死にたがり電車
のネタバレがあります。
十分ご注意ください。

こんばんは
六甲 翠
こんばんはー!
KP
すみません遅刻遅刻!
六甲 翠
いえいえ、よろしくお願いします
KP
絵が変わってる!
六甲 翠
直前まで立ち絵が間に合わなくて、ギリギリの変更ですみません
KP
いえいえ! びっくりした。
では、始めさせていただきます、が。
一応注意事項からですね。
六甲 翠
はい。
KP
このシナリオは死に関する描写が一杯出てきます。
割と惨劇です。
また、場合によってはPCの一時的欠損もあり得ます。
KP
乗車されるお客様は、こちらお覚悟の上となりますが、大丈夫ですか?
六甲 翠
問題ありません。
あっ…… 電車内なのを忘れて思いっきり喫煙立ち絵にしてしまいましたが、電車内ではふかしません。
KP
あっ、喫煙はどうかな、問題はないかも?
どうだろう?
ともあれ開始させていただきます!
六甲 翠
よろしくお願いします!
KP
あぁぁぁぁぁ! 一個やろうと思っていた仕込み忘れてた!!!
六甲 翠
なんと!! 気になる
KP
バックグラウンドでやってなんとか間に合うだろうか……?
六甲 翠
あ、でしたら、ちょっと洗濯物に呼ばれているので干してきてもいいですか?
KP
あ、はーい
六甲 翠
5分くらいで戻ります!
ただいまー!
KP
おかえりー
六甲 翠
胴体だけ別コマにするのやってみましたが、いいですねこれ
KP
おっ、いいですよね。
名前が首の所に出ちゃうけど。
六甲 翠
そうなんですよね。それは致し方ないけど、差分(今回は立ち絵がギリギリだったのでないですが)にも対応できるし、これはいい。





死にたがり電車

ごんずい 様 作


KP
まずは、電車に乗ろうとしているあなたの、簡単な自己紹介を。
あなたの立場と、どうして電車に乗ろうとしているか、くらいで結構ですよ。
六甲 翠
俺は、六甲翠。某大学の情報学部に通う大学三年生。21才。
そろそろ研究室選びや……、就活なんかが射程に入ってくる頃で、将来の事を考えるような時期だっていうのに、全然身が入っていない。

そうなったのは、友人を二人も失ってからだ。
死の匂いを残して行方知れずになった小西と、どこか晴れやかな声を残して壊れた海野。
あいつらの夢を見ては、陰鬱な幻がちらつく。それを誤魔化そうと煙草を吸う。そんな日々。

電車に乗ったのは、普通に通学しようと思って、だと思う。
KP
通学か。では朝かな?
六甲 翠
行きなら朝ですし帰りなら夕方かな。どちらでも大丈夫です。
KP
では雰囲気的に夕方にしておこう……
血のように真っ赤な夕暮れがホームを照らしている。
六甲 翠
血のように真っ赤な夕暮れを、ぼんやりと眺めている。
ふと煙草が欲しくなって、電車ってことを思い出した。
KP
あなたはこの駅で乗り換えることになっている。
六甲 翠
殆どいつもの習慣で、何も考えずに足を踏み出す。
KP
ホームに突然冷たい風が吹いたりはしない。
この時間、珍しくホームには人がまばらだった。
このあたりには売店もドリンクコーナーもないためだろうか。
六甲 翠
あ、季節は夏でいいんでしょうか? >納涼
KP
夏で良いですよ。
六甲 翠
珍しく人のまばらなのに、少し珍しいなと感じた。それだけで、それ以上気にすることもない。
人が一杯いると、誰か落ちてしまう想像をしたりするから、まばらで丁度よかった。
KP
少々間延びしたアナウンスか、あなたが乗る電車の到着を告げる。
電車のライトがホームへと滑り込んでくる。
あなたは乗車位置へと一歩進み出た。
すると、背後からやけに心地の良い、どこか楽しげな声がした。
「命は粗末にするものではありませんよ」
六甲 翠
思わず振り返る。
KP
その直後、あなたの身体はホームから線路の上へ投げ出されていた。
背中と腕に衝撃。
轟音と、まばゆいばかりの電車のライトがすぐ目の前に迫っている。
六甲 翠
「──あ、」呆気に取られたような声が出ただけだった。何が起きたか気づく前に、電車のライトが迫る。
KP
その光に飲み込まれるように、あなたの意識は遠のいてゆく。
六甲 翠
海の波の音がした気がした。気のせいだ。

KP
――あなたはなんだか心地の良い、慣れ親しんだ揺れと音に、暗闇の中で意識をゆっくりと浮上させる。
電車の走行音。
あなたは座席に座り、いつものように、居眠りでもしていたかのように目をつむっていたようだ。
ぼんやりした意識をたたき起こすのは強烈な臭気。
鉄臭いにおい。冷たい空気。
六甲 翠
「ん……、」ああ、また夢か。そう思って顔を上げる。
直後に臭気が感覚を叩く。思わず咳き込んだ。
KP
そこには何か、色とりどりのものが散らばっていた。
床を埋め尽くすように、ピンク色のもの、白いもの、黒い毛の束。
それが、かつて人間だったものの破片達であると、あなたはすぐに気付いただろうか。
手足をちぎられたもの。臓物をまき散らしたもの。
首だけのもの、何かでメッタ刺しにされていたもの。
とにかく無残極まりない死体が床にも座席にも、荷物棚に至るまで大量に散らかっている。
この空間で、あなただけが異常だった。
本編見る!
六甲 翠
おおおーーーーーー
プレイ時、蒼武様作の素材を使わせていただいていました。
KP
SANチェック成功時減少 1+1D2失敗時減少 1+1D4
六甲 翠
CCB<=28 《SANチェック》 (1D100<=28) > 61 > 失敗
1+1d4 (1+1D4) > 1+1[1] > 2
[ 六甲 翠 ] SAN : 28 → 26
KP
電車内のスピーカーから、よく通る無機質な声が響く。
KP
「本日は当列車をご利用くださいまして、誠にありがとうございます。
途中、終点までに、3駅を通過致します。」
「お乗り間違えのお客様がいらっしゃいましたら、至急、乗務員にその旨をお伝えくださいますよう、お願いいたします」
テキストと同時にアナウンスが音声で流れた。
六甲 翠
おおお、すごい
六甲 翠
「──あ、」
最近回転の悪い思考は、また、呆気に取られたような声を出させただけだった。
目の前のそれらに現実感がなくて、思考がついていかない。
KP
アナウンスは沈黙し、あとには電車の走る音だけ。
六甲 翠
「あ……、」乗務員。その言葉に、ようやく状況の異常さが、少し、染み込む。
それが人間の死体だとはまだ信じられなくて、見下ろしたところで開かれた眼と目が合ってしまい、少しえづく。
窓と言わず壁と言わず血で「しにたくない」と書かれている。
よく見るなら至る所にその文字はあった。
六甲 翠
最初のシーンの背景が知ってる電車の車内な気がしてメッチャ気になってる
KP
どの会社の物でもないッッ!
六甲 翠
ないッ! 気のせい! 某市営地下鉄でもない!

KP
◆ここから探索となります
死体をよく見てみる?
六甲 翠
見てみます。
KP
〈医学〉はお持ちだろうか。
ないか。
六甲 翠
〈医学〉は無いですね。〈物理学〉ならあるんですが。
KP
そうだな、では〈目星〉をどうぞ。
六甲 翠
CCB<=75 〈目星〉 (1D100<=75) > 17 > 成功
KP
死体は惨憺たる有様で、正視に耐えない。
その多くが異常な状態であることくらいは分かるが……
乗務員へ連絡することのできるボタンがあるのには気がつけた。
電車はかなりの速度で走行しているようだが、外は真の暗闇で何も見えない。
車両には前後に扉がある。どちらにも車両が繋がっているようだ。
また、電車の内装は現代のものに見える。
しかしあなたが知るどの会社のものでもない。
六甲 翠
軽くえづきながら、そのボタンに気がつく。どこを見ても血と肉だらけで、くらくらしてくる。
乗務員へ連絡することのできるボタンを押してみます。
KP
では、この車両全体を埋め尽くす血文字の中、ボタンのすぐ横の文字だけが違うことに気付いた。
『やつらは死に寄ってくる』
ボタンを押すと、スピーカーがプツ、と音を立てた。
繋がったらしい。
六甲 翠
「うっぷ……、乗り、間違えたみたいなんだ。降ろしてください」
喋る度に臭気が身体に入り込んでくる気がする。眩暈をこらえながら言う。
KP
あなたの言葉に被さるようにして、さきほどのアナウンスと同じ声が告げる。
「どうかゆっくりと旅をお楽しみくださいませ……」
あなたの声にはお構いなしに、通話は切れた。
六甲 翠
「あ……、」ボタンに添えた指がずるずると落ちた。
死に……、寄ってくる。
その言葉に、ここにあるこの血と肉の海のようなのが、死、だってことを少しだけ認識する。
ああ、そういえば、死って、こういうのだっけ……。
KP
むせかえるほどの血臭が肺によどんで溜まってゆく。
あなたを塗り替えてゆくかのように。
六甲 翠
肺の中に血が溜まって溺れてしまいそうな錯覚を覚える。
KP
動くものはあなた以外には何一つない。
六甲 翠
死体を避けて、列車の進行方向の車両に向かう。乗務員がいるなら先頭車両だろう。
KP
では、扉の横にある車両表示が見える。
ここは三号車であるようだ。
六甲 翠
隣の車両の様子を連結部越しに確認します。
KP
ドアには大きな窓がある。
ここにも字は書かれているが、向こう側の状況は見える。
扉の向こう、白々とした薄暗い明かりの下、先に続く扉が見える。
まだ先の車両があるようだ。
今までと比べれば比較的綺麗な車両で、座席いっぱいに人が座っているのが見える。
皆一様に深く俯いており顔は見えず、動く様子もない。
六甲 翠
ドアに書かれている字は「死にたくない」ですか?
KP
ですね。
六甲 翠
連結部のドアを開けて、連結部の様子を確認します。向こうの車両へ渡れそうですか?
KP
連結部には問題ない。
……〈聞き耳〉をどうぞ。
六甲 翠
CCB<=25 〈聞き耳〉 (1D100<=25) > 13 > 成功
おお、成功した
KP
頭上で、何か音がしたように思った。
六甲 翠
初期値成功で成長チェックつけても大丈夫ですか?
KP
あ、どうぞー
六甲 翠
ありがとうございます
頭上を確認する。
KP
頭上には連結部を覆うカバーがあるため、上は見えない。
もしかすると天井の上だろうか?
六甲 翠
何だろう、と思いながらそれどころではない。
頭上に気をつけつつ、向こうの車両へ渡ります。
KP
扉が開く。
座席はうつむいた人で埋め尽くされている。
その性別、年齢、職業は様々で、とくに統一感などはない。
床や乗客の服には血がついている所もあるように見える。
六甲 翠
車内の様子が見えた。人が、いる。座席に座っている。
喘ぐように、血塗れの空気から逃れたくて、向こうの空気を求める。
KP
幾分その車両の空気は血臭が薄い。
今までと比べれば清浄と錯覚するほどだ。
六甲 翠
大きく喘ぐように息を吐いて、吸う。
座席に座る俯いた人々の中に、友人の顔を見たような錯覚を覚えて首を振った。
KP
皆顔を伏せているが……覗いてみる?
六甲 翠
お、覗いてみます。
KP
あなたの友人に年格好が似ていると思われる青年が、入ってすぐの所に座っていた。
のぞき込んでみるならば、その顔が青ざめ、胸元に血がべったりついているのに気付くだろう。
首のところが大きく切り裂かれているためだ。
無惨な切り傷から、ピンク色の肉片が覗いていた。
それが舌である、と、気付くほどに正視することができただろうか……
KP
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D2
六甲 翠
CCB<=26 《SANチェック》 (1D100<=26) > 55 > 失敗
1d2 (1D2) > 1
[ 六甲 翠 ] SAN : 26 → 25
KP
幸い……というべきか。
彼はあなたの友人とは似ても似つかない。
六甲 翠
「──っ、」
背格好と、髪型も似ていた。そいつが小西に見えて、目を擦る。
違う。あいつの死に様なんか見ていない。こんな風に死んだり……、しなかった。

きっと。それでも、あいつがそんな風に死ぬ姿が頭の裏をちらついて、消えなかった。
KP
傷から飛び出す舌に気付いて、それについて考えるならば〈歴史〉〈オカルト〉で判定。
六甲 翠
CCB<=20 〈歴史〉 (1D100<=20) > 89 > 失敗
それどころじゃなかった。
KP
それどころではないな……
周囲の人間全てが同様に首を切り裂かれ、そこから舌を引き出されているのに気付くだろう。
誰一人として生きている者はいない……ように思える。
六甲 翠
ここにも、死しかない。そのことに気づいてしまった。
首が痛む気がして、自分の首を押さえた。
周囲の様子を確認してみますが、先程あったような文字などはありますか?
KP
文字はこの車両にも書かれている……
〈目星〉どうぞ。
六甲 翠
CCB<=75 〈目星〉 (1D100<=75) > 83 > 失敗
ああっと
友人の幻を見てしまったせいで、色々とそれどころではない……。
KP
席を埋め尽くす人々のなか、一つだけ席が空席であることに気がついた。
そこには血がべったりとついており、そこから何かを引きずったかのような血の跡がある。
その席の隣に幼稚園くらいの小さな女の子が俯いて座っている。
血の跡が続いている、おそらく先頭車両であろう車両へ続く扉の窓は真っ赤に染まっており、中を伺い見ることはできない。
六甲 翠
血の跡はどこへ向かって続いていますか? 先頭車両?
KP
先頭車両ですね。
今は扉が閉っているので、向こう側は見えません。
六甲 翠
他にそういう小さな子供の姿はありますか?
KP
いいえ、その子供だけです。
六甲 翠
一人だけ子供がいるのに周囲から浮いた感じを覚えて、その子供の顔を見てみます。
KP
かすかな呼吸が聞こえた。
少女はこの凄惨な状況の中、寝息を立てていた。
服は薄汚れているが、他の乗客のように首元が汚れてはいない。
袖周り、首元など、長く洗濯されていないのではないだろうかと思えるような状態だ。
血は、おそらく彼女自身のものはついていない。
隣の血が少しスカートについている程度だ。
六甲 翠
「え……、生きてるのか」
初めて、生きている人間に出会った気がする。起こそうかと考えて……。少し迷う。
こんな凄惨な様子なんて、見せてしまってもいいのか。
KP
顔をのぞき込んだなら、その両目から尋常ではない血が垂れており、瞼が変に平たいのが分かる。
六甲 翠
「(潰れてる、のか?)」
生きている人間の眼が潰れている。そう認識して、よりいっそう凄惨に感じられた。
死んでる、殺されてる、よりも、生きて眼を潰されている方が、どうしてか酷い行為のように感じた。
少女
「ん……
あれ……」
KP
少女が息を漏らした。
六甲 翠
「あ……、ごめん、起こしたか」
流れている血を止めようと、ハンカチか何かを持っていれば少女の眼に当てます。
少女
「お姉ちゃん?」
KP
少女は目がそんな状態であるにもかかわらず、眠そうに目のあたりをゴシゴシとこすった。
見るだに痛みで背筋が凍るような状況だったが、少女は意に介する様子もなく欠伸をした。
あなたがハンカチを当てると、それを受け取ってゴシゴシ拭こうとする。
少女
「んー?
もうついたの?」
六甲 翠
「あ……、あんまり強く擦らない方がいいよ、怪我してるみたいだ」
少女
「けが? ううん、してないよ?
あ、でもまだこことここいたいの」
彼女は腕とお腹を指す。
六甲 翠
「そうか。なら、よかったけど」
少女の腕と腹の辺りを見てみます。
少女
「でもね、足はもう痛くないの」
KP
彼女の体には痛々しい痣が見える。
彼女が指したところには特に新しい、黄色く変色した打撲痕がある。
少女
「おねえちゃんは? だいじょうぶ?」
六甲 翠
「ごめんな、知らないんだ。お姉ちゃんも、この電車に乗ってるのか?」
少女
「へんなの、おねえちゃんはおねえちゃんじゃない。なんかのごっこ遊び?」
KP
少女はくすりと笑った。
六甲 翠
周囲の乗客を確認してみますが、少女に顔の似た乗客はいますか?
KP
周囲の乗客の様子をよく観察してみる?
六甲 翠
観察してみます。
KP
では、やはり周囲の人々が同様に異常な方法で殺害されているのは分かる。
彼女と似た顔の人物は見当たらない……正直、皆苦悶の表情であるため似ているかどうかなど良くわからないのだが……
一人の女子高生らしい少女が、可愛らしい便箋を持っているのに気がついた。
六甲 翠
少女と似た顔の姉を探して、乗客の顔を覗き込んでいく。
……苦悶の表情を見過ぎて、頭の奥が痺れてきそうだ。
状況に不似合いな便箋に目が吸い寄せられる。
KP
彼女は手紙を見ながら絶命したのだろうか。
文面が一部読める。
便箋は血で汚れてほとんど読めないが、大まかな内容としては誰かを必死に励ましているように思える。
手紙の最後には「死ぬとか簡単に言っちゃダメだよ」と書いてあった。
【アイデア】〈目星〉を。
六甲 翠
CCB<=75 〈目星〉 (1D100<=75) > 41 > 成功
「……死ぬとか簡単に言っちゃダメ、か」
覚悟して言うならいいのかな。そんな事を思った。
KP
〈聞き耳〉をどうぞ。
六甲 翠
CCB<=25 〈聞き耳〉 (1D100<=25) > 93 > 失敗
無理!
便箋の裏側を覗いてみますが、何か書かれていたりはしない?
少女
「……」
KP
少女が怯えたような声を上げて立ち上がった。
両手を広げ、誰かを探すように彷徨わせる。
少女
「おねえちゃん、怖い。どこ、置いてかないで。
こわい、なにかいるよ……」
六甲 翠
「あ、」思わず少女の所に戻って、その手を取ってやる。
KP
少女の顔が、窓の方に向けられていた。
六甲 翠
つられて窓の方を見る。
KP
窓の外を、なにかがよぎった。
外は暗闇で、何も見えないのだが、窓硝子に貼り付いて何者かがこちらを見ていた、ような気がした。
少女
「ひとりにしないで、置いていかないで」
KP
少女の震える手があなたの服の裾を掴む。
六甲 翠
思わず息を呑む。ふと少女の手が服の裾を掴んだ感触があって、我に返る。
KP
彼女の腕は細く、棒のようだった。
六甲 翠
「大丈夫……、大丈夫だ。お姉ちゃんじゃないけど、ここにいるよ」
その細い腕を不意に頼りなく思って、少女の手を取る。何かしてやりたかったのか、生の気配に縋りたかったのか分からなかった。
KP
ワリコミがあったため、〈目星〉の結果がまだ出ていないな。
六甲 翠
そういえば。>〈目星〉
KP
そういえば、とふと思った。
今まで調べた死体の多くに、首に痛々しい赤いあざや、手首の傷などがあったのではないだろうか。
また、隣に座っている男のきつく握り締めた手には、「遺書」の文字が見える紙が握りしめられている。
スピーカーからプツ、というノイズ。
KP
「ただいま カバネ を通過いたしました」
六甲 翠
「……」思わず息を潜めてしまう。
アナウンスのくぐもった声が恐ろしく聞こえた。
少女の手を取ってやりつつ、「遺書」を見てみます。
KP
仕事に失敗した、借金に追われ、家族が離散した、もう生きて行く希望がない……そういったことが書かれている。
少女
「おねえちゃん、まだ着かないのかな?」
六甲 翠
「ああ、まだ着かないみたいだ。どこへ行くつもりだったんだ?」
少女を安心させるように声を出してやって……、
少女
「とおくとおく、って、どこ?」
六甲 翠
その言葉に少し息を呑む。

少し嫌な予感がした。
少女
「ううん、しらないよ。だっておねえちゃんじゃない……
電車に乗って、おとうさんにみつからないところへ行こう、っていったの」
KP
少女は小首をかしげた。
彼女の状態についてよく調べたいなら、
精神については〈精神分析〉
肉体については〈医学・応急手当〉
六甲 翠
ない! ないけど振ってみます。
CCB<=1 〈精神分析〉 (1D100<=1) > 45 > 失敗
CCB<=30 〈応急手当〉 (1D100<=30) > 34 > 失敗
やる気はあった。
KP
少女は痩せ衰え、その年齢にしては軽く小さい。
ということは分かるだろう。
また、彼女のポケットから白い紙が飛び出している。
六甲 翠
「そうか……」
二人して死ぬつもりだった、とかではなく、逃げるつもりだったのだろうか。それなら少し安心できるように思った。安心? 何が。少女二人だとすれば行く所なんてない。それは気づいていたけど、これ以上死に向かうのはたくさんだった。
「それ、手紙か? ポケットに入ってるやつ」
少女
「ん?
てがみ? 知らない……」
KP
少女は首をかしげた。
六甲 翠
「見てもいいか?」
少女
「うん、でもここ、暗くて何も見えないよ」
KP
少女はつまらなさそうにため息をついた。
六甲 翠
「ああ、真っ暗だな。お兄ちゃんは目がいいから大丈夫だ、頑張れば読める」
少女のポケットから白い紙を出して見てみます。
少女
「また、男の人の真似してる。
男の子みたいに強くなりたいっていってたもんね? おねえちゃん」
KP
紙には、幼いが力強い字で、哀しい決意が綴られていた。
もう父の暴力に耐えられないこと、母の迎えを待っていられないこと、なにも知らせずに妹を巻き込んでしまうのはつらいけど、あんな奴のところには残しておけないこと。
そして母と妹への精一杯の謝罪……
六甲 翠
「…………生きようとしたんだな」その決意は、いっそ眩しいように見えた。全力で生きようと……、生きようとした姿に、少し、動画の中の迅を思い出した。

きっとあいつも生きようとしていた。
少女
「読めるの? こんなまっくらなのに?」
六甲 翠
「ああ、なんとか読めた。これ……、返すよ」少女のポケットに手紙を返してやる。
少女
「うん……」
KP
少女はあなたの服の裾を掴んだまま、離そうとしない。
彼女が座っていた席の隣、血の跡はまだ新しく、隣の車両へと続いている。
六甲 翠
すこし、ためらった。重く感じる口を開く。
「電車を……、乗り間違えたんだ。降ろしてもらいに、運転士さんの所まで行こうと思う。
一緒に、来るか?」
少女を連れていってどうするのかは分からなかった。それでも置いていきたくなかった。
少女
「まちがえちゃったの? おねえちゃんドジだなぁー」
KP
少女はあなたを「みあげて」くる。
その顔に少しだけ笑顔が浮かんでいた。
少女
「いっしょにいくよ。おいてっちゃやだよ。
だって、ひとりになったら、また捕まっちゃうかも知れないもん……」
六甲 翠
「ああ、置いていかないよ。……捕まっちゃう?
何に捕まったんだ?」
少女
「いたいの、もういやだよ……」
KP
少女はぶるっと身を震わせた。
少女
「おとうさん、こわい」
KP
無意識なのか、先ほど痛い、と言った腹に触れる。
少女
「帰ったらまたぶたれるのかな……おねえちゃんはだいじょうぶ?」
六甲 翠
「……っ、ごめんな。俺は大丈夫だよ。どこも痛くない」
少女
「そっか、よかった」
六甲 翠
「行こうか」
こちらを、【お姉ちゃん】を案じる姿に胸が痛んだ。
意識的に話をそらして、少女の手を引く。
KP
少女はおとなしくあなたに従う。
どことなく嬉しそうだ。
小さな手は生命のぬくもりをあなたの掌に伝える。
六甲 翠
「……」

六甲 翠
先頭車両へ続く扉を確認してみます。
赤く染めているものを削れそうなら削ってみようと試みます。
KP
扉に近づくと……〈聞き耳〉をどうぞ。
六甲 翠
CCB<=25 〈聞き耳〉 (1D100<=25) > 56 > 失敗
無理!
KP
ふむふむ
KP
悲鳴が聞こえた。
少女の悲鳴だ。
声は長く響き、そして急激に遠ざかる。
少女
「おねえちゃんの……こえ?」
KP
少女は不思議そうに呟いた。
六甲 翠
「!」
KP
扉の向こうは静かになった。
六甲 翠
「……、」何か言おうとして言葉が出なかった。
KP
削る?
六甲 翠
削ってみます。
KP
では、爪でこびりついた血を削る。
ほんの僅かだが、向こう側が見えるだろう。
車内はやはり血塗られており、遺体が散乱している。
ひとつの窓は窓枠が無惨にひしゃげており、その前には巨大な何かが座って、なにか棒状の物を弄んでいた。
人の身長を優に超える、ヒキガエルのような何か。
それを認識した瞬間、あなたの心に未知への恐怖が押し寄せる。
SANチェック成功時減少 0 / 失敗時減少 1D8》
六甲 翠
CCB<=25 《SANチェック》 (1D100<=25) > 78 > 失敗
1d8 (1D8) > 1
[ 六甲 翠 ] SAN : 25 → 24
KP

つよい
六甲 翠
「あ、ああ……、」
声が乾いた。「理解できない」という原始的な恐怖が心を染め、少女の手を引いている手が震えてしまう。
それでも意外と取り乱さずに済んだのは、そこに少女の手を引いていたからだろうか。
弄んでいたものが何かは分かりますか?
KP
ちょっと窓越しでは良くわからない。
あなたの緊張を感じてか、のぞみは一言も漏らすことなく震えている。
『どうしたの』
そう訊きたそうに少女の息が震えている。
六甲 翠
「ごめん……、な、何でもない、あっちにはこわいものがいるみたいだ、戻ろう」声が渇いて、あからさまに震えていた。
KP
少女はコクリと頷いた。
六甲 翠
少女を怯えさせまいと平静を装う、余裕はない。窓の向こうから目を逸らした。
車両番号などがあれば見てみますが、ここは何号車ですか?
KP
ここは二号車で、化け物がいた車両は一号車だ。
扉からは離れる?
六甲 翠
離れます。
KP
あなたのただならぬ様子に、少女は先ほどよりも強く服の裾を握って、あなたの足に貼り付いている。
その身長は、あなたの腰までもない。
身長
KP
と、思ったけど、身長どれくらいだろう?
さすがに腰くらいまではあるだろうか……
六甲 翠
六甲くん165cmなので、さすがにもう少しありそう
少女
発育不良の五才女児……でもさすがに腰まではあるか。
六甲 翠
5才! 結構小さかった 困った時の成長曲線を見たところ、平均で110cmくらい、-3SDで100cm弱らしいので、ギリ腰まではあるくらい……?
少女
90センチ程度?
六甲 翠
かな?
少女
想像はつくと思うけど、かるーいよ。
六甲 翠
ですよねぇ。

六甲 翠
「ごめんな……、怖がらせたよな。ちょっとびっくりしたんだ。それだけだよ。大丈夫」
少女
「ううん、ちょっぴり、びっくりした、だけ……
おねえちゃんがいるから、へいき……」
六甲 翠
「そうか、よかった……。あっちには怖いものがいたから、戻ろうか……」
少女
「うん」
KP
少女はこくんと素直に頷いて、あなたについて歩く。
ここは物言わぬ死者が並ぶ二号車。どこへ行こうか。
六甲 翠
服が煙草臭くないかとか、そんなどうでもいいことが少し気になった。
KP
それ丁度訊こうかと思っていたところで……
少女
「おねえちゃん、なんか、おとうさんみたいなにおいがする……」
KP
少女がぽそりと呟いた。
六甲 翠
「ごめんな、臭かったよな。もう大丈夫だよ」
上着を脱いでどこかに置いて、煙草くささを減らそうとします。
KP
少女は無言で首を振ったが、あなたが上着を脱ぐなら、さっきよりもぴったりとはりついてくる。
顔をあなたの腹のあたりに埋め、なんだか嬉しそうだ。
少女
「おねえちゃん、おおきくなった?」
六甲 翠
「ああ、大きくなったよ」
少女
「はやくおおきくなりたいなって言ってたもんねぇ。
のぞみもね、早く大きくなりたいの。
おおきくなって、お母さんに会いに行くんだ」
六甲 翠
「すぐに大きくなるよ。そうしたら、会いに行こうな」
何の意味もない気休めだとは分かっていた。でもここで、この子をせめて安心させてやりたかった。
KP
あなたの言葉に、少女……のぞみはにっこりと微笑んだ。
あなたへの全幅の信頼が伝わってくる。
六甲 翠
「……行こうか」
少女の手を引き、反対側の車両へ向かう。
その合間にふと、電車の窓が目に入った。
電車の窓に自分の顔を映してみますが、首などに異変はありませんか?
KP
あなたの顔が、ぼんやりとした明かりの中に浮かび上がっている。
その首に傷などはない。
無論、のぞみの首にもそれらしきものはない。
六甲 翠
さっきから無意識に詰めていた息を、ふ、と吐く。
KP
では、最初に目を覚ました車両に戻る、ということでよろしいですね?
六甲 翠
戻ります。
KP
足元に無惨な遺体が散乱する三両目に戻ってきた。
ここは相変わらずむせかえるような血臭だ。
のぞみの足元がおぼつかない。足元を埋め尽くす【残骸】に足を取られてしまうのだ。
六甲 翠
「うっぷ……、」
のぞみ
「おねえちゃん、ここ、くさいよ……」
KP
よろけてあなたにしがみつく。
六甲 翠
「ああ、臭いな、通り抜けてしまおう」
少女を抱き上げて進むことはできますか?
KP
もちろんできる。
のぞみの体は驚くほどに軽い。
抱き上げるなら、あなたの首元にぎゅっと細い腕でしがみつくだろう。
六甲 翠
力を入れすぎないように、安心させるように抱き上げてやりながら、人間だったものの間を進む。
KP
そのまま四両目へ向かいますか?
六甲 翠
四両目に向かう前に、連結部から向こうの様子を見てみます。
KP
こちらも血文字が乱雑に書かれていてよく見えないが、窓越しに向こう側の車内が見える。
どうやら最後尾の車両のようで、奥に乗務員室らしきものが見える。
暗幕が掛かっており、中は見えない。
車両内は比較的散らかっておらず、座席にスーツの男が一人、深く俯いて座っているのが見える。
男の顔は見えない。動く様子もない。
数はかなり少ないものの、死体は転がっているようだ。
扉の向こうから物音は聞こえない……
〈聞き耳〉をどうぞ。
六甲 翠
CCB<=25 〈聞き耳〉 (1D100<=25) > 98 > 致命的失敗
おおっと
KP
あらあら
では、あなたは【聞いてしまう】だろう。
天井の上を、なにかが歩いて行く足音を。
それはあなた方がいる場所の近くをぐるりと歩き、四両目へと向かっていったように思えた。
六甲 翠
「!」
思わず、少女を抱く腕に少し力が籠るだろう。何か……、いる。
KP
だが……それは一体ではない。
何体も、何体も、何者かがいる……
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
六甲 翠
CCB<=24 《SANチェック》 (1D100<=24) > 84 > 失敗
[ 六甲 翠 ] SAN : 24 → 23
KP
意外と狂気に落ちずに踏ん張る!
目茶苦茶頑張ってるよ六甲君……
六甲 翠
このSANで案外頑張ってる!
少女がいるからなのかもしれない。
六甲 翠
先程同じような音が天井から聞こえた時、その音は一両目の方へ向かったように聞こえましたか?
KP
今の感じだと、どこにもかしこにも奴らはいる。
そういえば今までも、至る所でそれを聞いていた。
そんなことに気付いてしまうだろう。
逃げ場など、ない。
六甲 翠
「う……、」思わず呻いた。あれは、何なのか。窓の外にいたのも、同じ連中なのか。考えると薄気味悪くなってくる……。
のぞみ
「おねえちゃん……?
こわいの? だいじょうぶ、のぞみがいるよ。
いっしょにいってあげるから、大丈夫だよ……」
六甲 翠
「あ……、うん。ありがとう、そうだな、大丈夫だよな」

口から滑り出てきた言葉は気休めではなく、本心だった。
ここにこの子がいることで、どれだけのことを考えずに済んでいるだろうか。なけなしの勇気を、どれだけ振り絞れているだろうか。
六甲 翠
四号車へ向かいます。
KP
扉は、微かな抵抗をもって開く……

KP
といったところで本日はここまで。
六甲 翠
ありがとうございました!
欝々とするかと思いきや、結構勇気を振り絞っています。1D8で1出したのにはびっくりした。
KP
ありがとうございました!
いやほんと、びっくりだ。
早々に狂気に落ちてもおかしくないのに。
なんとまだ5しか減ってない!
六甲 翠
1D4+1でも1出してますしね。ガンガン不定に突っ込んでもおかしくないところ、本当に頑張ってる。
KP
がんばれ、【おねえちゃん】……
そしてこんな血みどろシナリオでした。
六甲 翠
【おねえちゃん】、がんばる。
KP
のぞみちゃん儚いから守ってあげてね……
六甲 翠
守ってあげたいですね……。
喫煙のところで「お?」ってなったのはこれだったんですね。なるほどなあ。
KP
ではでは、本日はこのお部屋閉めますね。
二人の未来に幸ありますように……
六甲 翠
はーい、ありがとうございました!

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