こちらには『静寂舞手』のネタバレがあります。
※他のシナリオにも言及していますが、明言されていないものなどは除外しています。


本編見る!
KP
……体格も、人種もさまざまな女性たちは、みな貴婦人の装いをして、悪趣味なカーテンのように黙って吊るされていた。
傷のひとつもないままに。
佐倉 光
「すると、この床の血はどこから……? ただの演出なのか?」
首をひねる。
そりゃ、床を覆う灰も、床を覆う血も、大して違わないのかも知れないが……
けもの
「ミセカケ?」獣は吊るされた貴婦人から視線をそらすように周囲を見回すが、明かりに照らされてなお薄暗い室内に、血の源は見つからない。
KP
ふと、その哀れなカーテンたちの向こうに、綺麗に整えられた寝台があるのを見つけた。
佐倉 光
寝台……
間違ってもこんな場所で寝たくない、と思いつつ、寝台に近寄る。
なにか目を引くものはあるだろうか?
そういえばあのガラス細工、出番はないのか?
などと思いつつ。
KP
寝台は綺麗に整えられてこそいるが、全体的に埃っぽかった。どうも、使われた形跡がないようだ…… と、ふと違和感を覚える。
寝台が妙に歪な形をしているのだ。
シーツが不規則に波立っており、何か……マットレスでないものをシーツで包んでいるように見える。
佐倉 光
いびつ、っていうのは中に人サイズのものがありそう?
それともそこまで大きくない?
KP
寝台であるから、人間程の大きさがある…… と見ていいだろう。しかし、その形は中に健全な人体を想像するには不規則だ。
佐倉 光
ふむー、じゃあ牧志に合図して、寝台の歪な部分を指す。
それから火かき棒で軽くつつく。
けもの
獣は無意識にか少し身構えながら、あなたが火かき棒でそれをつつく様子を見ている。その形が異常であることに気づいたのだろう。
牧志視点
牧志 浩太
(……バラバラ死体とか入ってないよな?)

KP
火掻き棒の先で、それはざらりと形を崩した。……人間や死体、その他の硬いものではなさそうだ。何か、柔らかいものが詰まっている。
佐倉 光
それがただの物体に見えるようなら、もう一度牧志に合図してから、シーツ引っ掻けて剥がす。
KP
シーツを一息に剥がすと、こんもりとした干し草の束が出てきた。
佐倉 光
「干し草ァ?」
けもの
「……クサ、ノ、ベッド?」
ぱちくりと獣は目を瞬く。ちょっと予想外だったらしい。
佐倉 光
「これは童話にあるのか?」
けもの
獣はそれを見ながら少し考えるが、思い当たらないのか首を振る。

佐倉 光
はて、記憶にないな。
干し草のベッドって言うと真っ先にハイジが思い浮かぶ。
KP
ちょっとこれKPも分からないんですよね。>干し草
何か知らない別の童話なのかなぁ。
佐倉 光
童話には出てきたかも知れないけど、これっていうのは思いつかないなー。
ベッドネタで思い浮かぶっていうと、10枚の敷き布団の下の豆一個で寝られなくなっちゃった豆腐姫くらいだ。
10枚積んだら柔らかすぎて寝づらいじゃろ……と子供心に思った。

佐倉 光
良くわからないな。そのまま火かき棒で藁を崩して探ろう。
KP
これまた埃っぽい干し草の束を崩していくと、もうもうと埃が舞う。
けもの
「ケフッ、」埃に巻き込まれた獣が咳のような苦鳴のような、とにかく呼吸器から埃を排除しようとする声を上げた。
佐倉 光
「大丈夫か?」
腕を伸ばして背を軽く……でけぇなお前。
けもの
「ップ、ダイジョブ……、アリガト……」
獣の巨大な背中には厚みがあり、太い肩甲骨の窪みがあなたの手を呑み込んだ。
KP
と、カチッ、と硬い音が火かき棒の先に触れる。
干し草の束の中にあったのは、門扉や玄関に使うような、大きな鍵だ。
血の汚れが染みついたその鍵はもともと金色をしていたのだろうが、みすぼらしく錆びついてしまっていた。
佐倉 光
玄関の鍵?
うーむ。
けもの
「……ソトニ、デル、カギ?」
埃のせいか少し目に涙を浮かばせながら、獣がその大きな鍵を見遣る。
佐倉 光
靴の中に種があるのでは、とも思ったんだけど……
「そうかも知れない」
とりあえずそのまま引っかけて拾おう。
けもの
獣はじっとその鍵を見つめながら、ふと、何かを言おうとしたようだった。しかし、結局言葉にすることはなかった。
佐倉 光
「ん?」
〈心理学〉しちゃおうかー
KP
どうぞー
佐倉 光
CCB<=55 〈心理学〉 (1D100<=55) > 15 > 成功
けもの
獣の眼と躊躇った口元からは、複数の感情がない交ぜになって感じられた。彼はどうやら、以前のあの蛇人間の一件を思い出して。

佐倉さんは、このまま出られるんじゃないか。

そう、一瞬考えたようだった。
佐倉 光
なるほど。
少し可笑しくなった。
「様子を見に行こう。退路が確保できるならその方がいい」
言って軽く玄関を指す。
けもの
獣は頷いて、部屋の外へ出る扉の方を向く。
とある状況にて、逆の立場で牧志は選択を迫られたことがある。
彼は未解決での脱出を望まず、佐倉を救うために危険を冒して謎に挑んだ。
佐倉 光
ベッドにはもう何もなさそうかな?
KP
あとは干し草の束だけだ。蝋燭を落とせばよく燃えるかもしれないが。
佐倉 光
それもまた手段の一つかな。
今はやらないぞ。
「よし、部屋出るか」
今までのことを思い出し、何となく緊張する。
「出るときに何か起きるかも知れない、注意してくれ」
注意したからってどうこうできる物でもない気はするが……
けもの
「アア」あなたの緊張が伝わったのか、獣の背に糸が張るように力が入る。
あなたの手の残り少ない蝋燭が、背後を振り向けば獣の巨大な影を落としていた。
佐倉 光
消すべきか……?
しかし外の確認をするなら蝋燭は使用したいところだ……
ままよ、と火を消す。
影と闇。同じ物だが、あれにとっては意味が違うのかも知れない。
KP
フッ、と火が消え── 辺りが再び闇に包まれる。
そのとき。
背後で、ドサッと重量のある音がした。
佐倉 光
「牧志?」
KP
それは獣が立てた音ではなかった。
あなたの頬に、ぺちんと血の雫が飛ぶ。続いて数度、落ちる音。
佐倉 光
死体が落ちた?
「牧志、気をつけろ、あれに触れるな。
くそ、最悪だ」
KP
闇の中でのっそりと獣が頷く気配。
落ちる音は、合計で六つ聞こえた。
がさり、ねとり、のそのそと、真っ暗な室内で、何かが蠢く気配にあなたは気づく。
そして、否応なしに想像するだろう。
貴婦人たちの死体が、歪に起き上がり、こちらへ迫ってくるさまを。
佐倉 光
「ただのゾンビなら、怖くねぇ……
けどあれは、まずい!」
KP
そしてそれは。
現実となった。
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D3》!
佐倉 光
CCB<=69 《SANチェック》 (1D100<=69) > 46 > 成功
[ 佐倉 光 ] SAN : 69 → 68
けもの
CCB<=67 《SANチェック》 (1D100<=67) > 92 > 失敗
1d3 (1D3) > 3
[ けもの ] SAN : 67 → 64

けもの
「グゥ……」
獣が警戒するような唸り声を上げ、堅い毛を逆立てる。
佐倉 光
早くここから出なければ。
ドアに取りついてノブを探す。
あれは動いていた。
動いていたということは、生きているということた。
KP
あなたはノブを探し当て、捻る。

動かない。
開かない。
開かない!
佐倉 光
「くそ、牧志!
ドアを」
言いながらドアを手探り。何か凹みはないか?
何か凹みは……佐倉は、閉ざされた扉をガラス細工で空けられないかと考えている。
けもの
「ドイテ!」
獣が叫ぶ。
あなたのいる場所をきちんと避けるように、扉に向かって獣の拳が叩き込まれた。
しかし。
まるでそんな出来事などなかったかのように、扉は揺れさえしない。
KP
さきほどは簡単に開いたはずの扉は、まるで石のように動きを止め、あなた達の行く先を封じていた。
佐倉 光
火かき棒をかまえてふりむく。
KP
……彼女らが近づいてくる。
どこからか射し込む僅かな僅かな光が、とうとう彼女らのシルエットを露わにする。
それは、引き上げられるように歪に立ち上がり、腕を首をあらぬ方向に動かした、まるで操り人形のような哀れな貴婦人たちだった。
佐倉 光
哀れみなど感じられない。
あれは危険な物を宿したゾンビだ。
打ち倒すしかない。
けもの
獣が威嚇するように唸りながら、あなたの前に立つ。
佐倉 光
くそー、牧志は戦うなら素手になっちゃうよなー
佐倉 光
ドラキュラ的にサブウェポン鍵パンチか!
鍵パンチ
『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』にて、『鍵』はごく限定された期間だけ手に入るもので、扉を開けるために存在する。
実は武器としての威力が一番高い。しかしながら攻撃判定は絶望的に狭く、鍵を握った拳を突き出した先にしかない上、攻撃スピードも早くはない。
これもサブウェポン扱いなので、持っている間サブウェポンは一切使えない。

というわけで一応素手じゃないな!

KP
ここで、二人とも【アイデア】
佐倉 光
CCB<=85 【アイデア】 (1D100<=85) > 26 > 成功
けもの
CCB<=90/2 【アイデア】 (1D100<=45) > 42 > 成功
佐倉 光
ハサミでちょっきんして倒せればいいんだがハサミはないな。
KP
操り人形のようだと思った彼女らの首や手足に、まるで長い黒髪のように見えるしなやかな糸が巻き付いていた。

本当に、操り人形なのではないか。
あの魔女ならば、やりそうだ。
そこで佐倉さん、あなたは気づく。
死体が落ちた衝撃か、あなたの足元に大振りのナイフが転がってきている。
佐倉 光
お、そんなものが。
ではそれを拾い上げて……これやっぱり火をつけないとダメなやつなのでは。

佐倉 光
火をつけるのは藁にじゃないぞ!! 念のため。
KP
藁につけたらみんなで蒸し焼きエンドに!
佐倉 光
なんかシリアスイベントの時は裏でアホなことばかり言っている気がする。

KP
そこで獣、あなたは気づく。

その前脚には、あれだけあなたが彼や室内の物に触れるのを阻んだ、長く、鋭い爪がある。

振るってしまえばいいのだ。その爪を。
牧志視点
牧志 浩太
僅かに頭を下げる。ひどく曲がっていた背筋を前へ向かって伸ばす。
なかば二足歩行、なかば四つ足のような飛び掛かる姿勢。自然と爪が敵へと向く。後ろ脚をバネのように撓ませ、次の一瞬であの布ごと糸を切り裂く爪が、四つ足の姿勢になって駆け抜ける己がありありと浮かぶ。
KP
それこそが自然であると思えた。

けもの
「グゥ……、ル……」
獣が僅かに頭を下げた。それは低く、飛び掛かる姿勢だった。
喉から漏れるのは犬とも狼ともつかない唸り声だった。
佐倉 光
「あの死体になるべく触るな!」
言って構える。
けもの
獣の姿勢で彼女らに飛び掛かろうとしていた獣は、背後から掛けられた声に、一瞬、振り向いた。
そして、

「ワカッタ」
人の言葉で返事をした。

KP
というわけで、戦闘でございます。
佐倉 光
こちらも近くの死体に攻撃するぞ。
ルール的に許されるかは知らないけど、左手に【火かき棒】、右手に【ナイフ】のエペ&マンゴーシュスタイルだ。
判定的には〈ナイフ〉かな?
佐倉 光
といってもこの場合防御に使うのは火かき棒の方なんだけども。
KP
エペ&マンゴーシュスタイルですが、許可しましょう。左手の火かき棒は〈杖〉技能での〈受け流し〉に使用できるものとします。
佐倉 光
お、やった!
KP
この【ナイフ】は特殊判定がありまして、【DEX】×5 または〈ナイフ〉の高い方で攻撃できます。ダメージは1d4。
佐倉 光
〈ナイフ〉なんてお持ちじゃないから【DEX】45で頑張るしかないな。
KP
敵は青髭の妻6体。
それぞれ5本ずつの糸で固定されており、3本切れば動けなくなって戦闘から離脱します。

切断系の武器または鉤爪での攻撃なら、1ダメージにつき1本の糸を切ることができます。
素手また火かき棒による攻撃は、3ダメージ以上出せれば1本の糸を切れます。

獣の【鉤爪】〈こぶし〉での判定となりますが、獣は高い位置から糸を攻撃できるため、+10の補正がつきます。
【鉤爪】のダメージは1d5+1d6。
佐倉 光
つよい
KP
なお、獣は巨体のため、宣言だけで佐倉さんへの攻撃を庇えます。
逆に佐倉さんが獣を庇う場合、【DEX】×5 での判定に成功する必要があります。
佐倉 光
なかなか厳しい。
KP
でかいですからね。獣。
佐倉 光
その上で代わりに攻撃受けたら牧志に怒られそうな気もする。
今回は後ろに隠れて狙おう……って割と最近こんな事があったな?
KP
妻たちは全て【DEX】0、ターンの最後に行動します。動作が緩慢なのです。
佐倉 光
あとあまり近づきすぎると邪魔になるし、離れつつ胸元開けてシャツ出そっと。
闇の中で黒い格好で集団バトルなんて危なすぎる。
KP
薄暗い中に、あなたのシャツの色と貴婦人たちのたっぷり血を吸ったドレスの色が、僅かに色合いを添えた。

KP
戦闘開始。
【DEX】9、佐倉さんから。
どちらも暗いため、暗闇によるペナルティは相殺で免除扱いとします。
(※両方に適用すると戦闘が長引くので)
佐倉のナイフ
佐倉 光
はーい
ひとまず1から殴る。
KP
判定をどうぞ。
佐倉 光
CCB<=(9×5) 【DEX】 (1D100<=45) > 51 > 失敗

佐倉 光
火かき棒で相手の体を避けつつナイフを振る。
KP
あなたの振るったナイフは遺体のドレスをかすめ、その布を切り裂いた。しかしながら、糸には届かない。
佐倉 光
「くそっ、届かねぇ」
慌てて火かき棒を使い距離を取る。
KP
【DEX】8、獣。
牧志視点
KP
破壊のためにある肉体をその目的のために振るうという行為は、あなたをひどく凶暴な気分にさせた。
牧志 浩太
引っ張られないようにと念じ続けていれば、勢いが殺がれる。勢いをつけようと思えば、吠えるしかなかった。

けもの
「ガァッ!」
獣の喉から迸る吠え声が、空気を震わせた。
巨大な鉤爪が、風を巻き起こしながら彼女らに迫る。
けものの鉤爪
けもの
1に【鉤爪】で攻撃。
CCB<=57+10 〈こぶし(パンチ)〉 (1D100<=67) > 47 > 成功
佐倉 光
ナイス!
KP
遺体側は俊敏な行動が取れないため、〈回避〉無し。
けもの
1d5+1d6 (1D5+1D6) > 5[5]+5[5] > 10
佐倉 光
拍手!

佐倉 光
牧志君心配だなー。
さっき王子様のちゅーでなんか流し込まれてるし、今回は得体の知れない寄生生物がいる死体に必然的に触れるしー
KP
触れるなとは言われたけど、この状況で【鉤爪】使わず戦闘したらそれはそれでそのうち触られそうですしねぇ。

けもの
破壊のためにあるかのようなその身体の構造を、獣は初めて存分に発揮した。
糸をまとめて切り裂いた鉤爪は、勢い余って貴婦人の心臓を打ち貫き、抉り抜いた。
牧志視点
KP
拳を握らず手を振り抜く、というのはあなたにとっては珍しい経験だっただろう。
平手打ちでもするような動きが、手応えもなく糸を切り裂き、そのままたおやかな女の肉体へと食い込む。

ずぶりと肉に食い込む手応え。
僅かな抵抗を感じながら、毛に覆われた指先がドレスの中へと潜り込んでゆくのをあなたは見る。

振り抜いた手に繋がっていたのは、人間の拳くらいの大きさをした弾力のある肉片だった。
牧志 浩太
振り抜いた勢いで、邪魔な肉片を振り払う。

KP
あなたの頬を風が掠める。
あなたはすこし── 身を震わせるその巨大な破壊が、恐ろしくなる。
佐倉さん、《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
佐倉 光
CCB<=68 《SANチェック》 (1D100<=68) > 36 > 成功
ほんの一瞬、恐れを感じたが。
それは今は頼もしい力だ。
それにこんなの、慣れっこじゃないか。
けもの
獣は油断なく眼を光らせながら残る遺体たちに向き直る。あなたの方を振り向きはしなかった。
青髯の妻たちの攻撃
KP
1体目は戦闘離脱。残り5体。
【DEX】0。遺体たちが一斉に動きます。攻撃対象はランダム。
x5 1d2 対象決定
#1(1D2) > 2
#2(1D2) > 2
#3(1D2) > 1
#4(1D2) > 2
#5(1D2) > 1

KP
あなたに2体、獣に3体の遺体たちが群がってくる。
けもの
あなたへ向かってくる攻撃のうち1体を、獣は【庇う】宣言する。
獣はその巨大な背であなたの前に立つ。
牧志視点
牧志 浩太
背筋を軋ませ二足で立つ。この背に庇えるものがあることを分かっていた。

佐倉 光
声を上げかけたが、そんな余裕はない。
【火かき棒】〈受け流し〉を試みる。
青髯の妻たちの攻撃
KP
x5 CCB<=40 攻撃
#1(1D100<=40) > 90 > 失敗
#2(1D100<=40) > 62 > 失敗
#3(1D100<=40) > 65 > 失敗
#4(1D100<=40) > 64 > 失敗
#5(1D100<=40) > 48 > 失敗
佐倉 光
よしよしよし

KP
緩慢に動く死体たちの腕は、あなた達に届くことはなくその場でよからぬ方向にがくがくと動く。

KP
次ターン。【DEX】9・佐倉さん!
KP
エペ&マンゴーシュスタイルの佐倉さん最高にかっこいい
佐倉 光
なんで俺前衛にいるんでしょうね!?
KP
なぜかちょくちょく前衛に行く佐倉さん
佐倉 光
なかなか遠距離武器だの魔法だのもらえるシナリオはないよねー
割としょっちゅう拳で殴らされたり【DEX】で攻撃させられたりする。
KP
ですねぇ。舞台が1920年代アメリカなら銃が使えたかもしれないんだけど。

佐倉のナイフ
佐倉 光
CCB<=(9×5) 【DEX】 (1D100<=45) > 38 > 成功
1d4 (1D4) > 2
二本かー
あ、狙うのは2で。

佐倉 光
防御のためにかざしていた【火かき棒】で相手を打ち払いつつ糸を狙う。
「隣の狙ってくれ!」と牧志に声をかける。
牧志の攻撃なら確実に一体ずつやれるはずだ。
牧志視点
KP
それはあなたの相棒の声だ。
牧志 浩太
傍らの声。それが友の声だと、ちゃんと分かっていた。
それが分かっていれば、いい。

一言吠えて、応じる。

けもの
「ガッ!」獣が一言吠えて応じた。
KP
2本の糸をあなたの振るうナイフが切り裂く。がくりと遺体がバランスを崩し、残る1本の糸で奇妙な踊りを踊るように動く。
[ 青髭の妻たち ] HP(2) : 3 → 1
佐倉 光
「うわキモ」
KP
【DEX】8・獣。
けもの
獣はあなたの声に正確に応じ、がくがくと踊る遺体の横を抜け、その隣に迫ってきていた一体に鉤爪を振るう。
けものの鉤爪
けもの
CCB<=57+10 〈こぶし(パンチ)〉 (1D100<=67) > 58 > 成功
1d5+1d6 (1D5+1D6) > 4[4]+6[6] > 10
3体目も戦闘離脱。
[ 青髭の妻たち ] HP(3) : 3 → 0

けもの
「オォッ!」
獣がまた一体、貴婦人の糸を切り裂き、その頭蓋を砕く。
KP
血の海の中に、頭を砕かれた女の死体が手を上げながら沈んでゆく。
佐倉 光
2連続お見事!
触れるだけで寄生、なんてことになるなよぉ……
青髯の妻たちの攻撃
KP
【DEX】0。遺体たちの攻撃。
x4 1d2 対象決定
#1(1D2) > 2
#2(1D2) > 1
#3(1D2) > 2
#4(1D2) > 1
x4 CCB<=40 成功判定
#1(1D100<=40) > 30 > 成功
#2(1D100<=40) > 63 > 失敗
#3(1D100<=40) > 72 > 失敗
#4(1D100<=40) > 23 > 成功

佐倉 光
それぞれ1ずつ喰らうか。
KP
あなたに一体、獣に一体の攻撃が向かってくる!
佐倉 光
火かき棒を構える。
けもの
獣はあなたへの攻撃を【庇う】宣言。
火かき棒を構えたあなたの前に、獣の背中が割り込んだ。
回避
けもの
で、自分に対する攻撃を回避。
CCB<=16 〈回避〉 (1D100<=16) > 50 > 失敗
ダメージは1固定だが、残念ながら獣の皮膚は【装甲】扱いになったりはしない。
[ けもの ] HP : 11 → 9

佐倉 光
「……!」
KP
遺体たちは獣に向かってそのしなやかな手を振るう。しかし、その手は細く、糸に操られた動きに力はない。
佐倉 光
「牧志!」
牧志視点
KP
女のしなやかな指先が、堅い毛と皮膚を割り裂き、あなたの肉に食い込む。ぱたぱたと血が落ちる音がした。
身にもたらされる痛みは、あなたをいよいよ凶暴な気分にさせる。
牧志 浩太
低く唸り、じっと痛みを堪えた。湧き上がってくる怒りに似た衝動を、同時に殺そうとする。

けもの
「グゥウ……、」
獣は僅かに声を上げかけて、その声を低い唸りを上げて打ち消す。
あなたの頭に、とろりと何かの液体が降ってきた。
佐倉 光
咄嗟に回避する。
血かも知れないけど!
けもの
咄嗟に避けようとしたあなたの頭上に、ぱた、ぱたと液体が落ちてきた。
それはどうやら、獣の腕から流れる血らしかった。
佐倉 光
傷を受けたか。まずいな……
一瞬迷う。傷からの侵入を防ぐため治すべきか?
いや、一刻も早く排除した方がいい!
佐倉 光
だって《ディア》40%なんだもん。
殴って潰す方がちょっとだけ確率がいいんだもん。

KP
次ターン。【DEX】9・佐倉さん!
佐倉のナイフ
佐倉 光
CCB<=(9×5) 【DEX】 (1D100<=45) > 65 > 失敗
KP
しかし失敗 スン
佐倉 光
スン

佐倉 光
がくがくと不格好に動く遺体を狙うが、やはり届かない!
牧志視点
牧志 浩太
傍らの友に視線を送る。構うな、この程度大丈夫だ。

けもの
「ガ……、」
獣は少しだけ首を傾けて、一瞬、あなたに視線を送るような動きを見せた。

俺は大丈夫、と言いたいらしいのが、なんとなく分かった。
KP
【DEX】8・獣。
佐倉 光
がんばれ牧志ー!
けもの
4体目に鉤爪で攻撃!
けものの鉤爪
けもの
CCB<=57+10 〈こぶし(パンチ)〉 (1D100<=67) > 87 > 失敗
佐倉 光
残念!

けもの
腕を振るおうとして走った痛みが僅かに狙いを狂わせ、その狂いは大きな誤差となって鉤爪を逸らさせた。
青髯の妻たちの攻撃
KP
【DEX】0、貴婦人たち。
x4 1d2 攻撃対象
#1(1D2) > 1
#2(1D2) > 2
#3(1D2) > 2
#4(1D2) > 1
佐倉 光
また綺麗にばらけた。
KP
x4 CCB<=40 攻撃判定
#1(1D100<=40) > 65 > 失敗
#2(1D100<=40) > 11 > 成功
#3(1D100<=40) > 81 > 失敗
#4(1D100<=40) > 35 > 成功
佐倉 光
そしてまた1-1!

佐倉とけものに攻撃がそれぞれ1発命中。
けもの
あなたへの攻撃を、獣は【庇う】宣言。
で、片方を〈回避〉
佐倉 光
(くそ、今は牧志に頼るしかない!)
青髯の妻たちの攻撃
けもの
CCB<=16 〈回避〉 (1D100<=16) > 77 > 失敗
1点ずつ合計2ダメージ!
[ けもの ] HP : 9 → 7

佐倉 光
ちょっと危なくなってきたぞー。
牧志視点
KP
女の指先があなたの身を深く穿つ。持続する苦痛と、己を侵される激しい怒りが頭蓋の中で渦巻く。あなたを案じる友の視線が、視界に瞬く激情の合間に点滅した。
牧志 浩太
獣の唸りが頭蓋の中を満たしていた。

けもの
「ガ……ッ、……」
ギリ、と軋むような音が聞こえた。
獣が歯を食いしばり、蓄積していく苦痛を押し殺している。
獣はあなたの前に立とうとしていた。
佐倉 光
(くそ、動けよCOMP!)
KP
COMPはあなたの腕にありながら、冷たく沈黙を保っていた。
佐倉 光
タラレバは意味がないって?
あまりに無力だとぼやきたくもなるんだ。
次の攻撃の度合いに寄っちゃ、〈カバーリング〉を拒否しよう。
危険性は上がるが、仕方ない。

KP
次ターン。【DEX】9・佐倉さん!
佐倉のナイフ
佐倉 光
CCB<=(9×5) 【DEX】 (1D100<=45) > 50 > 失敗
んもぉぉぉあたらねぇ!

佐倉 光
迷いが切っ先を鈍らせた。
KP
惜しい!
【DEX】8・獣!
けものの鉤爪
けもの
今度こそ、4体目に攻撃!
CCB<=57+10 〈こぶし(パンチ)〉 (1D100<=67) > 59 > 成功
佐倉 光
よしよしよし
けもの
1d5+1d6 (1D5+1D6) > 4[4]+3[3] > 7
KP
4体目、戦闘離脱!
[ 青髭の妻たち ] HP(4) : 3 → 0

けもの
ギッ、と牙が鳴る。
獣が鉤爪を振るう。風を切る腕から血が吹き出し、あなたの頬に飛んだ。
少しだけ勢いを減じた鉤爪は、それでも糸を一度に切り裂き、遺体を血の海の中に沈める。
佐倉 光
「よしよしよし、いいぞ。いけるいける」
牧志視点
KP
ふっと、その声があなたをいまここに引き戻す。
牧志 浩太
(……佐倉さん。そうだ、行ける。もう少しだ)

けもの
「……、イケル」
空気を漏らすように、苦痛に噛みしめる牙の下、微かに獣の声が応えた。
青髯の妻たちの攻撃
KP
【DEX】0・貴婦人たち。
x3 1d2 攻撃対象決定
#1(1D2) > 2
#2(1D2) > 2
#3(1D2) > 2
佐倉 光
うーむ
貴婦人頑張るなー!
KP
x3 CCB<=40 成功判定
#1(1D100<=40) > 76 > 失敗
#2(1D100<=40) > 87 > 失敗
#3(1D100<=40) > 2 > 決定的成功/スペシャル
佐倉 光
なにぃ
おっこれまずいな。
次のターンでやられる可能性が出てきたぞ。

KP
獣の腕の下をすり抜けて、一体の攻撃があなたに向かう。クリティカルによりダメージ2倍を選択。
けもの
獣は【庇う】を宣言しますが、どうする?
拒否することもできます。
佐倉 光
拒否!
「構うな!」
牧志視点
牧志 浩太
(えっ、)

けもの
「サ、クラサン、」
獣が目を見開いた。
神回避
佐倉 光
あ、あとこちらが【庇う】するか。一応
KP
あ、攻撃は1回だけですぜ、成功してるの。
佐倉 光
あー、全部青いから成功かと見間違えた。
KP
1つでも成功すると成功カラーになっちゃうからちょっと紛らわしいんですよね。>複数振り
このログではそれぞれに正しい色がつけてありますが、ココフォリアで複数の判定を纏めて行うと、成功と失敗のカラーが正しく出ません。
佐倉 光
それでもうーん……
【庇う】!!
あ、2って私か。
KP
そうそう。
紛らわしくて失礼しました。
佐倉 光
なら問題ない。
KP
あと、普通に〈回避〉〈受け流し〉もできます。
佐倉 光
〈受け流し〉〈回避〉だ!
〈杖〉の技能値20で受け流し!
KP
どうぞ!
佐倉 光
CCB<=20 〈受け流し〉 (1D100<=20) > 74 > 失敗
CCB<=18 〈回避〉 (1D100<=18) > 14 > 成功
おっ
KP
おおお!!!
佐倉 光
って当たったの一発だけだったら二発目意味なくないかw
なんか二回攻撃受けたような気になって二回振っちゃったけど。
KP
あー、同一攻撃に対して〈受け流し〉〈回避〉は無理か。
でも振っちゃってせっかくかっこいい成功したのを無しは勿体ないので、〈回避〉成功した扱いでOKです。
佐倉 光
いいの!?
KP
OK!
初期値成功なら成長チェックもつけてOKです。
佐倉 光
わぁい。
KP
そもそも紛らわしい宣言したKPが原因だし、ここで初期値〈回避〉成功めちゃくちゃかっこいいので無かったことになるのはもったいないので、ここだけ〈回避〉成功扱いでOKとしました。
佐倉 光
遠慮なくいただきます!
結構メガテンだと判定値低いにもかかわらず攻撃回避成功してるんだよねー。
そりゃ制服効果もあるんだけど。
KP
GMの回避のものすごさが印象に残るけど、なんだかんだでPC側も結構回避してるんですよね。
GMは「!?」って回避が多すぎる
佐倉 光
GMのが凄すぎてかすむのよ!
真・女神転生TRPGのGMは強運で「いや当たらないよ」って攻撃をポコポコ当てるし、「これは当たるでしょ」って攻撃をスイスイ避けてくる。
他の卓でもたびたび話題に上がる異常な運の良さだが、プレイヤーになるとその強運が発揮されないのが悩みだそうだ……

佐倉 光
一瞬、意識が澄み渡った。
トレードマークの制服を着ているときのような冴えだ!
すっと足を引いた鼻先を攻撃がかする。
「あぶね!」
KP
あなたの目前に、掲げられた女の白い掌に蠢く斑紋がはっきりと見えた。
佐倉 光
「うぇ、ほんとまずい」
けもの
あなたが躍り出たことに驚いた獣は、あなたが軽やかに女の手を避けてみせたことに、ふたたび驚いたようだった。
佐倉 光
牧志は大丈夫なのか?
そんな雑念が交じりかけるが、気を散らしている場合じゃない!
この瞬間こそが俺にとってチャンスじゃないか!

KP
女の手が目の前にまで迫った瞬間を── 狙う!
次ターン、【DEX】9・佐倉さん!
佐倉のナイフ
佐倉 光
CCB<=(9×5) 【DEX】 (1D100<=45) > 90
キマらねぇ!
45だからっていってもそろそろ当たってくれてもいいじゃないか!
KP
女の攻撃より判定値高いんですけどねぇ。

佐倉 光
踏み込みが足りず、ナイフは空を切る。
春日さんの動き……どんなんだっけな……
KP
あなたは彼女のスプーンが軽やかに舞う所を思い出そうとして、スプーンが洞川さんの首を掬い上げた所を思い出してしまった。
佐倉 光
雑念……!
KP
【DEX】8・獣。
けものの鉤爪
けもの
5体目を攻撃!
CCB<=57+10 〈こぶし(パンチ)〉 (1D100<=67) > 54 > 成功
1d5+1d6 (1D5+1D6) > 4[4]+6[6] > 10
佐倉 光
安定してつええ!
さっきから最大値しか出してなくない!?
けもの
最大値ではないけど最大値近い! 強い!
佐倉 光
1たりないのか。でも強い!

けもの
獣の鉤爪が女の胴体を吹き飛ばした。そのままふたつに折れ、女は動かなくなる。
KP
5体目、戦線離脱!
[ 青髭の妻たち ] HP(5) : 3 → 0
佐倉 光
「よし、いいぞ!」
KP
【DEX】0・貴婦人たち。
x2 1d2 攻撃対象
#1(1D2) > 1
#2(1D2) > 1
x2 CCB<=40 成功判定
#1(1D100<=40) > 37 > 成功
#2(1D100<=40) > 89 > 失敗
獣に一体の女が向かう。
佐倉 光
一応【庇う】
KP
【DEX】×5どうぞ!
佐倉 光
CCB<=(9×5) 【DEX】 (1D100<=45) > 60 > 失敗
もー!
KP
飛び出そうとしたあなたの足は、あと一歩で届かない。
[ けもの ] HP : 7 → 6
佐倉 光
あの得体の知れない物を恐れているのか?
触れたくないと思っているからか?
牧志視点
KP
あなたの頭が一瞬── ぐらりと傾ぐ。立ち眩みに似た感覚だった。
牧志 浩太
(くそ、血が……、)

けもの
獣の頭が、一瞬── 傾いだように見えた、いやそれは錯覚、見間違いか、ぱたぱたと血液の落ちる音、獣の動きが僅かに鈍くなりつつあった。
佐倉 光
「(くそ、少しは役に立て、俺!)」

KP
次ターン、【DEX】9、佐倉さん!
佐倉のナイフ
佐倉 光
CCB<=(9×5) 【DEX】 (1D100<=45) > 92 > 失敗
出目が酷いなー
KP
佐倉さんの出目が全体的に高い

佐倉のナイフはまたもはずれ。
佐倉 光
ここで落とせれば!
上手くいけばこのターンで終われたのになー!
KP
【DEX】8・獣。
けものの鉤爪
けもの
6体目に攻撃。
CCB<=57+10 〈こぶし(パンチ)〉 (1D100<=67) > 30 > 成功
佐倉 光
いいぞ!
けもの
1d5+1d6 (1D5+1D6) > 3[3]+3[3] > 6
KP
6体目、戦闘離脱。あと1体!
[ 青髭の妻たち ] HP(6) : 3 → 0

けもの
獣の動きが明らかに鈍くなりつつあるのは、錯覚ではなかった。
先程よりも重さを減じた鉤爪の一撃が、それでも女を動かす糸をすべて断ち切る。
青髯の妻たちの攻撃
KP
【DEX】0・貴婦人たち。
1d2 攻撃対象 (1D2) > 2
CCB<=40 成功判定 (1D100<=40) > 30 > 成功

残る一体の青髯の妻の攻撃が佐倉に飛ぶ。
佐倉 光
拒否だ!
けもの
獣は【庇う】宣言をするが、その前に拒否された!
KP
〈受け流し〉、または〈回避〉をどうぞ。
佐倉 光
「こっちに来るな!」
CCB<=20 〈受け流し〉 (1D100<=20) > 78 > 失敗
仕方ないなそれは。
[ 佐倉 光 ] HP : 10 → 9
KP
女の手がとうとう、あなたに、触れる。
それはぬるく、冷たく気持ちの悪い感触だった。

女の手は尖った爪を揃えてあなたの首を突こうとする。
佐倉 光
火かき棒をかざして何とか急所への攻撃を逸らす。
けもの
「ガ……、」
あなたの叫びに獣の脚が一瞬怯んだ、その瞬間に、女の爪があなたの皮膚の内側を暴いていた。
佐倉 光
腕に熱が走った。
「いってぇ……!」
痛みはまだないが反射的に叫ぶ。
佐倉 光
やだなぁ。絶対殴られたらまずい奴でしょうこれェ
けもの
あなたの上げた声を聴いて、獣は声を上げかけるのを、振り向きかけるのを堪えた。
佐倉 光
攻撃されてんだぞ。目の前だぞ。外すなよ。
早口につぶやいて、怒りを攻撃の力に転化する。

KP
次ターン、【DEX】9、佐倉さん!
佐倉のナイフ
佐倉 光
CCB<=(9×5) 【DEX】 (1D100<=45) > 86 > 失敗
おいぃぃぃぃぃ
KP
攻撃の出目が高いなぁ

佐倉 光
遅れてやって来た痛みに切っ先がブレた。
KP
空気に触れた傷がようやく、疼くような痛みを発し始める。皮膚の内側に入られた不快感を思い出す。
佐倉 光
得体の知れない生物じゃなくても感染症が怖い!
KP
周囲血塗れですし相手は遺体ですしね。まったく衛生的ではない。
KP
【DEX】8・獣。
けものの鉤爪
けもの
CCB<=57+10 〈こぶし(パンチ)〉 (1D100<=67) > 21 > 成功
1d5+1d6 (1D5+1D6) > 2[2]+1[1] > 3
佐倉 光
ぴったりだ!

けもの
振るわれた獣の爪は最初の勢いが嘘のように弱かった。しかし、残る一本の糸を、その爪が断ち切る。

佐倉 光
「牧志、大丈夫か!」
自分の腕の、傷より上に圧をかけつつ。
KP
頭を砕かれ、心臓を貫かれ、二つに折られ、凄惨なありさまとなった女たちが、獣を取り囲むように倒れていた。
けもの
「グ……、」
あなたの声に、獣は血を流しながら振り返る。
佐倉 光
「体に変な物入ってないか?
とにかくここを出よう。手当てをしないと」
牧志視点
牧志 浩太
目の前に転がったものを呆然と眺めていた。
KP
血を失って頭がぼんやりとする。
牧志 浩太
一瞬、人の言葉をうまく手繰り寄せられなかった。

けもの
「……」
一瞬、言葉を発するのが遅れた。
視線を僅かに彷徨わせ、かろうじて口を開く。
「グ……、ダイジョウブ。タブン……」
KP
そのとき。
部屋中の影が暗がりが闇が耳障りな笑い声を一斉に立てる。
『人殺し!』
『人殺し!』
『ひとごろし!』
佐倉 光
「またかよ、くそっ」
KP
『ああ、女の顔をあんなに、まあまあ、なんて惨い!』
『あらあらまあまあ、化け物! 化け物がいるわ!』
佐倉 光
「気にするなよ? あれはヒトじゃねぇ。
ただの死体だ。
むしろ遺体を冒涜するバカから救ったんだからな」
けもの
「……」
獣はあなたの腕にすがるように手をかけようとして、爪の存在を思い出し、手を引っ込めた。
KP
『あらあらあら!』
『狼はトリカブトで吊るして、悪い魔女は火あぶりにしてやらなくちゃ』
『あはは、あはははははは!』
笑い声に交じって、あの『魔女』の声がした。
『可哀想に可愛そうに貴婦人たち。次はあなたがたの死体で遊んであげましょうねえ』
佐倉 光
「てめぇが火炙りになれよ。
魔女め」
KP
ひときわ大きな哄笑が響いたかと思うと、あなたの悪態をまったく無視して、ふっと、全ての闇が沈黙した。
そうしてあなた達は、また静かな部屋に取り残される。
……扉は、あっさりと開くようになっていた。
佐倉 光
狼を殺すトラップにトリカブトが利用されたのかぁ、なるほど。
佐倉 光
「……ふん」
けもの
「……アリガト」
獣は僅か、少し苦痛の色が滲む息を吐く。
佐倉 光
「行こうぜ、牧志」
けもの
「アア、デヨウ」

佐倉 光
部屋から出たら、ボール・ルームの隅に座って傷の手当てがしたい。
自分と牧志に一度ずつ《ディア》を試みる。
それから、拾ってきたアイテムが全部残っているか、袋とポーチのチェック……しがてら、もし可能なら、さっき読めなかった薬袋を再度よく見てみたい。
あれ、ガラス細工結局出番なかったな……
KP
あなた達は静まり返ったボール・ルームの隅に座り込み、傷を手当てする。
けもの
獣は毛皮の合間から血を流しながら、壁にもたれて地面を見下ろしていた。
佐倉 光
「ありがとう。お陰で俺の方は大した怪我じゃない。傷の場所教えてくれ」
けもの
「ウン」
獣は頷き、あなたに腕を差し出し、傷ついた脇腹を見せる。
獣の硬い毛が血にまみれ、その間から痛々しく赤い血が流れだしていた。
佐倉 光
これ、傷一カ所ごとに振る、じゃなくて全部纏めて一回分かな?
KP
一か所ごとに振って大丈夫です。
佐倉 光
ということはー……5カ所か。
ファンブルだけは出すなよぉー
佐倉 光
*5 CCB<=40 《ディア》(〈応急手当〉)
KP
 x5 ですね>繰り返し構文
KP
xを*にしちゃうのはめちゃくちゃわかる
佐倉 光
うぅ、ハズカシイ。
佐倉 光
x5 CCB<=40 《ディア》(〈応急手当〉)
#1(1D100<=40) > 26 > 成功
#2(1D100<=40) > 82 > 失敗
#3(1D100<=40) > 31 > 成功
#4(1D100<=40) > 30 > 成功
#5(1D100<=40) > 41 > 失敗
佐倉 光
3回復だ。
system
[ けもの ] HP : 6 → 9
佐倉 光
自分にも。
CCB<=40 《ディア》(〈応急手当〉) (1D100<=40) > 95 > 失敗
ダメだった。
集中が乱れる……
案の定、ここではいつもは手足のように使えるはずの魔法が安定しない。
まるで法則が違うとでもいうかのようだ。
けもの
獣は大きく、苦しげに息を吸う。野の獣が傷を庇うように背を丸め、苦痛が少しずつ楽になっていくのを受け止める。
佐倉 光
治癒の呪文を唱えつつ、体に奇妙な兆候はないか調べる。
毛の間に見える皮膚に、異質な痣はないか……
けもの
「……アリガト……」
獣が耳を少し寝かせて、小さく呻く。
獣の分厚い皮膚に、その下に感じる堅い筋肉の層にも、幸い異質な兆候はなかった。

獣の身体を辿っていたあなたは、首筋から胸にかけて浮き上がるような、赤い模様を見つける。……あの痣だ。
佐倉 光
見る度に自分の迂闊さに腹が立つ。
けもの
獣は安堵するようにわずか目を閉じ、あなたの手に身を任せた。
佐倉 光
「牧志。さっきの死体な」
けもの
「アア」
佐倉 光
「寄生生物みたいなのがついてたんだ。
皮膚の表面で動く痣だ。さっきここで踊っていた子にも出ていた」
けもの
「……
ソイツノ、セイ?」
佐倉 光
「どうも、そいつに憑かれると、血がなくなって死ぬらしいな。
ノートにもやられた人の記述があった」
言いながらノート出して確認する。
けもの
獣は少し眼を開き、ノートの記述を目で追う。
それから、あなたの無事を確かめるように、あなたの身体に視線が向いた。
佐倉 光
「ああ、背中見てくれるか?」
言ってパーカーとシャツを脱ぐ。
けもの
あなたの背中を獣の視線が追う。
口からはみ出すほどの牙を持った獣の前で、裸の背中をさらしている姿は、あなたの防衛本能に何とも言えない違和感を覚えさせた。
牧志視点
KP
あなたの前に柔らかい肌がさらけ出された。
牧志 浩太
(うっかり触れたら切ってしまいそうで、なんだか怖いな)

佐倉 光
……ちょっと色々危険を感じるなぁ……
相手牧志だってのに。
さっき、貴婦人達を粉砕した光景をちらと思い出す。
けもの
その爪で撫でられでもすれば、あなたの柔らかい背中は真っ赤に染まるだろう。死体の心臓を一撃で抉り抜き、頭蓋を粉砕した様子を、否応なしに思い出してしまう。
「ダイジョウブ、ミタイダ」
ほっ、と安堵するような息と、声。
佐倉 光
声を聞いて、自分の恐れを一笑に伏す。
「サンキュ。なんか怪しいの見えたら教えてくれよ」
けもの
「ワカッタ。……ゴメン、サクラサン。
オレ、チョット、ムチャシタカモ」
佐倉 光
「いや、お陰で助かった。
頼りにしてるぜ?」
ラミア並に怖くて、ラミア並に頼りになる。
けもの
「ウン」獣は応えるように頷いて、立ち上がる。
「ヨカッタ。アノトキ、コレデ」
獣は硬い毛に覆われた手を一度、確かめるように握って、開く。
佐倉 光
「そうだな? 俺役に立たなかったし」
けもの
「ウウン。イテクレテ、タスカッタ」
獣はゆっくりと言葉を探し、あなたの役に立たないという言葉を受けてか、一言。
牧志視点
牧志 浩太
(佐倉さんの声がなかったら、俺は)

佐倉 光
「そういやお前やっぱ狼なのかなぁ……」
どうでもいいことが気になった。
さて、薬袋の再チェックは可能?
KP
可能です。その後にアイテムの確認結果を出しますね。
佐倉 光
はーい
KP
再度〈母国語(日本語)〉をどうぞ。
佐倉 光
CCB<=95 〈母国語(日本語)〉 (1D100<=95) > 57 > 成功
しなきゃおかしいんだよ!?
KP
「種」とだけある。しかし中身はやっぱり空だ。
佐倉 光
「種……」
やっぱりシューズ内じゃぁぁぁぁん!
履きたくねぇ
「落とした、とか書いてたなぁ」
けもの
「オトシタ?」
佐倉 光
「ああ、多分これ、さっきのノートに書いてた。
血をかけるとアホみたいに伸びる種……
が入ってた袋だ」
佐倉 光
落とした、って書いてたから、靴の中にあるのは種じゃないのかな。
けもの
CCB<=(18×2) 【INT】 (1D100<=36) > 4 > 決定的成功/スペシャル
佐倉 光
冴える冴える
けもの
CCB<=75/2 〈母国語(日本語)〉 (1D100<=37) > 88 > 失敗
佐倉 光
ぬぉ
記憶が鮮明になった途端言語回路が死んだ……
けもの
そういや戻ってきた時振り忘れてたなって
佐倉 光
纏めて処理扱いかぁと思ってた。
KP
単純に抜けてましたね。
クリティカル特典で、次の部屋でも獣は記憶を保っていられるものとします。
部屋っていうか外かな。
佐倉 光
それはラッキー
KP
あとアイテムですが、青髭の部屋の鍵だけが溶けて消えています。他は全てある。

佐倉 光
鍵が見当たらないな……
まあ、用は済んだしいいか。
けもの
「ウタ」
獣ははたと思い出したのか、その眼に少し光が宿る。あの時獣が挙げた三つの内容。
佐倉 光
「イステの歌だったか」
けもの
獣は緩やかに頷く。
「ページ」
佐倉 光
「ああ、抜けてたな。
……またカタコトになってんのか」
けもの
「……ウン」
佐倉 光
「気がついたことがあるなら、頼む」
けもの
獣は少し考える。
佐倉 光
「そんなわけで今俺たちは、効果は分からないが脱出の役に立ちそうなページと、二階に行くのに使えそうな種を探してる」
けもの
獣はあなたの言葉を確かめるように聞き、頷く。
「ナカッタ」
獣はテーブルの下に目をやる。
佐倉 光
「やだよ俺あれ履くの……
見えるデストラップじゃん……」
けもの
獣は慌てて首を振る。「モッテイク」
佐倉 光
「持って行く? ああ、そうか。
何かの役に立つかも知れないな、確かに」
けもの
獣は小さく頷いた。
佐倉 光
「外に何もなかったら、試すよ」
けもの
「ウン」
佐倉 光
じゃあ、確認のために広げていたアイテムをポーチと袋に収めて
「よし、行こうぜ、牧志」
けもの
「サクラ、サン」
獣は確かめるように名を呼んで、あなたの横に立つ。
あなたを庇うように前に立っていた獣の、久しぶりに取るいつもの位置だった。
佐倉 光
「まず玄関の確認。ただし外に出られても門から外には出ない。
Ok?」
けもの
「ナイ?」
佐倉 光
「こーゆーのって中断すると酷い目に遭うって相場が決まってるからさ。
悪魔として生きる気はないだろ?」
けもの
「……」獣はちらりと、あなたと、あなたの身に残った傷を見る。
「……ウン」
牧志視点
牧志 浩太
(……佐倉さん)

佐倉 光
「余計な気を回すな。お前もそうしただろうが。
お互い様だってんだよ」
けもの
「ソウ、ダナ」
あの時と逆だ。そう苦笑する牧志の声が聞こえたような気がしたのは、きっと錯覚だったのだろう。
佐倉 光
「あと、単純に俺が嫌だからだ。お前のためじゃない」
けもの
「……」
ほんの少しだけ、言葉が途切れて。

「アリガト」
空気が漏れるような、なんとなく笑っているような声。
佐倉 光
なんか凄く笑われた気がするぞ。
「つーわけで、さっさと行こう」
けもの
「ウン」
獣はあなたの横に立ち、共に玄関へと向かう。
べ、別にあんたのためなんかじゃ
佐倉は純粋に『エゴと計算』で牧志を守ろうとしています。
置いていった場合に、より自分が傷つくと確信しているからですね。
月影 蓮
「やっぱりツンデレじゃん?」

KP
エントランスは短いだろうからそのまま同じ部屋扱いで行きます。
佐倉 光
はーい
靴の部屋の梯子って二階に上れそうな長さないよね?
KP
持ち出してきてないので詳細不明。>梯子
佐倉 光
消えちゃいそうな気はするなー。手段がなくなったら後でやってみよう。

KP
玄関の扉は変わらず、沈黙してそこにある。
佐倉 光
「玄関の鍵って……考えてみればおかしいよな」
けもの
「オカシイ?」
佐倉 光
「なんで内側に鍵穴があるんだよ。普通逆だろ」
けもの
「……タシカニ」
佐倉 光
本当にそんな奇妙な作りなんだろうか。確認しよう。
KP
あなたは扉を確認する。確かにあの鍵が入りそうな鍵穴がある。内鍵にしては、鍵で閉じるという形は確かに奇妙に思えた。
佐倉 光
「まー、悪意盛々のお化け屋敷だからな。
多少変でも当たり前……そういや」
けもの
「?」
佐倉 光
「さっき外にカエルがいたな」
けもの
「アア。
イナイナ?」
佐倉 光
「音がやけにはっきり聞こえて嫌な感じが……いないのか?」
KP
今はカエルはいないように見える。
佐倉 光
「まあいい、開けてみる」
鍵を差し込んで、回す。
KP
ここで〈目星〉
佐倉 光
CCB<=85 〈目星〉 (1D100<=85) > 92 > 失敗
今日は 出目が ひどい
今日も かな……
佐倉 光
基本佐倉って出目酷い感じ。
KP
出目も相補的な二人だった……?
KP
あなたは扉を開けようとして、ふと小窓に目をやった。あのカエルはどうなったのか? そんな軽い気持ちだっただろう。
瞬きをしたその一瞬。小窓の外が、暗黒に変わった。外の景色が見えない。
佐倉 光
「!?」
回そうとした手が止まった。
けもの
「ドウシタ?」
獣が小窓に目をやる。
CCB<=84 〈目星〉 (1D100<=84) > 14 > スペシャル
佐倉 光
「外が真っ暗に」
牧志視点
KP
ふと、あなたは小窓のアール・ヌーヴォー調の装飾に何かがちらついて見えることに 気づくだろう。
目をこらすとそれは細い糸…… いや、 ヒトの髪だった。

所々に混ざるちぎれた頭皮のかけらを見て、あなたはそれを理解してしまった。
小窓の範囲を埋め尽くすほどの屍人の髪が、中へと侵入してこようとしている。

SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D3》。
牧志 浩太
(ひ……っ!?)

けもの
「──ッ!」
獣が、息を呑む。
CCB<=64 《SANチェック》 (1D100<=64) > 22 > 成功
[ けもの ] SAN : 64 → 63
獣は迷うように小窓と扉と、あなたの手を見比べる。
佐倉 光
「何か見えたのか?」
けもの
「カミノケ……」
佐倉 光
「髪の毛……?」
けもの
獣はまた迷うように、室内とあなたと、小窓を見遣る。
「イタ」
佐倉 光
〈心理学〉ぅ!
KP
どうぞ!
佐倉 光
CCB<=55 〈心理学〉 (1D100<=85) > 30 > 成功
佐倉 光
うーん、これハズレか?
庭があるかと思ったんだけどなぁ。
KP
扉を開けることはできますよ。
けもの
獣はその小窓に一瞬、なにか恐ろしいものを見たに違いない。それは外に恐ろしいものがあるということで、そのために、あなた同様に、外に出ることを躊躇ったのだ。
佐倉 光
「……」
けもの
「……ツクリモノ……?」
あるいは、それもまた魔女のこけおどしなのだろうか。
この中にいても何も状況は変わらない。
獣の横顔からはそんな迷いが感じられた。
佐倉 光
「……」
開けるだけ開けてみるか。
見ちゃイケナイ物があるかもしれないが……
一度止めた手をゆっくりと回す。
KP
重い手応えで鍵は回る。
佐倉 光
止まるまで回し、そしてドアノブを押す。
いや引くべきなのかこれ? どっちなんだよ。
構造を見て動く方に動かす!

KP
軋みながら、ゆっくりと扉が開いていく。
その向こうには──
生温い夜風が、頬を撫でた。
空には雲で隠れかけた朧げな月が浮かび、弱々しい月明かりが、辛うじて辺りの様子を照らし出している。
佐倉 光
「……」
KP
そこには鬱蒼とした森に囲まれた庭があった。恐れるべきものは、少なくとも今は、いないように感じられる。
敷地はぐるりと、背の高い高い鉄の柵で囲まれている。
牧志視点
牧志 浩太
(何も、ない……? やっぱりあれも、偽物だったのか)

佐倉 光
「庭、だな?」
けもの
「……ダナ」
佐倉 光
「よし、出てみるか」
KP
あなた達は庭に一歩出る。
庭には西洋風の敷石やアーチがあり、奥には小さなガゼボ(東屋)も見え、明るいところで見れば多少は美しいと思える庭なのかもしれない。
ただ、薄明りに浮かび上がる植物はどれも毒々しい色や見た目だ。
可憐とは言い難い植物や棘のある装飾の取り合わせはどうにも陰鬱で、不気味な印象が強まるばかりだと思える。
牧志視点
牧志 浩太
(何だか不気味な庭だな)

けもの
CCB<=75/2 〈母国語(日本語)〉 (1D100<=37) > 24 > 成功
けもの
お、喋れるし記憶も保っている。
佐倉 光
ナーイス!

佐倉 光
「とりあえず出ても大丈夫そうか。良かった。
暗いのは気に食わないけどな」
けもの
「コケオドシカナ、サッキノ」
佐倉 光
「そうかも知れないけど、今までのこと考えりゃなんかかんかの嫌がらせはありそうだ」
けもの
「ソウダナ……」
KP
蝋燭はあなたの手元にわずかだけ残っている。
けもの
「……トゲ、ダラケダ」
獣が優美な装飾の門扉を見て、痛そうに目を細める。
佐倉 光
「今度は茨姫かよ。
棘に触ると100年寝る……ってやつ」
髪の毛ってラプンツェルかもねー
とにかく探索してみよう。
まずは門扉かな?
KP
ぱっと目につくのは門扉と高い柵、それから東屋だ。
佐倉 光
門扉はどんな風だろう。近づいて見てみよう。
KP
門扉は重厚な装飾のロートアイアンだ。
優美な草花を模したデザインで、いわゆる一般的な『ヨーロッパの城』をイメージするだろう。
その豪奢な装飾の合間を縫うようにして、がっちりと荊が巻きついているのを見つけてしまう。
荊は鋭い棘に覆われて太く、門扉から外壁、それから柵のすべてを切れ目なく締め付けていた。まるで、悪い魔女がお城から外へ出る道をふさぐように。
これをどうにかしないことには、門を開けるのは困難だろう。
佐倉 光
「笑えるね。これを何とかしないとダメか」
けもの
「ネンイリスギルナ」
佐倉 光
「やめやめ、後回し」
柵を調べる。
KP
柵の根本には太い棘を持つ荊がびっしりと生い茂り、あなたがたの行く手を阻んでいる。
黒い鉄製の柵は、一階建ての建物ぐらい高さがあってかなり大きい。
そしてその柵もまた、ロートアイアンで荊のように鋭い棘をデザインされている。素手で握ることはできそうにない。
けもの
「…………シロッテ、イウヨリ、ロウヤ」
先程の鍵の構造を思い出したのだろう、獣が空気を漏らすような溜息をつく。
佐倉 光
「デザインにも悪意を感じるなー」
けもの
「ホントニナ」
佐倉 光
「じゃ、あっち行ってみるか」
東屋を指す。
けもの
獣は頷いて、あなたの一歩前を行く。
佐倉 光
無意識のうちにヒランヤを握ってその縁に指を滑らせつつ歩く。
足元に注意しながら。
KP
それは、気の利いた公園にあるような、こじゃれた東屋だった。
ティータイムに使うような、鉄製の二人掛けのテーブルセットが置かれている。
二人掛けのテーブルセットがちょうどよく収まるように作られたガゼボは、やはり門扉や柵と同じように荊に侵食されている。
佐倉 光
「……
ケツに穴が増えそう」
KP
と、あなたは気づく。
佐倉 光
なんだろう?
KP
まだ荊に侵食されていないテーブルの上に、ぽつんと糸車が置いてあった。糸はどうやら紡ぎかけらしい。
ここで〈目星〉
佐倉 光
CCB<=85 〈目星〉 (1D100<=85) > 98 > 致命的失敗
あっ
またファンブルかよーもーーー
けもの
CCB<=84 〈目星〉 (1D100<=84) > 22 > 成功
CCB<=75/2 【知識】 (1D100<=37) > 10 > 成功
KP
あなたは糸車をよく見ようと顔を近づける。
不意に、誰かに袖を引かれたような気がした。
佐倉 光
「?」
振り向く。
KP
振り返ってもそこには誰もいなかったが、あなたは、糸車をちょうど視界の中心に捉えてしまう。
あなたは、そこから、目が逸らせなくなる。
『紡げ』

それはあの魔女の声だった。頭の中に直接塗りこまれるような、ねっとりとした響き。
佐倉 光
回るのを想像する。
回る。回る。回したい。
佐倉 光
眠り姫になっちゃう!!
KP
ガゼボのテーブルに置かれた糸車は、誰も触っていないのにひとりでに回っている。
その先端で、五寸釘程度の太さの針がこちらを向いている。

【知識】
佐倉 光
CCB<=95 【知識】 (1D100<=95) > 75 > 成功
KP
ああ、糸車の錘がこちらを向いている。眠り姫はこの針に刺されて死ぬはずだったのだ。妖精の贈り物が彼女を百年の眠りに導いた。
佐倉 光
ふらふらと寄っていこうとする。
KP
直後。
鋭い頭痛が、あなたを襲う。
二人とも、【POW】×1で判定!
佐倉 光
CCB<=(15×5) 【POW】 (1D100<=75) > 68 > 成功
失敗
けもの
CCB<=(12×1) 【POW】 (1D100<=12) > 25 > 失敗

けもの
「ア……アア……、アアアアア……!」頭蓋を二つに割るような激しい頭痛。獣の叫び声。
佐倉 光
「ぐ……あぁぁ……」
頭を抱えてうめき声を上げる。
KP
まるであなたをばらばらに解いて紡いで糸に還してしまうかのような、そんな、痛み。
何かがあなたの手を掴んでいた。
佐倉 光
その手の先を見る。
KP
見えない何かがあなたの手を掴んでいた。手が無理矢理、糸車へと導かれる。
佐倉 光
回したい。回したい。
回してはいけない。触れてはいけない。
痛みで涙が溢れ、視界が揺らぐ。
KP
揺らぐ視界の中に、
あなたの手の表面で蠢く斑紋が、浮かんでは消えるのが見えた。
佐倉 光
あーあ
KP
あなたの手が糸車に伸ばされる。
佐倉 光
触れたい。回したい。
いけない。死ぬぞ……!
KP
あなたの手が糸車に触れる。
糸車の錘は、あなたの指を深々と貫いた。
傷口から真っ赤な血が迸る。
まるで指を潰されたかのような苦痛。激しい灼熱感。
牧志視点
KP
あなたは見る。佐倉の手が誘われるように糸車へと伸ばされるのを。
錘が、彼の指を深々と貫くのを。
その赤が視界に入った途端、あなたの指にも激痛が走った。
牧志 浩太
(痛っ、……!?)
KP
あなたの指はどこも傷ついていないのに、焼けるように『傷口』が痛む。指はもはや骨ごと潰されたかのようだ。
痛い。 痛い痛い痛い。 痛くて意味のあることが何も考えられない。
牧志 浩太
(痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い……! 何だ、これ……!)

佐倉 光
いつの間にか噛みしめていた奥歯を解放し声を上げる。
悦びか、絶望か、恐怖か。
自分でも良くわからない。
ただ自らの手には死が棲み着いたことだけがはっきりと分かる。
けもの
同時に、獣の激しい叫び声が聞こえた。
まるで指を潰されたかのような、苦痛の声。
佐倉 光
「……!」
KP
佐倉さん、HPを-1してください。
佐倉 光
喉から声がほとばしる。
[ 佐倉 光 ] HP : 9 → 8
KP
深く深く突き刺さった錘に、ぱたりと血が滴り落ちる。
すると庭木や草葉の影が、あなたの影が、ぞわりと粟立つように揺れる。
影という影から視線を感じる。舐めるようなその視線に背筋は凍った。
まるで猛獣の檻の前に立たされたような感覚。
あなたは直感する。これは捕食者の歓喜だ。
錘を抜き取れば、血のついたその針に影が群がる。
あっという間に糸車は闇色に染まり、影が霧散するころには糸車の針に血は一滴も残っていなかった。
佐倉 光
正気に戻れるなら逃げたいんだけど。
KP
逃げなければならない。
それなのに、それなのに、闇へ引きずり込むような強烈な眠気があなたをとらえる。
身体が、思うように動かない。
佐倉 光
「血を、かけると……
二階まで……」
うわごとのように呟いた。
抗うようにポーチに手を伸ばす。
火をつけられるなら点けてみたいが。
寝ながら火を点けたら危ないな!?
KP
あなたは咄嗟にマッチを取ろうとする。しかし、指がうまく動かない。
ぞわり、と。指先に、足首に不快感を覚える。
見ればあなたの肌の上に、あの影がまとわりついている。
ざらついた感触をはっきりと残しながら、愉しむかのように、少しずつ舐めて喰らうかのように、ゆっくりと影があなたの肌を這い上がる。
佐倉 光
「くそ、畜生、こんなところで」
KP
ふくらはぎ、太もも、腰。服の中に「いる」のがわかる。
手で払っても叩いても、タトゥーのように染み付いた影は『肌の中』におり、離れることは無い。
佐倉 光
死ぬのかよ、こんな所で!
体中の不快な感覚は、嫌が応にも赤い靴の少女や、哀れなデク人形を思い出させた。
「牧志、逃げろ……!」
声にできたのかどうか。
KP
こんな所で寝ている場合では無いのに、あまりの眠気に抗えず、瞼が下がってくる。

彼の名を声にできたのかどうかすら、分からなかった──
──
牧志視点
KP
そして、あなたは──

佐倉 光
ああー、妹のキャラシ作るか。
KP
「サクラ!」

闇を切り裂いて聞こえたのは、獣の声ではなかった。
知らない男の声が聞こえ、直後。

閉じた目にも分かるほどの閃光が、辺りを灼いた。
佐倉 光
何だ……誰だ?
KP
あなたの意識は閃光と共に白く染まっていく。
佐倉 光
誰だぁぁぁ
何が起きてんだぁぁ

KP
……ふっと、目が覚める。

あなたはエントランスの床に寝かされていた。
怪我をしたはずの手はスツールに乗せられ、血が出ていたはずの指には手当てが施されていた。

おしまい
KP
というところで、本日は以上です!
佐倉 光
うわぁぁぁ気になるところで終わってるぅぅぅ!
ありがとうございましたぁぁぁ!
KP
そうなんですよこれ、凄い所で終わるな!? って思ってKPはワクワクしていました
佐倉 光
きーにーなーるーーーー!
KP
KPも正直めちゃくちゃ続きをしたいところで切れたなっていう
佐倉 光
くそぉ。丁度いい時間だ!
めちゃくちゃいいヒキをいただいたところで断腸の思いで終了だー!
一週間ぐねぐねします。ぐねぐね。
KP
ぐねぐねぐねぐね……。
今回もありがとうございました 楽しい
佐倉 光
しかしやっぱり寄生されるのねー。
そりゃそうだよねー。
楽しいよ!
KP
寄生されちゃうんです。楽しい。
正直この後のシーンがめちゃくちゃ楽しいのでKPも一週間大変です
佐倉 光
何が起きるか想像もつかないもん。
名前呼んだのが誰なのか全く想像がつかないぞ!
KP
ウフフ

KP
佐倉さんわりと靴だの糸車だの色々させられていて、色々させられる方が佐倉さんっていうのがとても意図に反している感じでいいですね
佐倉 光
割とヤケクソ気味。
KP
ごめんな佐倉さんKPは楽しい。
佐倉 光
PLも楽しいが、踏み込んでいいのか悪いのか判断するのに時間がかかって申し訳ないね!
佐倉今回何回「あーもーーー!」って言うんだろう。
あーもーーー! ……「やればいいんだろうやれば!!」とか「どうしようもねぇじゃねぇか最悪!」の意。
KP
出目までもが「あーもーーーー!」になってるのが変な合致しすぎている
佐倉 光
ほんと出目が酷かったなぁ。
今回の佐倉は駄目な方の佐倉みたい。
KP
ですねぇ。何回ファンブルしてるんだっていう。本当に調子が出ていない。
佐倉くんは調子が出てないし牧志は得意分野(知力)を封じられるし。
佐倉 光
前回の話でいい目出尽くしたかな?
1100の時に結構ダイス目頑張ってましたからねー
KP
1100の時に出目を頑張りすぎちゃったか。
佐倉 光
そして別人の精神なんか持って来ちゃったから……
馴染むまで不調かも知れない。
KP
ああー。別人の精神を持ってきちゃったせいでまだ不整合を起こしている、なるほど?
佐倉 光
任せてくださいよ次回からクリティカルの嵐なんで!!
ていうか4連ファンブルとか出てるのに、どうして3連クリティカルでないんです???
KP
楽しいシーンが待ってるけどがんばれ!!
いや本当に今回のファンブル回数なにこれ???
佐倉 光
7回? もっとかな? 出過ぎです。
対するクリティカルが少なすぎる。
KP
なんかもう当然のようにファンブルが出ている
佐倉 光
女神様ァ。ファンブルからの悲鳴も楽しいけど、クリティカルからのイケイケも楽しいですよぉ
KP
初期値クリティカルで荒野牧志を引っ張り出して満足しちゃったかな、女神様
佐倉 光
一回だけじゃん!!
KP
コディペンデントの三連ファンブルといい、ファンブルってこんなに連続して出るものだっけ????
佐倉 光
いやー……他の卓だとあんまりないような
KP
ないですよね……
なんで当然のように連続ファンブルが出るんだ
佐倉 光
おかしいよ女神。
1、2のポカンでクリティカル忘れたの?
KP
メガテンから出目荒れの女神を連れてきちゃったかなぁ 女神様、クリティカル方面は??
佐倉 光
メガテンの続編だからかなぁ。
KP
回避で初期値成功かましてるし、出目がメガテンなのかもしれない
同じ続編のペルソナはこんな酷くはないぞ!
二宮君とヘチナちゃんが逆方向の意味で愛されているなとは思う。
佐倉 光
まあ……ドラマ作ってくれるからいいんだけど……
ラスボスでファンブルとかやめてね……
KP
ちゃんとドラマを作りつつ必要なところでは成功させてくれる女神だし、今度もそうだと信じたい
佐倉 光
ああでもいつも「どうせファンブルでしょ!!」とか思ってるから、ファンブル喰らったときのショックは少なめ。
KP
確かに <少し慣れた(ファンブルに)

あるある

KP
荒野牧志、佐倉さんの中に「馴染んで」しまったら、そのままでいられるのかなぁ、とちょっと思いました>馴染むまで不調
佐倉 光
さて、どうなんだろうなぁ……
KP
どうなんでしょうねぇ。
馴染んでしまったらもしかしたら佐倉さんの中に溶けてしまうのかもしれないし、そうならないのかもしれない。
佐倉 光
そうなったら哀しいなぁ。
KP
ですねぇ。そうなってしまった瞬間に無意識の底で記憶を共有してしまって、滔々と涙を流しながら何となく存在の消失に気づいてしまうようなことになりそう。
そうはならずに、色々巻き込まれたり日常を過ごしたりしている姿をゆったり後ろで見ていてほしい。
佐倉 光
救おうとした結果が相手の消滅じゃあ、悔やんでも悔やみきれないな。
KP
本当に。「大丈夫だよ、溶けるだけだし」って彼は言うんだろうけど。
佐倉 光
それも自分のエゴの結果だからなー。
KP
少なくともあの世界にいれば壊れるまで存在はしていただろう彼を。
佐倉 光
佐倉にとっては自己の喪失は一番耐えがたいことだからねー
そんな運命を押し付けたとなると……
KP
ああー、それは辛いなぁ。
佐倉 光
彼が平気でも佐倉は平気じゃない!
KP
彼が最後に残した言葉が「俺は大丈夫」だったことまで知ってしまって、そういうところ牧志なのも余計に佐倉さんには辛そう
佐倉 光
そんなイベント起きたら本格的にカオス属性でいられなくなるな。
そんならもうずっと不安定でいいよ。痣の一つや二つ!
KP
アッタさんとかに指摘されて、その『異物』が心身に馴染んだら溶けて消えてしまうことを知って、ずっと馴染ませないようにしながら不安定なまま抱え続ける佐倉さんですって?
佐倉 光
異物が何なのかも不明なのに?
KP
不明なのに。
佐倉 光
牧志かもしれないけど、ただの妄想による異物かもしれないよねぇ。
KP
しれないんですよねぇ。
あるいはもっとたちの悪い異物かもしれない。
佐倉 光
さっさと馴染ませた方がいいよ?
って言われまくるんだな。
その方が安全だから。
KP
オマエそれとっとと馴染ませた方がいいぞ、やってやろうか、って何気なく。
佐倉 光
本当にあるのか? って食いついて、馴染ませてやるって言われたら怒るね~
KP
「?」されそう。何言ってんだオマエ? って。
異物なんかの存在に食いついてくるところもよく分からないし、馴染ませてやろうっていうのに怒ってくるのもよく分からない。

いつものように異質な【知識】や力に執着してるんだと思われて、あんま変なもんに食いつくなよ、って的外れな忠告もらうかもしれない。
佐倉 光
無理矢理もって来た異世界の存在なんて異物だよなぁー
実際害がないのかどうかなんて分からないしねー
そとから見ると完全に狂気なんだ、これは……
KP
そもそも別人だし、無理やり世界を越えて持ってきたし、世界の状態すら違うところから来たものだし、千の貌との縁も切れていないし、異物なんですよねぇ。
はたから見るとよく分からない異物を抱え続ける佐倉さん。
そもそもが他の世界のものだから、外から見るとうまく観測できずに、調べても「奇妙な異物」にしか見えないのありそうで。これは狂気。



コメント By.佐倉 光
ひたすらにたちの悪い悪夢の中、弄ばれ彷徨い続ける二人。
出口はあるのか? 外は外なのか?
何もかもが信じられないここに救いなどあるのか?

こ、ここで終わるなんて殺生だぁぁぁぁ!

TRPGリプレイ【置】CoC『アレキの心音』 牧志&佐倉 4(終)

「佐倉さん?」
「ァアイィ」

TRPGリプレイ【置】CoC『夢の果てならきみが正しい』 佐倉&牧志 7(終)

「……いてぇ……」
目が覚めたのにうれしくない。かなしい。
「…………おはよう……」

TRPGリプレイ【置】CoC『スペクト・ラム』 佐倉&牧志 4

「や……、めろ……、やめて、死ぬ、死ぬ、から、」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


TRPGリプレイ【置】CoC『晴れのちラプンツェル』 佐倉&牧志 1

「やべぇ……」
「やべぇ? ……やばい」

FF XIV『クリスタル奪還』モーラ&ランドレン 1

「す、すみません、大丈夫です」
「ですが! 一応!!起動方法を確認していただいてもよろしくてよ!?」
「うるせー! わからねーならわからねー、って言いやがれ!」

TRPGリプレイ【置】CoC『満を持して今日も俺は眠れない』 佐倉&牧志 1

「……随分……平和そうな異変だ」