こちらには
『機械仕掛けの街』
ネタバレがあります。

佐倉 光

サマナーで悪魔退治屋。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年なのだが、興味を持った物には危険を顧みずに突っ込んでしまう危うさがある。

牧志とは友人。


牧志 浩太

『地獄はやさしい』の事件に巻き込まれた探索者。それ絡みの割と大きな事情を抱えている。
人並み外れた頭脳を持っている。お人好しで温厚、だが意思は強い好青年。
祖父から夢とともに継いだ工具を持つ。詳細は不明。
佐倉とは友人。




「機械仕掛けの街」
ざっきぃ 様


いつの話?
KP
まず開始前に。
雑談で
「七夕?」
って話が出ていましたが、10/31→七夕まで飛んじゃうと時間経過が速い(もうちょっと学生の二人を見ていたい)ので、時期的には冬くらいかなぁ、という認識で行こうかと思いますが、どうでしょうか?
リアル日程が七夕だった。
佐倉 光
okですよー
SAN値の整合性の問題があるけど、時間を戻すのもまあアリ
KP
万一LOSTすると話がややこしくなっちゃいますが、差し支えなければそれもアリ。
佐倉 光
ああ、LOST。
冬でもokですよ。
KP
ハッピーバースデーの話題が出る出ないのこともありますし、では冬でお願いします。
佐倉 光
はーい
KP
では、改めて。
佐倉 光
そもそもがロストする可能性があるから長編を先にやろうって話だったかな……
KP
そうそう……。

KP
ある冬の日のことだった。
ハロウィンの夜のあの一幕も過ぎて、あなたと牧志浩太はまた、友人として平穏な日常を過ごしている。
紅葉の時期も過ぎ、辺りはすっかり肌寒くなった。
コンビニの前を通りかかれば、もうクリスマスケーキの予約の幟が立っている。
今日は図書館に行った帰りだった。
佐倉 光
「これから時間あるー?」
牧志 浩太
「俺? あるよ。
休日には教習入れてないし」
彼は最近、運転免許を取ろうと教習所に通っているらしい。
後は路上教習の一部と試験を残すばかりなのだとか。
佐倉 光
あの入れ替わり騒動の時に、問題なく運転できるのは知っている。
「飯食おうぜ飯。
俺明日から仕事入れてるからさぁーしばらく忙しくなると思うし」
牧志 浩太
「いいな、勿論。
そうか、仕事か……」
佐倉 光
「最近マジで換金渋くてさぁ……」
牧志 浩太
「言ってたな。
急にレートが下がってきたんだっけ」
佐倉 光
「真面目に働かないと飢え死にするわ。
前は一ヶ月に一回頑張ればって感じだったんだけどなー」
牧志 浩太
「それは困るな。
でも、なんで下がってきたんだろうな? 向こうで何かあったのかな」
佐倉 光
「わっかんね。
悪魔に訊いても埒があかねぇし、こっちの問題じゃないかな」
牧志 浩太
「こっち側か。
また前みたいに何か起きてないといいんだけど」
佐倉 光
「起きてたら起きてたで、分かるとこでやってくれてたらいいんだけどな」
牧志 浩太
「本当にな。
分かる所で起こしてくれれば、佐倉さん達が対処できるし」
佐倉 光
「そうそう。
そんで懐が少しは温かくなるし」
牧志 浩太
「だな」
佐倉 光
南条って野郎の仕業じゃないのか?
ルキフグスがめっちゃがんばってオカネ作ったのかもしんないけど。
KP
頑張り過ぎてレート崩壊!
佐倉 光
「あーもー、景気悪い話はやめやめ」
牧志 浩太
「じゃあ話を変えよう。
何食べる?」
佐倉 光
「そうだなー、駅に向かうときに最初に目についた面白い看板の店、とかどーよ」
牧志 浩太
「いいな! 賛成」
佐倉 光
「前入ったことないとこで!」
牧志 浩太
「だな!」
KP
ではそうですね~~~…… 【幸運】で判定をどうぞ。
その結果、というか、出目がいくつだったかによって何か出ます。
佐倉 光
ふむ?
CCB<=75 【幸運】 (1D100<=75) > 48 > 成功
KP
ふむふむ。
では、あなたは見た事のない創作料理屋を見つけた。
看板を見た所、値段帯も割とお手頃そうだ。
冬の陽はすぐに傾く。
先程まで金色の夕陽に包まれていた街の風景は、もうすっかり暗くなっていた。
佐倉 光
「創作料理か……何が来るか想像できないあたり面白そうだな」
牧志 浩太
「イタリアン創作料理とかじゃなくて、本当にただの創作料理、なんだな。
何が出てくるんだろうな?」
佐倉 光
「価格帯も悪くない、ここでいいか」
牧志 浩太
「そうしようか。
お邪魔しまーす」

KP
あなた達が暖簾をくぐると、カウンターの向こうには店主の代わりに、ブリキでできた一台のロボット ……の被り物をした店主がいた。
「いらっしゃーい。
スチームパンク創作料理ダイナーです」
佐倉 光
「おっと……ユニーク」
牧志 浩太
「えっロボット? って店主さんか、なんかすごいな」
佐倉 光
「スチームパンク? へー、面白いな」
KP
周囲を見回せば店内には歯車やパイプがあしらわれ、テーブルも鈍色のパイプと鉄の板で作られている。
「スチームなので料理はだいたい蒸し物と燻製。
お酒も煙臭いのを揃えました」
佐倉 光
「デスティニーランドの園内にあるよな、こういうの」
牧志 浩太
「ああー、あるな。
ちょっとレトロ風なのも似てる」
佐倉 光
「へー、料理まで拘ってんだ。
面白」
牧志 浩太
「あ、今日は食事だからお酒はいいです。
この燻製盛り合わせもらえますか?」
佐倉 光
「蒸し野菜サラダにチーズとチキン乗ってんのも美味そうだな」
牧志 浩太
「あ、それもいいな。
次それにしよう。
飲み物は炭酸が多いんだな」
KP
「はーい」

佐倉 光
そろそろまともな食事を楽しむようになったかなって……
KP
佐倉さんが食事を楽しむように…… なってる……!
佐倉 光
修羅場じゃなければそういうのもいいなと思うようになってる。
KP
いいですねぇ。
佐倉 光
多分最初は外食って無駄に金はかかるし時間もかかるしって渋い顔したと思うよ。
KP
ですよね。
効率だけを考えれば外食で食事を共にする意味ってないもんな。
佐倉 光
栄養の摂取と時間とお金のコスト【だけ】を見ればね。

佐倉 光
「あ、ジンジャーエールください」
牧志 浩太
「あ、俺も同じので」
KP
「はーい。
ついでにサラダも行っとく?」
佐倉 光
「お願いしまーす」
KP
「まいどー」
運ばれてきた燻製は素直に美味しかった。
蒸し野菜のサラダにオリーブオイルがよく合う。
牧志 浩太
「あ、美味しい」
佐倉 光
「今回は勝利だな」
牧志 浩太
「だな。
後でチラシもらって控えとこう」
佐倉 光
「食べログ爆撃してやろ」
牧志 浩太
「あ、俺も口コミ書いとこ」
佐倉 光
のんびり食事を楽しんで、牧志と馬鹿話をする。
そんな時間も悪くないな、と思えるようになった。
KP
時間はかかるし、効率は悪い。
栄養的にもバランスが取れるとは言い難い。
ただ食事と会話を楽しむ、そんな時間。
佐倉 光
だから仕事終わりに打ち上げで朝マックするのは、まあ嫌いじゃなかったと思うんだよね。
佐倉 光
「誰とどう食うかって重要なんだな、ほんと」
牧志 浩太
「そう思うよ。
食べるの好きなのかってさ、前に話したよな。
たぶん俺は食べるのも好きなんだけど、こういう時間も好きなんだ」
KP
誰と、いつ、どう食べるか、かぁ。
佐倉 光
「そうだな……」
病院で一人ぼそぼそと食べる飯が美味しいはずがなかった。
だからいつしか【食事は楽しくない無駄な時間】になっていたのだ。
KP
ああー……。
効率重視なだけでなく、それも後を引いていたのか。
佐倉 光
とりあえず
「誰とどう食べるかが大事」
って話がしたかったので満足。
KP
いい話が聞けました。
食事シーンを盛ってよかった。
あくまで『病院で一人でぼそぼそ食べる』のが楽しくないだけで、一人で食べることの否定じゃないです。念のため。
佐倉の中のヒト、一人で好き勝手にのんびり食べるのも大好き。
佐倉 光
「まー、無駄なんてものはこの世にはないのかもしんねぇな」
牧志 浩太
「無駄と思えば人生自体壮大な無駄で、無駄と思わなければなんでも無駄じゃない、なんて言うもんな」
佐倉 光
「生きることそのものが無駄なら、何やったっていいよなー……って思ってたよ」
軽いため息をついた。
「やめやめ。
こういう時にだす話題じゃねぇ。
飲み物のお代わりなんにしよっかなー」
牧志 浩太
「飲み物…… なんだこれ。
エンジンオイルってある」
佐倉 光
「エンジンオイルぅ? 酒?」
KP
エンジンオイルに反応した牧志の声を聞きつけ、店主がすかさず答える。
「これ。
エンジンオイル缶に入ったジンです。
缶はネタだけど美味しいよ、一杯だけ飲んでく?」
牧志 浩太
「あ、じゃあ一杯だけ……」
佐倉 光
「面白ぇなー。
店主さん機械好きなんですか?」
KP
「実は好きなのは機械じゃなくて燻製の方でさ。
でも燻製メインのカフェや飲み屋だと普通でしょ。
だからネタに走ったらウケて、お客さんから色々教えてもらってねー。
それで今に至る」
佐倉 光
リアルにないの? この店。
行ってみたいんだけど。
KP
こういう店、あったらKPも通う。
佐倉 光
「へぇー、それでここまでやっちゃうのか。
すっごい『映える』店だと思いますよ」
KP
「イエーイ。
アップしてもいいよ」
佐倉 光
「おっ、それじゃあ写真撮らせてもらいますねー」
エンジンオイル缶持ってる牧志と背景を入れて写真撮っちゃお。
KP
「目の光、何色がいい? スタンダードに赤か緑? モダンに青? それとも白?」
被り物の目の光、切り替え可能らしい。
佐倉 光
お、店主さんも面白い格好してるなら入ってもらって。
KP
ブリキのロボットの被り物ですね。
>店主の格好
佐倉 光
あ、そうだった。
「青いいっすねー、今風」
KP
「じゃあ青でー」
自分も入れる? >写真
佐倉 光
じゃあ折角だから撮るか。
自撮り棒はないから腕伸ばして。
KP
一枚の写真に、牧志とあなた、そして店主と風変わりな店の雰囲気と。
今このひとときが、いっぱいに収められる。
あなた達はそれからしばし、風変わりな店での食事を楽しむだろう。
佐倉 光
自分の写真撮る、なんて発想も多分なかった。
KP
腕を伸ばして写真を撮る姿、最高に青春でいい。

KP
すっかり腹と心が満たされた後、会計を終えてチラシを取ろうとして、牧志が
「あれ?」
と声を上げる。
佐倉 光
「どうした?」
牧志 浩太
「光ってるな、この歯車」
それはチラシの傍らに置かれた小さな歯車だった。
何か仕掛けがあるようには見えないのに、薄っすらと光っているのだ。
不思議そうに、牧志はその歯車を手に取って確認する。
佐倉 光
「蛍光塗料でも塗ってあんのか?」
牧志 浩太
「かもしれないな。
雰囲気が──」
KP
不意に、歯車の光が強くなる。
あっという間にその光は、牧志を包み込んだ。
あなたがいちど瞬きをした、次の瞬間。
佐倉 光
「牧志!?」
KP
牧志が、消えた。
まるで最初からそこになどいなかったかのように、痕跡も残さず、消えた。
佐倉 光
一歩、近づこうとした。
異常を感じて出した手が空を切る。
KP
SANチェック:成功時減少 0失敗時減少 1D3
佐倉 光
CCB<=86 《SANチェック》 (1D100<=86) > 58 > 成功
「牧志!」
彼が消えたところに何か痕跡は残っていないだろうか。
KP
先程の歯車だけが、床に落ちて薄っすらと光を放っていた。
佐倉 光
歯車に触れようとして一瞬躊躇い、《アナライズ》を行う。
KP
COMPは何の結果も返さなかった。
その歯車をアナライズ対象として認識していないようだ。
KP
なお今回、COMPあっても大丈夫です。
佐倉 光
はーい
軽々に《アナライズ》とか叫んでこ
佐倉 光
では、一瞬迷って歯車を手に取る。
KP
不気味に光る歯車をあなたが手に取れば、その光は牧志が手に取った時と同じように強くなる。
光があなたを包み込み、視界が、意識が──白く染まる。
佐倉 光
軽率だったか、と思うが……牧志に何が起きたか知りたかった。

牧志 浩太
「佐倉さん。
佐倉さん」
あなたを呼ぶ牧志の声で、目が覚める。
佐倉 光
「……牧志? 無事か。
ここは」
牧志の姿を確認したら、周囲を警戒。
牧志 浩太
「よかった、起きたんだな。
まずいことになったみたいだ」
KP
警戒して周囲を見回せば、すぐに異変に気づく。
そこは、あなた達が先程までいた店の中ではなかった。
街の中にあなた達はいるようだった。
しかし、あなた達の知る街ではない。
むしろ、工場のプラントのパイプの群れや、そういうものを思い出させるような街だった。
並ぶ家々は錆びた機械でできていて、その家から一定の速度で動く、不気味な人型の機械が出入りを繰り返していた。
硬い床はコンクリートや木といったものではなく、パイプや機械が絡まり合ってできていた。
佐倉 光
「……異界か。
マシンだらけだ」
舌打ち。
TALK通じないヤツだ。
KP
さらに、あなたは決定的におかしな点に気づく。
ぼんやりと薄暗い空には、太陽も、月も、星も見えなかった。
──目の前を蝶が羽ばたいてゆく。
歯車で動く、薄い金属の翅を持つ羽ばたき機械の蝶だった。
二人とも《SANチェック:成功時減少 1失敗時減少 1D3
佐倉 光
CCB<=86 《SANチェック》 (1D100<=86) > 10 > スペシャル
[ 佐倉 光 ] SAN : 86 → 85
牧志 浩太
CCB<=72 《SANチェック》 (1D100<=72) > 99 > 致命的失敗
佐倉 光
おっと
KP
わお。
ハウスルールで《SANチェックファンブルは最大値(3)が減ります。
[ 牧志 浩太 ] SAN : 72 → 69

牧志 浩太
「ああ、そうみたいだ。
俺も目が覚めたらここにいて……。
驚いてたら、佐倉さんが来たんだ」
佐倉 光
「あの歯車がトリガーか……まずいな、俺たちがここに来たときのことを考えると、いくらでも犠牲者は出る」
牧志 浩太
「そうか、あんな風に置かれてたんだ、お客や店主が触ってしまったら……」
佐倉 光
「……まあ、面白い世界だし、しばらく観光するのも悪くねぇかもな」
牧志 浩太
「へ? まあ、確かに襲って来る感じじゃないみたいだけど」
佐倉 光
SANチェック成功してるから割と気楽。
牧志 浩太
「観光はいいけど、脱出方法は確保しときたいな。
さっきの歯車、落ちてないのかな」
佐倉 光
「ただここ、食える物とかなさそうだし、帰る手段は見つけないとな。
そうだな……」
周囲にそれらしき物はある?
「俺、お前が消えた後に落ちてた歯車に触ってここに来たんだよ」
KP
光る歯車はどこにも見つからない。
佐倉 光
「あれ《アナライズ》にも反応なかったし、COMPで探すのも無理そうだな」
牧志 浩太
「そうだったのか。
じゃあ、歯車はあっちに残ってるのか……
こっちにも同じのがないか、気に掛けとこう」
佐倉 光
「店員や客が触る前にあっち戻って処分したいな」
牧志 浩太
「ああ」
KP
あなた達がそんな風に話していると、人型をした機械がギシギシと軋み音をさせながら近づいて来る。
「キカイジカケノマチヘヨウコソ。
ユックリシテイッテクダサイネ」
佐倉 光
「おっ」
牧志 浩太
「……帰るって言った瞬間に襲い掛かってきたりしないよな?」
なぜか耳を手で守りながら言う。
佐倉 光
キッス警戒しとるw
ロボのキッスって痛そう。
KP
ゴツン! 痛そう
佐倉 光
「ああ、ゆっくりしたいのはヤマヤマなんだけど、帰り道が分からないと不安でねー。
ここから【帰る】方法知りません?」
KP
あなたがそう言うと、機械は単調な上下運動で腕らしいものを上下させながら、
「キカイジカケノマチヘヨウコソ。
ユックリシテイッテクダサイネ」
と、繰り返す。
佐倉 光
「ロボットにTALKは通じねーか」
ため息ついて一応《アナライズ》
牧志 浩太
「みたいだな、COMPが対応してれば話せたかもしれないけど」
佐倉 光
「波照間さんなら何とかなったんだろうけどな。
俺ナマモノ専門」
牧志 浩太
「だよな。
あれコマンドを知ってても、COMP側が対応してないと無理みたいだし」
KP
アナライズには反応しなかった。
これは【悪魔】として分類されるものではないようだ。
……そうこうしている間にも、機械は一度後ろへ下がり、また前へ出て来ては、同じ台詞を繰り返す。
ただの機械だ。
佐倉 光
「なんだ、マジでただのマシンだな……悪魔ですらない。
作った奴を探すしかなさそうだな」
牧志 浩太
「同じ動きを繰り返してるみたいだ。
他の人、人? や動物も、よく見るとそうみたいだな」
佐倉 光
「機械仕掛けっつーより、玩具かなんかみたいだ」
牧志 浩太
「何というか……、人形劇みたいだな。
そう、機械っていうか、からくり人形。
あれに似てる」
佐倉 光
「規模すごいアトラクションって感じだな……」
KP
蝶は同じルートで羽ばたきを繰り返し、犬は同じように吠えては戻る。
道端でギターを鳴らす人形も、同じフレーズを繰り返していた。
佐倉 光
「帰り道さえはっきりしてりゃ素直に面白いんだけど。
……まあ、割とすぐに飽きそうかな。
もっとパターンとランダム性を増やして欲しい」
本編見る!
佐倉 光
さてと……《マッパー》でも使ってみるか……役に立つかな?
マッパー
KP
《マッパー》かぁ、《マッパー》って判定必要でしたっけ? 確定成功
(メガテンTRPG)
佐倉 光
《マッパー》は確定ですけど、異次元だし判定〈目星〉とかでも別に構わないんじゃないかな。
普通にNO DATAとかでもいいですし。
KP
なるほど。
じゃあ〈目星〉で判定をどうぞ。
佐倉 光
CCB<=85〈目星〉(1D100<=85) > 18 > 成功
〈目星〉っつーより〈コンピューター〉だったかな。
まあ判定値はいっしょ。
KP
COMPはあなたの操作に反応して周囲をスキャンする。
マップ画像無いので文章で出します、しばらくお待ちを。
佐倉 光
お手数をおかけします。
ダメ元でCOMP活用していくけど、遠慮なく
「NO DATA」
で片付けてくださっていいですよ。
KP
あ、タイミングは違うんですが、元シナリオでもマップちゃんと出てくるので大丈夫です。
KPがトチらぬよう確認にお時間を頂戴していただけです。

佐倉 光
「情報にノイズが多いな……」
KP
しばらく待つと結果が表示された。
現在いる場所からは広場に続く道が伸びている。
広場からは図書館、公園、住宅街に続く道があるようだ。
佐倉 光
ふむふむ。
牧志 浩太
「佐倉さんがCOMP使う所、久しぶりに見た気がするな」
佐倉 光
「そりゃ、基本仕事でしか使わねーし。
使いたいときは基本ねぇし」
地図情報を牧志にも見せる。
KP
瓶の中のラストでは一応あったか、COMP使うシーン。
佐倉 光
一応暴れてましたね。
それでも半年以上前だ。
一年前か?
KP
ですねぇ。
割とAND/HANDからすぐっぽかったから、一年前かな。
牧志 浩太
「確かにここ最近、COMPがない時に限って何かしら巻き込まれてる気がするな」
地図を一緒に覗き込む。
佐倉 光
「図書館かなー。
ここでも役に立つかは分かんねーけど。
ここの【ヒト】たち、まともに話できる気がしねぇしな」
牧志 浩太
「広場を通って図書館かな。
話できる人は…… 見た感じだとみんなこの調子みたいだもんな」
佐倉 光
《悪魔召喚》……しとくか?
していい?
KP
どうぞ。
ただし結果はKPから提示します。
佐倉 光
ですよねー。
でもやっぱりこういう状況で使えるなら真っ先にやると思う。
KP
それはそうなんですよ。
異界ですしね。
佐倉 光
腕輪をタッチして展開。
KP
使い慣れた筆があなたの手元に展開する。
佐倉 光
籠手をかざし、簡略化された召喚陣を描く。
「鬼女・ラミア!」
KP
召喚陣を描こうとすると、COMPが[アクセスエラー]を吐いた。
佐倉 光
「……おっ」
KP
召喚先にアクセスできないようだ。
佐倉 光
「喚べねぇ……魔界にアクセスできない?
マグネタイト残量に問題は……ないよな……」
数値をチェック。
COMPに異常がないかも簡単に捜査。
KP
COMP自体に[アクセスエラー]を除いて異常はない。
牧志 浩太
「駄目か……。
アクセスできないって、通信か何かが遮断されてるのか?」
佐倉 光
「そうかもな……」
牧志 浩太
「普通の異界、って言うのも変だけど、普通の異界じゃないってことなのかな。
異界は魔界とこちらの境だけど、ここは魔界とは繋がってない所にあるとか……?」
佐倉 光
「……」
COMPが使えない時は大体COMP自体の異常であることが多い。
COMP自体に異常がないのに魔界自体に接続できないのは明らかな異変だ。
「ここ、ヤバいかも。
早く脱出した方が良さそうだ」
牧志 浩太
「そうだな、こんなの見た事がない。
道の途中でさっきの歯車を探してみる、それから図書館で情報を探そう。
それくらいしか思いつかないけど」
佐倉 光
「そうだな、まずはそれしかないと思う」
通信もダメだろうな。
一応COMPは展開したままで進もう。
KP
通信も繋がらない。
スマートフォンを確認してみるなら、そちらも圏外だ。
佐倉 光
「くそ、迂闊だったな。
歯車に触る前にみんなに連絡しとくんだった」
佐倉 光
連絡したからってどうこうできるとも思えないし、連絡しとけば良かったな?
KP
確かに? でも牧志がいなくなって思わず飛び込んじゃうのもいいシーンだったと思います。
牧志 浩太
「ごめん、俺も迂闊だったな。
いきなりこんなことになるとは思ってなかった」
佐倉 光
「そりゃ普通、歯車に触ったからってワープはしねーからな」
牧志 浩太
「最近色々ありすぎて、普通ってなんだろうなって偶に思う」
佐倉 光
「普通、ねぇ……俺にも良くわかんねぇや」
手首と指に刻まれた赤いラインを見つめて呟く。
牧志 浩太
「俺も。
デビルバスターやってた時の方が普通と言えば普通だった気がするな、一応入ろうとしなければ異界に入ったりしなかったし。
……佐倉さん?」
佐倉 光
妖精と喋って過ごす病院生活が普通だったとも思えないしな……そもそも俺の人生に普通なんてあったのか?
それでも、この輪がついてからは異常なことが起こりすぎている気はする。
「ああ、何でもないんだ……
まあ幸いここに敵意のある奴はいないのが救いだ。
調べてみようぜ」
歩きながら会話!
シークレットダイス
牧志 浩太
シークレットダイス sCCB<=76〈心理学〉(1D100<=76) > 68 > 成功

牧志 浩太
「……」
佐倉 光
「どうかしたのか?」
牧志 浩太
牧志はあなたのそんな様子を、少し気にしているようだった。
「ん? ああ、なんでもない。
調べてみようか」
佐倉 光
なんでもないっていうときは大体なんでもある。
自覚のあるなしは時によって違うけど。
KP
それ。
>ある

KP
広場に辿り着いた。
円形の広場には鉄片やネジを吹き出す機械の噴水があり、その周囲に商店らしきものが並んでいた。
商店には機械の人々が並び、同じ会話や仕草を繰り返していた。
佐倉 光
「うわ、この噴水うるせぇ。
工場かよ。
そこはせめて機械油にしとけよ。
施設の摩耗ヤバそー」
牧志 浩太
「せめてテープとかにしてほしかったな。
ガチャガチャすごい音だ」
KP
「オヤスイヨー」
そう発する機械が立つ店には果物が売られていた。
よく見てみる?
佐倉 光
おお、見てみるか。
「果物か。
機械仕掛けの林檎……違う、オレンジか?」
そんな小説があったなぁ、と思った。
佐倉 光
正解は『時計仕掛けのオレンジ』である。
KP
それは赤い塗料で塗られた機械の塊だった。
赤く塗られただけのそれを林檎と呼び、機械は客に手渡し、また戻す。
そんな様子を見ていると何かがぶつかった。
それはやはり機械でできた人で、ここはこの機械が通る通路だったらしい。
目は付けられているが回避する機能はないのだろう。
ぎょろりとしたその目は不気味だ。
佐倉 光
「いて……
何だよ、完全にごっこ遊びだな……何のためにあるんだ、ここは」
牧志 浩太
「本当にな。
ここまで来ると大掛かりすぎて、ちょっと気味悪く見えてきた」
■牧志視点
KP
あなたの手元で、ギリ、と金属の軋むような音がした。
ふと、指先に違和感を覚える。
牧志 浩太
何だろう。指先を確認する。
KP
指先を見たあなたは、そこに異様なものを見た。
一瞬……、それが何か、分からなかっただろう。

それは、鉄板を組み合わせて作られた、無骨な銀色の指だ。
どうしてそこに、そんなものがあるのだろう?
不思議に思った直後、あなたは気づく。

それが、あなたの手に繋がっていることに。

SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D4

シークレットダイス
牧志 浩太
シークレットダイス sCCB<=69 《SANチェック》 (1D100<=69) > 72 > 失敗
S1d4 (1D4) > 1

牧志 浩太
[ 牧志 浩太 ] SAN : 69 → 68
「……」
■牧志視点
牧志 浩太
(な……、何だ、これ)指を動かしてみますが、動く?
KP
あなたが指を動かせば、その指はぎこちなく動く。しかし、何かに触れても感覚はない。
指先に感じた違和感は、そこに感覚がないせいなのだと気づいた。
牧志 浩太
それが自分の指だとは思えなかった。
KP
爪先にも、同じような違和感がある。
牧志 浩太
(端の方から、機械になってる? この場所のせいなのか?)
周囲の機械達を見て、自分がああなってしまう恐怖がよぎった。
KP
血の気が引くような思いがしただろう。
牧志 浩太
思わず、変化した手をコートのポケットに突っ込む。
KP
佐倉はあなたが一瞬顔を引きつらせたことに、気づいていないようだった。

■KP視点
KP
まだ自覚はないながら、この時点で既に少し表情の動きが遅くなっており、彼の一瞬の動揺は顔に出ていません。

佐倉 光

顔色悪くなったりしてる?
牧志 浩太
顔色は変わらないが、コートのポケットに両手を突っ込んでいるのが見えた。
佐倉 光
顔色や表情が変わらないようなら、まだそんなに気にしないかも知れないな……
普段そういうアクションとらないなら気にするかも知れないけど。
KP
ふむ、そうですね。
【アイデア】をどうぞ。
佐倉 光
CCB<=85 【アイデア】 (1D100<=85) > 56 > 成功
KP
彼が両手をポケットに突っ込んでいる姿は、あまり見た事がない。
彼は、波照間と似た仕草で、背筋を伸ばして歩く。
彼が弓を扱うからなのか、何かしら両手を使えるようにしていることが多かった。
佐倉 光
「……? 寒い?」
牧志 浩太
「? え、何が?」
佐倉 光
「いや……」
無意識なんだろうか。
不安なだけかも知れない。
寒々しいのは確かだし……
KP
そう思って気にすれば、彼はどこか不安そうに見えた。
落ち着きなく、偶に背を揺らす。
佐倉 光
お? なんか察した方がいいかなぁ。
KP
どちらでも…… OK!
佐倉 光
「何かあったのか?」
牧志 浩太
「あ、ああ。
いや、なんでもない。
ちょっと心細くなって」
佐倉 光
「そうだなー、こんな世界で飢え死になんてぞっとしねぇし。
はやいとこ帰る方法見つけないとな?」
牧志 浩太
「ああ、そうだな。
こんなところで飢え死になんてしたくない」
KP
〈目星〉をどうぞ。
>佐倉さん
佐倉 光
CCB<=85〈目星〉(1D100<=85) > 69 > 成功
KP
気のせいかもしれないが、どこかから見られているような感覚を覚えた……。
佐倉 光
「何かいる!?」
周囲を警戒。
COMPをかまえて《アナライズ》対象を探す。
KP
振り返っても機械しか見当たらない。
《アナライズ》対象も、傍らの牧志と自分自身を除いては見つからない。
佐倉 光
「……くそ。
感じ悪いな……
何者かに見られているような気がした」
牧志 浩太
「そうか……。
佐倉さんがそう言うなら、気のせいじゃないよな。
俺も、気にしてみる。
誰かが見てるなら、そいつはこの機械達とは違って、思惑と意思を持ってるかもしれないってことだ」
佐倉 光
「そういう事になるな……」
周囲の機械の移動経路に入っていないかを確認しつつ、図書館を目指そう。
佐倉 光
牧志君がさっきから不安な顔してる……
こんな顔されてたら〈心理学〉かましたくなってしまうが?
KP
いいんですよ? かましても
佐倉 光
あ、この広場に気になるようなものってあるかな?
KP
広場の隅に地図がある。
《マッパー》で出てきた内容と照合し、あっていることが確認できるだろう。
地図を詳しく見てみる?
佐倉 光
「お、この地図そのまま使えそうだな……補足した方がいいデータは、と」
見てみるよ!
KP
地図を詳しく見ると、住宅街の一部分に丸が付けられた家があることが分かる。
■牧志視点
KP
ぎしり、と肘のあたりで軋み音がした。
牧志 浩太
こっそりと肘に触れて……、指には感覚がないんだったか。
肘を脇腹に触れさせて、質感を確認する。
KP
ひやりとした鉄の、硬い感触がした。
腕に、触れた感覚はない。
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D2

牧志 浩太
CCB<=68 《SANチェック》 (1D100<=68) > 79 > 失敗
[ 牧志 浩太 ] SAN : 68 → 67
■牧志視点
牧志 浩太
(もう、ここまで来てるのか……。まずいな、歩けなくなったりしたら困る。その時は佐倉さんに先に行ってもらうか? でも、何て言えばいい)

佐倉 光
「ふーん? ここ何か特別なところなのかな……」
マーカーを設置。
KP
ぽん。
マーカーが設置された。
■牧志視点
牧志 浩太
(落ち着かない。あの時とは別の意味で、自分が自分じゃなくなっていくようだ)

佐倉 光
「図書館の後でここ行ってみようぜ。
牧志?」
牧志 浩太
「あ……、ああ。
ごめん。
そうだな、行ってみよう」
佐倉 光
さっきから反応がおかしい。
具体的にどう、とはいえないが……
牧志 浩太
反応が一拍、遅れた。
佐倉 光
「牧志? なんか隠してないか?」
牧志 浩太
「いや、俺は何も」
また、不安そうに背を揺すった。
佐倉 光
こう訊かれて、
「隠してるよ」
なんて言う奴はいない。
だが、問われて平然としていられるヤツも多くはない。
その表情や言葉の端端に漏れるものはあるものだ。
もし何かを隠しているなら……
〈心理学〉したいです!
KP
クローズドで振ります! 値いくらでしたっけ
佐倉 光
55
久々のガチな〈心理学〉判定だ。
シークレットダイス
KP
シークレットダイス sCCB<=55 佐倉くん〈心理学〉(1D100<=55) > 44 > 成功

KP
何も。
そう言う時、微かに眼を伏せた。
何か気が引けることをしているかのように。
腕が微かに動いた、ポケットの中を気にしているように。
佐倉 光
不意を突いて腕掴むか。
……【STR】で勝てねーんだよなー
KP
広場には他に気になるものはない。
人形劇じみた機械の賑わいがあるだけだ。
佐倉 光
右腕の輪がわずかに痛んだ気がした。
とうに治った傷なのに。
牧志の態度に何かを思い出した気がした。
「牧志。
隠し事はナシだ。
今は異常事態だ。
何かあるなら言ってくれ。
何か勝手に抱えていると、それが命取りになる可能性がある」
ここまで言って見せてくれないなら引き下がるよ。
牧志 浩太
「……ごめん、そうだな。
余計なプレッシャーになると思ったんだ」
あなたにそう言われ、彼はそれ以上抱え込む事なく、ポケットから手を出す。

彼は手袋などを着けてはいなかった。
直前まで暖かい店内にいたのだ。
そのはずだ。
そのはずなのに、彼の袖から見えたのは異様な色だった。
それは、人間の肌の色ではなく、鈍い銀色だった。
機械の色。
ギシリ、と軋みながら機械の指が鈍く動いた。
佐倉 光
最近、こういう時《SANチェック》来るまで喋らない方がいいよなぁ、と思うのだった。
KP
SANチェック》の結果によっては発狂したりしますもんねぇ。
逆に成功してたら思ったほどダメージないなだったり。
佐倉 光
そうそう、RPの度合いも変わっちゃうから
KP
SANチェック:成功時減少 1失敗時減少 1D4
佐倉 光
CCB<=85 《SANチェック》 (1D100<=85) > 33 > 成功
[ 佐倉 光 ] SAN : 85 → 84
佐倉 光
「お前、それ……どうなってんだ?」
牧志 浩太
「……広場に向かって歩いてる時に、指先と爪先に違和感があったんだ。
見てみたら、指先がこうなっていた」
佐倉 光
慌てて自分の手も確認してみる。
KP
あなたの手は見慣れた肌の色をしていた。
佐倉 光
「なんでお前だけ……?」
牧志 浩太
「分からない。
もしかしたらだけど、俺の方が先にこっちへ来てたから……、とかかもしれない」
佐倉 光
「大した時間差なかっただろ! 俺が来るまでにそんなに時間空いてたのか?」
牧志 浩太
「分からないんだ。
最初だったことに意味があるのかもしれないし。
確証は、ない」
佐倉 光
「ダメだ、移動しながら話そう。
っくそ、観光とか暢気なこと言ってる場合じゃねぇ」
金属の色をしている部分に触れてみよう。
牧志 浩太
金属の色をしている部分に触れると、ひやりとした鉄の温度を感じた。
それに気づくと、彼の両腕の動きがどこかぎこちないことにも気づくことだろう。
佐倉 光
「広がってるのか」
牧志 浩太
「そうみたいだ。
もう、腕まで感覚がない……」
佐倉 光
「冗談じゃ……ねぇぞ」
周囲の【ヒト】を見る。
KP
周囲の【ヒト】たちは錆びついた機械の肌をさらしながら、変わらぬ動きを続けていた。
佐倉 光
ただ機械に置き換わる、ならいい。
良くないけど。
しかし、ここにある【ヒト】のようになる、ということは、それは死ではないのか。
KP
不安そうな生きた横顔と、ぎこちなく動く機械の指先と。
いまの彼はその二つを歪に繋ぎ合わせたように見えた。
佐倉 光
ヒランヤに一瞬触れる。
「走る。
移動辛かったら言ってくれ」
牧志 浩太
「ああ、分かった。
急ごう。
……黙っててごめん、佐倉さん」
佐倉 光
「心配かけたくないって気持ちは分かるけど、情報は力だ。
知っている方がとれる対処も多くなる……なんかあったら隠さずに教えてくれ。
些細なことでもいいから」
牧志 浩太
「そうだよな、そうする。
分かった、何かあったらちゃんと知らせる」
佐倉 光
可及的速やかに図書館に向かおう。

KP
あなた達は図書館へと急ぐ。
佐倉 光
(しかし……こうなったら図書館って判断は正しかったのかどうか……)
(進行スピードから言って、のんびり調べ物をしている暇なんかない……誰かがいることを祈るしかない)
KP
そこには、本を象ったオブジェが飾られていた。
図書館の中へ入ると、錆びた金属の匂いが鼻を衝く。
紙の匂いはしなかった。
佐倉 光
「うわ……なんだこれ」
KP
本を調べるなら、〈図書館〉でロール。
佐倉 光
CCB<=85〈図書館〉(1D100<=85) > 78 > 成功
KP
金属の匂いの正体は、並べられた本だった。
ここでは本さえも機械でできており、紙ではなく鋭い金属のページが並ぶ。
指を切ってしまいそうに思ってひやりとすることだろう。
その中に、一冊だけ紙でできた本を見つけた。
佐倉 光
「……? 紙だ。
外から持ち込まれた物かもしれない」
牧志 浩太
「本当だ。
これだけ紙なんだな。
機械以外の物を久々に見た気がする」
佐倉 光
手に取ってみる。
KP
堅い紙の表紙、紙の軽い手触りはあなたの指を和ませた。
あなたが見慣れている、知っている
「本」
だ。
佐倉 光
知っているものは助けになるだろうか。
縋るように本をパラパラとめくる。
KP
表紙には
「記録」
とだけ、あった。
本を開けば、それは個人の記録のようだった。
最初のうちは、機械作りに対する熱い情熱が書かれた、行ってみればどこか応援したくなるほどの筆致だった。
もっとも今のあなた達に、その個人を応援している暇などない。
パラパラと次をめくる。
佐倉 光
気にはなる内容だ……作り手が綴った物だとすれば、もしかして。
KP
それが途中から変化していく。
やがて情熱は執着へ、そして狂気へと変貌していく。
己の全てを捧げるほどの情熱は、機械であらゆるものを創り上げられるという妄執へ、機械以外のものを拒否する狭窄へと陥ってゆく。

それでも彼は、人間的な感情を持っていたのだろう。
それから離れられなかったのだろう。
彼は己の伴侶を機械で作ろうとした。
佐倉 光
「……ん?」
この気の狂ったような街を作り上げた者が書いたものなのではないか。
そんな気がしていた。
牧志 浩太
「何というか、少し怖いな。
……機械が好きなのはいいんだけど、他のものは要らない、って感じだ」
佐倉 光
「見た目だけ模倣しているって感じだな……」
この男にも、何も見えていなかったのかも知れない。
かつての自分のように。
KP
そして彼は機械仕掛けの妻を創り上げた。
しかし、最後にこんな文があることからすると── 彼はやはり人間だったのだろう。
『理想の妻ができた。
人間のように小言も言わず私に寄り添ってくれる』
『しかしこの物足りなさはなんだろう。
理想的なはずなのだが。
何かが足りない』
『妻に愛されたい。
妻に感情を与えてやりたい。
どうすればいいのだろうか』
佐倉 光
「AI載せるって発想にはならなかったんだな……?」
牧志 浩太
「みたいだな。
この街を作った人だとすれば、ソフトは苦手というか、嫌いだったのか……?」
佐倉 光
ガワ作るのはできても、プログラミングは無理だったか。
「何かが足りないってレベルじゃねぇと思う……」
牧志 浩太
「同感。
……そういえば、爺ちゃんも機械仕掛けの街に迷い込んだことがある、って言ってたな。
機械仕掛けの街がこんなのだとは思わなかったけど……」
佐倉 光
「亡くなったっていう、あの工具の……」
牧志 浩太
「うん。
具体的な話は覚えてないんだけど」
佐倉 光
「機械仕掛けの街がそんなあちこちにあるとも思えないけど、帰ってこられたならその方法を思い出せれば帰れるんじゃねぇのか?」
言いながらも読み進めよう。
牧志 浩太
「爺ちゃんは帰ってきたはずなんだよな。
何か言ってたかな……、うーん……。
だめだ、思い出せない」
KP
記録の最後に、不気味な一文を見つける。
『私に救いの手が述べられた。
おぉ、私の妻よ! 待っていてくれ』
佐倉 光
「救いの手……?」
牧志 浩太
「救いの手……?」
佐倉 光
「『ピュグマリオーン』なら、神様が命を吹き込んでくれるとかそういう……
待っていてくれ、ってことは、こいつが何かをする必要があるってことか……?」
牧志 浩太
「神様か、うーん……。
皇津様みたいな神様ならいいんだけど、あの時のあれこれを思い出すと、あんまりいい予感がしないな」
佐倉 光
「っつか今真逆のことが起きかけている気が」
KP
そこで〈聞き耳〉をどうぞ。
二人とも。
佐倉 光
CCB<=60〈聞き耳〉(1D100<=60) > 41 > 成功
牧志 浩太
CCB<=84〈聞き耳〉(1D100<=84) > 64 > 成功
佐倉 光
佐倉の〈聞き耳〉が仕事をしている!
KP
機械の動作音とは違う、微かな物音を聞いた気がした。
……誰かが、あなた達を見ている。
佐倉 光
音がしたと思われる方に走る。
牧志 浩太
「……!」
彼も同時に走り出そうとして── 転倒する。
「痛てっ……、」
■牧志視点
KP
あなたの脚は太腿から感覚を失っていた。感覚と熱を残しているのは、胴体と頭部だけだった。
牧志 浩太
(思わず言っちゃったけど、痛く、ないな……。変な感じだ)

佐倉 光
一瞬止まろうかと思ったが、物音の主を探す方を優先。
KP
物音の主を探しても、周囲には同じ動きを繰り返す無数の機械しか見当たらなかった。
佐倉 光
「くそ、俺たちを観察している奴がいる」
牧志の所に足早に戻る。
「大丈夫か?」
牧志 浩太
「ごめん、大丈夫だ。
怪我とかはしてない。
……足がうまく動かないんだ」
佐倉 光
「足もか……」
牧志 浩太
彼の脚は腕と同じように、軋みながらぎこちなく動いた。
■牧志視点
KP
意識ははっきりとしているのに、身体が少しずつ冷たく、動きにくくなっていく。
まるで、冷たい鉄の身体の中に閉じ込められていくかのように。

1D4をどうぞ。

牧志 浩太
1d4 (1D4) > 1
■牧志視点
KP
「喜び」。

柔らかな肉の形を保っているはずの顔が、軋んだような気がした。
表情を動かしにくい。そう感じる。
不安に駆られている今のあなたには影響がないかもしれないが、「喜び」の示し方が分からなくなってしまったように感じた。
牧志 浩太
(俺の顔、ちゃんと人間の顔してるかな。佐倉さんが何も言わないってことは、大丈夫だと思うんだけど……。触れても分からないのが、もどかしいな)

佐倉 光
「まずいな。
思ったより時間がない」
牧志 浩太
「そうだな、急がないと。
さっきの奴は、その感じだと結局見つからなかったのか」
佐倉 光
これ牧志の移動力落ちるよなー
「ああ、姿が見えない。
見ているのは俺じゃなくて牧志……なのか?」
牧志 浩太
「不気味だな。
誰かが見てるのはもう確定なのに、捕まらない」
彼の脚はぎこちなく動き、走ることはできそうにない。
佐倉 光
外に出て、荷車みたいなのあったら乗せるか。
見つかるかなぁ。
もしあったとしても乗せて引くにしても走るのは無理だ。
KP
なるほど、広場にならあるかもしれない。
広場で荷車探すなら〈目星〉
佐倉 光
CCB<=85〈目星〉(1D100<=85) > 36 > 成功
KP
丁度いい荷車を見つけた。
機械達は同じ動きを繰り返しており、あなたが荷車を取っても反応することはないだろう。
佐倉 光
一緒に行動すべきか? 自分だけで探索すべきか?
一瞬考えた。
しかし、ここへ来たときのことを考えれば、突然移動してしまう可能性もある……
「牧志、できるだけ歩いて広場に行ってくれ。
先に行って荷車調達してくる」
言い残して走る。
体重、どうなんだろうな……
牧志 浩太
「分かった。
ごめん、あまり遅くなったら俺は置いてってくれ。
危害を加えられることはなさそうだし」
佐倉 光
「万一俺が出先で光る歯車踏んじゃったら困るだろ?
なるべく一緒に行動した方がいい」
牧志 浩太
「……それもそうか。
ごめん、考えてるつもりで全然冷静になれてないな、俺」
佐倉 光
「正直俺にもどっちが正解かわかんねぇよ……」
牧志 浩太
「こうなると、連絡取れるようにトランシーバーでも持った方がいい気がしてきたな」
佐倉 光
「スマホは三台あるんだけどな」
牧志 浩太
「仕事用と、プライベート?」
佐倉 光
「と、捨ててもいい奴」
ネット繋ぐのに使ったり、ハッキングしたり、貸し出すのは大体三台目だ。
「スマホじゃあ、ここで役に立つとは思えないけど」
とにかく荷車を持って行って、牧志をのっけよう。
問題は、俺の体力が持つかどうかだ。
KP
荷車に牧志を乗せるとぎしりと軋んだ。
結構重い。
佐倉 光
重いかぁー。
あまり質のいい荷車じゃなかったみたいだ。
KP
それはそうだ。
ここの機械は軽量化を考慮してくれていない。
牧志の指先は軽量素材でできているようには見えなかった。
幸い、引けないほどではない。
■牧志視点
KP
1D3をどうぞ。

牧志 浩太
1d3 (1D3) > 1
シークレットダイス
KP
シークレットダイス sCCB<=55 (1D100<=55) > 70 > 失敗

■牧志視点
KP
「怒り」。
あなたの顔は不安そうな表情を浮かべたまま、少しずつ動きにくくなっていく。
あなた達をこんな状況に陥れた何者かに対して「怒り」を、佐倉の重荷になる自分自身に対して「怒り」を覚えるのに、
あなたは、それを表情や声に示すことができない。
牧志 浩太
(閉じ込められていくみたいだ)

牧志 浩太
「結構重いよな、脚外して行ければいいんだけど」
佐倉 光
「外しちゃって、元に戻れたときありません、も困るな」
言いながら荷車を引く。
KP
考えてたことは
「いや成人男性サイズで素材コレだし結構重いよなコレ」
でした
佐倉 光
元のシナリオだと普通に歩いて移動なのかなー
KP
普通に歩いて移動ですね。
でも【DEX】にはちゃんとペナルティが入ります。
佐倉 光
動き出しさえすれば楽になるはずだ……!
しかし、体力が、ない……!
KP
力を込めて荷車を引き上げれば、車輪の力でどうにか動き出す。
佐倉 光
「くそ、動力積んでんならプログラム制御しとけよなぁ……!
そしたらハッキングで……何とかっ!」
歩いた方が早そうなら諦めるけどね!
KP
どっちもどっちという感じだが、もし彼が動けなくなるようなことがあれば役に立つかもしれない。
佐倉 光
そうだなー、動けなくなっちゃったら俺一人の力で乗せられる気はしないし
頑張るしかないなー
■牧志視点
牧志 浩太
(動かせる場所に感覚がない。何に、どこに触れているのか分からない。自分の形が分からなくなる。
いや、感覚って何だった? どんなものだった……? 俺は、生きてるのか?)

牧志 浩太
「……まずいな、手足の感覚がないせいか、自分が人間だって実感が消えかけてる」
彼は荷車の上でぽつりと言う。
佐倉 光
「おいおい、馬鹿な事言うな。
お前は人間!」
言ってから、《アナライズ》をしたらどうなるのだろう、と思った。
あまり、考えたくなかった。
牧志 浩太
「胸に触れても温かいか、冷たいかが分からなくてさ。
さっき脚を外して置いていければなんて思ったのも、そういう所だった……」
彼の声が、不安そうに揺れていた。
佐倉 光
「……」
足を止めて、自分の荷物からエネルギーバー出して渡そう。
手が動かないようなら開けて渡す。
「かじってろよ」
牧志 浩太
「あ……、」
それを見て、彼はあなたが言わんとすることを、分かったようだった。
「ありがとう……、貰っとく」
彼はエネルギーバーのパッケージをうまく動かない手でどうにか破り、それを口にする。
■牧志視点
KP
あなたの舌の上に、重たく甘い味が広がった。じんわりと、腹の中が満たされていくような気がする。
それは鮮やかな感覚であり、あなたに柔らかな肉でできた内臓が存在するのだという実感だった。
牧志 浩太
安堵した。同時に、思い出した。これが……感覚。俺は、生きてる。

牧志 浩太
「……重たい味だけど、結構美味しい」
安堵したように、彼は笑った。
佐倉 光
その笑顔を見て、前に向き直り、広場から地図の丸が付けられた家屋へと台車を引く。
一度止まったことでまた力をこめなくてはならなかったが、これはきっと必要なことなのだと思った。
「だろ? 徹夜でもガツンと効くし美味いんだ」
牧志 浩太
「だな。
これは効きそうな味だ。
腹の底にエネルギー突っ込む感じ」
佐倉 光
「な、言い訳のしようもなく人間だろ?」
牧志 浩太
「……そうだな。
ありがとう、佐倉さん。
実感、湧いた」
佐倉 光
「多少手足が堅くなったくらいで変わりゃしない」
牧志 浩太
「だな。
そういえばあの時も、エネルギーバー、分けて食べたっけ。
俺と佐倉さんが最初に、正確に言えば二度目だけど、会った時」
佐倉 光
「一年前か」
手首の痣をちらと見る。
KP
手首の痣はすっかり古傷となって、あなたの腕に赤い跡を残し続けている。
牧志 浩太
「うん。
一年前」
佐倉 光
お前のことを悪魔か何かだと思っていた。
そんな笑い話が、今はできなかった。
「色々あったよな。
結構役にたつんだ、持ってるとさ。
COMPより役に立ってるかも知れないな……」
牧志 浩太
「ああ、色々あった、本当に。
……エネルギーバーなら俺も持っとけるし、持っとこうかな、今度から」
佐倉 光
波照間さんの時に、あちら側へ行きかけた波照間さんに、『絶対にあちら側へ行って欲しくない』と思ったことを思い出す。
もし、牧志がここのヤツらみたいになってしまうくらいなら……
『あちら側』へ行ってしまった方がましかも知れない。
そんなことを思った。
牧志 浩太
「……佐倉さん?」
佐倉 光
「ああくそ、体力。
体力付けないとなぁ!」
シークレットダイス
牧志 浩太
シークレットダイス sCCB<=76〈心理学〉(1D100<=76) > 40 > 成功

牧志 浩太
なんとなく、佐倉さんが何か考えていたような気がしたが、それ以上追及はしなかった。
佐倉 光
できる限り急いで、進む。
KP
あなたは荷車を引き、住宅街へと向かう。
焦りを心に宿しながら。
佐倉 光
アチラもドチラもない。
俺たちは帰るんだ。

KP
というところで、本日は以上!
ありがとうございました!
佐倉 光
ありがとうございましたー!
佐倉 光
最近帰るんだばかり言ってるなぁ。
KP
いろんなところへ飛ばされ過ぎてますからねぇ。
佐倉 光
COMPが動けば、悪魔に運んでもらえるのになぁ……!
KP
尺的には割と短編なので、この感じだとあと1回で終わると思われます。
佐倉 光
ポイント全部回って終了って感じかなー。
KP
あ、必須ではないポイントもあります。
佐倉 光
ただただ進行度が増えちゃうヤツ!!
KP
ヤツ。
佐倉 光
図書館必須じゃなかった気もするしな!
KP
今回は色んな会話ができて楽しかった
佐倉 光
ありがとうございましたー!
食事の話はいつかしようと思っていたから嬉しかったなー
KP
あれは本当にいいこと聞けた 食事を無駄だと考える理由の根幹にあったものとか、佐倉さんの大きな変化とか。
佐倉 光
割と大きな傷になってた過去が、牧志君との行動でだいぶ癒やされているんだよ。
KP
日常を捨てるに至った傷が、牧志との行動で癒されてきて、佐倉さんが【こちら】を向き始めているんですよね。
佐倉 光
だから、牧志が思っている以上に佐倉も牧志に救われているのだ。
KP
互いに救っているし支えているんだなぁ。
逆に牧志と食事の関係は、紅さんとしても、牧志としても
「一緒に食べた食事」
が一番最初に来るなと思いました。
あの一夜に波照間と一緒に食べたおにぎり、あの日に佐倉さんと一緒に食べたエネルギーバー。
佐倉 光
簡素な物でも状況によっちゃ美味しい。
KP
めっちゃお腹空いてる時でしたしね。
佐倉 光
実際COMPより役に立っている気がするよ、エネルギーバー……
牧志 浩太
今回の話を生還できたら持ち物に入れよう、エネルギーバー。

コメント By.佐倉 光
友人と楽しい食事を楽しんだその後に、突然訪れる異界への誘い。
まあちょっとした冒険気分に観光には丁度いいかも……?
今回はなんとCOMP持ち込み! これでやっと悪魔使いとしての実力が発揮される……!?

TRPGリプレイ【置】CoC『合縁奇縁コミュニケイト』牧志&佐倉(終)

で、早く住所教えてくれよ。真っ先に会いに行きたいんだ。

TRPGリプレイ【置】CoC『青に染色』 牧志&佐倉 3

考えてはならない。内容を聞いてはならない。口を閉じていなければならない。理由は分からない。忘れた。もう強迫観念になっている。

TRPGリプレイ【置】 CoC『もぞもぞいう』佐倉(子)&牧志 1

「何だこれ☺☺☺ちょっと面白すぎる☺☺☺」
「☺☺☺って何だよわっかんねぇだろ☺☺☺」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
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PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


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