろうなんて言える段階じゃない。どっちも狙われ過ぎなんですよね。
牧志はなんとなく習慣でたまに見てたけど、佐倉さんに言われて情報収集に使うようになったとかありそう。

はたから見ると怪しげな物や情報を見るようになって、偶に雰囲気が怖くなって、怪しげな青年(佐倉さん)と同居するようになる牧志……。

佐倉 光
「ひでぇな」
顔をしかめる。
簡易に書かれた夢の内容の裏にどれだけの苦しみがあったか、いつもより走りがちだったり、逆に引っ掛かったりインクむらが見える乱れた筆跡から読み取れる。

睡眠薬が使われていなかった理由。
眠りたくなかった理由が分かった。
寝るたびにこんな夢を見るのではたまったものではないな。

体を苛む異常が悪夢を引き起こしているということだろうか。
それとも、あいつの腹に巣くうなにものかが見せているのか? 何のために?
KP
記述を追い終えて、あなたはふと顔を上げる。
廊下の向こうにある窓からは、あちらとこちらを隔てるように、穏やかな街の様子が見えた。

〈目星〉
佐倉 光
1d100 85〈目星〉 ☆ささぼっと☆ 1d100→33→成功
KP
不意に、視線を感じた。

いや、気のせいだったのだろうか。遠くの曲がり角で誰かが身を隠すように曲がっていったような気がした、どこか見覚えのある姿だったような、

【アイデア】
佐倉 光
1d100 85 【アイデア】 ☆ささぼっと☆ 1d100→57→成功
KP
見間違いだろうか。

見慣れたジャケット。よく穿いているズボン。後ろで一つにまとめた赤茶色の髪。
あなたにはそれが、緊急入院したはずの牧志の後ろ姿に見えた。

見間違いだろうか。
他人の空似だろうか。

まさか、命の危機に魂だけがさまよい出たとでもいうのだろうか。
ドッペルゲンガー、見れば死ぬという怪異だとでもいうのだろうか。

その姿はすぐに角の向こうへ見えなくなり、それが本当に牧志だったのかは分からなかった。
佐倉 光
牧志であるはずがない。
するとあれは何だ。
牧志が遭遇したというドッペルゲンガーか?
だとするなら、この事態について何か知っているか、原因である可能性はあるんじゃないのか?

迷う。
俺はここを動いていいのか?

迷ったのはほんの一瞬だった。
部屋の中に入れるわけでもない。
魔法もCOMPも役に立たない。
俺がここにいてできることなどない。

それなら、少しでも何かある方へ動くべきだ。

牧志の荷物……貴重品が入っているかもしれない。
今は夜中だ。置き引きよりも、俺が異変に踏み込んでそこで荷物をロストする危険の方を警戒すべきだ。

牧志の荷物を置いて何者かの後を追う。
KP
あなたは決断し、素早く立ち上がる。
その姿を、追う。

【POW】×5
佐倉 光
1d100 75 【POW】×5 ☆ささぼっと☆ 1d100→29→成功
KP
あなたは追う。荷物を置き、病院を出て、その背を探して。

しかし、姿が見えた所に辿り着いた時にはもう、そこには誰もいなかった。
そこに誰かがいた痕跡も、なかった。

ただ、あなたの中に、あれは牧志の後ろ姿に違いなかったという確信だけが残った。
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
ああ、つい見てしまった。まだ、何も始めていないのに。
つい、目で追ってしまった。
平行世界の牧志
咄嗟に呪文で《認識を逸ら》そうとしたけど、あの様子だと覚えてるな、佐倉さん。
忘れてくれるといいんだけど。

佐倉 光
「いない……」
誘われた?
生き霊か?

近くに人間がいれば、牧志が通らなかったか訊いてみようか。
手がかりがなければ戻ろう。
KP
近くにいた人は、さあ、そんな人いましたっけ、と不思議そうにあなたを見て答えただけだった。

病院へ戻ると、出たときと全く変わらないような消毒液臭い白い静寂の中に、牧志の荷物が幸いそのまま残されていた。漁られた形跡もなさそうだ。

まだ、牧志は戻っていない。
色々あって疲れてしまったのか、あなたはふと眠気を覚えた。
佐倉 光
何かが起きている。だが、手の打ちようがない。
何かを倒して済むならいくらでもやってやるのに。
俺にできることはないのか、何か……
佐倉 光
ふらり、と意識が揺らいだ。眠気が酷い。
瞼が落ちる。
何度か抗った。二度。三度……
KP
目を開いて、一瞬視界が明滅して、また落ちていた。ひどく重い瞼をこじ開け、次の瞬間に閉じていた、また開けようとして……。


気づくとあなたは、夕暮れの路地にいた。

佐倉 光
「……」
来やがったな。

それなら希望はある。
こういう場合、何かこちらから働きかけることができるということだ。
経験上、それで起きているトラブルが解決する。そういうものだ。
佐倉 光
神々のゲームだか悪魔の愉悦だか知らないが、今回も上手くやって二人で生き残ればいい。
佐倉 光
周囲を見渡す。
KP
見覚えのある通りだ。牧志が、大学の帰りによく通る道。
この道で合流して遊びに行ったり、夕食に行ったりすることもよくあった。

辺りには口々に話しながら帰路につく人々。あなたと牧志のように、楽しそうに話す友達らしい二人組もいた。

陽はほぼ落ちかけていた。
藍色と微かな赤の残滓が、血のような混じり気を街並みのすぐ向こうに作っていた。
佐倉 光
日常の風景の中、異常を探す。
何かありはしないかと。
時刻は夕暮れ、暗くなってしまうと面倒だ。
そういえば持ち物などはあるだろうか?
KP
あなたの手にはCOMP、腰にはポーチがある。あなたが持っていたはずの、牧志の荷物はなかった。

ふと、あなたの前に見慣れたジャケットの背が見えた。牧志だ。

牧志は誰かと話しながら、楽しそうに道を歩いていた。
牧志 浩太
「ああ、それで東浪見がさ」
KP
「えっそれ本当? 相っ変わらず無尽蔵だなー、あいつ。
そういや明日の1限中止って聞いた?」
佐倉 光
見覚えのある背を追って声をかける。
佐倉 光
「待て、牧志!」
牧志 浩太
「えっ、本当か? 聞いてないんだけど」
KP
「なんか教授、急な病気らしくてさ……」

彼の横顔が、追いついたあなたの横を通り抜ける。彼はそのまま、友人らしい誰かと話し続ける。
気づいた様子もなく、まるであなたなどいないかのように。
佐倉 光
「牧志?」
思わず彼の肩に手をかける。

これは幻か?
また俺のことを忘れたのか?
それとも……
KP
肩に、手をかけたはずだった。

するりとあなたの手が、彼の身体をすり抜けた。
肩に手がめり込んだというのに、彼は気づいた様子もなく、平然と歩いている。

あなたのすぐ横を誰かが通った。
あなたの身体をすり抜けて。

あなたの声は彼に聞こえない。誰にも、聞こえない。
それはまるで、あなたが世界に取り残され、幽霊か何かになってしまったかのようだった。
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d3
佐倉 光
1d100 69 SAN ☆ささぼっと☆ 1d100→16→成功
SAN 69→68

存在しないのは俺の方か? くそ。
牧志が前にそんなことあったって言ってたな。
舌打ち。

これで何かできる、と思った矢先にこれだ。
だが何もできない訳じゃない。

牧志を観察する。これは俺が知っている牧志か?
それとも俺が知らない牧志だろうか。例えば、死んだことがない、具体的には、警戒心の高さだ……なんか低そうだな。
町は俺が知っている風景と同じか?
KP
あなたは周囲を観察しようとする。
見慣れた街、知っている風景だった。そこにあなたは、何もできない影として存在していた。

あなたは牧志を観察しようとする。
彼は友人と笑い合いながら、ふっと停まっている車の扉の横を避けた。電柱の横の影を避け、まだ光の当たる場所を歩いてゆく。

その、ふと一瞬。

偶然だろうか、一斉に。
辺りから人通りが途切れた。
牧志 浩太
「え、おい」
KP
牧志と話していたはずの、友人の姿も消えていた。

牧志の肩に力が入る。彼は急いで周囲を見回す。
牧志 浩太
「……」
KP
その視線の先、ぼんやりと闇に沈んでいく路地の向こうから。

まるで鏡を立てたように、同じ格好の彼がもうひとり現われた。
佐倉 光
何がどうなっているんだ。

眉根を寄せる。
新しく現れた方と前からいる方、違いはあるだろうか。
俺を見るだろうか?
KP
そのどちらも、あなたを見ることはなかった。
同じ姿を見たこちらの牧志は、不思議そうに眼を瞬き──
牧志 浩太
「君は?」
少し警戒した視線を向けたまま、そのもうひとりに穏やかに問うた。
KP
路地の闇に沈むもうひとりが、応えて僅かに口を開く。
しかし、そこから彼の声で漏れたのは、奇妙な響きの言葉だった。
牧志 浩太
「……っ、」
KP
彼が額を押さえながら、もうひとりの己を睨む。その一瞬の隙で、二人の距離はなくなっていた。
同じ姿をした牧志が牧志に掴みかかり、縺れ合う。それはあなた自身の姿をした何者かと取っ組み合った、あの時を思い出させる姿だった。
佐倉 光
「おい、やめろっ!」
無駄と知りつつも割って入ろうとする。
物理的に影響を与えられないのであれば、悪魔召喚を試みる。
KP
がん、と鈍い音が響いた。

割って入ろうとしたあなたの目の前で、牧志が壁に叩きつけられていた。

たまらず地面に崩れ落ちる彼を彼が押さえつけ馬乗りになる。あなたの手は自らのCOMPさえすり抜けた。呻く彼の上で何かが閃いた、彼はその手に何かを持っていた。
佐倉 光
確信を得たのがこのシーンだったので入りませんでしたけど、佐倉、
「俺といないときはこんな顔もするんだなー」
なんて思いました。
KP
佐倉さんと一緒にいないときの牧志の姿が垣間見えるシーンでもありますもんね。すぐそれどころじゃないことが起こっちゃったけど。
佐倉 光
この光景、まさか……!

牧志が言っていた、あれか!
とすると。
そうすると……!

奥歯を噛みしめ、にらみ付ける。
俺に見ていろっていうのか、これを!

恐らくその手にあるであろう拳ほどの蟲。
それを奪い取ろうと手を伸ばす。
KP
街灯の光が、「それ」を闇の中に浮かび上がらせた。
奪い取ろうと手を伸ばしたあなたは、それを見てはいけなかったのだということを思い知る。

「それ」は、あなたが予期した通り、拳ほどの大きさの生物だった。それは蜘蛛のように毛深く細長い手足を、幾本も幾本も忙しなく蠢かせながら、とりつく先を求めていた。
白っぽく歪んだ膿のような体躯から、ゼリー状の眼球がいくつも開いては、ぎょろぎょろと辺りを見回していた。

佐倉さん、《SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D5》。
佐倉 光
1d100 68 SAN ☆ささぼっと☆ 1d100→41→成功
San 68→ 67
背筋が怖気だつ。全身の毛が逆立った。
それはその蟲のおぞましさのみならず、これから牧志が何をされるかという予感、確信によるものだったかもしれない。
KP
反対の手で彼は、凶悪に光る刃物を躊躇いなく振るった。
彼の絶叫が人ひとりいない路地に響いた。
佐倉 光
「牧志!」
刃物を持った手に飛びかかった。
何かないのか、敵の正体を探れる方法は。牧志を助ける方法は!
KP
あなたの手がその手をすり抜ける。
その手は見慣れた牧志の手だった。
牧志の手が刃物を握り、牧志の腹を裂き、抉る。

腹を乱暴に裂かれ、切り開かれる激痛に絶叫が迸る。後から後から溢れ出る血と体液に浮いた人間の身体の内側が、牧志の内側が、脂肪と肉の色でてらてらと光っていた。

その間隙に、「それ」がねじ込まれた。

必死に藻掻こうとする牧志の身体を、異物を吐きだそうとする肉体の抵抗を、ぶよぶよとした頭ごと手が押さえつける。
あなたの手は、その暴挙に対して何一つできなかった。
佐倉 光
「ちくしょう、やめろ、やめろ、やめろ!」
既に起きてしまったであろう出来事を。
おそらく牧志の記憶であり、自分はそれを見せられているだけで、どうすることもできない記録を。
必死で喚いて除こうとする。変えようとする。
牧志に声をかけ、COMPに触れようとし、

結局自分は何も無いところで暴れているのだと思い知らされようとも。
視界がぼやけて歪もうとも。

あんなものがいたのか。
あんなものがいたから、痛がっていた。辛そうだった。
当たり前だ、生きている方が奇跡じゃないか、こんなの!

嘔吐いた。
自らの無力に気が狂いそうだった。
KP
失血のためか激痛のためか、あるいは自らの内にそれが潜り込んでいく光景を脳が拒んだのか、牧志の全身がふっと脱力した。

意識を失った彼の上から、彼の身体が退く。
手についた血を雑に拭い、その場から立ち去る一瞬、彼の顔が見えた。

悪魔の顔ではなかった。

それは冷たく、容赦がなく、それでいてどこか寂しそうな眼をした、なぜか追い詰められたような牧志の顔だった。

〈聞き耳〉
佐倉 光
1d100 79〈聞き耳〉 ☆ささぼっと☆ 1d100→78→成功
佐倉 光
あっぶね
KP
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D5》入るようなもの見せられてから「今からこれが牧志の腹に植えられる」って分かるのつらいよな佐倉さん。ごめんな。そりゃ〈聞き耳〉79で78も出るよな。
KP
立ち去る直前、彼が落とした言葉を、あなたの耳は聞き取った。
牧志 浩太
「……してるんだ。

裂いて、暴いて、そして最後に、
俺を選んでくれないか、って」
KP
拭ってなお血と体液と気味の悪い白い膿のような液体にまみれ、凶悪な刃物を手にした、その有様に似合わず。

落とされた声はどこか祈るようだった。
佐倉 光
こいつ……?
一気に脳味噌が冷えた。
どういうことだ?
どういう、ことだ?
どういう意味だ。
なんなんだ。

倒れた牧志の横にへたり込んで、混乱する思考をまとめようとする。

こいつは何を言っている。
何だか分からないが、分からないが……
考えなければいけない気がする。
覚えておかなければならない気がする。

くそ、俺に説明して行けよ!
刑事ドラマの犯人みたいに真相語って行けよ!

口から混乱する言葉を垂れ流し、凶行を行った牧志を見上げていた。
KP
見上げる視界の中、ふと、立ち去った彼の向こうにカーブミラーが見えた。
その中に映るもうひとりの自分が見えた。

あなたは、あなたの顔で辛そうに、悔しそうに眉を寄せ、片眼のない顔で鏡の中から立ち去る彼を見ていた。
佐倉 光
奴を追うべきか。
迷ってその行く先を見たとき、不可解なものを見た。
佐倉 光
俺……?
俺の片目が……?
牧志 浩太
「う……、ぁ……、」
KP
地面に倒れている牧志の身体が微かに跳ねる。
半開きになった口から、意味のない呻き声が漏れた。

意識のない彼の腹部で、惨たらしく開かれた傷の中で何かが蠢いていた。それは何かをしようとしているようだった。
佐倉 光
何かを思い出しかけた。
しかし横から聞こえた声で我に返る。
佐倉 光
くそ、今の俺にできるのは、できるだけ情報を得ることだけだ。
これは牧志の記憶じゃない、出来事そのものの記録だ。
牧志が知らない何かを、得られるかもしれない。

目をそらしたくなるほどの惨状を見据え、変化を見逃すまいとする。
KP
それは内側から細くうねる脚を突き出して、無惨に裂けた皮膚を引き寄せていた。白い粘液を糸のように伸ばして、悍ましいことに、身体の内側から自ら傷を閉じようとしているらしかった。

体内の生物がもぞりもぞりと動く度に、牧志の身体がびくびくと震え、額に汗が浮かんだ。

そこであなたの意識は途切れた。
片目の……佐倉の中には、不滅の呪いを受けて自分以外が全て崩壊した世界で生き続けていた隻眼の牧志の精神がある。以前の事件で佐倉が彼を救おうとして自分の精神に招き入れた。
そのため佐倉が彼の存在を感じることはできないが、存在し続けていることだけは知っている。
牧志視点(ネタバレ)
KP
絶え間ない苦痛と不快感に呻くあなたの視界に、ふっと白衣姿ではない人影が入った。

それは、あなただった。
同じ格好同じ顔同じ体格のあなた。
牧志 浩太
まさか。
激痛に濁りかける意識が跳ねる。まさか、まさかまさかまさか。恐怖に身が震えた。まさか、また、あんなことを。
嫌、嫌だ、やめてくれ、嫌、嫌だ、これ以上含まされたら……!
KP
白衣の人々は誰も、彼の存在に気づいていないようだった。
あなたは彼に抱え上げられ、不確かな意識の中病院から連れ出されているようだった。
牧志 浩太
連れ出す?
一体何を、痛い、痛くてうまく考えられない、痛い、何を、何をするんだ、痛い、
KP
あなたの手足が縛られ、車か何かに乗せられる。
そしてあなたは、どこかの冷たいコンクリートの床に転がされる感触を最後に、意識を手放した。

牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
あいつをビルの中に転がして、扉に鍵をかける。
あいつが着ていた病衣は、元々俺のものだったみたいに体に馴染んだ。

痛みと熱に濁って、それでも俺を睨もうとするあの眼を思い出す。
ああ、嫌になるくらいに俺だな。あんな状態で、まだ諦めようとしないあたりとかさ。

……さあ、行こう。佐倉さんの所に。
少しどきどきするな。一瞬で見破られたらどうしよう。
俺は、ちゃんと“いつもの俺”でいられるかな。

何を話そう。何をして遊ぼう。
ああ、楽しみで、怖い。

KP
ふと、目が開いた。
あなたは目を閉じていたらしかった。
頬の下に滑らかな木の感触。どこからか消毒液の匂い。
病院の待合所のテーブルだ、と気づく。
どうやらあなたは、うたた寝してしまったらしかった。

あれは、夢だったのだ。
佐倉 光
夢だ。
だがあれはただの夢ではないという確信があった。
あれはおそらく起きたことなのだ。
真実の一端。
始末に負えないことに、俺には全容が見えていない。
佐倉 光
俺にどうしろっていうんだ。

あんなものが中にいる。
だから《アナライズ》に反応していた。それも無数に。皮膚の下を這い、骨を伝うように。
そんなもの、よしんば腹を切ったところでどうにかなるっていうのか。
佐倉 光
凶行を行った牧志の言葉を思い出す。
裂け? 暴け? 選べ?
何を言っているんだ。

思わず唸り声をあげた。
今何時だ?
あれからどれ程時間が過ぎている?
KP
あなたの頬に射すのは朝の光だった。
驚いたことに、こんな所で荷物を抱えたまま、朝まで寝てしまったらしい。

変な寝方をしたせいで、全身が軋むように痛い。
顔を上げると、目の前に誰かいる。
牧志 浩太
「おはよう。
……ごめん、佐倉さん。随分、心配かけたな」
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
……ああ、佐倉さんだ。

ちゃんと笑えているかな、俺は。
佐倉さんのことならよく知ってる。この世界の佐倉さんだって、殆ど変わらないはずだ。
佐倉さんの考えなら分かる。
だからちゃんと、いつもの俺に見えるようにいられているはずなんだけど。

KP
牧志だった。
簡素な病院着を着ていた。
佐倉 光
「牧志! お前」
佐倉 光
昨日の様子を考えれば、随分と……元気そうに見えるが。
佐倉 光
「体の調子、大丈夫なのか?
あんな、ことがあって」
否応も無くあの夢の光景が思い出される。
あれはまだ、牧志の腹の中に潜んでいるのか?
佐倉 光
ンアー、なんとなく分かってきたような気もするけど、わかんないなぁ!
KP
ウフフ。
佐倉 光
ただCoCってお気楽に時間旅行すると犬に襲われるからなぁ。どうなんだろうな。
ちがうかもしれん。
牧志 浩太
「ああ……、それがさ」
牧志は照れくさそうに、何だか申し訳なさそうに頬を掻いた。
牧志 浩太
「ガス性の消化器痙攣だった、らしくてさ。強いストレスなんかが原因になるって」
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
病院の人達の認識を誤魔化して、少し記憶を植えさせてもらった。
大したことはしてなくて、“きっとそうに違いない”っていう、思い込む力を借りただけだけど。

牧志 浩太
「ごめん、ありがとう。今はもう大丈夫」
彼はそう言って穏やかに笑った。
顔色もよく、苦しそうな様子もない。
彼はすっかり、いつも通りに見えた。
佐倉 光
「本当に……?」
思わず訊いてしまった。
あれが本当にあったことだとすると、『寝たら直りました』なんていうのは僥倖でも何でもない、凶兆だ。
あれは牧志の中に本格的に取り憑いて、乗っ取ってしまったんじゃないのか……?
佐倉 光
「牧志、10日前にあった変なこと、覚えてるか?」
牧志 浩太
「ああ……、あの夢だよな?」
牧志は苦笑して、手持無沙汰に頬を掻く。
牧志 浩太
「人間、痛いとおかしくなるんだな……。完全に夢と現実がごっちゃになってた、あの時」
佐倉 光
「そう、か……それは、大変だったな。
治って良かったよ。
随分酷い夢ばかり見ていたようだしな」

この牧志は、俺の知っている牧志なのか?

信じたくなってしまう。
あの十日間は痛みで錯乱した牧志の人騒がせな幻覚で、俺の夢はそれに引っ張られただけ。
このまま何事もなかったかのように一緒に帰って、今まで通り、いつも通り過ごせばいいのだと。
佐倉 光
けど俺の勘は叫んでる。
刃物を持っていた牧志の言葉と、何故か見えた片目の俺の姿が、どうしても気になって仕方なかった。
これは放っておいて良い違和感じゃない。
佐倉 光
「消化器痙攣で全身に蟲が這ってる気がしちまうなんて、大袈裟だな。
全然違うだろう、感覚」
牧志 浩太
「ああ。悪夢がある、ってちゃんと言ったら、薬も変えてもらえたし。
今度はちゃんと飲むよ。
これで、悪い夢見ずに寝られるといいんだけどな」
牧志 浩太
「いや、本当にな。起きてるつもりだったけど、寝ぼけてたんだろうな……あ、そうだ」
牧志 浩太
「もう退院していいらしいし、何か食いに行かないか? 久しぶりに腹が元気になってきた」

腹をさすりながらそう言う牧志は、あなたが知るいつも通りの彼に見えた。
KP
☆ささぼっと☆ 🎲 Secret Dice 🎲
KP
久しぶりに元気を取り戻したせいだろうか。
苦しそうに呻くことのない彼は、いつも以上に何だか楽しそうに見えた。
佐倉 光
「まったく、人騒がせなヤツだな。
俺もひでぇ夢見たぞ。
飯か……どこへ行く?」
会話の中で、いつもと違う雰囲気はないか〈心理学〉したいです。
佐倉 光
これが『元気になったと思っている牧志』なのか、
『牧志の振りをしている何者か』なのかは重要だ。
KP
いいでしょう。クローズドで振ります。
KP
☆ささぼっと☆ 🎲 Secret Dice 🎲
KP
彼の言動や仕草に、違和感はなかった。あなたの観察眼は、彼は牧志浩太だと言っている。

心配させたことについては申し訳なく思っているようだが、本当に晴れやかで、楽しそうだ。
あなたと元気に食事に行けるのが、それだけ嬉しいのだろう。
牧志 浩太
「……本当に、ごめん。
心配させたよな。救急車まで呼ばせて、佐倉さんにも病院の人達にも、悪い事したよ。

駅前によさそうな喫茶店があるんだ。そこにしよう」
KP
荷物を渡すなら、彼はスマートフォンの画面を示すし、そうでなければあなたに検索してもらうだろう。
その喫茶店には覚えがあった。あなたが……、雛鳥であったあなたが、疲れ切った彼に手を引かれて逃げ込んだ店だ。
牧志 浩太
「……行き直したいんだ、佐倉さんと」 彼はそう付け加えた。
牧志 浩太
なーにしてんのかなぁ。牧志。
KP
色々わけわからなくてごめんね佐倉さん。たまにはこんなこともあるさ。
佐倉 光
「そうか……『もう大丈夫』なんだな? 何もかも」
牧志の目を見て問いかけた。
牧志 浩太
「もしかしたら、また悪い夢くらいは見るかもな。……その時は、ちゃんと言うよ。
だから、大丈夫」
彼はそう、穏やかに微笑んだ。
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
大丈夫だよ、大丈夫。
全部、何もかも。

だから俺と遊ぼうよ、佐倉さん。

佐倉 光
「そうか、ならいい。
あの店の料理、悪くなかったよな。
あの時は外ばかり見て飯に集中できなかったしさ」

牧志だ。
これは牧志だ。間違いなく。
それなのにどうしてすっきりしないんだ。
佐倉 光
「ちょっと気になってることがあるんだよ。食いながら……」
あの時見た悍ましい生き物を思い出して言い直す。
佐倉 光
「食ってから話すわ」

一緒にご飯食べに行くぞー。
KP
まあ確かに蟲の集合体で膿めいたねばねば蜘蛛の話はご飯食べながらしたいものではないよね……
牧志 浩太
「お、いま限定メニューやってるんだってさ。
……気になってること? 分かった、食ったら話そう」
佐倉 光
「限定メニュー? へー、どんなの?」
KP
あなた達は病院を出て、駅前の喫茶店に向かう。
昨日と同じ服(下着だけは病院の売店でなんとかした)、少し皺の寄ったジャケットを着て、牧志はいつものようにあなたの横を歩く。
朝の爽やかな陽の光が、赤茶色の髪を照らしていた。
牧志視点(ネタバレ)
KP
あなたは不意に意識を取り戻す。
意識が溶けそうなあの激痛は少し落ち着いていたが、変わらず腹はずくずくと痛み、体内では絶えず不快な熱が蠢いていた。

あなたの中を一杯に占めているようにすら感じられるそれの質量と存在感はなお重く、辛い。

手足は縛られていて自由にならない。
芋虫のように転がされたあなたは、自身がそれを収める頭陀袋か何かになったような、嫌な錯覚を覚えた。
牧志 浩太
くそ、やられた。
ずっしりと重く感じる腹を引きずって、顔を上げる。

ここは、どこだ?

佐倉 光
元気そうな牧志の顔を見ていたら少し気分が上向いた。
たとえ全てが終わってなかったにしても、牧志と一緒に考えればいい。いつも通りに。
それでいいじゃないか。

コメント By.佐倉 光
佐倉は夢を見る。
彼にとっての夢は、ただの妄想ではない……

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それとも、現実という悪夢か。